発表年:1969年
ez的ジャンル:黒人男女コーラス・グループ
気分は... :withコロナな夏・・・
いよいよ7月ですね。
withコロナな夏はどうなるのか・・・
60年代後半から70年代初めに活躍した黒人男女コーラス・グループThe Friends Of Distinctionのデビュー・アルバム『Grazin'』(1969年)です。
単独CD化が未実現であり、上記ジャケおよびAmazonへのリンクは2ndアルバム『Highly Distinct』(1969年)との2in1CDです。
The Friends Of Distinctionは、元The Hi-Fi'sのメンバーであったFloyd ButlerとHarry Elstonが、Jessica Cleaves、Barbara Jean Loveという2人の女性ヴォーカリストと1968年にL.A.で結成したグループ。
ちなみにThe Hi-Fi'sには、Lamonte McLemore、Marilyn McCooというThe 5th Dimensionのメンバーも在籍していました。
本作『Grazin'』(1969年)でデビューしたグループは、いきなり「Grazing in the Grass」(USチャート第3位、同R&Bチャート第5位)、「Going in Circles」(USチャート第15位、同R&Bチャート第3位)という2曲のヒットを飛ばし、人気を博しました。
その後、『Highly Distinct』(1969年)、『Real Friends』(1970年)、『Whatever』(1970年)、『Friends & People』(1971年)、『Love Can Make It Easier』(1973年)、『Reviviscence - Live to Light Again』(1975年)といったアルバムをリリースしています。
ソウル好きのみならず、ソフトロック好き、フリーソウル好きからの支持も高いグループですね。
そんなグループの魅力が最も凝縮されたアルバムがデビュー・アルバムとなる本作『Grazin'』(1969年)です。
オリジナル・ジャケはこんな感じです。
『Grazin'』(1969年)
アルバムはUSアルバム・チャート第35位、同R&Bアルバム・チャート第10位となっています。
プロデュースはJohn Florez。
レコーディングにはAl Casey(g)、Arthur G. Wright(g)、Max Bennett(b)、Jim Gordon(ds、per)、King Errison(congas)、Gary Coleman(per)、Buddy Childers(tp、flh)、Bud Brisbois(tp)、Plas Johnson(fl、clarinet)、Jim Horn(fl、ts)等のミュージシャンが参加しています。
ハイライトは当然「Grazing in the Grass」ということになりますが、Beatles「And I Love Her」のカヴァー「And I Love Him」、Kenny Rankin作のカヴァー「Peaceful」、Ray Charlesのカヴァー「(A) Sweet Young Thing Like You」、ソフトロックな「Help Yourself (To All of My Lovin')」あたりも個人的にはおススメです。
まずは「Grazing in the Grass」を聴いてみてください!
できればPizzicato Five「Happy Sad」とセットで聴きましょう!
全曲紹介しときやす。
「Grazing in the Grass」
Hugh Masekelaのカヴァー(Philemon Hou/Harry Elston作)。Masekelaのオリジナル(インスト)はアルバム『The Promise of a Future』(1968年)に収録されています。シングルにもなり、USチャート第3位、同R&Bチャート第5位の大ヒットとなったグループの代表曲。爽快ハッピーなポップ・ソウルは聴いているだけでスマイルになりますね。
https://www.youtube.com/watch?v=cjYrski71II
この曲といえば、Pizzicato Five「Happy Sad」の元ネタとしてお馴染みですね。「Happy Sad」大好き人間としては、その意味でも聴き逃せない1曲です。
Pizzicato Five「Happy Sad」
https://www.youtube.com/watch?v=Pyz6jxodGKs
「I've Never Found a Girl (To Love Me Like You Do)」
Eddie Floyd、1968年のヒット曲をカヴァー(Booker T. Jones/Eddie Floyd/Alvertis Isbell作)。ソウル・コーラス・グループらしい1曲に仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=Ss2n6aZcnuw
「I Really Hope You Do」
The Sophisticates、1967年のシングル曲をカヴァー(Anita Poree/Jerry Peters作)。しっとりとしたバラードです。
https://www.youtube.com/watch?v=Z1JAq1N4AM4
Ghostface Killah feat. Masta Killa and Killa Sin「Revenge Is Sweet (The Brown Tape)」、Panacea「Speak-O-Vision」のサンプリング・ソースとなっています。
Ghostface Killah feat. Masta Killa and Killa Sin「Revenge Is Sweet (The Brown Tape)」
https://www.youtube.com/watch?v=cjWNTD3i0g4
「(A) Sweet Young Thing Like You」
Ray Charles、1967年のシングル曲をカヴァー(Big Dee Irwin作)。スウィートなポップ・ソウル感がいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=aHdgtfed7JI
Create & Devastate feat. Masta Ace and Stricklin「The Hitman」のサンプリング・ソースとなっています。
Create & Devastate feat. Masta Ace and Stricklin「The Hitman」
https://www.youtube.com/watch?v=aBL2_tsGuEc
「Going in Circles」
Anita Poree/Jerry Peters作のオリジナル。「Grazing in the Grass」と並ぶグループの代表曲であり、シングルとしてUSチャート第15位、同R&Bチャート第3位のヒットとなりました。「Grazing in the Grass」とは好対照な哀愁バラードです。
https://www.youtube.com/watch?v=vBkYN7wYQFk
The Gap Band、Isaac Hayes、Carolyn Franklin、The Natural Four、Wayne McGhie & the Sounds of Joy、Luther Vandross、Dwight T. Ross、Esther Phillips、Carrie Lucas、Tierra等がカヴァーしています。
また、Hocus Pocus「W0:00」、Ideal J「Attaque Contre Attaque」、Reks「Til Ya Hair Turns Grey」等のサンプリング・ソースとなっています。
The Gap Band「Going in Circles」
https://www.youtube.com/watch?v=meV45IAecW0
Isaac Hayes「Going in Circles」
https://www.youtube.com/watch?v=ocm8M0BvOhI
Carolyn Franklin「Going in Circles」
https://www.youtube.com/watch?v=mwJi9lgERGQ
The Natural Four「Going in Circles」
https://www.youtube.com/watch?v=_j6l2JaWEm0
Wayne McGhie & the Sounds of Joy「Going in Circles」
https://www.youtube.com/watch?v=HYwgxw0VwUk
Luther Vandross「Going in Circles」
https://www.youtube.com/watch?v=BxlYSV2dMY8
Dwight T. Ross「Going in Circles」
https://www.youtube.com/watch?v=rNYOzLnAcNc
Carrie Lucas「Going in Circles」
https://www.youtube.com/watch?v=vWh2_ZSuutI
Tierra「Going in Circles」
https://www.youtube.com/watch?v=mRM1CZTtGOI
Hocus Pocus「W0:00」
https://www.youtube.com/watch?v=mxFpjTM8GXs
Ideal J「Attaque Contre Attaque」
https://www.youtube.com/watch?v=wXDK6Ha1IY0
Reks「Til Ya Hair Turns Grey」
https://www.youtube.com/watch?v=cZDzHuratus
「Eli's Comin」
Three Dog Nightのヒットでも知られるLaura Nyro作品をカヴァー。オリジナルは『Eli And The Thirteenth Confession』(1968年)収録。コーラス・グループとししての実力の高さを存分に示してくれるドラマティックな仕上がりです。
https://www.youtube.com/watch?v=xHqbDz5jigg
Curren$y「Moe Chettah」のサンプリング・ソースとなっています。
Curren$y「Moe Chettah」
https://www.youtube.com/watch?v=m36ET0mQC_c
「Help Yourself (To All of My Lovin')」
ソウル・デュオJames & Bobby Purify、1968年のシングル曲をカヴァー(Scott English/Mark Barkan/Jerry Ross作)。ソフトロック好きの人が気に入りそうな仕上がり。
「Baby I Could Be So Good at Loving You」
男性R&BシンガーClyde McPhatter、1968年のシングルB面曲をカヴァー(Buzz Clifford作)。クラリネットの音色が印象的なコーラス・グループらしい1曲に仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=CSWftqXp2cU
Black Sheep「Forever Luvlee」のサンプリング・ソースとなっています。
Black Sheep「Forever Luvlee」
https://www.youtube.com/watch?v=Fm-ttJ55_mo
「And I Love Him」
Beatles「And I Love Her」のカヴァー(John Lennon/Paul McCartney作)。オリジナルは『A Hard Day's Night』(1964年)に収録されています。オリジナルとは異なる魅力を持ったThe Friends Of Distinctionならではの絶品カヴァーに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=-cSH2Gxv37M
Nas feat. Chrisette Michele「Hope」、Rick Ross feat. Jay-Z「Maybach Music」、Young Chris「Never Die」、Rapsody feat. Raheem DeVaughn and Ab-Soul「Nonfiction」等30トラック以上のサンプリング・ソースとなっています。
Nas feat. Chrisette Michele「Hope」
https://www.youtube.com/watch?v=zrCcIiz5RBA
Rick Ross feat. Jay-Z「Maybach Music」
https://www.youtube.com/watch?v=U8phE-QTaQU
Young Chris「Never Die」
https://www.youtube.com/watch?v=UverNKsE32k
Rapsody feat. Raheem DeVaughn and Ab-Soul「Nonfiction」
https://www.youtube.com/watch?v=hzOCOQhS_6A
「Peaceful」
Georgie FameやHelen Reddyのヒットでも知られるKenny Rankin作品をカヴァー。Kenny Rankinのオリジナルはデビュー・アルバム『Mind Dusters』(1967年)収録。また、人気作『Like a Seed』(1972年)にニュー・アレンジ・ヴァージョンが収録されています。本ヴァージョンは60年代後半らしいラブ&ピース感があっていいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=aqw7pP7e5Pk
「Lonesome Mood」
Roy Porter作。ラストはムーディーなバラードですが、サイケなアクセントをつけているのはこの時代らしいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=mJTb2waNNDA
Talib Kweli feat. Kanye West and Roy Ayers「In the Mood」、Little Brother feat. Dynas「Deeper」等のサンプリング・ソースとなっています。
Talib Kweli feat. Kanye West and Roy Ayers「In the Mood」
https://www.youtube.com/watch?v=_hkEFrQk21Q
Little Brother feat. Dynas「Deeper」
https://www.youtube.com/watch?v=qaVDrrZVmPo
The Friends Of Distinctionの場合、多くのオリジナル・アルバムのCD化未実現なのが残念ですね。