2020年07月05日

Ricardo Richaid『Travesseiro Feliz』

ブラジル第三世代のインダストリアル・トロピカリア☆Ricardo Richaid『Travesseiro Feliz』

発表年:2020年
ez的ジャンル:リオ・オルタナ・ポップ
気分は... :ボルソナーロ政権下のブラジルはどうなってしまうのか・・・

新作ブラジルものからRicardo Richaid『Travesseiro Feliz』です。

RubelAna Frango EletricoGus Levyらと同じくリオのオルタナ・ポップ第三世代アーティストと呼べると思います。

Ricardo Richaidはリオ出身のミュージシャン。

Ricardoの大叔母はアメリカでも人気を博した歌手・女優であった大スターCarmen Miranda。その妹でRicardoの祖母のAurora Mirandaも歌手・女優として活躍していました。

ミュージシャン/エンジニア/プロデューサーとして音楽業界でのキャリアを重ね、2016年にはRicardo Richaid(b、g、vo)、Eduardo Verdeja(ds)、Frederico Santiago(g)、Raquel Dimantas(vo、b、g)という4人で組んだオルタナ・ロック・バンドNituとして、アルバム『Nitu』をネット・リリースしています。

そして、今回ソロ・デビュー・アルバムとなる本作『Travesseiro Feliz』Far Out Recordings からリリースすることとなりました。

プロデュースはRicardo自身。楽曲もすべてRicardoのオリジナルです(共作含む)。

アルバムにはAna Frango EletricoMarcos Suzanoといったアーティストがフィーチャリングされています。また、前述のNituメンバー等がレコーディングに参加しています。

Ricardo本人は、60年代後半のブラジルで一大ムーブメントとなったトロピカリア(トロピカリズモ)の影響を受けつつ、新世代ミュージシャンらしい実験精神も取り入れた自身の音楽をスタイルを「インダストリアル・トロピカリア」と呼んでいるようです。

RubelAna Frango EletricoGus Levyといった他のリオ第三世代アーティストと比較すると、よりオルタナ・ロック色の強い仕上がりとなっています。

エンジニアとしても活動しているだけに音作りへのこだわりを楽しめる1枚に仕上がっています。

全曲紹介しときやす。

「Maracas Enterprise/Frio da Manha」
"インダストリアル・トロピカリア"のスタイルを反映したオープニング。オルタナ・ロックな「Maracas Enterprise」とリオ第三世代らしいサイケ感のある「Frio da Manha」のメドレー。
https://www.youtube.com/watch?v=6KoSROJ6qOE

「VIP Xuxa」
リオ第三世代を象徴する女性アーティストAna Frango Eletricoをフィーチャー。トリップ感覚のオルタナ・ポップ。1分半という儚さもいい感じ。
https://www.youtube.com/watch?v=2hvQjh9JetM

「Largado Nu」
シングルにもなった夢の中を彷徨うオルタナ・ロック。リオ第三世代らしい魅力に溢れています。エフェクトのかかったギターと怪しげなフルートの組み合わせがいい感じです。
https://www.youtube.com/watch?v=ND-02kWlXzg

「Drone」
90年代調のオルタナ・ロック。ドローン、SNSといった現代テクノロジーを皮肉った1曲に仕上がっておます。女性ヴォーカルはCheyenne。
https://www.youtube.com/watch?v=x0csgRyvCCs

「Outra」
Jose Ibarraとエフェクターを使った音遊びといった感じの小曲。
https://www.youtube.com/watch?v=xjBYvaqWmns

「So na Darkzera」
Marcos Suzanoをフィーチャー。女性ヴォーカルはCheyenne。土着サンバ・リズムにロック、フォーク、クラシック、ジャズのエッセンスが融合したオルタナ感たっぷりの1曲に仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=jLdEDVU8iGU

「Formigas」
7歳の娘Ninaと一緒に歌う小曲。
https://www.youtube.com/watch?v=vw26nWnFXqM

「O Velho Cai」
浮遊感のあるオルタナ・ポップ感のある前半から後半はジャズ・ロックに変貌します。ジャズ×ロック×サイケ×ブラジルなオルタナ・ポップで締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=QqYHSNx2BDw

「Ave Apoena」
https://www.youtube.com/watch?v=m3hfiDmRaA8

ご興味がある方はRubel『Casas』(2018年)、Ana Frango Eletrico『Little Electric Chicken Heart』(2019年)、Gus Levy『Magia Magia』(2020年)もチェックを!

Rubel『Casas』(2018年)
カーザス CASAS

Ana Frango Eletrico『Little Electric Chicken Heart』(2019年)


Gus Levy『Magia Magia』(2020年)
posted by ez at 01:14| Comment(0) | 2020年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする