2020年07月09日

Greg Guidry『Over The Line』

ブルーアイド・ソウルなAOR作品☆Greg Guidry『Over The Line』

発表年:1982年
ez的ジャンル:ブルーアイド・ソウル系AOR
気分は... :セルフコンパッション・・・

80年代AOR作品からGreg Guidry『Over The Line』(1982年)です。

Greg Guidry(1954-2003年)はミズーリ州セントルイス出身のシンガー・ソングライター。

ティーンエイジャーの頃にはThe Doobie BrothersMichael McDonaldと同じバンドで活動していたようです。

70年代後半から80年代前半にかけてソングライターとして活躍し、England Dan & John Ford ColeyClimax Blues BandRobbie DupreeExileJohnnie Taylor等に楽曲提供しています。

そんな中でGreg Guidry自身のアルバムとしてリリースしたのが本作『Over The Line』(1982年)です。

その後2ndアルバムも用意していましたが、契約のトラブル等でお蔵入りとなったようです。90年代には殆どその名前を聞かなくなっていたGreg Guidryですが、2000年には幻の2ndアルバム音源やデモを集めたアルバム『Private Session』と真の意味での久々の新作『Soul'd Out』という2枚のアルバムをリリースしましたが、2003年に火災による不慮の事故で逝去してしまいました。

さて本作本作『Over The Line』(1982年)ですが、ブルーアイド・ソウルなAOR作品として再評価されている1枚です。

プロデュースはJohn RyanGreg Guidryも何曲かで共同プロデューサーとしてクレジットされています。

レコーディングにはGreg Guidry(vo、p)以下、David Hungate(b)Gary Lunn,(b)、Larry Crew(b)、James Stroud(ds)、Mark Hammond(ds)、Mike Psanos(ds)、Dann Huff(g)、Phil Naish(p)、Gabriel Katona(syn)、Bobby LaKind(per)、William Page(sax)、David Sanborn(sax)、Muscle Shoals Horns(horns)、Sandy Guidry(vo)等のミュージシャンが参加しています。Greg本人以外ではDann Huffのギターが圧倒的に目立っています。

ヴォーカル良し、曲良し、サウンド良しのAOR指数かなり高い1枚です。個人的には日本人好み(AORファン好み)のメロディ、自然体のGregのソウルフル・ヴォーカル、巧みなヴォーカルワークの相乗効果が本作の魅力だと思います。

シングル・ヒットした「Goin' Down」、2ndシングルにもなった素敵なラブ・バラード「Into My Love」、同じく感動的なラブ・バラード「If Love Doesn't Find Us」、アーバン・ミディアム・グルーヴ「(That's) How Long」Climax Blues Band提供曲のセルフ・カヴァー「Gotta Have More Love」Robbie Dupree提供曲のセルフ・カヴァー「Are You Ready For Love」など充実の全10曲です。

AOR好きの日本人のために作られたような充実の1枚です。

全曲紹介しときやす。

「Goin' Down」
David C. Martin/Greg Guidry作。1stシングルとしてUSチャート第17位のヒットとなったオープニング。都会的サウンドと素敵なヴォーカルワークが調和したAORファン大満足の1曲に仕上がっています。Dann Huffものギター・ソロもグッド!
https://www.youtube.com/watch?v=cKGGxvwyz-4

「(That's) How Long」
David C. Martin/Greg Guidry作。爽快アーバン・サウンドのミディアム・グルーヴ。AOR好きの心をくすぐるヴォーカルワークがいいですね。ここでもDann Huffのロッキン・ギターが目立っています。
https://www.youtube.com/watch?v=u8AvIzDY40w

「Show Me Your Love」
David C. Martin/Greg Guidry作。AORらしい哀愁モードの疾走感がいいですね。ここでもヴォーカルワークの良さで魅力マシマシです。
https://www.youtube.com/watch?v=yuEczY612fw

「If Love Doesn't Find Us」
Jeff Silbar/Greg Guidry作。感動的なラブ・バラード。ナチュラルなソウルフル・ヴォーカルの良さにグッときてしまいます。
https://www.youtube.com/watch?v=grEn9-pFSzU

「Gotta Have More Love」
David C. Martin/Greg Guidry/Jeff Silbar作。Climax Blues Bandへの提供曲のセルフ・カヴァー。Climax Blues Bandヴァージョンはアルバム『Flying The Flag』(1980年)のオープニングを飾っています。ブルーアイド・ソウルらしい雰囲気のミディアムです。ここでもキャッチーなヴォーカルワークとDann Huffものギター・ソロで魅せてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=dQGJDH9HioM

Climax Blues Band「Gotta Have More Love」
 https://www.youtube.com/watch?v=VueHyhrFiZc

「Over The Line」
Eddie Setser/Greg Guidry/Troy Seals作。タイトル曲は少しイナたい曲調ですが、なかなか良い味わいです。David Sanbornのサックスが盛り上げてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=Pb5dRsPuUak

「(I'm) Givin' It Up」
Greg Guidry作。哀愁ミディアム・バラード。80年代前半らしい都会的なサウンド・センスの良さにグッときます。FASHIONSOFT「Can't Take It」のサンプリング・ソースとなっています。
https://www.youtube.com/watch?v=ExLrwyry4YY

「Are You Ready For Love」
Greg Guidry作。Robbie Dupree提供曲のセルフ・カヴァー。Robbie Dupreeヴァージョンはアルバム『Street Corner Heroes』(1981年)収録。Greg のソングライターの非凡さを実感できる1曲。二人だけのアーバン・ナイト感にグッとくるミディアム・バラードです。David Sanbornのサックスも実にいい雰囲気です。
https://www.youtube.com/watch?v=96eA7dCW2hE

Robbie Dupree「Are You Ready For Love」
 https://www.youtube.com/watch?v=vJHNNGpEtZk

「Into My Love」
Greg Guidry作。アルバムからの2ndシングル。女性ヴォーカルはSandy Guidry。AOR好きの心を鷲掴みにする素敵なラブ・バラードです。ラブ・ストーリーの感動的なエンディングにピッタリな仕上がり。
https://www.youtube.com/watch?v=jlF0zoQACck

「Darlin' It's You」
Greg Guidry作。ラストは何処となくSteely Dan調のミディアム・グルーヴで締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=6F32brpNS-U

僕のGreg Guidryへの興味は本作のみですが、他作品も挙げておきます。

『Private Session』(2000年)


『Soul'd Out』(2000年)
posted by ez at 00:01| Comment(0) | 1980年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする