2020年07月17日

Shirley Scott『Soul Song』

Atlantic移籍第一弾アルバム☆Shirley Scott『Soul Song』

発表年:1969年
ez的ジャンル:ジャズ・オルガンの女王
気分は... :ソウルフル時々ブラジル・・・

今回はジャズ・オルガン作品からShirley Scott『Soul Song』(1969年)です。
※レコーデイングは1968年、リリースは1969年

ジャズ・オルガンの女王Shirley Scott(1934-2002年)について、当ブログで紹介したのは以下の4枚。

 『Mucho Mucho』(1960年)
 『Latin Shadows』(1965年)
 『Girl Talk』(1967年)
 『Shirley Scott & The Soul Saxes』(1969年)

本作『Soul Song』は、Atlantic移籍第一弾アルバムとなり、R&Bやポップス、フォークのカヴァー中心の構成です。

プロデュースはJoel Dorn

レコーデイング・メンバーはShirley Scott(org、vo)以下、当時公私のパートナーであったStanley Turrentine(ts)、Eric Gale(g)、Bob Cranshaw(b)、Roland Martinez(b)、Ray Lucas(ds)、Specs Powell(ds)、Bernard Purdie(ds)という面々。

特に夫Stanley Turrentineのテナー・サックスの貢献が目立ちます。

Percy Sledgeの大ヒット曲をカヴァー「When a Man Loves a Woman」The "5" RoyalesのR&Bヒット・カヴァー「Think」Bernard Purdieのドラミングが冴えるタイトル曲「Soul Song」あたりがAtlantic移籍らしいソウル/R&Bテイストの演奏を楽しめます。

個人的には「Mr. Businessman」「Like a Lover」といったブラジリアン・テイストの演奏もお気に入りです。「Like a Lover」ではShirley自身のヴォーカルを聴くこともできます。

Bob Dylanの名曲カヴァー「Blowin' in the Wind」はそうとは気づかない楽しさがあります。

カヴァー・セレクトや分かりやすい演奏などはAtlantic側の意向を反映した部分もあるのでしょうが、それでもShirleyをはじめ、各プレイヤーが演奏を楽しんでいる雰囲気が伝わってくるのが魅力だと思います。

ジャズ好きでなくても聴きやすいソウルフル時々ブラジルな1枚です。

全曲紹介しときやす。

「Think」
The "5" Royales、1957年のR&Bヒットをカヴァー(Lowman Pauling)。James Brown & The Famous Flamesのカヴァーでも知られる曲ですね。Eric Galeのソウルフル・ギターと共にスタートするAtlanticらしいR&Bテイストの演奏です。夫Stanley Turrentineもテナー・サックスで盛り上げてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=914vjmGmWHw

「When a Man Loves a Woman」
Percy Sledge、1966年の大ヒット曲をカヴァー(Calvin Lewis/Andrew Wright)。Atlanticの大ヒット曲をカヴァーさせるのは常道パターンですね。お馴染みの名曲をStanley Turrentineのサックスを中心に、あの雰囲気のままで聴かせる演奏です。
https://www.youtube.com/watch?v=DmIgSO6nDKk

「Mr. Businessman」
Ray Stevens、1968年のシングル曲をカヴァー。カントリー系ポップスだったヒット曲を、Walter Wanderley調のオルガン・ジャズ・サンバで聴かせてくれます。なかなかキャッチーな演奏なのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=1QWBHpn3P0U

「Blowin' in the Wind」
Bob Dylanの名曲「風に吹かれて」をカヴァー。何の予備知識もなければ、この演奏が「風に吹かれて」のカヴァーと気づかない人も多いと思われるブルージーな演奏です。ここでも夫Stanley Turrentineの好サポートが光ります。
https://www.youtube.com/watch?v=OFuGjG8Fb1c

「Soul Song」
Shirley Scott作。タイトル曲は唯一のオリジナル。Bernard Purdieの格好良いドラミングが牽引するソウルフルな演奏です。Shirleyのオルガンも存分に楽しめます。
https://www.youtube.com/watch?v=ZwsuWVb-I2Y

「Like a Lover」
Dori Caymmi/Nelson Motta作「O Cantador」の英語カヴァー(英詞はMarilyn Bergman/Alan Bergman)。
当ブログではSergio Mendes & Brasil'66Stacey KentFlora Purimのカヴァーを紹介済みです。ラストはオルガン、ギター、ドラムのトリオ演奏をバックにShirley自らがヴォーカルを披露してくれます。歌自体はヘタウマ系ですがいい雰囲気のメロウ・ボッサに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=00NiV7r1UqI

Shirley Scottの他作品もチェックを!

Shirley Scott With The Latin Soul Quintet『Mucho Mucho』(1960年)
ムーチョ・ムーチョ

Shirley Scott & Stanley Turrentine『Blue Flames』(1964年)
Blue Flames

『Latin Shadows』(1965年)
ラテン・シャドゥズ

Shirley Scott & Clark Terry『Soul Duo』(1966年)
Soul Duo

『Girl Talk』(1967年)
Girl Talk: Limited by SHIRLEY SCOTT (2015-05-13)

Shirley Scott & The Soul Saxes『Shirley Scott & The Soul Saxes』(1969年)
シャーリー・スコット&ザ・ソウル・サックシーズ

『Something』(1970年)
Something

『Superstition』(1973年)
Superstition
posted by ez at 01:52| Comment(0) | 1960年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする