発表年:1975年
ez的ジャンル:Flying Dutchman系ジャズ・ファンク/ビッグ・バンド・ジャズ
気分は... :キカイダー???
今回はレア・グルーヴ人気の高いジャズ・ファンク作品Oliver Nelson『Skull Session』(1975年)です。
Oliver Nelson(1932-1975年)はUSミズーリ州セントルイス出身のジャズ・サックス/クラリネット奏者、アレンジャー、コンポーザー、バンド・リーダー。
プレイヤーと同時にアレンジャー、コンポーザー、バンド・リーダーとして高い評価を得たミュージシャンであり、映画やTVドラマの音楽も数多く手掛けています。
本作『Skull Session』(1975年)は、Flying Dutchmanからリリースされたレア・グルーヴ人気の高いジャズ・ファンク作品です。同時にでのラスト・レコーディングであり、本作と同じ1975年の10月にNelsonは心臓発作により43歳の若さで急逝してしまいます。
近未来的の人造人間の頭蓋骨をイメージさせるジャケがインパクトありますね。思わずジャケ買いしたくなります。というか、こういうプリントTシャツが欲しいですね。
中身もジャケ・イメージとリンクするシンセサイザーの音色が活躍するトラックが印象的です。
レコーデイング・メンバーはOliver Nelson(as)以下、Bobby Bryant(tp、flh)、Oscar Brashear(tp、flh)、Paul Hubinon(tp)、Buddy Childers(tp)、Grover Mitchell(tb)、Richard Nash(tb)、Chauncey Welsch(tb)、Maurice Spears(bass tb)、Vincent DeRosa(french horn)、Davis Allan Duke(french horn)、Don Waldrop(tuba)、Jerome Richardson(as、ss、clarinet、fl)、Buddy Collette(ts、clarinet、fl)、Bud Shank(ts、as、clarinet、fl)、Billy Perkins(ts、bs、bass clarinet)、John Kelson Jr.(bs、bass clarinet)、Lonnie Liston Smith(el-p)、Mike Wofford(el-p、harpsichord、syn、p)、Laurindo Almeida(g)、Dennis Budimer(el-g)、Lee Ritenour(el-g)、Chuck Domanico(b、el-b)、Shelly Manne(ds、per)、Jimmy Gordon(ds)、Willie Bobo(per)
プロデュースはBob Thiele。
アレンジはOliver Nelson自身。
楽曲もすべてOliver Nelsonのオリジナルです。
シンセを駆使したジャズ・ファンク、Nelsonらしいビッグ・バンド・ジャズ、ボサノヴァなどのメロウ・ジャズという3つのジャズ・ワールドから構成されているアルバムです。
アープ・シンセの響きが印象的なタイトル曲「Skull Session」、コズミック・メロウ・ファンク「Flight for Freedom」の2曲がハイライト。まずはこの2曲をチェックしましょう。
それ以外にLaurindo Almeidaのギターをフィーチャーした哀愁メロウ・ボッサ「Baja Bossa」、ダイナミックなジャズ・ファンク「Dumpy Mama」、日本庭園をモチーフとした「In a Japanese Garden」あたりがおススメです。
電脳スカル・ジャケが気になった方はぜひチェックを!
全曲紹介しときやす。
「Skull Session」
インパクト大のタイトル曲がオープニング。アープ・シンセの不気味な響きがリードするサイケデリックでドープなジャズ・ファンク。馬力のあるグルーヴと近未来の電脳世界を予感させるハイパー・サウンドがサイコーです。
https://www.youtube.com/watch?v=nkWrFdCqrhc
Big Lurch feat. Lil' Keke「Texas Boy」、Leak Bros.「See Thru」、A-Plus feat. JC & Tynitty「Javelin」のサンプリング・ソースとなっています。
Big Lurch feat. Lil' Keke「Texas Boy」
https://www.youtube.com/watch?v=a4EWZNwHgvU
Leak Bros.「See Thru」
https://www.youtube.com/watch?v=7vb32pGcNsA
A-Plus feat. JC & Tynitty「Javelin」
https://www.youtube.com/watch?v=mSwXcxRXIuQ
「Reuben's Rondo」
前曲から一転し、Nelsonらしいビッグ・バンド・ジャズで楽しませてくれます。重厚なホーン・アンサンブルを満喫できます。
https://www.youtube.com/watch?v=oLMcYA31Bj8
「125th St. and 7th Avenue」
この演奏もビッグ・バンドの魅力を伝えてくれるファンキー・ジャズ。Lonnie Liston Smithのエレピがいいアクセントになっています。
https://www.youtube.com/watch?v=ALxkGAfdQ_k
S.Mos「125th St. And 7th Avenue」のサンプリング・ソースとなっています。
S.Mos「125th St. And 7th Avenue」
https://www.youtube.com/watch?v=G0LYH5jnzGo
「One for Duke」
スウィンギーな演奏ですが、Lonnie Liston Smithのエレピが入ることで70年代ならではのスウィンギー・ジャズといった雰囲気になります。
https://www.youtube.com/watch?v=iUkkkDYq3Iw
「Dumpy Mama」
開放的なファンキー・サウンドが心地好いジャズ・ファンク。迷いのないダイナミックな演奏は聴いていてスカっとします。
https://www.youtube.com/watch?v=Ga5ZbDqkV-8
Richard "Groove" Holmesがカヴァーしています。
Richard "Groove" Holmes「Dumpy Mama」
https://www.youtube.com/watch?v=fiKMtmExVUg
「Baja Bossa」
Laurindo Almeidaのギターがフィーチャーされた哀愁メロウ・ボッサ。Lonnie Liston Smithのエレピがいい雰囲気を醸し出します。
https://www.youtube.com/watch?v=hd-tL6UNaEU
Aceyalone「The Guidelines」、DJ Abilities「I Self Divine Exclusive」、Deluxe「Indisposed」のサンプリング・ソースとなっています。
Aceyalone「The Guidelines」
https://www.youtube.com/watch?v=GnsCO0Fxw3A
Deluxe「Indisposed」
https://www.youtube.com/watch?v=iMZg9CPV1y8
「In a Japanese Garden」
タイトルの通り、日本庭園をモチーフとした楽曲。「もののあはれ」が儚く影向する哀愁ムードが"Japanese Garden"らしいのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=WVq9AYAo9is
「Flight for Freedom」
「Skull Session」と並ぶ本作のハイライトはコズミック・メロウ・ファンク。シンセ、ピアノの心地好い響きとそれを切り裂くLee Ritenourの鮮やかなギター・ソロがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=bkhl1j3TnjM
Oliver Nelsonの他作品もチェックを!
『The Blues and the Abstract Truth』(1961年)
Oliver Nelson & His Orchestra『Fantabulous』(1964年)
『More Blues and the Abstract Truth』(1965年)
Oliver Nelson & His Orchestra『The Kennedy Dream』(1967年)
The Three Sounds & the Oliver Nelson Orchestra『Coldwater Flat』(1968年)
『Black, Brown and Beautiful』(1969年)
『Swiss Suite』(1972年)
『Stolen Moments』(1975年)