2020年08月25日

Willie Bobo『A New Dimension』

ムーディー&ファンキー!デュアリティを楽しむ☆Willie Bobo『A New Dimension』
New Dimension (Special Packaging)
発表年:1968年
ez的ジャンル:N.Y.ラテン・ジャズ
気分は... :デュアリティ!

月曜から嵐の1週間を覚悟していましたが、昨日はさまざまな出来事が集中し、心身共に疲労困憊・・・こんなときはラテンな音で活性化しよう!

今回はラテン・パーカッション/ティンバレス奏者Willie Bobo『A New Dimension』(1968年)です。

N.Y.スパニッシュ・ハーレム出身のニューヨリカンWillie Bobo(本名:William Correa)(1934-1983年)に関して、当ブログでこれまで紹介したのは以下の5枚。

 『Bobo's Beat』(1963年)
 『Uno Dos Tres 1-2-3』(1966年)
 『Juicy』(1967年)
 『Bobo Motion』(1967年)
 『Bobo』(1979年)

本作はBobo自身がヴォーカルをとるムーディーなバラードと、本来のBoboらしい躍動するN.Y.ラテンがバランス良く配された1枚です。

プロデュースはEsmond Edwards

レコーディング・メンバーはWillie Bobo(timbales、vo)以下、Jimmy Owens(tp)、Felix Wilkins(fl)、Stan Webb(fl)、Phil Bodner(fl、as)、Kenny Rogers(as、ts)、Sonny Henry(g)、Chuck Rainey(b)、Freddie Waits(ds)、John Rodriguez(bongos、cowbell)、Victor Pantoja(congas)、Osvaldo Martinez(per、cowbell)、Jack Jennings(per、mallets)。

またDon Sebeskyがストリングス・アレンジを手掛けています。

個人的にはムーディーなBoboより、躍動するBoboが聴きたいです。

その意味ではHugh Masekelaのカヴァー「Grazing In The Grass」Eddie Harrisのカヴァー「Sham Time」、アッパーな「Lisa」の3曲がおススメです。

「The Look Of Love」「This Guy's In Love With You」という2曲のBurt Bacharach/Hal David作品カヴァーをはじめとするムーディー・トラックは、Bobo自身がヴォーカルとDon Sebeskyによるストリングスを楽しみましょう。

Willie Boboの音楽のデュアリティを楽しみましょう。

全曲紹介しときやす。

「Psychedelic Blues」
Sonny Henry作。タイトルに偽りアリのオープニング(笑)。全然サイケデリックでもブルースでもない軽快なラテン・ジャズで駆け抜けます。N.Y.ラテンらしい洗練を感じます。
https://www.youtube.com/watch?v=II8dJLLjUvw

「The Look Of Love」
Dusty Springfieldのヒットでお馴染みのBurt Bacharach/Hal David作品(映画007シリーズ『Casino Royal』の主題歌)のカヴァー。当ブログではDelfonicsGimmicksChristopher ScottCharles HullVoices In LatinDorothy Ashbyのカヴァーも紹介済みです。Bobo自身のヴォーカルによるロマンティック・バラードで聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=lsFB93fuNHs

「Grazing In The Grass」
Hugh Masekelaのカヴァー(Philemon Hou作)。Masekelaのオリジナルはアルバム『The Promise of a Future』(1968年)に収録されています。また、少し前に紹介したThe Friends Of Distinctionのカヴァー・ヒットでもお馴染みの曲ですね。僕の一番のお気に入り。ラテン・リズムがよく似合う秀逸カヴァーに仕上がっています。同時期のN.Y.ラテンであれば、Orchestra Harlow「Horsin Up」と繋いで聴きたくなります。
https://www.youtube.com/watch?v=c1HM5KwUVyU
Orchestra Harlow「Horsin Up」
 https://www.youtube.com/watch?v=4apz8X6tCEo

「Quieres Volver」
Jose Feliciano/Nick Jimenez作。オリジナルはアルバム『Sombras... Una Voz, Una Guitarra』(1967年)収録。Bobo自身の甘いヴォーカルを楽しめるムーディーなボレロ。Don Sebeskyの素晴らしいストリングス・アレンジを満喫できます。
https://www.youtube.com/watch?v=eEI1x7jO0kU

「Yellow Days」
Alan Bernstein/Alvarrzo Carrillo作。前曲に続き、この曲もDon Sebeskyの素晴らしいストリングス・アレンジが映えるムーディーな仕上がり。ここでのBoboはヴォーカリストに徹しています。Sonny Henryがメロウなギター・ソロを聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=URmA7EkBWSc

「Lisa」
Sonny Henry作。アッパーかつ洗練されたN.Y.ラテン・サウンドで疾走します。クール&ホットのバランスが絶妙です。
https://www.youtube.com/watch?v=8ir3SKYy5TM

「This Guy's In Love With You」
Herb Alpert & The Tijuana Brassが全米No.1を獲得したBurt Bacharach/Hal David作品をカヴァー。お馴染みの名曲をメロウなラテンで聴かせてくれます。マレットのアクセントがいい感じです。
https://www.youtube.com/watch?v=lAgT8XjCVbg

「Sham Time」
Eddie Harris作品をカヴァー。オリジナルはアルバム『The Electrifying Eddie Harris』(1968年)収録。ラストはイケイケのファンキー・ラテン・ジャズで躍動します。ホーン隊の活躍も聴きどころです。
https://www.youtube.com/watch?v=BtLAqANWwcY

Willie Boboの他作品もチェックを!

『Bobo's Beat』(1963年)
ボボズ・ビート

『Bobo! Do That Thing/Guajira』(1963年)
Do That Thing

『Let's Go Bobo!』(1964年)
レッツ・ゴー・ボボ

『Uno Dos Tres 1-2-3』(1966年)
Uno Dos Tres & Spanish Grease

『Bobo Motion』(1967年)
Bobo Motion (Dig)

『Juicy』(1967年)
Juicy

Willie Bobo & The Bo-Gents『Do What You Want To Do, Tomorrow Is Here』(1971年)
Do What You Want to Do

『Tomorrow Is Here』(1977年)
トゥモロー・イズ・ヒア

『Hell of an Act to Follow/Bobo』(1978/1979年) ※2in1CD
HELL OF AN ACT TO FOLLOW / BOB

『Bobo』(1979年)
ボボ【完全生産限定盤】
posted by ez at 01:18| Comment(0) | 1960年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年08月24日

The Brothers Johnson『Right On Time』

人気曲「Strawberry Letter 23」収録☆The Brothers Johnson『Right On Time』

発表年:1977年
ez的ジャンル:Quincy Jones系ファンク/ソウル/フュージョン
気分は... :二項同体で・・・

今回はファンキー兄弟The Brothers Johnsonの2ndアルバム『Right On Time』(1977年)です。

GeorgeLouisのファンキー兄弟The Brothers Johnsonについて、当ブログでも紹介したのは以下の3枚。
 『Look Out For #1』(1976年)
 『Blam!!』(1978年)
 『Light Up The Night』(1980年)

本作『Right On Time』(1977年)は、US R&BアルバムチャートNo.1となったデビュー・アルバムとなる『Look Out For #1』(1976年)に続く2ndアルバムです。本作もUSアルバム・チャート第13位、同R&Bアルバムチャート第2位のヒットとなりました。

プロデュースはQuincy Jones

レコーディングにはGeorge Johnson(g、vo)、Louis Johnson(b、g、p、syn、vo)、Harvey Mason(ds)、Lee Ritenour(g)、David T. Walker(g)、Dave Grusin(key、syn)、Ian Underwood(key、syn)、Michael Boddicker(key、syn)、Ralph MacDonald(per)、さらにMic Gillette(tb、tp)、Emilio Castillo(ts)、Stephen Kupka(bs)、Lenny Pickett(as)、Greg Adams(tp)というTower of Powerのホーン隊が参加しています。

また、Alex WeirJim GilstrapMortonette JenkinsStephanie SpruillOren WatersAlexandra Brownがバック・コーラスを務めています。

アルバム全体としては、バリバリのファンキー・チューン全開というよりは、ファンキー兄弟のメロウな側面を楽しめる1枚に仕上がっています。

USチャート第5位、同R&Bチャート第1位となった大ヒット・シングル「Strawberry Letter 23」Shuggie Otisのカヴァー)が目立ちますが、涼しげなメロウ・ダンサー「Free Yourself, Be Yourself」、2ndシングルにもなったメロウ・グルーヴ「Runnin' For Your Lovin'」、メリハリの効いたファンキー・メロウ「Never Leave You Lonely」あたりが僕のおススメです。

メロウ・フュージョンな「Q」Dave Grusinとの共演色の強い「Brother Man」といったインスト2曲も楽しめます。

「Strawberry Letter 23」が目立ってしまう1枚ですが、アルバム全体としてもメロウなファンキー兄弟を満喫しましょう。

全曲紹介しときやす。

「Runnin' For Your Lovin'」
George Johnson/Louis Johnson作。アルバムからの2ndシングルがオープニング。爽快ヴォーカルが映える僕好みのメロウ・グルーヴ。Tower of Powerのホーン隊が盛り上げてくれます。Georgeのギターもいい味出しています。
https://www.youtube.com/watch?v=SjjF5VIfbkY

Tim Smooth「Meet Me in Rubenstein」、Total Devastation「Many Clouds of Smoke」、Addis Black Widow「Innocent」のサンプリング・ソースとなっています。
Tim Smooth「Meet Me in Rubenstein」
 https://www.youtube.com/watch?v=mzR4JNwY7Gc
Total Devastation「Many Clouds of Smoke」
 https://www.youtube.com/watch?v=BSx0crB5I5c
Addis Black Widow「Innocent」
 https://www.youtube.com/watch?v=lf8MR-EnSho

「Free Yourself, Be Yourself」
George Johnson/Louis Johnson作。実は僕の一番のお気に入りはコレ。涼しげに疾走するメロウ・ダンサーは聴いているだけで風を感じます。Tower of Powerホーン隊の好サポートもグッド!
https://www.youtube.com/watch?v=O2sSTQYPbW8

Naughty by Nature「Live Then Lay」のサンプリング・ソースとなっています。
Naughty by Nature「Live Then Lay」
 https://www.youtube.com/watch?v=5NWZe2C105o

「Q」
George Johnson/Louis Johnson作。メロウ・フュージョンな魅力を持ったインスト。アルバムの中でいいアクセントになっています。
https://www.youtube.com/watch?v=jm1YGjo2Pek

渡辺香津美&ジェントル・ソウツがカヴァーしています。また、Crown City Rockers「Soul」のサンプリング・ソースとなっています。
渡辺香津美&ジェントル・ソウツ「Q」
 https://www.youtube.com/watch?v=nI7w6hwwit8
Crown City Rockers「Soul」
 https://www.youtube.com/watch?v=Vl0-Rb6IO6A

「Right On Time」
George Johnson/Louis Johnson/Quincy Jones作。開放的なファンキー・グルーヴ。リラックスした演奏を楽します。
https://www.youtube.com/watch?v=jzdSPUNrFdo

「Strawberry Letter 23」
Shuggie Otisのカヴァー曲。シングルとしてUSチャート第5位、同R&Bチャート第1位の大ヒットとなりました。Shuggie Otisのオリジナルは当ブログでも紹介した『Freedom Flight』(1971年)収録。Quincy Jonesの手腕でコンテンポラリー感覚の素敵なメロウに仕上がっています。また、Lee Ritenourがギター・ソロで魅せてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=rquygdjf0d8

Outkast「Ms. Jackson」Kurtis Blow「Still on the Scene」、Shocky Shay「Your Man's Alright」、Negativland「White Rabbit and a Dog Named Gidget」、MC Ant「It Keeps Flowin'」、Silk「Baby It's You」、DJ Quik「Safe & Sound」、Murder Squad feat. Chi-Lites「It's an SCC Thang」、Das EFX「Whut Goes Around」Sy Smith「Broke My Heart」、Eminem feat. Dr. Dre & 50 Cent「Encore/Curtains Down」Quantic feat. Spanky Wilson「Don't Joke With an Hungry Man (Diesler Remix)」、Messy Marv & Mitchy Slick feat. Yukmouth「On the One」、Girl Talk「Oh No」、Justice「Canon」、Big Sean & Metro Boomin「No Hearts, No Love」等80曲以上のサンプリング・ソースとなっています。
Outkast「Ms. Jackson」
 https://www.youtube.com/watch?v=MYxAiK6VnXw
Kurtis Blow「Still on the Scene」
 https://www.youtube.com/watch?v=iq42L2lDg8E
Shocky Shay「Your Man's Alright」
 https://www.youtube.com/watch?v=xZeXEGFrbT4
Negativland「White Rabbit and a Dog Named Gidget」
 https://www.youtube.com/watch?v=ZpvNT2T7H10
MC Ant「It Keeps Flowin'」
 https://www.youtube.com/watch?v=ZZ9zIUpA3ns
Silk「Baby It's You」
 https://www.youtube.com/watch?v=mBxBOqmS0oc
DJ Quik「Safe & Sound」
 https://www.youtube.com/watch?v=HyMTNIQ_hJU
Murder Squad feat. Chi-Lites「It's an SCC Thang」
 https://www.youtube.com/watch?v=PlN1j5JGYFM
Das EFX「Whut Goes Around」
 https://www.youtube.com/watch?v=3AX9aY2YyV4
Sy Smith「Broke My Heart」
 https://www.youtube.com/watch?v=f7WBnUTUhRA
Eminem feat. Dr. Dre & 50 Cent「Encore/Curtains Down」
 https://www.youtube.com/watch?v=KwK9fATcZmI
Quantic feat. Spanky Wilson「Don't Joke With an Hungry Man (Diesler Remix)」
 https://www.youtube.com/watch?v=piGLbUCyjkE
Messy Marv & Mitchy Slick feat. Yukmouth「On the One」
 https://www.youtube.com/watch?v=0Zcw5B_4MWQ
Girl Talk「Oh No」
 https://www.youtube.com/watch?v=4bMM7tGV9MI
Justice「Canon」
 https://www.youtube.com/watch?v=JZ-0IEtHEac
Big Sean & Metro Boomin「No Hearts, No Love」
 https://www.youtube.com/watch?v=93Ea0PJYZtM

「Brother Man」
Dave Grusin/George Johnson/Louis Johnson作。Dave Grusinとの共演色の強いトラック。ギター・カッティングが心地好いファンキー・メロウなインストです。Zero G「Spit on Ya/Applebum (Interlude)」のサンプリング・ソースとなっています。
https://www.youtube.com/watch?v=rKt_BLnfYk4

「Never Leave You Lonely」
Louis Johnson/Peggy Jones/Valerie Johnson作。メリハリの効いたファンキー・メロウ。兄弟のギター&ベースも目立っています。
https://www.youtube.com/watch?v=ougdvefbhio

The Mack Clan「Livin the Life」、Black Moon feat. Sean Price「What Would You Do?」等のサンプリング・ソースとなっています。
The Mack Clan「Livin the Life」
 https://www.youtube.com/watch?v=uAdUhx-qFFM
Black Moon feat. Sean Price「What Would You Do?」
 https://www.youtube.com/watch?v=y11E-bOhT3Q

「Love Is」
George Johnson/Louis Johnson/Peggy Jones/Quincy Jones作。アルバムからの3rdシングルにもなりました。ラストはフォーキー感覚のアコースティック・メロウで締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=bUrBIXKwTRk

The Brothers Johnsonの他作品もチェックを!

『Look Out For #1』(1976年)
ルック・アウト・フォー・No.1

『Blam!!』(1978年)
ブラム!

『Light Up The Night』(1980年)
Light Up the Night

『Winners』(1981年)
Winners

『Out of Control』(1984年)
Out of Control
posted by ez at 01:22| Comment(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年08月23日

Kamaal Williams『Wu Hen』

WuFunkな2ndアルバム☆Kamaal Williams『Wu Hen』

発表年:2020年
ez的ジャンル:南ロンドン新世代ジャズ/ジャズ・ファンク
気分は... :朕兆未萌の自己!

今回は新作アルバムから南ロンドンの注目ジャズ・アーティストの一人、Kamaal Williamsの2ndソロ・アルバム『Wu Hen』です。

南ロンドン、ベッカム出身のプロデューサー/キーボード奏者Kamaal WilliamsHenry Wu)の紹介は、初ソロ・アルバム『The Return』(2018年)です。

ドラマーYussef DayesとのユニットYussef Kamaalのアルバム『Black Focus』(2016年)で注目されるようになったKamaal Williams

Yussef Dayes解散後、自らのレーベルBlack Focus Recordsを設立し、初ソロ・アルバム『The Return』(2018年)をリリースしました。

『The Return』から2年を経た2ndアルバム『Wu Hen』では、自ら"WuFunk"と表現する独自フュージョンを展開しています。勿論、Black Focus Recordsからのリリースです。

レコーディング・メンバーはKamaal Williams(el-p、syn)、Rick James(b)、Greg Paul(ds)、Alina Bzhezhinska(harp)、Quinn Mason(sax)、Miguel Atwood-Ferguson(strings)、Lauren Faith(vo)。

人力ブロークン・ビーツ的な「One More Time」、ストレート・アヘッドな「Pigalle」、9分半近くの大作「Save Me」、ダンサブルなコズミック・ジャズ「Mr. Wu」、国内盤ボーナス・トラックの「3 Yourself」が僕のおススメです。

分かりやすいインパクトがあるわけではありませんが、しっかり聴けば彼の目指す"WuFunk"を楽しめるはずです。

全曲紹介しときやす。

「Street Dreams」
Miguel Atwood-Fergusonアレンジによるストリングスをフィーチャーした幻想的なオープニング。
https://www.youtube.com/watch?v=Y0HwwmXmNC8

「One More Time」
トラックメイカーHenry Wuとしてのセンスも垣間見ることができる人力ブロークン・ビーツ的な演奏です。南ロンドンらしくて大好き!
https://www.youtube.com/watch?v=Q3vJLO0pXWU

「1989」
このタイトルが意味するものは何か。中国系ルーツも持つことをアルバム・タイトルで表明した点も踏まえると、1989年の天安門事件を想起してしまうのは私だけでしょうか。淡々とした中にも静かなる闘志を感じる演奏です。
https://www.youtube.com/watch?v=sDMo2VXGQU4

「Toulouse」
Miguel Atwood-Fergusonのストリングスを効果的に配し、Quinn Masonのサックスがいい雰囲気を醸し出す抒情的な演奏です。
https://www.youtube.com/watch?v=xnx0Iim3Vo8

「Pigalle」
ストレート・アヘッドなジャズで楽しませてくれます。ここでもQuinn Masonのサックスが目立っています。躍動する演奏にはクラブジャズ的な格好良さもあります。
https://www.youtube.com/watch?v=aXIWPsNaJT0

「Big Rick」
ベースで参加のRick Jamesのニックネームを冠したモダンなブルース・ファンク。
https://www.youtube.com/watch?v=OBngyQEqpCE

「Save Me」
9分半近くの大作。淡々とした中にもパワフルな"WuFunk"を感じることができる演奏です。彼の美学が貫かれた演奏なのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=C271I-YRJwE

「Mr. Wu」
ロンドン新世代らしいダンサブルなコズミック・ジャズ。もっと長尺で聴きたいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=aB2pGqdBusw

「Hold On」
Lauren Faithをフィーチャー。Laurenのキュートなヴォーカルが映える幻想的な仕上がりです。
https://www.youtube.com/watch?v=EEz65rhEVs4

「Early Prayer」
本編ラストはKamaal Williamsのキーボード、Quinn Masonのサックスによるビートレスの演奏です。ダンディズムがあります。
https://www.youtube.com/watch?v=dL_K_8luaLc

「3 Yourself」
国内盤ボーナス・トラック。これがかなり良い!トラックメイカーHenry Wu的なエッセンスも織り交ぜたコズミックな演奏です。
https://www.youtube.com/watch?v=ML4CErPv8ZU

Yussef Kamaal『Black Focus』(2016年)
Black Focus [帯解説 / 国内仕様輸入盤CD] (BRBW157)

『The Return』(2018年)
RETURN
posted by ez at 01:10| Comment(0) | 2020年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年08月21日

Ivan Lins『Awa Yio』

世界進出第2弾アルバム☆Ivan Lins『Awa Yio』

発表年:1991年
ez的ジャンル:稀代のメロディ・メイカー系MPB
気分は... :魂への讃歌・・・

今回はMPBの稀代のメロディ・メイカーIvan Lins『Awa Yio』(1991年)です。

MPBを代表する男性シンガー・ソングライターIvan Linsについて、これまで当ブログで紹介したのは以下の4枚。

 『Modo Livre』(1974年)
 『Chama Acesa』(1975年)
 『Somos Todos Iguais Nesta Noite』(1977年)
 『Nos Dias De Hoje』(1978年)
 『Novo Tempo』(1980年)

本作『Awa Yio』(1991年)は、『Love Dance』(1989年)に続くReprise Recordsからの第2弾アルバムであり、『Love Dance』同様にUSミュージシャン中心のワールド・マーケットを意識した1枚。

プロデュースは『Love Dance』と同じくLarry WilliamsStewart Levine

レコーディング・メンバーはIvan Lins(vo、key)、Heitor T. P.(g)、Tony Levin(b)、Vinnie Colaiuta(ds)、Larry Williams(key)、Hugh Masekela(tp)。

楽曲はすべてIvan Lins/Vitor Martin作。

ブラジル色と本作参加メンバーならではのコンテンポラリー色のバランスで好き/嫌いが分かれるかもしれませんね。個人的にはブラジル色強めで、コンテンポラリー色が目立ち過ぎない演奏がお気に入りです。

稀代のメロディ・メイカーらしい「Agua Doce (I Love You) - Spring Water」Elis Reginaに捧げられた「Leva E Traz (Elis) - Give And Take」、生命の息吹を感じる「Meu Pais - My Country」、リラックスした雰囲気の「Turmalina - Turmaline」、Hugh Masekelaがトランペット・ソロで盛り上げてくれる「Clareou - It Brightened」あたりが僕のおススメです。

初期Ivan Lins好きの人には、多少の違和感があるかもしれませんが、よく聴けば結構楽しめる1枚だと思います。

全曲紹介しときやす。

「Awa Yio」
ロッキンなイントロを聴いたとき、コレがIvan Lins?と少し心配になりましたが、本編はパワフルながらもブラジルらしさを感じる、スケールな大きな演奏を楽しめます。
https://www.youtube.com/watch?v=DSAHWcnyW9s

「Clareou - It Brightened」
トライバル色を打ち出しつつ、USミュージシャン達のバッキングらしいコンテンポラリーなサウンドに仕上がっています。Hugh Masekelaがトランペット・ソロで盛り上げてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=im_QoLhfiq4

「Que Quer De Mim - What Do You Want Of Me」
Ivan Linsらしいメロディですが、何処となくUSナイズされたIvan Linsといった雰囲気のミディアム。
https://www.youtube.com/watch?v=e2X3ynqQo9c

「Turmalina - Turmaline」
リラックスした雰囲気の中でIvan Linsらしい音世界を楽しめます。本作らしいコンテンポラリーな雰囲気ともよくマッチしています。
https://www.youtube.com/watch?v=FX5vKW4-3dw

「Meu Pais - My Country」
僕の大好きな1曲。生命の息吹を感じる、大地の中のIvan Linsといった趣の1曲。
https://www.youtube.com/watch?v=tG9BFhmNxPc

「Cru-Cre Corroro - Brand New Samba」
ブラジル色と本作らしいコンテンポラリー色のバランスが絶妙です。
https://www.youtube.com/watch?v=I9ojfosELn8

「America, Brasil - America, Brazil」
世界進出作品らしいUSマーケットを意識した演奏です。
https://www.youtube.com/watch?v=MBE4Y-OJr-I

「Ai Ai Ai Ai Ai」
この演奏もブラジル色とコンテンポラリー色がいいバランスです。
https://www.youtube.com/watch?v=NRDQOrYJCBE

「Pontos Cardeias - Four Corners」
Ivan Linsらしいメロディを楽しめるミディアム。ジワジワと感動してくるのがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=OxXC9o1oXhI

「Agua Doce (I Love You) - Spring Water」
僕の一番のお気に入り。稀代のメロディ・メイカーらしい素敵な1曲に仕上がっています。聴いていると、知らぬ間に感動で胸が一杯になっています。
https://www.youtube.com/watch?v=DSeG5pK_h70

「Leva E Traz (Elis) - Give And Take」
ラストはIvanと同時代を生き、駆け抜けていった今は亡き偉大な国民的歌手Elis Reginaに捧げられた1曲で締め括ってくれます。開放的なサンバでElisを称えます。
https://www.youtube.com/watch?v=TNz3UHySGIw

Ivan Linsの過去記事もチェックを!

『Modo Livre』(1974年)
Modo Livre

『Chama Acesa』(1975年)
シャーマ・アセーザ(期間生産限定盤)

『Somos Todos Iguais Nesta Noite』(1977年)
今宵楽しく

『Nos Dias De Hoje』(1978年)
ノス・ヂアス・ヂ・オージェ

『Novo Tempo』(1980年)
ノーヴォ・テンポ
posted by ez at 00:38| Comment(0) | 1990年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年08月20日

Musiq Soulchild『Aijuswanaseing』

ネオフィリーらしいデビュー作☆Musiq Soulchild『Aijuswanaseing』

発表年:2000年
ez的ジャンル:ネオフィリー系男性R&Bシンガー
気分は... :I Just Wanna Sing!

今回は人気男性R&BシンガーMusiq Soulchildのデビュー・アルバム『Aijuswanaseing』です。

これまで当ブログで紹介したMusiq Soulchild作品は以下の7枚(発売順)。

 『Juslisen』(2002年)
 『Soulstar』(2003年)
 『Luvanmusiq』(2007年)
 『Onmyradio』(2008年)
 『Musiqinthemagiq』(2011年)
 『Life On Earth』(2016年)
 『Feel The Real』(2017年)

デビュー・アルバムとなる本作『Aijuswanaseing』(2000年)は、Def Jam傘下のDef Soulからリリースされ、USアルバム・チャート第21位、同R&Bアルバム・チャート第4位となっています。

また、「Just Friends (Sunny)」(US R&Bチャート第6位)、「Love」(US R&Bチャート第2位)という2曲のR&Bヒットが生まれました。

Musiq Soulchildやネオフィリーの原点のようなものを感じる、力みのない素敵な男性R&B作品です。

Musiq Soulchild自身をはじめ、ScratchAndre HarrisCarvin HagginsIvan "Orthodox" BariasOsunladeKeith PelzerVikter DuplaixJames PoyserEd KingJunius Bervinという面々がプロデュースを手掛けています。

また、Aaries(Ayana & Ayinke)(vo)、Eric Roberson(back vo)、Kindred The Family Soul(back vo)、Vidal Davis(key)、Pete Kuzma(p)、当時The RootsLeonard Hubbard(b)、Pino Palladino(b)、Athena Bussie(back vo)等がレコーディングに参加しています。

「Just Friends (Sunny)」「Love」「Girl Next Door」というシングル3曲が目立つかもしれません。

個人的にはビューティフルなミディアム・バラード「143」、ダンサブルなR&Bグルーヴ「My Girl」The Roots「The Next Movement」をサンプリングした「L' Is Gone」Pat Metheny Group「Into the Dream」をサンプリングした「You And Me」、プロダクションが素晴らしい「Poparatzi」あたりもお気に入りです。

そのアーティスト名に恥じない、素敵なデビュー・アルバムです。

全曲紹介しときやす。

「Scratch Introlude」
フィリーのヒューマン・ビートボクサーScratchをフィーチャーしたオープニング。
https://www.youtube.com/watch?v=nI2smMrZBJg

「Girl Next Door」
Andre Harris/Carvin Hagginsプロデュース。双子姉妹の女性R&BデュオAariesのAyanaをフィーチャー。アルバムからの3rdシングルにもなりました。Jill Scottがヴォーカル・アレンジを手掛けています。Ramsey Lewis「My Love for You」をサンプリングしたメロウ・トラックに乗って、Musiq SoulchildとAyanaが素敵なデュエットを聴かせてくれるネオフィリーらしい1曲に仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=5XJry6RshJo

「You And Me」
Andre Harris/Carvin Hagginsプロデュース。Eric Robersonがバック・コーラスで参加。Pat Metheny Group「Into the Dream」をサンプリングした美しいトラックが印象的な哀愁メロウです。
https://www.youtube.com/watch?v=DtPZvVadvLE

「Just Friends (Sunny)」
Ivan "Orthodox" Barias/Carvin Hagginsプロデュース。記念すべき1stシングル。USチャート第31位、同R&Bチャート第6位となりました。映画『Nutty Professor II: The Klumps』(2000年)のサントラにも収録されました。Pat Martino「Sunny」をサンプリングしたメロウ・トラックに乗って、Musiq Soulchildらしい歌い回しを存分に満喫できます。
https://www.youtube.com/watch?v=i7zsG3XFUd8

Ras G「Juju」、Berner feat. Wiz Khalifa, Snoop Dogg and B-Real「Best Thang Smokin」、Kehlani feat. BJ the Chicago Kid「Down for You」、Knxwledge.「Jstfrends.」等のサンプリング・ソースとなっています。
Ras G「Juju」
 https://www.youtube.com/watch?v=llNpa2sZn8Y
Berner feat. Wiz Khalifa, Snoop Dogg and B-Real「Best Thang Smokin」
 https://www.youtube.com/watch?v=MJok3W0CENU

「Mary Go Round」
Osunladeプロデュース。Eric Robersonがヴォーカル・アレンジを手掛けています。美しくも切ないムードにグッときます。Knxwledge.「Marygoround」のサンプリング・ソースとなっています。
https://www.youtube.com/watch?v=gl1j-owPHSw

「143」
Carvin Haggins/Keith Pelzerプロデュース。さり気なさの中にもジェントルな語り口にグッとくるビューティフルなミディアム・バラード。僕の密かなお気に入り。
https://www.youtube.com/watch?v=QFykq0NSJCY

「Love」
Andre Harris/Carvin Hagginsプロデュース。アルバムからの2ndシングル。USチャート第24位、同R&Bチャート第2位となりました。Andre Harrisと名プロデュース・デュオDre & Vidalを組むことになるVidal Davisもキーボードで参加。Aaries、Kindred The Family Soulがバック・コーラスで参加。初期ネオフィリーらしい魅力の詰まった素敵なラブ・バラードです。
https://www.youtube.com/watch?v=qP7dIfcRR0k

Trin-i-tee 5:7、Sanchez、Jeff Bradshaw feat. Kim Burrellがカヴァーしています。
Trin-i-tee 5:7「Lord」
 https://www.youtube.com/watch?v=tDoeSoEeO1o
Sanchez「Love」
 https://www.youtube.com/watch?v=rYn6vVM9gAc
Jeff Bradshaw feat. Kim Burrell「Love」
 https://www.youtube.com/watch?v=pLF77njZDdE

「My Girl」
Vikter Duplaix/James Poyser/Ed King/Junius Bervineプロデュース。このプロデューサー陣らしいダンサブルなR&Bグルーヴに仕上がっています。初期Vikter Duplaixがお好きな人は気に入るトラックなのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=F2hAWDRQKj0

「Musiq Soulchild (Interlude)」
Selfプロデュース。Monk Higgins & The Specialties「Gotta Be Funky」をサンプリングというか、まんま「Gotta Be Funky」です。
https://www.youtube.com/watch?v=O9Cw-X5F_OY

「Seventeen」
Andre Harris/Carvin Hagginsプロデュース。Musiq Soulchildらしい歌い回しで哀愁バラードを聴かせてくれます。George Winston「Rain」、Schoolly D「P.S.K. - What Does It Mean?」をサンプリングしています。
https://www.youtube.com/watch?v=zcASO6u-swo

Jay Tyranny「Seventeen (Trayvon)」のサンプリング・ソースとなっています。
Jay Tyranny「Seventeen (Trayvon)」
 https://www.youtube.com/watch?v=IeV97xpW4Wc

「L' Is Gone」
Musiq Soulchildプロデュース。このトラックも僕のお気に入り。The Roots「The Next Movement」をサンプリングしたネオフィリー×The Soulquariansなムードがたまらない1曲。Aariesのバック・コーラスもグッド!
https://www.youtube.com/watch?v=aTzNBGER91w

「Speechless」
Scratchプロデュース。ヒューマン・ビートボックスと生演奏の融合がいい感じです。ベースはThe RootsのLeonard Hubbard。
https://www.youtube.com/watch?v=t_1hinDDwE0

「Poparatzi」
Ivan "Orthodox" Barias/Carvin Hagginsプロデュース。キーボード&ストリングスを手掛けたAndre Harrisも含めてプロダクションの素晴らしさを感じるビューティフルなミディアム。
https://www.youtube.com/watch?v=L2IQ2ojJ0oY

「Settle For My Love (Intermission)」
女性キーボード奏者/シンガーPatrice Rushenのカヴァー。オリジナルは当ブログでも紹介した『Pizzazz』(1979年)収録。Osunladeプロデュース。Aariesをフィーチャー。Larry Goldがストリングス・アレンジを手掛けています。ここでは主役の座をAariesに譲り、彼女たちのキュートな魅力を引き立てています。
https://www.youtube.com/watch?v=IOFxuaC0GX4

Patrice Rushen「Settle For My Love (Intermission)」
 https://www.youtube.com/watch?v=Xf5eswg8Vmw

「You Be Alright」
Vikter Duplaix/James Poyserプロデュース。本編ラストはJames Poyser(el-p、org)、Pino Palladino(b)、Vidal Davis(ds)らの生演奏によるソウルフル・チューンで締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=I2VMdrbkIEw

「Aimewitue」
CDボーナス・トラック。Osunlade/Odysseyプロデュース。Eric Robersonがバック・コーラスで参加。少しミステリアスなアコースティック・ソウル。
https://www.youtube.com/watch?v=mH2f6weAGwI

Musiq Soulchildの他作品もチェックを!

『Juslisen』(2002年)


『Soulstar』(2003年)
Soulstar

『Luvanmusiq』(2007年)
Luvanmusiq

『Onmyradio』(2008年)
OnMyRadio

『Musiqinthemagiq』(2011年)
Musiqinthemagiq

Musiq Soulchild & Syleena Johnson『9ine』(2013年)
9ine by Musiq Soulchild & Syleena Johnson (2013-09-24) 【並行輸入品】

『Life On Earth』(2016年)
Life on Earth

『Feel The Real』(2017年)
Feel the Real
posted by ez at 02:47| Comment(0) | 2000年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする