「I'll Take You There」、「Respect Yourself」の2大ヒット収録☆
The Staple Singers『Be Altitude: Respect Yourself』♪


発表年:1972年
ez的ジャンル:ファミリー・ソウル・グループ
気分は... :空高く飛べ!
70年代に人気を博したファミリー・ソウル・グループ
The Staple Singersの代表作
『Be Altitude: Respect Yourself』(1972年)です。
The Staple Singersはギタリスト/シンガー
Pops Staplesが彼の子供たちとシカゴで結成したUSファミリー・ゴスペル/ソウル・グループ。1950年代から活動しています。
当初は
Popsと
Cleotha、
Pervis、
Mavisという3人の娘がメンバーでしたが、70年代に入ると
Pervisが抜け、同じく娘の
Yvonneがメンバーとして加わっています。
特に
Mavis Staplesは、ソロ・アーティストとしても高い評価を得ている実力派ソウル・シンガーとしてお馴染みですね。
グループは当初ゴスペル・グループとして活動していましたが、60年代に入ると、ポップスやロックなどの要素を積極的に取り入れ、1967年には
Buffalo Springfieldのカヴァー
「For What It's Worth」をシングル・リリースしています。
1968年に
Staxと契約し、ソウル路線で成功を収めます。60年代後半から70年代半ばにかけて
Staxで6枚のアルバムをリリースしています。
特に本作
『Be Altitude: Respect Yourself』(1972年)からは
「I'll Take You There」(USチャート、同R&Bチャート共に第1位)、
「Respect Yourself」(US R&Bチャート第1位)という2大ヒットが生まれています。
また、1975年に
Curtomからリリースされたサントラ
『Let's Do It Again 』(
Curtis Mayfieldと共同名義)からシングル・カットされたタイトル曲
「Let's Do It Again 」もUSチャート、同R&Bチャート共に第1位という大ヒットとなりました。
その後もグループは80年代半ばまで作品をリリースし続けました。
Pops Staplesは2000年に永眠(享年85)。
さて、グループの代表作となる本作
『Be Altitude: Respect Yourself』(1972年)は、
Staxからの4枚目。
プロデュースは他のStax作品と同じく
Al Bell。
録音は
Muscle Shoals Sound Studios。
Muscle Shoals Rhythm Sectionや
The Memphis Hornsの面々がバックを務めます。
ニューソウル期の作品であり、公民権運動を意識したメッセージも多いですが、ポジティブな空気に包まれているのがいいですね。
前述の
「I'll Take You There」、
「Respect Yourself」に加え、3rdシングル
「This World」も含めて、3曲のUS R&Bチャート・トップ10ヒットが生まれました。
「I'll Take You There」、
「Respect Yourself」の2大名曲がハイライトですが、それ以外の楽曲もゴスペルとソウルのバランスが絶妙でアルバム全体のクオリティもかなり高いです。
シングル3曲以外であれば、
「This Old Town (People in This Town)」、
「Name the Missing Word」、
「We the People」の3曲がおススメです。
ヒット曲を楽しむも良し!
アルバム全体のニューソウルな雰囲気を楽しむも良し!
何度聴いても感動できる名盤だと思います。
全曲紹介しときやす。
「This World」The Sweet Inspirations、1970年のシングル曲をカヴァー(William Friedman/Herb Schapiro作)。「Respect Yourself」、「I'll Take You There」に続く3rdシングル。USチャート第38位、同R&Bチャート第6位のヒットとなりました。a href="
https://eastzono.seesaa.net/article/474322788.html">The Sweet Inspirationsのオリジナルをベースとしながら、Mavisのダイナマイト・ヴォーカルの魅力を前面に打ち出した迫力満点の1曲に仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=XIf8J1KVcY8The Sweet Inspirations「This World」 https://www.youtube.com/watch?v=SwKcFqMRfSICool C「Mary Go Round」のサンプリング・ソースとなっています。
Cool C「Mary Go Round」 https://www.youtube.com/watch?v=5b-3Qac5YaI「Respect Yourself」Luther Ingram/Mack Rice作。「I'll Take You There」と並ぶハイライト。アルバムからの1stシングルとしてUSチャート第12位、同R&Bチャート第1位の大ヒットとなりました。リード・ヴォーカルはPopsとMavis。Barry Beckett (key)、Roger Hawkins (ds)、Jimmy Johnson (g)、David Hood (b)というMuscle Shoals Rhythm Sectionのお馴染みの面々が素晴らしいバッキングで盛り上げてくれるファンキー・ソウル。大ヒット曲ですが、なかなかシブい感じがたまりません。
https://www.youtube.com/watch?v=CEFTmFw1mtoUSチャート第5位となった(俳優の)Bruce Willis feat. June Pointerヴァージョンをはじめ、
Trin-i-tee 5:7、Kane Gang、Aaron Neville feat. Mavis Staples、Don Julian & The Larks 、
Herbie Mann、B. B. King、
Robert Palmer、Joe Cocker、The Temptations、Etta James 、Guy Sebastian、Randy Crawford & Joe Sample 、Huey Lewis & the News、Melissa Etheridge、Marc Broussard等数多くのカヴァー・ヴァージョンがあります。また、De-Phazz feat. Karl Frierson「Hero Dead and Gone」等のサンプリング・ソースとなっています。
Bruce Willis feat. June Pointer「Respect Yourself」 https://www.youtube.com/watch?v=qrxMujmXneMTrin-i-tee 5:7「Respect Yourself」 https://www.youtube.com/watch?v=FytmcarhlloKane Gang「Respect Yourself」 https://www.youtube.com/watch?v=lGffrSPt5k0Aaron Neville feat. Mavis Staples「Respect Yourself」 https://www.youtube.com/watch?v=XYtPHvh7r_YDon Julian & The Larks「Respect Yourself」 https://www.youtube.com/watch?v=bzLT94Gfe8ERobert Palmer「Respect Yourself」 https://www.youtube.com/watch?v=bAdVDwZmLWkJoe Cocker「Respect Yourself」 https://www.youtube.com/watch?v=DfOglIJbRBIThe Temptations「Respect Yourself」 https://www.youtube.com/watch?v=fsjvBrIMcwkMarc Broussard「Respect Yourself」 https://www.youtube.com/watch?v=DkP7FW8Mk5gDe-Phazz feat. Karl Frierson「Hero Dead and Gone」 https://www.youtube.com/watch?v=Wrqj3NDnv5Q「Name the Missing Word」Homer Banks/Bettye Crutcher/Raymond Jackson作。スワンピーと都会的ファンキー・メロウという2つの側面を併せ持つ雰囲気がいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=ikFfc8aKzGI「I'll Take You There」Alvertis Isbell作。USチャート、同R&Bチャート共にNo.1となったグループの代表曲。「Respect Yourself」に続く2ndシングル。お馴染みのイントロを聴くと、それだけでテンション上がります。ポジティブなメッセージとMuscle Shoals Rhythm Sectionの名うてのミュージシャンたちのアーシー&ファンキーなバッキングが見事にかみ合ったニューソウル名曲ですね。
https://www.youtube.com/watch?v=qXvirzznSn4Mavis Staples本人のセルフ・カヴァーをはじめ、General Public、BeBe Winans &
CeCe Winans feat. Mavis Staples
SWV、
Reuben Wilson、Eruption feat. Precious Wilson、Aloe Blacc、Starleana Young、Tammi Holt、Moses Tyson, Jr.、Marva Wright、Springbok等数多くのアーティストがカヴァーしています。
Mavis Staples「I'll Take You There」 https://www.youtube.com/watch?v=3YaxrgagZBkGeneral Public「I'll Take You There」 https://www.youtube.com/watch?v=m0N_Q0JqH80BeBe Winans & CeCe Winans feat. Mavis Staples「I'll Take You There」 https://www.youtube.com/watch?v=8Y9N6ozjEm0SWV「I'll Take You There」 https://www.youtube.com/watch?v=IEtm4xO1UnkEruption feat. Precious Wilson「I'll Take You There」 https://www.youtube.com/watch?v=qcrULTtePCEAloe Blacc「I'll Take You There」 https://www.youtube.com/watch?v=qPlq-gzu4d0Starleana Young「I'll Take You There」 https://www.youtube.com/watch?v=-pKUVtWksWQMoses Tyson, Jr.「I'll Take You There」 https://www.youtube.com/watch?v=JmrLY_JrVkoMarva Wright「I'll Take You There」 https://www.youtube.com/watch?v=SD4DeZ2C3g0また、
Big Daddy Kane「I'll Take You There」、
Jibri Wise One「Time to Get Black Up」、
Naughty by Nature「Everything's Gonna Be Alright (Ghetto Bastard)」、Eazy-E「Boyz-N-The-Hood」、Salt-N-Pepa「Let's Talk About Sex」、Ice Cube「Givin' Up the Nappy Dugout」、Shanice feat. Smooth「I Like」、Grand Puba「A Little of This」、Kwame「The Mic Is Mine」、Brothers 4 the Struggle「It's Over!」等40トラック以上のサンプリング・ソースとなっています。
Big Daddy Kane「I'll Take You There」 https://www.youtube.com/watch?v=MAkE43E0iKMIce Cube「Givin' Up the Nappy Dugout」 https://www.youtube.com/watch?v=7ag4pBKYWeQGrand Puba「A Little of This」 https://www.youtube.com/watch?v=p8Fp8FGqa7cKwame「The Mic Is Mine」 https://www.youtube.com/watch?v=6LtkdUPqZGsBrothers 4 the Struggle「It's Over!」 https://www.youtube.com/watch?v=wHsSp_u_rWk「This Old Town (People in This Town)」Don Covay/Wilson Pickett/William Stevenson作。実は僕の一番のお気に入りはコレ。3姉妹のヴォーカル・ワークとMuscle Shoals Rhythm Sectionの好バッキングがピッタリハマった絶品ファンキー・ソウルです。酒が上手くなる1曲です。
https://www.youtube.com/watch?v=L8tMFzwnvhk「We the People」Booker T. Jones/Carl Smith作。ゴスペル仕込みの味わい深いヴォーカル・ワークを生かしたニューソウル。コクを感じます。
https://www.youtube.com/watch?v=g7qrudc0s4o「Are You Sure」Homer Banks/Raymond Jackson作。この時代らしいフォーキーなエッセンスも取り入れながらもゴスペル・フィーリングも効かせたこのグループらしい1曲。
https://www.youtube.com/watch?v=d3BYxbiZTWwNana Mouskouri、Reel & Soul Associationがカヴァーしています。
Nana Mouskouri「Are You Sure」 https://www.youtube.com/watch?v=LUeSWtu4UXUReel & Soul Association「Are You Sure」 https://www.youtube.com/watch?v=8l1mbJUGCn4「Who Do You Think You Are (Jesus Christ the Superstar)?」Pops Staples作。当時流行っていたロック・ミュージカル『Jesus Christ Superstar』を意識したものでしょうね。この時期のニューソウルらしい1曲に仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=OSamOVA-9ck「I'm Just Another Soldier」Homer Banks/Raymond Jackson作。タイトルからして反戦メッセージのニューソウルですね。そんな歌でもMavisのヴォーカルは力強く、聴く者にパワーをくれる感じがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=1-CfYrVlhCk「Who」Jeff Barry/Bobby Bloom作。ラストはゴスペル・フィーリングのバラードをMavisが情感たっぷりに歌い上げます。
ご興味がある方は
Stax時代の他作品、
Curtomからリリースされた
Curtis Mayfieldと共同名義でリリースしたサントラ
『Let's Do It Again 』(1975年)もチェックを!
『Soul Folk in Action』(1968年)

『We'll Get Over』(1970年)

『The Staple Swingers』(1971年年)

『Be What You Are』(1973年年)

The Staple Singers & Curtis Mayfield『Let's Do It Again (motion picture soundtrack)』(1975年)
