2020年09月18日

『今の気分は...「You've Got A Friend」、「It's Too Late」かな』

過去記事からセレクトするシリーズです。

今回はCarole Kingの2大名曲「You've Got A Friend」「It's Too Late」のカヴァー9曲に、「So Far Away」のカヴァーを加えた10曲をセレクトしました。

全て過去記事で紹介済なので、気に入った曲があれば過去記事もご参照下さい。

Meta Roos & Nippe Sylwens Band「You've Got A Friend」
https://www.youtube.com/watch?v=mMfwzLbg3aA
From 『Meta Roos & Nippe Sylwens Band('78)』(1978年)
メタ・ルース・アンド・ニッピ・シルヴェンス・バンド(1978)

Gretchen Parlato「You've Got A Friend」
https://www.youtube.com/watch?v=INLX-aAuhgg
From 『The Gretchen Parlato Supreme Collection』(2015年)
ザ・グレッチェン・パーラト シュプリーム・コレクション

Donny Hathaway「You've Got A Friend」
https://www.youtube.com/watch?v=eKJ_6BplqBM
From 『Live』(1972年)


Michael Cooper「You've Got A Friend」
https://www.youtube.com/watch?v=ulDh6GS9CGo
From 『Love Is Such a Funny Game』(1987年)
Love Is Such a Funny Game

Monk Higgins「So Far Away」
https://www.youtube.com/watch?v=AuyK6KCiDGQ
From 『Little Mama』(1972年)
Little Mama

Cool Million「It's Too Late」
https://www.youtube.com/watch?v=fTNGN1HQc3Q
From 『Going Out Tonight』(2008年)
GOING OUT TONIGHT

Gene Rice「It's Too Late」
https://www.youtube.com/watch?v=bYzNQEj86bs
From 『Just For You』(1991年)
Just For You

Mike James Kirkland「It's Too Late」
https://www.youtube.com/watch?v=GFKECizKC8w
From 『Doin' It Right』(1973年)
ドゥーイン・イット・ライト(紙ジャケット仕様)

Genai「It's Too Late」
https://www.youtube.com/watch?v=EwL7bsxO5dg
From 『Heaven On Earth』(1999年)
ヘヴン・オン・アース

The Isley Brothers「It's Too Late」
https://www.youtube.com/watch?v=4qIGGMvwuzE
From 『Brother, Brother, Brother』(1972年)
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2020年09月17日

Jill Scott『Collaborations』

コラボ曲を集めた楽しい1枚☆Jill Scott『Collaborations』

発表年:2007年
ez的ジャンル:ネオ・ソウル・クイーン
気分は... :企画・編集力の勝利!

ネオ・ソウルを代表する女性シンガーJill Scottのコラボ曲を集めた編集アルバム『Collaborations』(2007年)です。

1972年フィラデルフィア生まれの女性シンガーJill Scottの紹介は、デビュー・アルバム『Who Is Jill Scott? Words and Sounds Vol. 1』(2000年)、2ndアルバム『Beautifully Human: Words and Sounds Vol. 2』(2004年)に続き3回目となります。

本作『Collaborations』(2007年)は、その名の通り、他アーティストとのコラボ作品を集めた編集アルバムです。キャリア初期のJill Scottは客演も多かったので、そうした楽曲を集めたアルバムは重宝しますね。

Mos DefLupe FiascoChris BottiThe Isley BrothersEric RobersonSergio Mendes/will.i.amCommonBilalDarius RuckerJeff BradshawWill SmithAl Jarreau & George BensonKirk Franklinとのコラボが収められています。

R&B、Hip-Hopに止まらず、ジャズ、ゴスペル、ブラジル音楽といったアーティストとのコラボも収められ、その分彼女の音楽性の幅を楽しめるのが魅力だと思います。

オリジナル・アルバムやベスト・アルバムとも異なる魅力を持った好編集アルバムだと思います。

全曲紹介しときやす。

「Love Rain (Head Nod Remix)」
デビュー・アルバム『Who Is Jill Scott? Words and Sounds Vol. 1』(2000年)に隠しトラック扱いで収録されているMos Defとのコラボ。Vidal Davisプロデュース。
オリジナルよりも断然このリミックスの方が好きです。トラックの格好良さは格別です。ネオフィリーとSoulquariansのコラボらしい仕上がりなのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=5TdKsPTdwrQ

「Daydreamin'」
Lupe Fiascoとのコラボ。Lupeのデビュー・アルバム『Lupe Fiasco's Food & Liquor』(2006年)収録。Craig Kallmanプロデュース。第50回グラミーのBest Urban/Alternative Performanceにもノミネートされました。TThe Gunter Kallmann Chorus「Daydream」ネタの哀愁トラックをバックに、Jillが白日夢のような儚いヴォーカルを聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=7XOAStfv-v0

「Good Morning Heartache」
USトランぺッターChris Bottiとのコラボ。不世出の女性ジャズ・シンガーBillie Holidayのカヴァー(Irene Higginbotham/Ervin Drake/Dan Fisher作)。Bottiのアルバム『To Love Again: The Duets』(2005年)収録。Bobby Colombyプロデュース。ジャズ・フィーリングのJillを楽しめます。
https://www.youtube.com/watch?v=mLOzKt2ZjfU

本曲に関して、当ブログでも紹介したJose Jamesのカヴァーも絶品でしたね。
Jose James「Good Morning Heartache」
 https://www.youtube.com/watch?v=6m8d2vsuDpU

「Said Enough」
The Isley Brothersとのコラボ。Isleysのアルバム『Eternal』(2001年)収録。Dre & Vidal(Andre Harris/Vidal Davis)プロデュース。大ベテランのRonald Isleyの濃厚ヴォーカルにJillのヴォーカルが加わることでマイルドな味わいになっています。
https://www.youtube.com/watch?v=NmGUC9654lE

「One Time」
Eric Robersonとのコラボ。Chris Rock主演の映画『Down to Earth』(2001年)のサントラ収録。Vidal Davisプロデュース。当時期待ネオ・ソウル・シンガー同士であった2人による息の合ったデュエット。今聴いても実にフレッシュです。
https://www.youtube.com/watch?v=2JcgI0PfTP4

「Let Me」
Sergio Mendes/will.i.amとのコラボ。Baden Powell「Deixa」のカヴァー。セルメンのアルバム『Timeless』(2006年)収録。Sergio Mendes/will.i.amプロデュース。JillがBaden Powellをカヴァーするというのもセルメンとのコラボならではですね。
https://www.youtube.com/watch?v=u0CB1xGTi9A

「8 Minutes to Sunrise」
Commonとのコラボ。Will Smith主演の映画『Wild Wild West』(1999年)のサントラ収録。Andre Harrisプロデュース。まだJillが無名時代のCommonとのコラボですが、臆することなくチャーミングな歌声を聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=DPD7XdE73EM

「Funky for You」
Common & Bilalとのコラボ。Commonの名盤『One Day It'll All Make Sense』(1997年)収録。James Poyser/Jay Dee (J Dilla)プロデュース。CommonBilal、James Poyser、Jay DeeというSoulquariansの面々からJillも相当刺激を受けたのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=jxMhYpIRa0Y

「Sometimes I Wonder」
Darius Ruckerとのコラボ。Dariusのアルバム『Back to Then』(2002年)収録。Dre & Vidalプロデュース。雰囲気のある男女デュエットという点ではアルバムの中でも屈指の1曲なのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=qX7hjRfojJA

「Slide」
USトロンボーン奏者Jeff Bradshawとのコラボ。Bradshawのアルバム『Bone Deep』(2003年)収録。Junius Bervineプロデュース。ユーモラスでリラックスしたサウンドの雰囲気に合わせたJillのヴォーカルを楽しみましょう。
https://www.youtube.com/watch?v=CNWGQkSN-fU

「The Rain」
Will Smithとのコラボ。Willのアルバム『Willennium』(1999年)収録。Jeff Townes/Darren Hensonプロデュース。Deniece Williams「I Believe in Miracles」をサンプリングしたトラックをバックに、Jillがチャーミングなヴォーカルを披露してくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=0wQpkLbBETg

「God Bless the Child」
Al Jarreau & George Bensonとのコラボ。Billie Holidayの名曲カヴァーです。Al Jarreau & George Bensonのコラボ・アルバム『Givin' It Up』(2006年)収録。 John Burkプロデュース。Al JarreauGeorge Bensonというベテラン2人がヴォーカルとギターでJillのヴォーカルを引き立てます。特にAl Jarreauの素晴らしいヴォーカルが格別です。
https://www.youtube.com/watch?v=xAJ_MQCHQ6k

「Good Morning Heartache」と同じくJose Jamesがカヴァーしています。
Jose James「God Bless the Child」
 https://www.youtube.com/watch?v=87eIwOY6OZY

「Kingdom Come」
Kirk Franklinとのコラボ。彼のアルバム『Kingdom Come』(2001年)収録。
Kirk Franklinプロデュース。コンテンポラリー・ゴスペルなJillを満喫できます。
https://www.youtube.com/watch?v=9uWXsIMFWFc

「Love Rain (Coffee Shop Mix)」
Mos Defとのコラボ。オープニングのHead Nod Remixとは異なるリミックス。Vidal Davisプロデュース。個人的にはHead Nod Remixがお気に入りですが、そのコントラストでコチラも楽しめると思います。
https://www.youtube.com/watch?v=I8VgzYCjoLw

未聴の方は他のJill Scott作品もどうぞ!

『Who Is Jill Scott? Words and Sounds Vol. 1』(2000年)
フー・イズ・ジル・スコット?

『Experience:Jill Scott 826+』(2001年)
Experience:Jill Scott 826+

『Beautifully Human: Words and Sounds Vol. 2』(2004年)
ビューティフリー・ヒューマン

『The Real Thing: Words and Sounds Vol. 3』(2007年)
Real Thing: Words & Sounds 3

『The Light of the Sun』(2011年)


『Woman』(2015年)
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2020年09月16日

Marty Paich Big Band『I Get a Boot Out of You』

『踊り子』と並ぶ代表作『お風呂』☆Marty Paich Big Band『I Get a Boot Out of You』
アイ・ゲット・ア・ブート・アウト・オブ・ユー<SHM-CD>
録音年:1959年
ez的ジャンル:ウエスト・コースト系ビッグ・バンド・ジャズ
気分は... :お風呂でジャズを・・・

今回は50年代ビッグ・バンド・ジャズからMarty Paich Big Band『I Get a Boot Out of You』(1959年)です。

TotoDavid Paichの父親としても知られるカリフォルニア州オークランド出身のジャズ・ピアニスト/コンポーザー/アレンジャー/バンド・リーダーMarty Paich(1925-1995年)の紹介は、『踊り子』の愛称で知られる『The Broadway Bit』(1959年)に続き2回目となります。

『踊り子』と並ぶ代表作が『お風呂』の愛称で知られる本作『I Get a Boot Out of You』(1959年)です。

『踊り子』同様、名アレンジャー/バンド・リーダーとしてのMarty Paichの才を楽しめる1枚です。

ビッグ・バンドのメンバーはMarty Paich(conductor)以下、Art Pepper(as)、Bill Hood(bs)、Bill Perkins(ts)、Al Porcino(tp)、Conte Candoli(tp)、Jack Sheldon(tp)、Bobby Envoldsen(tb)、George Roberts(tb)、Russ Freeman(p)、Joe Mondragon(b)、Mel Lewis(ds)、Victor Feldman(vibe)という面々。コンパクトながらも各プレイヤーのソロも随所で楽しめます。

全8曲中Duke Ellington絡みの曲が4曲取り上げられているのが印象的です。

名アレンジャーによる洗練されたアンサンブルによるモダンなビッグ・バンド・サウンドを満喫しましょう。

全曲紹介しときやす。

「It Don't Mean A Thing (If It Ain't Got That Swing)」
Duke Ellingtonのカヴァーその1。名曲「スイングしなけりゃ意味ないね」のカヴァーです(Duke Ellington/Irving Mills作)。ビッグ・バンドらしい華やかで軽快な演奏で盛り上げてくれます。Art Pepper、Bill Hood、Bill Perkins、Bobby Envoldsen、Jack Sheldonがそれぞれコンパクトながらも素敵なソロを聴かせてくれます。Victor Feldmanのヴァイヴもいいアクセントになっています。
https://www.youtube.com/watch?v=i-H7JmdJDwo

「No More」
Billie Holidayでお馴染みのスタンダードをカヴァー(Bob Russell/Tutti Camarata作)。Jack Sheldonのトランペットをフィーチャーした哀愁バラードをしっとりと聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=TAJ7lY9241A

「Love For Sale」
Cole Porter作。Cole Porterの名曲カヴァー。ラテン・フレイヴァーを効かせた僕好みの演奏です。ソロはArt Pepper、Conte Candoli、Bobby Envoldsen、Victor Feldman。特にFeldmanのヴァイヴ・ソロにグッときます。
https://www.youtube.com/watch?v=ff57ENy32kY

本曲に関して、当ブログではJorge DaltoGene HarrisDexter GordonAnita O'DayLes McCannJane BirkinThe Kenny Clarke-Francy Boland Big Bandのカヴァーを紹介済みです。ご興味がある方は過去記事をご参照下さい。

「Moanin'」
Bobby Timmons作。Art Blakey & The Jazz Messengersでお馴染みの名曲をカヴァー。Russ Freemanのピアノがあのお馴染みのメロディを奏でます。Art Pepperが雰囲気のあるソロを聴かせてくれるのも嬉しいですね。それ以外にConte Candoliがソロを聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=UtmBH5qYowk

本曲に関して、当ブログではJon Hendricksが歌詞をつけたLambert, Hendricks & RossJose Jamesのヴァージョンも紹介済みです。

「Violets For Your Furs」
Matt Dennis/Tom Adair作。Art Pepperの情感たっぷりのアルト・サックスをフィーチャーした素敵なバラードです。当ブログではStacey Kentのカヴァーも紹介済みです。
https://www.youtube.com/watch?v=_jwZii0BbPQ

「What Am I Here For/Cottontail」
Duke Ellingtonのカヴァーその2。Ellington作品2曲のメドレー。エレガントな「What Am I Here For」に続き、ジャンプ・ナンバー「Cottontail」で一気にテンポアップします。Feldmanの疾走するヴァイヴ・ソロにホーン隊が続きます。
https://www.youtube.com/watch?v=Vme1-uzKppk

「「What Am I Here For」について、当ブログではClifford Brown & Max Roachのカヴァーを紹介済みです。

「Warm Valley」
Duke Ellingtonのカヴァーその3(Bob Russell/Duke Ellington作)。Bill Hoodのバリトン・サックスをフィーチャーしたロマンティック・バラード。バリトン・サックスらしいムーディーさがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=uHfrc0o0eIQ

「Things Ain't What They Used To Be」
Mercer Ellington/Ted Parsons作。Duke Ellingtonの息子Mercerの作品であり、Duke Ellington楽団もクロージング・テーマとして演奏していた楽曲です。Russ Freemanのピアノ、Feldmanのヴァイヴの小粋な音色と雰囲気たっぷりのホーン・アンサンブルの組み合わせが絶妙です。
https://www.youtube.com/watch?v=nnfYYnCQ-QE

未聴の方は『踊り子』もぜひ!

『The Broadway Bit』(1959年)
ブロードウェイ・ビット<SHM-CD>

Marty Paichの他作品もチェックを!

『Jazz for Relaxation』(1956年)
Jazz for Relaxation

『Tenors West』(1956年)
Tenors West

The Jazz City Workshop『The Jazz City Workshop』(1956年)
ザ・ジャズ・シティー・ワークショップ

『A Jazz Band Ball』(1957年)
Jazz Band Ball First Set

『Hot Piano』(1957年)
ホット・ピアノ

『The Picasso of Big Band Jazz』(1957年)
Picasso of Big Band Jazz

『Marty Paich Trio』(1957年)
Marty Paich Trio (Remastered)

『Marty Paich Quartet Featuring Art Pepper』(1958年)
マーティ・ペイチ・カルテット・フィーチャリング・アート・ペッパー (紙ジャケット仕様)

『Take Me Along』(1959年)
Take Me Along by Marty Paich

『Lush Latin & Cool』(1960年)
Lush Latin & Cool

『The Rock-Jazz Incident』(1966年)
ロック・ジャズ・インシデント<SHM-CD>
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2020年09月14日

Traffic『John Barleycorn Must Die』

新生Traffic第一弾☆Traffic『John Barleycorn Must Die』

発表年:1970年
ez的ジャンル:UKロック
気分は... :祈りと稔り・・・

今回は60〜70年代UKロックを代表するバンドTraffic『John Barleycorn Must Die』(1970年)です。

Steve WinwoodDave MasonJim CapaldiChris Wood等を擁したロック・バンドTrafficについて、これまで当ブログで紹介したのは以下の3枚。

 『Mr. Fantasy』(1967年)
 『Traffic』(1968年)
 『Shoot Out at the Fantasy Factory』(1973年)

また、彼らの楽曲も収録されたサントラThe Spencer Davis Group/Traffic『Here We Go 'Round The Mulberry Bush (Original Motion Picture Soundtrack) 』(1968年)も紹介済みです。

本作『John Barleycorn Must Die』(1970年)は、

『Last Exit』(1969年)で、Steve Winwood
Dave MasonJim CapaldiChris Woodの4人による第一期に終止符を打ったTraffic(その間Dave Masonは出たり入ったりの繰り返しでしたが)。

そんな解散したはずのTrafficが、新生Trafficとして再始動したのが本作『John Barleycorn Must Die』(1970年)です。

本作は元々、第一期Traffic解散後、Blind FaithGinger Baker's Air Forceで活動していたSteve Winwoodのソロ・アルバム『Mad Shadows』として企画されたものです。

そのレコーディングにJim Capaldi(ds、per、vo)、Chris Wood(sax、fl、org、per)が参加し、結局Winwood(vo、g、b、org、p、el-p、per)、CapaldiWoodの3人でTrafficを再編することになり、仕上げたのが本作『John Barleycorn Must Die』(1970年)です。

アルバムはUSアルバム・チャート第5位、UKアルバム・チャート第11位となり、USではゴールド・ディスクを獲得しています。

プロデュースは全6曲中4曲がSteve Winwood/Chris Blackwell、残る2曲がGuy Stevens

さらに本作リリース後にはBlind FaithWinwoodと共に活動していたRick Grech(b)も加わり、新生Trafficの活動を継続させることになります。

幻となった『Mad Shadows』のタイトルは、本作と同じGuy StevensがプロデュースしたMott the Hoopleの2ndアルバムで使われることになります。

全体としては、スワンプ・ロック、ジャズ、フォーク、ソウル等のエッセンスを取り入れつつUKらしいロック・アルバムに仕上がっています。Winwood中心のアルバムですが、CapaldiWoodの存在感も示してくれる1枚です。

新生Trafficの稔りを満喫しましょう。

全曲紹介しときやす。

「Glad」
Steve Winwood作。Winwoodのオルガン、ピアノをバックに、Woodのサックスが躍動するグルーヴィーなインストがオープニング。ロック、ジャズ、ソウルのフィーリングが融合した僕の好きなTrafficを満喫できます。
https://www.youtube.com/watch?v=NBLBbNbGzBI

当ブログでも紹介したChristina Aguilera feat. Steve Winwood「Makes Me Wanna Pray」やAtmosphere「Lost and Found」のサンプリング・ソースとなっています。
Christina Aguilera feat. Steve Winwood「Makes Me Wanna Pray」
 https://www.youtube.com/watch?v=_nNkFXV23sA
Atmosphere「Lost and Found」
 https://www.youtube.com/watch?v=tonnyXiaFxU

「Freedom Rider」
Steve Winwood/Jim Capaldi作。Winwoodらしいソウルフル・ヴォーカルが映える哀愁ロック。力強さと寂しげな雰囲気が交錯する感じがいいですね。Woodのサックス、フルートの音色も演奏のいいアクセントになっています。
https://www.youtube.com/watch?v=Qsm1j_dDNtE

「Empty Pages」
Steve Winwood/Jim Capaldi作。 Winwoodらしいソウルフルな語り口が魅力のオルガン・ロック。エレピによるアクセントもいい感じです。終盤のドラマティック感はこの時期のUKロックっぽいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=5ycyIkcX7zU

Blood, Sweat & Tearsがカヴァーしています。
Blood, Sweat & Tears「Empty Pages」
 https://www.youtube.com/watch?v=zHE_hvTnBws

「Stranger to Himself」
Steve Winwood/Jim Capaldi作。Guy Stevensプロデュース曲。当初のWinwoodのソロ作の名残りを感じる1曲。鍵盤のみならずWinwoodのギターも目立ちます。
https://www.youtube.com/watch?v=wA0vIcESGkI

「John Barleycorn (Must Die)」
タイトル曲はイングランド民謡「John Barleycorn」のカヴァー。大麦とそれを原料とする酒を擬人化した唄です。WinwoodCapaldiのツイン・ヴォーカルによるフォーキー・チューンに仕上がっています。Woodのフルートがフォーキー・ムードを高めてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=LdI057Rs3wY

Gustavo Cerati「Fuerza Natural」のサンプリング・ソースとなっています。
Gustavo Cerati「Fuerza Natural」
 https://www.youtube.com/watch?v=-ACG_gupkDw

「Every Mother's Son」
Steve Winwood/Jim Capaldi作。Guy Stevensプロデュース曲。ラストはBlind Faithの名残りを感じるミディアム・ロックで締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=hDnzRq9ZCM8

Trafficの過去記事やメンバーのソロ作(今回不参加のDave Masonも含めて)のソロ作もご参照ください。

『Mr. Fantasy』(1967年)
Mr. Fantasy

『Traffic』(1968年)
トラフィック+5

The Spencer Davis Group/Traffic『Here We Go 'Round The Mulberry Bush (Original Motion Picture Soundtrack) 』(1968年)


『Shoot Out at the Fantasy Factory』(1973年)
Shoot Out at the Fantasy Factory

Steve Winwood『Steve Winwood』(1977年)
スティーヴ・ウィンウッド

Steve Winwood『Arc Of A Diver』(1980年)
アーク・オブ・ア・ダイバー

Steve Winwood『Talking Back To The Night』(1982年)
トーキング・バック・トゥ・ザ・ナイト(紙ジャケット仕様)

Steve Winwood『About Time』(2003年)
About Time

Jim Capaldi『Oh How We Danced』(1972年)


Jim Capaldi『Whale Meat Again』(1974年)
WHALE MEAT AGAIN

Jim Capaldi『Short Cut Draw Blood』(1975年)
Short Cut Draw Blood

Dave Mason『It's Like You Never Left』(1973年)
忘れえぬ人(期間生産限定盤)

Dave Mason『Dave Mason』(1974年)
デイヴ・メイスン(紙ジャケット仕様)

Dave Mason『Let It Flow』(1977年)
流れるままに(期間生産限定盤)
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2020年09月13日

Nubya Garcia『Source』

ロンドン次世代ジャズの牽引する女性サックス奏者☆Nubya Garcia『Source』

発表年:2020年
ez的ジャンル:ロンドン次世代ジャズ
気分は... :両忘!

今回はロンドン次世代ジャズの牽引者の一人、女性サックス奏者Nubya Garciaの最新アルバム『Source』です。

カリブ海のトリニダード・トバゴ共和国出身の父、南アメリカのガイアナ共和国出身の母をもつ1991年ロンドン、カムデン・タウン出身。ソロ活動以外にMaishaNerijaといったグループのメンバーとしても活動するサックス奏者Nubya Garciaの紹介は、『Nubya's 5ive』(2017年)に続き2回目となります。

『Nubya's 5ive』はアルバムというよりミニ・アルバム、EPに近い作品だったので、本作『Source』が1stアルバムという位置づけもできるかもしれません。

レコーディングの基本メンバーは、Nubya Garcia(ts)、Ezra CollectiveのメンバーJoe Armon-Jones(p、el-p)、Daniel Casimir(b)、Sam Jones(ds)。

それ以外に、ロンドンのアフロビート・ユニットKokorokoのリーダーで先日紹介したロンドンのジャズ・アンサンブルSEED EnsembleおよびNerijaのメンバーであるMs. MauriceことSheila Maurice-Grey(tp、flh、vo)、そのSEED Ensembleのリーダー兼KokorokoNerijaのメンバーであるCassie Kinoshi(vo)、同じくKokorokoのメンバーRichie Seivwright(vo)、コロンビア伝統音楽に新たな解釈を加えたコロンビアの女性トリオLa PerlaDiana SanmiguelGiovanna MogollonKaren Forero)、シカゴ出身のUS女性シンガーAkenya Seymour(vo)がフィーチャリングされています。

プロデュースはNubya GarciaKwesKwesi Sey)。アレンジもNubya Garcia自身。

楽曲もすべてNubya Garciaのオリジナル(共作)。

ロンドン次世代ジャズの牽引者といった気負いはなく、レゲエ/ダブ、クンビア、ブロークンビーツ等との融合も試みながら自分のジャズ道を突き進んでいる感じがいいですね。

ブロークンビーツのエッセンスを取り入れた先行シングル「Pace」、レゲエ/ダブ色を前面に打ち出した「Source」、ナイヤビンギ的な「Stand With Each Other」La Perlaをフィーチャーし、クンビアとジャズを融合させた「La Cumbia Me Esta Llamando」あたりが特徴的な演奏だと思います。

ロンドン次世代ジャズ好きの人は安心して楽しめる1枚です。

全曲紹介しときやす。

「Pace」
先行シングルにもなったオープニング。オーセンティック・ジャズとUKらしいブロークンビーツのエッセンスを組み合わせたロンドン次世代ジャズらしい演奏です。伝統と革新の表裏一体な感じがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=ubxP9vNVDAQ

「The Message Continues」
穏やかな疾走感が心地好い演奏です。伸びやかなGarciaのプレイに加え、Joe Armon-Jonesのエレピも絶好調です。
https://www.youtube.com/watch?v=S6IB_nGpKBY

「Source」
Cassie Kinoshi、Ms. Maurice(Sheila Maurice-Grey)、Richie SeivwrightというKokorokoメンバー3名のヴォーカルをフィーチャー。Ms. Mauriceはトランペットもプレイしています。レゲエ/ダブ色を前面に打ち出した演奏です。特に後半はレゲエとジャズを見事にクロスオーヴァーさせたロンドン次世代ジャズらしいアプローチで魅せて
https://www.youtube.com/watch?v=vL4Ae5ORq24

「Together Is A Beautiful Place To Be」
Garciaの亡き父に捧げたバラード。この曲もMs. Maurice(Sheila Maurice-Grey)がトランペットで参加。Garciaと美しいホーン・アンサンブルを聴かせてくれます。父への思い込めたGarciaのプレイを堪能しましょう。
https://www.youtube.com/watch?v=cXJ9N9qLx0g

「Stand With Each Other」
再びCassie Kinoshi、Ms. Maurice(Sheila Maurice-Grey)、Richie SeivwrightというKokorokoメンバー3名をフィーチャー。「Source」のレゲエ/ダブに続き、ここではナイヤビンギ的な土着リズムをバックに、3名のコーラスとGarciaのテナーが絡む演奏です。静寂の中に革新を感じる演奏です。
https://www.youtube.com/watch?v=vyzPP9zP22I

「Inner Game」
リラックスした演奏から次第に熱を帯びて知らぬ間にエキサイティングな展開に・・・。Joe Armon-Jonesのエレピも目立っています。
https://www.youtube.com/watch?v=D3GGAvb27XM

「La Cumbia Me Esta Llamando」
コロンビアの女性トリオLa Perla(Diana Sanmiguel、Giovanna Mogollon、Karen Forero)をフィーチャー。曲もLa Perlaとの共作です。タイトルは「クンビアが私を呼んでいる」という意味。そのタイトルのようにクンビアとジャズの融合にチャレンジしています。レコーディングもコロンビアで行われました。クンビアには独特の癖がありますが、ジャズと融合することでマイルドになり聴きやすいのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=sBJn7196Olo

「Before Us: In Demerara & Caura」
Ms. Maurice(Sheila Maurice-Grey)がフリューゲル・ホーンで参加。リズミックなビートをバックに、またまた2人で素晴らしいアンサンブルを聴かせてくれます。オーソドックスな雰囲気の中に突き抜けた新しさを感じます。
https://www.youtube.com/watch?v=iPrNZHWh97o

「Boundless Beings」
シカゴ出身のUS女性シンガーAkenya Seymourをフィーチャー。ラストはロンドン次世代ジャズらしいジャズ・ヴォーカル・バラードで締め括ってくれます。50〜60年代のジャズ・バラードを2020年モードで聴かせてくれる感じがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=Pkij7-T6ngo

「The Message Continues (MdCL Remix)」
国内盤CDのボーナス・トラック。「The Message Continues」のMark De Clive-Loweによるリミックス。フューチャリスティックな疾走感が心地好いリミックスに仕上がっています。

『Nubya's 5ive』(2017年)
ヌバイアズ・ファイヴ

Maisha『There Is A Place』(2018年)
There Is A Place [解説・ボーナストラック1曲収録 / 国内盤CD] (BRC585)
posted by ez at 01:55| Comment(0) | 2020年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする