2020年09月06日

History of Colour『Antumbra』

エレクトリック・フォルクローレの強力ユニット☆History of Colour『Antumbra』

発表年:2020年
ez的ジャンル:エレクトリック・フォルクローレ
気分は... :陰翳礼讃・・・

新作から新世代エレクトリック・フォルクローレ作品、History of Colour『Antumbra』です。

History of Colourは、Barrio LindoEl BuhoというShika Shikaレーベルの主宰者二人によるエレクトリック・フォルクローレ・ユニット。

Barrio LindoことAgustin Rivaldoは、アルゼンチン、ブエノスアイレス出身のプロデューサー。現在はベルリンを拠点に活動しています。

一方のEl BuhoことRobin Perkinsは、イギリス、マンチェスター近郊のグロソップ出身のプロデューサー。オランダ、メキシコ、アルゼンチンやフランスなど世界各地を転々とし、現在はパリを拠点に活動しています。El Buhoとは、スペイン語でフクロウを意味します。

そんな二人がネット上で意気投合し、結成したのがHistory of Colour。2014年に6曲入りEP「History of Colour」をリリースし、さらにはShika Shikaレーベルを共同を設立しました。

当ブログで紹介した作品でいえば、少し前に紹介したアルゼンチン産エレクトリック・フォルクローレ作品Federico Estevez『De Aqui Hasta Aqui』(2020年)もShika Shikaからのリリースです。

さて、本作『Antumbra』ですが、南米フォルクローレとハイパーなエレクトリック・サウンドを融合させたフューチャリスティックなエレクトリック・フォルクローレ作品に仕上がっています。

アルバムには、ベルリンのプロデューサーM.RUX、ポルトガル出身のパーカッション奏者でShika Shikaから作品もリリースしているMaguPiがフィーチャリングされています。

アルバム・タイトルには日食が見える状態という意味があるそうです。

光と影のエレクトリック・フォルクローレを楽しみましょう。

全曲紹介しときやす。

「Cerro Abajo」
桃源郷のエレクトリック・フォルクローレといった雰囲気のオープニング。俗界を離れた仙境のようなサウンドの響きに惹かれます。
https://www.youtube.com/watch?v=dODaJC0bB6M

「Nachtwanderung」
M.RUXをフィーチャー。フューチャリスティックなエキゾチック・サウンドが印象的なトラックです。不気味なデジタル・サウンドの響きが鮮烈です。
https://www.youtube.com/watch?v=b6GOlCEMaFA

「Viva la Convolucion!」
女性の声のコラージュがアクセントになっているアンビエント感覚のエレクトリック・フォルクローレ。
https://www.youtube.com/watch?v=DXXHHMsTly8

「Sugarcane」
ダンサブルでハイパーなエレクトリック・フォルクローレ。クラブミュージックとしても楽しめます。
https://www.youtube.com/watch?v=qRtjw4dyjx4

「Taifu」
このトラックもアンビエント感覚ですね。秘境のエレクトリック・フォルクローレって感じがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=pRqrKwVT4Qg

「Trip Trup」
レトロ・フューチャー感覚のテクノ/エレクトロニカ・サウンドがいい感じです。滲み出てくる哀愁サウンドがジワジワきます。
https://www.youtube.com/watch?v=tI1kVQBaF4E

「Cinco y Cuatro」
MaguPiをフィーチャー。軽快なリズムに乗って、南米らしいフォルクローレ感覚とエレクトロニカな響きが見事に融合しています。
https://www.youtube.com/watch?v=dcgYY_vywE0

「Apu Punchau」
本編ラストは、エコー感覚を重視したエレクトリック・フォルクローレで締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=J067hFjPBGs

「Cinder」
CDボーナス・トラックその1。本編と比較して、「エレクトリック<フォルクローレ」な仕上がり。

「In the Hold (History of Colour Remix)」
CDボーナス・トラックその2。前曲とは反対にフロア仕様のダンサブルでなエレクトリック・フォルクローレ。

Shika ShikaからリリースされているBarrio LindoEl Buhoのソロ・アルバムもチェックを!

Barrio Lindo『Albura』(2017年)


Barrio Lindo『Fulgor』(2019年)


El Buho『Camino De Flores』(2018年)
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2020年09月05日

Os Catedraticos『Impulso!』

若きDeodatoの才能が開花したジャズ・サンバ・ユニット☆Os Catedraticos『Impulso!』

発表年:1964年
ez的ジャンル:ブラジル新世代SSW
気分は... :Zまでやり抜く・・・

世界的な成功を収めたブラジル人プロデューサー/アレンジャー/キーボード奏者Eumir Deodatoが若き時代に組んでいたジャズ・サンバ・ユニットOs Catedraticosの1stアルバム『Impulso!』(1964年)です。

1943年ブラジル、リオデジャネイロ生まれのキーボード奏者Eumir Deodatoについて、これまで当ブログで紹介したのは以下の4枚。

 『Os Catedraticos 73』(1973年)
 『Whirlwinds』(1974年)
 『Love Island』(1978年)
 『Night Cruiser』(1980年)

Os CatedraticosDeodatoが20代前半に組んでいたジャズ・サンバ・ユニット。

Os Catedraticos名義で『Impulso!』(1964年)、『Tremendao』(1964年)、『Ataque』(1965年)という3枚のアルバムをリリースしています。

1stアルバムとなる本作『Impulso!』(1964年)のレコーディング・メンバーは、Eumir Deodato(org、p)、Wilson Das Neves(ds)、Dom Um Romao(ds)、Luiz Marinho(b)、Jorge Arena(congas)、Humberto Garin(guiro)、Neco(g)、Rubens Bassini(pandeiro)、Maurílio Santos(tp)、Edson Maciel(tb)、Cipo(ts)、Walter Rosa(ts)、Alberto Goncalves(bs)。

アレンジャー/キーボード奏者としてのDeodatoの才能を存分に楽しめる1枚です。

Deodatoがあの手この手で素敵なジャズ・サンバ/ボサノヴァを聴かせてくれます。

全曲インストですが、お馴染みの名曲カヴァーも多いので聴きやすいと思います。

20代前半で見事にコントロールされたジャズ・サンバ/ボサノヴァ・ワールドを展開するDeodatoのセンスに脱帽の1枚です。

全曲紹介しときやす。

「Menina Certinha」
Durval Ferreira/Luiz Fernando Freire作。Deodatoのオルガン&ピアノとホーン・アンサンブルのバランスが絶妙なグルーヴィーなジャズ・サンバがオープニング。
https://www.youtube.com/watch?v=SD5usMVUopE

「Samba de Verao」
Marcos Valle/Paulo Sergio Valle作。「Summer Samba」「So Nice」のタイトルでも知られる名曲「Samba de Verao」をカヴァー。この名曲の初レコーディングはDeodatoの初アルバム『 Ideias...』(1964年)ヴァージョンです。Marcos自身のヴァージョンは『O Compositor E O Cantor』(1965年)、『Samba '68』(1968年)で聴くことができます。お馴染みの名曲をラウンジ・ボッサ調のメロウ・チューンで聴かせてくれます。中盤のホーン・アンサンブルが気が利いていていいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=7qf8XreIRjY

本曲について、当ブログではAstrud Gilberto/Walter Wanderley TrioBebel GilbertoO QuartetoBossa TresWanda de Sah featuring The Sergio Mendes Trio With Rosinha De ValencaDoris MonteiroEliane EliasMario Castro Neves & Samba S.A.のカヴァーも紹介済みです。

「Cesteiro Que Faz Um Cesto Faz Um Cento」
Toni Vestane作。小気味良さの中にもエレガントさが漂うジャズ・サンバ。
https://www.youtube.com/watch?v=A2iKwxucF4A

「Baiaozinho」
Eumir Deodatoのオリジナル。華のあるジャズ・サンバはバカンス・モードにフィットします。
https://www.youtube.com/watch?v=yo3iwJLbwCU

当ブログではRoberto MenescalDoris Monteiroのカヴァーも紹介済みです。

「Muito a Vontade」
Joao Donato作。Joao Donatoのオリジナルは『Sambou, Sambou(Muito a Vontade)』(1962年)収録。ムーディーながらも軽快さも兼ね備えたジャズ・サンバに仕上がっています。Deodatoの小粋なピアノもいい感じ。
https://www.youtube.com/watch?v=sx-39-4f1_8

当ブログではWanda de Sah featuring The Sergio Mendes TrioDoris MonteiroMario Castro Neves & Samba S.A.のカヴァーも紹介済みです。

「Samba Novo」
Durval Ferreira作。当ブログではLe Trio CamaraTamba Trioのカヴァーも紹介済みです。素敵なホーン・アンサンブルと共に始まるムーディーな仕上がり。
https://www.youtube.com/watch?v=Vj-cRzEjeEA

「Esperanca」
Durval Ferreira/Luis Fernando Freire/Maurício Einhorn作。当ブログではTamba Trioのカヴァーも紹介済みです。哀愁メロウなジャズ・サンバは実にいい雰囲気です。去りゆく夏に思いを馳せながら聴きたい気分になります。
https://www.youtube.com/watch?v=iN8qc2608y4

「Cheers」
Henry Mancini作。Deodatoのアレンジ・センスが冴えまくる軽々なジャズ・サンバ。溌剌とした中にも寛げるムードがあるのがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=wBWlCxviM78

「Ainda Mais Lindo」
Marcos Valle/Paulo Sergio Valle作。当ブログではWalter Wanderleyのカヴァーも紹介済みです。オルガンの音色がフィットするメロウ・ボッサは実にロマンティックです。
https://www.youtube.com/watch?v=2tX-OOG22jw

「Diz Que Fui Por Ai」
Ze Keti/Hortencio Rocha作。当ブログではNara LeaoDoris Monteiroのカヴァーも紹介済みです。グルーヴィー・オルガンが映える格好良い1曲に仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=B2T44isWrTY

「So Por Amor」
Baden Powell/Vinicius de Moraes作。哀愁の音色が印象的なオルガン・ボッサに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=0ysSD5SCf2U

「Ela e Carioca」
「She's a Carioca」のタイトルでも知られるAntonio Carlos Jobim/Vinicius de Moraes作の名曲をカヴァー。お馴染みの名曲をエレガントなアレンジで聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=AvZdkNNqe68

本曲について、当ブログではAstrud GilbertoWalter WanderleyCelso FonsecaJoao GilbertoVinicius CantuariaTill BronnerGretchen Parlatoのカヴァーを紹介済みです。

「Pouca Duracao」
Pacifico Mascarenhas作。当ブログでは作者Pacifico Mascarenhas率いるSambacanaヴァージョンも紹介済みです。ラストは華のあるメロウ・ボッサでエレガントに締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=BoXnkeqpcwo

Black Eyed Peas「Street Livin'」のサンプリング・ソースとなっています。
Black Eyed Peas「Street Livin'」
 https://www.youtube.com/watch?v=1EC8lBwroOc

Os Catedraticosの他作品もチェックを!

『Tremendao』(1964年)


『Ataque』(1965年)


Eumir Deodatoの過去記事もチェックを!

『Os Catedraticos 73』(1973年)
オス・カテドラーチコス 73(紙ジャケット仕様)

『Whirlwinds』(1974年)
旋風

『Love Island』(1978年)
Love Island

『Night Cruiser』(1980年)
ナイト・クルーザー<FUSION 1000>
posted by ez at 02:25| Comment(0) | 1960年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年09月04日

Jackson Browne『For Everyman』

コロナ禍の今だから聴くべきタイトル曲☆Jackson Browne『For Everyman』

発表年:1973年
ez的ジャンル:西海岸SSW
気分は... :フラジャイルな魅力...

久々に大好きなUSシンガー・ソングライターJackson Browneです。
約11年ぶりに投稿するのは2ndアルバム『For Everyman』(1973年)です。

僕の音楽ライフの原点と呼べるアーティストJackson Browneについて、これまで当ブログで紹介してきたのは以下の4枚。

 『Late For The Sky』(1974年)
 『The Pretender』(1976年)
 『Running On Empty』(1977年)
 『Hold Out』(1980年)

僕にとってのJackson Browneは上記4枚が神アルバムで、特に高校・大学の頃はかなりの頻度で聴いていました。

それと比較すると、デビュー・アルバム『Jackson Browne』(1972年)や2ndとなる本作『For Everyman』(1973年)への愛着度は1ランク下だったかもしれません。勿論、この2枚も秀逸なアルバムなのですが。

そんな僕の中の位置づけのせいで、2009年の『The Pretender』(1976年)の投稿で、Jackson Browneについては最低限取り上げるべき作品は出揃った!と安心してしてしまい、今日の投稿まで11年を要してしまいました。

世界が激変してしまった現在のコロナ禍で、ここ数日急に本作のタイトル曲「For Everyman」が聴きたくなり、約10年ぶりに『For Everyman』を聴いています。

コロナ禍という非常事態で人々が自らの脆さ・弱さを痛感する中で、Jackson Browneの持つフラジャイルな歌世界は、傷ついた心に優しく寄り添ってくれます。

プロデュース&ソングライティングはJackson Browne自身(共作含む)。

レコーディング・メンバーは、Jackson Browne(vo、g、p)以下、David Crosby(back vo)、Craig Doerge(p)、CrusadersWilton Felder(b)、EaglesGlenn Frey(back vo)とDon Henley(back vo)、、Doug Haywood(b、back vo)、Little FeatBill Payne(p)、Elton John(Rockaday Johnnie名義)(p)、後にTotoを結成するDavid Paich(p)、Joni Mitchell(el-p)、Jim Keltner(ds)、Sneaky Pete Kleinow(pedal steel g)、Russ Kunkel(ds)、David Lindley(g、el-fiddle)、Gary Mallaber(ds)、Mickey McGee(ds)、Spooner Oldham(org)、Leland Sklar(b)、Mike Utley(org)、Bonnie Raitt(back vo)。

何といっても、これ以降のJackson Browne作品には不可欠となるギタリストDavid Lindleyの参加が目を引きます。

前述のように、今このアルバムを聴く最大の意味合いはタイトル曲「For Everyman」だと思います。

それ以外であれば、Eaglesヴァージョンで知られる人気曲「Take It Easy」、数々のカヴァー・ヴァージョンで知られる名曲「These Days」Elton John(Rockaday Johnnie名義)が参加した1stシングル「Redneck Friend」あたりが目立つかもしれません。

個人的には「Our Lady of the Well」「Colors of the Sun」「I Thought I Was a Child」「The Times You've Come」といった楽曲にフラジャイルで、誠実で、イノセントなJackson Browneの魅力が詰まっていると思います。

最近、こういう音楽をあまり聴かなくなってきていますが、やはり僕はJackson Browneが好きだ!

全曲紹介しときやす。

「Take It Easy」
説明不要の人気曲ですね。この曲のみEaglesのGlenn Freyとの共作。本作の前年にEaglesヴァージョン(アルバム『Eagles』収録)がUSシングル・チャート第12位のヒットとなっています。Eaglesヴァージョンを聴き慣れていると、こちらの方が青臭く聴こえますが、その青臭さこそが魅力なのでは?David Lindleyのギター、Sneaky Pete Kleinowのペダル・スティールがいい味出しています。
https://www.youtube.com/watch?v=kBL80U12YAc

「Our Lady of the Well」
邦題「泉の聖母」。「Take It Easy」からのシームレスな流れがいい感じです。Browneらしいメロディとフラジャイルな魅力に溢れた1曲に仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=NtSu_VlGfCo

「Colors of the Sun」
Don Henleyがバック・ヴォーカルで参加。Browneらしい生真面目さが伝わってくるピアノ・バラード。Browneの誠実で繊細であるが故の翳りがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=GyPeWbVP3fs

「I Thought I Was a Child」
初期Browneらしいイノセントな魅力に溢れた名曲。迷える青春時代に聴くと、優しく寄り添ってくれます。Lindleyの素敵なアコギの響きもサイコー!ピアノはBill Payne。
https://www.youtube.com/watch?v=eoZRAYzbCaY

「These Days」
邦題『青春の日々』。オリジナル・レコーディングは1967年のNicoヴァージョン。1968年にはNitty Gritty Dirt Bandがカヴァーしています。Browneのセルフ・カヴァーは本作と同年にリリースされたGregg Allmanヴァージョン(アルバム『Laid Back』収録)の影響を受けていると思われます。Lindleyのスライド・ギターを中心にレイド・バックな1曲に仕上がっています。この曲もコロナ禍の今聴くと感慨深いものがあります。コロナ前のあの日々は戻ってこないのか・・・
https://www.youtube.com/watch?v=oFYgaarYepw

前述のヴァージョン以外に、Iain Matthews、Cher、Everything but the Girl等数多くのアーティストがカヴァーしています。
Gregg Allman「These Days」
 https://www.youtube.com/watch?v=3e7tFUe8JPs
Nico「These Days」
 https://www.youtube.com/watch?v=0_z_UEuEMAo
Nitty Gritty Dirt Band「These Days」
 https://www.youtube.com/watch?v=yKKdaRYJ4XM
Iain Matthews「These Days」
 https://www.youtube.com/watch?v=my46UlUuqzM
Cher「These Days」
 https://www.youtube.com/watch?v=ZT5ElNhFdDI
Everything but the Girl「These Days」
 https://www.youtube.com/watch?v=8C0dxeHvpbA

「Redneck Friend」
アルバムからの1stシングル。Elton John(Rockaday Johnnie名義)がピアノで参加。Lindleyの軽快なギターが先導するロックンロールです。正直僕はJackson Browneにこういった曲を期待していませんが、アルバムの構成上は必要なのでしょうね。
https://www.youtube.com/watch?v=-QaX-njWXtw

「The Times You've Come」
Jackson Browneワールド全開で大好きなアコースティック・バラード。はかなさの美学が日本人の感覚にもフィットするのかもしれませんね。Bonnie Raittがバック・コーラスで参加。
https://www.youtube.com/watch?v=ujt5kwDs9pU

「Ready or Not」
これもBrowneらしい曲調ですね。リラックスした雰囲気の中にも若いカップルの葛藤が感じられていいですね。Lindleyのエレクトリック・フィドルがいい味出しています。
https://www.youtube.com/watch?v=KPpfcYgnfLw

「Sing My Songs to Me」
Joni Mitchellがエレピで参加。洗練された都会的なバッキングに魅了されるメロウ・ミディアム。エンディングを飾るタイトル曲への名繋ぎ役になっています。
https://www.youtube.com/watch?v=L-5XajPClLs

「For Everyman」
ラストは終末をテーマにしたタイトル曲。Crosby, Stills & Nash「Wooden Ships」へのアンサー・ソングとして書かれたものです。崩壊していく社会で、ユートピア目指して船で旅立つ人々を歌ったCSNに対して、Browneは船に乗ることができない人々のことを思い、"僕はここで普通の人々を待つ"と歌います。コロナ禍で世界が崩壊しつつある今だからこそ聴くべき1曲なのではないでしょうか。
https://www.youtube.com/watch?v=Dw9U9dtQKQo

未聴の方はJackson Browneの他の初期作品もチェックを!

『Jackson Browne』(1972年)


『Late For The Sky』(1974年)


『The Pretender』(1976年)


『Running On Empty』(1977年)


『Hold Out』(1980年)
posted by ez at 03:22| Comment(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年09月03日

De La Soul『Art Official Intelligence: Mosaic Thump』

AOIシリーズ第一弾☆De La Soul『Art Official Intelligence: Mosaic Thump』

発表年:2000年
ez的ジャンル:Native Tongues系Hop-Hop
気分は... :アオイではありません(笑)

TrugoyPosMaseoの3人組Hip-HopユニットDe La Soul『Art Official Intelligence: Mosaic Thump』(2000年)です。

これまで当ブログで紹介してきたDe La Soul作品は以下の6枚。

 『3 Feet High And Rising』(1989年)
 『De La Soul Is Dead』(1991年)
 『Buhloone Mindstate』(1993年)
 『Stakes Is High』(1996年)
 『AOI:Bionix』(2001年)
 『The Grind Date』(2004年)

本作はArt of Official Intelligence(AOI)シリーズ第一弾としてリリースされた5thアルバムです。

元々Art of Official Intelligence(AOI)シリーズは三部作として企画され、本作に続き『AOI:Bionix』(2001年)が第二弾がリリースされましたが、
Tommy Boy
との契約が切れてしまい、シリーズ完結作となるはずであった第三弾アルバムは未完に終わりました。

シリーズ第一弾となる本作『Art Official Intelligence: Mosaic Thump』(2000年)は、アルバムはUSアルバム・チャート第9位、同R&Bアルバム・チャート第3位となり、チャート・アクション的にもまずまずの結果を残しました。

内容的にも90年代とは異なる2000年代らしさを感じるトラックがく、De La Soulが新ステージに突入したことを実感できる作品に仕上がっています。

Redmanをフィーチャーした1stシングル「Oooh.」Chaka Khanをフィーチャーした2ndシングル「All Good?」をはじめ、キャッチーなトラックが並びます。

どうしても80年代〜90年代前半のイメージが強いDe La Soulですが、AOIシリーズの2枚もなかなか魅力的だと思います。

2000年代ならではのDe La Soulを楽しみましょう。

全曲紹介しときやす。

「Spitkicker.com/Say R. (Intro)」
De La Soulプロデュース。アルバムのイントロ。

「U Can Do (Life)」
Supa Dave Westプロデュース。Chic「Le Freak」、M「Pop Muzik」ネタを使っている割には派手さはありませんが、De La Soulらしさを感じるトラックに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=cRhtB1YnwFg

「My Writes」
Tha Alkaholiks/Xzibitをフィーチャー。Ad Lib/De La Soulプロデュース。アブストラクト感のある硬質なビートが格好良いトラックに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=KeDkxQgSW9k

「Oooh.」
Redmanをフィーチャー。De La Soul/Prince Paulプロデュース。アルバムからの1stシングル。Diana Ross主演、Michael Jacksonも出演した映画『The Wiz』(1978年)をモチーフにしたPVも楽しめます。Lee Dorsey「The Greatest Love」、Fred Wesley & The J.B.'s「Blow Your Head」、Lalo Schifrin「The Human Fly」ネタのトラックに、The Jimmy Castor Bunch「It's Just Begun」、The Fearless Four「Rockin' It」、A Tribe Called Quest「Can I Kick It?」、Sugar Bear「Don't Scandalize Mine」、Run-D.M.C.「Together Forever (Krush-Groove 4)」ネタのリリックが散りばめられています。
https://www.youtube.com/watch?v=uqp33KRndl8

「Thru Ya City」
D.V. Alias Khristをフィーチャー。Jay Dee (J Dilla)プロデュース。Cheri「Come With Me (To My Island)」ネタのトラックに乗って、いきなりLovin' Spoonful「Summer in the City」のフレーズでスタート。De La Soulらしい少しとぼけた雰囲気とJ Dillaらしいセンスのトラックが噛み合った見事な1曲に仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=lKsxi1_UXO4

「I.C. Y'All」
Busta Rhymesをフィーチャー。Rockwilderプロデュース。War「Galaxy」をサンプリングしたスペイシー・トラックに乗って、Busta Rhymes、De La Soulがリリックを繋ぎますが、Bustaの声が加わると彼の個性で持っていかれ、De La SoulメンバーもBustaっぽくなってしまいますね(笑)
https://www.youtube.com/watch?v=__r_YLFSL4w

「View」
De La Soulプロデュース。Lou Donaldson「Ode To Billie Joe」ネタのビートの印象的です。Roland Kirk「The Inflated Tear」もサンプリング。
https://www.youtube.com/watch?v=TeTYTPhxblM

「Set The Mood」
Indeedをフィーチャー。Mr. Khaliylプロデュース。Roberta Flack「25th of Last December」をサンプリングした哀愁トラックに仕上がっています。。
https://www.youtube.com/watch?v=c-wef_So5bc

「All Good?」
Chaka Khanをフィーチャー。De La Soulプロデュース。アルバムからの2ndシングルにもなりました。哀愁メロウなトラックに乗って、Chaka Khanがベテランらしい風格のあるソウル・ヴォーカルで魅せるキャッチーな仕上がり。Kurious「Back With V.I.C.」等のサンプリング・ソースとなっています。
https://www.youtube.com/watch?v=KRIc_EjwMp8

「Declaration」
De La Soulプロデュース。James Brown「There It Is」、「Blues and Pants」、The Roots feat. Dice Raw「Don't See Us」、Mobb Deep feat. Big Noyd and Rakim「Hoodlum」、EPMD「Never Seen Before」、Mountain「Long Red」といったヴォーカル/リリック・ネタが散りばめられています。2000年らしいトラック・センスのビートの響きがいい感じです。
https://www.youtube.com/watch?v=_yZRI8ry_ws

「Squat!」
Beastie BoysのMike D/Ad-Rockをフィーチャー。De La Soulプロデュース。Beside「Change the Beat (Female Version)」をサンプリング。Beastie BoysとDe La Soulの個性のぶつかり合いが面白いトラックに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=p5e4Ep2RnS0

「Words From The Chief Rocker」
Busy Bee Starskiをフィーチャー。De La Soulプロデュース。Fab 5 Freddy「Down by Law」をサンプリング。1分に満たないトラックですが、ドライブ感があってなかなか格好良いです。

「With Me」
De La Soulプロデュース。Marvin Gaye「After the Dance」をモロ使いしたソウルフル・トラック。ある意味、De La Soulらしいかもしれませんが・・・

「Copa (Cabanga)」
Supa Dave Westプロデュース。僕の密かなお気に入り。浮遊感のある軽快なトラックに乗って、De La Soulらしい力の抜けたフロウを聴かせてくれます。

「Foolin'」
De La Soul & Deaf 2 U Inc.プロデュース。Quincy Jones feat. Minnie Riperton, Leon Ware & Al Jarreau「If I Ever Lose This Heaven」をサンプリング。ソウルフルでありながら、2000年らしいセンスで聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=odsPr0GzSLs

「The Art of Getting Jumped」
De La Soulプロデュース。Odair Cabeça De Poeta and Grupo Capote「A Dor E Curta E O Nome Comprido」、The Blackbyrds「Rock Creek Park」、Aretha Franklin「Jump to It」をサンプリングしたラテン・フレイヴァーの仕上がり。Stetsasonic「Go Stetsa I」
Ed O.G. & Da Bulldogs「I Got to Have It」ネタも散りばめられています。
https://www.youtube.com/watch?v=s7Dw5i8cgRw

「U Don't Wanna B.D.S.」
Freddie Foxxxをフィーチャー。De La Soulプロデュース。ラストはDe La Soulらしく楽しく締め括ってくれます。

De La Soul作品の過去記事もご参照下さい。

『3 Feet High And Rising』(1989年)
3 Feet High and Rising

『De La Soul Is Dead』(1991年)
De La Soul Is Dead

『Buhloone Mindstate』(1993年)


『Stakes Is High』(1996年)
Stakes Is High

『AOI:Bionix』(2001年)
AOI: Bionix

『The Grind Date』(2004年)
グラインド・デイト
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2020年09月01日

『今の気分は...2020年9月1日編』

今回は2010年代カテゴリーからラテン/チカーノ/アフロ・ラテン系を10曲セレクトしました。

全て過去記事で紹介済なので、気に入った曲があれば過去記事もご参照下さい。

Snowboy & The Latin Section「New York Afternoon」
https://www.youtube.com/watch?v=BfCNtHXSXtk
From 『New York Afternoon』(2016年)
New York Afternoon

Los Stellarians「Didn't I」
https://www.youtube.com/watch?v=LzXckxbCzPo
From 『Los Stellarians』(2016年)
Los Stellarians

Thee East L.A. Philharmonic「You'll Never Find Another Love Like Mine」
https://www.youtube.com/watch?v=ogaVtOA_TiA
From 『Thee East L.A. Philharmonic』(2012年)
Thee East L.a.  Philharmonic

Nortec Collective Presents: Bostich+Fussible「Motel Baja」
https://www.youtube.com/watch?v=z2ukr-aYIdw
From 『Motel Baja』(2014年)
Motel Baja

Bosq「Pegate Pa Sa」
https://www.youtube.com/watch?v=kXWdXspzySw
From 『Love and Resistance』(2018年)
Love And Resistance

Afro Latin Vintage Orchestra「Mamadou」
https://www.youtube.com/watch?v=AJsDJDvf-sI
From 『Ayodegi』(2010年)
Ayodegi

Ondatropica「Hummingbird」
https://www.youtube.com/watch?v=AW2v5Yqt84I
From 『Baile Bucanero』(2017年)
バイレ・ブカネロ

Roman Andren「En Mi Corazon, Vive un Sueno」
https://www.youtube.com/watch?v=huPI6nxNSwo
From 『Cabra Negra』(2012年)
カブラ・ネグラ

Grupo Fantasma「Montanozo」
https://www.youtube.com/watch?v=xWWCjgR--lo
From 『El Existential』(2010年)
エル・エクシステンシャル

Chicano Batman「Cyles Of Existential Rhyme」
https://www.youtube.com/watch?v=ZzMoOHygatM
From 『Cycles Of Existential Rhyme』(2014年)
サイクルズ・オブ・エグジステンシャル・ライム
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