2020年09月03日

De La Soul『Art Official Intelligence: Mosaic Thump』

AOIシリーズ第一弾☆De La Soul『Art Official Intelligence: Mosaic Thump』

発表年:2000年
ez的ジャンル:Native Tongues系Hop-Hop
気分は... :アオイではありません(笑)

TrugoyPosMaseoの3人組Hip-HopユニットDe La Soul『Art Official Intelligence: Mosaic Thump』(2000年)です。

これまで当ブログで紹介してきたDe La Soul作品は以下の6枚。

 『3 Feet High And Rising』(1989年)
 『De La Soul Is Dead』(1991年)
 『Buhloone Mindstate』(1993年)
 『Stakes Is High』(1996年)
 『AOI:Bionix』(2001年)
 『The Grind Date』(2004年)

本作はArt of Official Intelligence(AOI)シリーズ第一弾としてリリースされた5thアルバムです。

元々Art of Official Intelligence(AOI)シリーズは三部作として企画され、本作に続き『AOI:Bionix』(2001年)が第二弾がリリースされましたが、
Tommy Boy
との契約が切れてしまい、シリーズ完結作となるはずであった第三弾アルバムは未完に終わりました。

シリーズ第一弾となる本作『Art Official Intelligence: Mosaic Thump』(2000年)は、アルバムはUSアルバム・チャート第9位、同R&Bアルバム・チャート第3位となり、チャート・アクション的にもまずまずの結果を残しました。

内容的にも90年代とは異なる2000年代らしさを感じるトラックがく、De La Soulが新ステージに突入したことを実感できる作品に仕上がっています。

Redmanをフィーチャーした1stシングル「Oooh.」Chaka Khanをフィーチャーした2ndシングル「All Good?」をはじめ、キャッチーなトラックが並びます。

どうしても80年代〜90年代前半のイメージが強いDe La Soulですが、AOIシリーズの2枚もなかなか魅力的だと思います。

2000年代ならではのDe La Soulを楽しみましょう。

全曲紹介しときやす。

「Spitkicker.com/Say R. (Intro)」
De La Soulプロデュース。アルバムのイントロ。

「U Can Do (Life)」
Supa Dave Westプロデュース。Chic「Le Freak」、M「Pop Muzik」ネタを使っている割には派手さはありませんが、De La Soulらしさを感じるトラックに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=cRhtB1YnwFg

「My Writes」
Tha Alkaholiks/Xzibitをフィーチャー。Ad Lib/De La Soulプロデュース。アブストラクト感のある硬質なビートが格好良いトラックに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=KeDkxQgSW9k

「Oooh.」
Redmanをフィーチャー。De La Soul/Prince Paulプロデュース。アルバムからの1stシングル。Diana Ross主演、Michael Jacksonも出演した映画『The Wiz』(1978年)をモチーフにしたPVも楽しめます。Lee Dorsey「The Greatest Love」、Fred Wesley & The J.B.'s「Blow Your Head」、Lalo Schifrin「The Human Fly」ネタのトラックに、The Jimmy Castor Bunch「It's Just Begun」、The Fearless Four「Rockin' It」、A Tribe Called Quest「Can I Kick It?」、Sugar Bear「Don't Scandalize Mine」、Run-D.M.C.「Together Forever (Krush-Groove 4)」ネタのリリックが散りばめられています。
https://www.youtube.com/watch?v=uqp33KRndl8

「Thru Ya City」
D.V. Alias Khristをフィーチャー。Jay Dee (J Dilla)プロデュース。Cheri「Come With Me (To My Island)」ネタのトラックに乗って、いきなりLovin' Spoonful「Summer in the City」のフレーズでスタート。De La Soulらしい少しとぼけた雰囲気とJ Dillaらしいセンスのトラックが噛み合った見事な1曲に仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=lKsxi1_UXO4

「I.C. Y'All」
Busta Rhymesをフィーチャー。Rockwilderプロデュース。War「Galaxy」をサンプリングしたスペイシー・トラックに乗って、Busta Rhymes、De La Soulがリリックを繋ぎますが、Bustaの声が加わると彼の個性で持っていかれ、De La SoulメンバーもBustaっぽくなってしまいますね(笑)
https://www.youtube.com/watch?v=__r_YLFSL4w

「View」
De La Soulプロデュース。Lou Donaldson「Ode To Billie Joe」ネタのビートの印象的です。Roland Kirk「The Inflated Tear」もサンプリング。
https://www.youtube.com/watch?v=TeTYTPhxblM

「Set The Mood」
Indeedをフィーチャー。Mr. Khaliylプロデュース。Roberta Flack「25th of Last December」をサンプリングした哀愁トラックに仕上がっています。。
https://www.youtube.com/watch?v=c-wef_So5bc

「All Good?」
Chaka Khanをフィーチャー。De La Soulプロデュース。アルバムからの2ndシングルにもなりました。哀愁メロウなトラックに乗って、Chaka Khanがベテランらしい風格のあるソウル・ヴォーカルで魅せるキャッチーな仕上がり。Kurious「Back With V.I.C.」等のサンプリング・ソースとなっています。
https://www.youtube.com/watch?v=KRIc_EjwMp8

「Declaration」
De La Soulプロデュース。James Brown「There It Is」、「Blues and Pants」、The Roots feat. Dice Raw「Don't See Us」、Mobb Deep feat. Big Noyd and Rakim「Hoodlum」、EPMD「Never Seen Before」、Mountain「Long Red」といったヴォーカル/リリック・ネタが散りばめられています。2000年らしいトラック・センスのビートの響きがいい感じです。
https://www.youtube.com/watch?v=_yZRI8ry_ws

「Squat!」
Beastie BoysのMike D/Ad-Rockをフィーチャー。De La Soulプロデュース。Beside「Change the Beat (Female Version)」をサンプリング。Beastie BoysとDe La Soulの個性のぶつかり合いが面白いトラックに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=p5e4Ep2RnS0

「Words From The Chief Rocker」
Busy Bee Starskiをフィーチャー。De La Soulプロデュース。Fab 5 Freddy「Down by Law」をサンプリング。1分に満たないトラックですが、ドライブ感があってなかなか格好良いです。

「With Me」
De La Soulプロデュース。Marvin Gaye「After the Dance」をモロ使いしたソウルフル・トラック。ある意味、De La Soulらしいかもしれませんが・・・

「Copa (Cabanga)」
Supa Dave Westプロデュース。僕の密かなお気に入り。浮遊感のある軽快なトラックに乗って、De La Soulらしい力の抜けたフロウを聴かせてくれます。

「Foolin'」
De La Soul & Deaf 2 U Inc.プロデュース。Quincy Jones feat. Minnie Riperton, Leon Ware & Al Jarreau「If I Ever Lose This Heaven」をサンプリング。ソウルフルでありながら、2000年らしいセンスで聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=odsPr0GzSLs

「The Art of Getting Jumped」
De La Soulプロデュース。Odair Cabeça De Poeta and Grupo Capote「A Dor E Curta E O Nome Comprido」、The Blackbyrds「Rock Creek Park」、Aretha Franklin「Jump to It」をサンプリングしたラテン・フレイヴァーの仕上がり。Stetsasonic「Go Stetsa I」
Ed O.G. & Da Bulldogs「I Got to Have It」ネタも散りばめられています。
https://www.youtube.com/watch?v=s7Dw5i8cgRw

「U Don't Wanna B.D.S.」
Freddie Foxxxをフィーチャー。De La Soulプロデュース。ラストはDe La Soulらしく楽しく締め括ってくれます。

De La Soul作品の過去記事もご参照下さい。

『3 Feet High And Rising』(1989年)
3 Feet High and Rising

『De La Soul Is Dead』(1991年)
De La Soul Is Dead

『Buhloone Mindstate』(1993年)


『Stakes Is High』(1996年)
Stakes Is High

『AOI:Bionix』(2001年)
AOI: Bionix

『The Grind Date』(2004年)
グラインド・デイト
posted by ez at 02:29| Comment(0) | 2000年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする