発表年:1964年
ez的ジャンル:ブラジル新世代SSW
気分は... :Zまでやり抜く・・・
世界的な成功を収めたブラジル人プロデューサー/アレンジャー/キーボード奏者Eumir Deodatoが若き時代に組んでいたジャズ・サンバ・ユニットOs Catedraticosの1stアルバム『Impulso!』(1964年)です。
1943年ブラジル、リオデジャネイロ生まれのキーボード奏者Eumir Deodatoについて、これまで当ブログで紹介したのは以下の4枚。
『Os Catedraticos 73』(1973年)
『Whirlwinds』(1974年)
『Love Island』(1978年)
『Night Cruiser』(1980年)
Os CatedraticosはDeodatoが20代前半に組んでいたジャズ・サンバ・ユニット。
Os Catedraticos名義で『Impulso!』(1964年)、『Tremendao』(1964年)、『Ataque』(1965年)という3枚のアルバムをリリースしています。
1stアルバムとなる本作『Impulso!』(1964年)のレコーディング・メンバーは、Eumir Deodato(org、p)、Wilson Das Neves(ds)、Dom Um Romao(ds)、Luiz Marinho(b)、Jorge Arena(congas)、Humberto Garin(guiro)、Neco(g)、Rubens Bassini(pandeiro)、Maurílio Santos(tp)、Edson Maciel(tb)、Cipo(ts)、Walter Rosa(ts)、Alberto Goncalves(bs)。
アレンジャー/キーボード奏者としてのDeodatoの才能を存分に楽しめる1枚です。
Deodatoがあの手この手で素敵なジャズ・サンバ/ボサノヴァを聴かせてくれます。
全曲インストですが、お馴染みの名曲カヴァーも多いので聴きやすいと思います。
20代前半で見事にコントロールされたジャズ・サンバ/ボサノヴァ・ワールドを展開するDeodatoのセンスに脱帽の1枚です。
全曲紹介しときやす。
「Menina Certinha」
Durval Ferreira/Luiz Fernando Freire作。Deodatoのオルガン&ピアノとホーン・アンサンブルのバランスが絶妙なグルーヴィーなジャズ・サンバがオープニング。
https://www.youtube.com/watch?v=SD5usMVUopE
「Samba de Verao」
Marcos Valle/Paulo Sergio Valle作。「Summer Samba」「So Nice」のタイトルでも知られる名曲「Samba de Verao」をカヴァー。この名曲の初レコーディングはDeodatoの初アルバム『 Ideias...』(1964年)ヴァージョンです。Marcos自身のヴァージョンは『O Compositor E O Cantor』(1965年)、『Samba '68』(1968年)で聴くことができます。お馴染みの名曲をラウンジ・ボッサ調のメロウ・チューンで聴かせてくれます。中盤のホーン・アンサンブルが気が利いていていいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=7qf8XreIRjY
本曲について、当ブログではAstrud Gilberto/Walter Wanderley Trio、Bebel Gilberto、O Quarteto、Bossa Tres、Wanda de Sah featuring The Sergio Mendes Trio With Rosinha De Valenca、Doris Monteiro、Eliane Elias、Mario Castro Neves & Samba S.A.のカヴァーも紹介済みです。
「Cesteiro Que Faz Um Cesto Faz Um Cento」
Toni Vestane作。小気味良さの中にもエレガントさが漂うジャズ・サンバ。
https://www.youtube.com/watch?v=A2iKwxucF4A
「Baiaozinho」
Eumir Deodatoのオリジナル。華のあるジャズ・サンバはバカンス・モードにフィットします。
https://www.youtube.com/watch?v=yo3iwJLbwCU
当ブログではRoberto Menescal、Doris Monteiroのカヴァーも紹介済みです。
「Muito a Vontade」
Joao Donato作。Joao Donatoのオリジナルは『Sambou, Sambou(Muito a Vontade)』(1962年)収録。ムーディーながらも軽快さも兼ね備えたジャズ・サンバに仕上がっています。Deodatoの小粋なピアノもいい感じ。
https://www.youtube.com/watch?v=sx-39-4f1_8
当ブログではWanda de Sah featuring The Sergio Mendes Trio、Doris Monteiro、Mario Castro Neves & Samba S.A.のカヴァーも紹介済みです。
「Samba Novo」
Durval Ferreira作。当ブログではLe Trio Camara、Tamba Trioのカヴァーも紹介済みです。素敵なホーン・アンサンブルと共に始まるムーディーな仕上がり。
https://www.youtube.com/watch?v=Vj-cRzEjeEA
「Esperanca」
Durval Ferreira/Luis Fernando Freire/Maurício Einhorn作。当ブログではTamba Trioのカヴァーも紹介済みです。哀愁メロウなジャズ・サンバは実にいい雰囲気です。去りゆく夏に思いを馳せながら聴きたい気分になります。
https://www.youtube.com/watch?v=iN8qc2608y4
「Cheers」
Henry Mancini作。Deodatoのアレンジ・センスが冴えまくる軽々なジャズ・サンバ。溌剌とした中にも寛げるムードがあるのがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=wBWlCxviM78
「Ainda Mais Lindo」
Marcos Valle/Paulo Sergio Valle作。当ブログではWalter Wanderleyのカヴァーも紹介済みです。オルガンの音色がフィットするメロウ・ボッサは実にロマンティックです。
https://www.youtube.com/watch?v=2tX-OOG22jw
「Diz Que Fui Por Ai」
Ze Keti/Hortencio Rocha作。当ブログではNara Leao、Doris Monteiroのカヴァーも紹介済みです。グルーヴィー・オルガンが映える格好良い1曲に仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=B2T44isWrTY
「So Por Amor」
Baden Powell/Vinicius de Moraes作。哀愁の音色が印象的なオルガン・ボッサに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=0ysSD5SCf2U
「Ela e Carioca」
「She's a Carioca」のタイトルでも知られるAntonio Carlos Jobim/Vinicius de Moraes作の名曲をカヴァー。お馴染みの名曲をエレガントなアレンジで聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=AvZdkNNqe68
本曲について、当ブログではAstrud Gilberto、Walter Wanderley、Celso Fonseca、Joao Gilberto、Vinicius Cantuaria、Till Bronner、Gretchen Parlatoのカヴァーを紹介済みです。
「Pouca Duracao」
Pacifico Mascarenhas作。当ブログでは作者Pacifico Mascarenhas率いるSambacanaヴァージョンも紹介済みです。ラストは華のあるメロウ・ボッサでエレガントに締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=BoXnkeqpcwo
Black Eyed Peas「Street Livin'」のサンプリング・ソースとなっています。
Black Eyed Peas「Street Livin'」
https://www.youtube.com/watch?v=1EC8lBwroOc
Os Catedraticosの他作品もチェックを!
『Tremendao』(1964年)
『Ataque』(1965年)
Eumir Deodatoの過去記事もチェックを!
『Os Catedraticos 73』(1973年)
『Whirlwinds』(1974年)
『Love Island』(1978年)
『Night Cruiser』(1980年)