発表年:1997年
ez的ジャンル:N.Y.フューチャー・ソウル
気分は... :ディオニソス神・・・
N.Y.ジャズ・ファンク・グループRepercussionsの2ndアルバム『Charmed Life』(1997年)です。
Repercussionsの紹介は、Steely Dan作品でお馴染みのGary Katzがプロデュースした1stアルバム『Earth And Heaven』(1995年)に続き2回目となります。
ジャズ・ファンク・バンド然としていた1st『Earth And Heaven』(1995年)に対して、本作『Charmed Life』(1997年)はドラムの生演奏は殆どなく、プログラミング中心のダンス・ミュージック/フューチャー・ソウル色が強調され、ドラムンベース、ジャングル、レゲエ/ダブなどのエッセンスも取り入れています。
『Earth And Heaven』(1995年)と同じグループのアルバムと思えない部分も多く、そこで賛否が分かれる1枚かもしれません。
本作におけるメンバーはNicole Willis(vo、key)、Andy Faranda(g)、Daniel Wyatt(congas、prog、key、vo)、Gordon "Nappy G" Clay(per、vo、prog)、Genji Siraisi(prog、b、back vo)、Jonathan Maron(key、b、g)という6名。
Gordon "Nappy G" Clay、Genji Siraisi、Jonathan Maronの3名は同時期に同じくN.Y.で活動していたジャズ・ファンク・グループGroove Collectiveのメンバーも掛け持ちしていました。
ただし、本作ではバンドというよりも、曲単位のプロジェクト色が強くなっています。
メンバー以外にNikki & Ivy Hewlett(back vo)、Itaal Shur (el-p、prog)、Charles Stella(g、key、melodica)、Maj(vo、g)、Rob Solomon(vo)、Dennis Martin(key)、Bill Ware III(vibe)、Rozz Nash(back vo)、Barney McCall(p)、Albin Janosczka(key)、Jay Denes(key、prog)、Lisa Shaw(vo)、Aya(vo)、Gordon Clay(rap、key)、Tanveer(tabla)、Babee Power(vo)、Scott Barkham(key)、Courtney Williams(ds)といったミュージシャンが参加しています。
特に「Love, Again」、「Moving On」、「Let The Games Begins」、「Charmed Life」、「Personal Favorite」あたりを聴けば、本作の魅力を実感できると思います。
破壊と創造の神ディオニソスを思い起こすような2ndアルバムです。
全曲紹介しときやす。
「Love, Again」
Charles Stella/Daniel Wyattプロデュース。本作らしいプログラミングを駆使したダンサブルなフューチャー・ソウル。Nicole Willisのヴォーカルが映える仕上がりです。ジャズ・ファンク好きよりもクラブミュージック好き向けのオープニングです。
https://www.youtube.com/watch?v=MdKnSNZVaPM
「Remember」
Genji Siraisiプロデュース。Nicole Willisと共にRob Solomonがリード・ヴォーカルをとるダンサブルなフューチャー・ソウル。シングル向きのキャッチーな仕上がりです。
「Climbling」
Gordon "Nappy G" Clay/Jay Denesプロデュース。リード・ヴォーカルはLisa Shaw。クラブ仕様のセクシー&コズミックなダンサブル・チューンは僕好み。
「Moving On」
Jonathan Maron/Itaal Shurプロデュース。リード・ヴォーカルはAya。Ayaの透明感のあるヴォーカルとアコースティックな質感が映えるメロウなダンサブル・チューン。Aya好きの僕には大歓迎の1曲です。
https://www.youtube.com/watch?v=HMM13FbAaow
ロンドン生まれ、シンガポール育ちの女性シンガーAya(Lysa Aya Trenier)については、当ブログでもソロ・アルバム『Strange Flower』(2004年)や、彼女を大きくフィーチャーしたBlue Six『Beautiful Tomorrow』(2002年)を紹介済みなので、ご興味がある方はそちらもチェックを!
Aya『Strange Flower』(2004年)
Blue Six『Beautiful Tomorrow』(2002年)
「Let The Games Begins」
Gordon Clayのラップをフューチャーしたフューチャー・ソウル。フューチャリスティックな雰囲気にタブラによるアクセントが効いています。
https://www.youtube.com/watch?v=DweZtrXUbfk
「Time To Say Goodbye」
Jonathan Maronプロデュース。リード・ヴォーカルはMaj。アーバンなミディアム・グルーヴに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=DtmAJ5-QAjM
「From The Control Tower」
Charles Stella/Daniel Wyattプロデュース。ダンスホール・レゲエ/ダブのエッセンスを取り入れたインスト・チューン。メロディカによるアクセントがいい感じです。
「Love Me Now」
Andy Faranda/Jay Denesプロデュース。リード・ヴォーカルはNicole WillisとBabee Power。このトラックもレゲエ調です。
https://www.youtube.com/watch?v=8_QKbHxJLuE
「Dream」
Genji Siraisiプロデュース。ドラムンベースを全面に取り入れたダンサブル・チューン。完全にフロア仕様ですね。
「Charmed Life」
Nicole Willis/Charles Stella/Daniel Wyattプロデュース。タイトル曲はフューチャリスティックな疾走感が格好良いフューチャー・ソウル。Nicole Willisのヴォーカルの躍動感が映えます。
https://www.youtube.com/watch?v=r8etQuR5Www
「Friendly Way」
Andy Faranda/Genji Siraisiプロデュース。少しジャングル風のエッセンスも取り入れたインスト・チューン。
「Personal Favorite」
Nicole Willis/Charles Stella/Daniel Wyattプロデュース。Hip-Hop×レゲエ/ダブ×ネオソウル×ドラムンベースなクロスオーヴァーが面白い1曲に仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=qMvX_fVyZJo
「Natural High」
Jonathan Maronプロデュース。リード・ヴォーカルはMaj。本作で唯一生ドラムの演奏が聴けるネオソウル・チューン。
「If You Ever」
Nicole Willis/Charles Stella/Daniel Wyattプロデュース。ラストはアコギをバックにNicole Willisが素敵な歌声を聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=1gXRsfVWoII
『Earth And Heaven』(1995年)