発表年:1970年
ez的ジャンル:UKロック
気分は... :祈りと稔り・・・
今回は60〜70年代UKロックを代表するバンドTrafficの『John Barleycorn Must Die』(1970年)です。
Steve Winwood、Dave Mason、Jim Capaldi、Chris Wood等を擁したロック・バンドTrafficについて、これまで当ブログで紹介したのは以下の3枚。
『Mr. Fantasy』(1967年)
『Traffic』(1968年)
『Shoot Out at the Fantasy Factory』(1973年)
また、彼らの楽曲も収録されたサントラThe Spencer Davis Group/Traffic『Here We Go 'Round The Mulberry Bush (Original Motion Picture Soundtrack) 』(1968年)も紹介済みです。
本作『John Barleycorn Must Die』(1970年)は、
『Last Exit』(1969年)で、Steve Winwood、
Dave Mason、Jim Capaldi、Chris Woodの4人による第一期に終止符を打ったTraffic(その間Dave Masonは出たり入ったりの繰り返しでしたが)。
そんな解散したはずのTrafficが、新生Trafficとして再始動したのが本作『John Barleycorn Must Die』(1970年)です。
本作は元々、第一期Traffic解散後、Blind Faith、Ginger Baker's Air Forceで活動していたSteve Winwoodのソロ・アルバム『Mad Shadows』として企画されたものです。
そのレコーディングにJim Capaldi(ds、per、vo)、Chris Wood(sax、fl、org、per)が参加し、結局Winwood(vo、g、b、org、p、el-p、per)、Capaldi、Woodの3人でTrafficを再編することになり、仕上げたのが本作『John Barleycorn Must Die』(1970年)です。
アルバムはUSアルバム・チャート第5位、UKアルバム・チャート第11位となり、USではゴールド・ディスクを獲得しています。
プロデュースは全6曲中4曲がSteve Winwood/Chris Blackwell、残る2曲がGuy Stevens。
さらに本作リリース後にはBlind FaithでWinwoodと共に活動していたRick Grech(b)も加わり、新生Trafficの活動を継続させることになります。
幻となった『Mad Shadows』のタイトルは、本作と同じGuy StevensがプロデュースしたMott the Hoopleの2ndアルバムで使われることになります。
全体としては、スワンプ・ロック、ジャズ、フォーク、ソウル等のエッセンスを取り入れつつUKらしいロック・アルバムに仕上がっています。Winwood中心のアルバムですが、Capaldi、Woodの存在感も示してくれる1枚です。
新生Trafficの稔りを満喫しましょう。
全曲紹介しときやす。
「Glad」
Steve Winwood作。Winwoodのオルガン、ピアノをバックに、Woodのサックスが躍動するグルーヴィーなインストがオープニング。ロック、ジャズ、ソウルのフィーリングが融合した僕の好きなTrafficを満喫できます。
https://www.youtube.com/watch?v=NBLBbNbGzBI
当ブログでも紹介したChristina Aguilera feat. Steve Winwood「Makes Me Wanna Pray」やAtmosphere「Lost and Found」のサンプリング・ソースとなっています。
Christina Aguilera feat. Steve Winwood「Makes Me Wanna Pray」
https://www.youtube.com/watch?v=_nNkFXV23sA
Atmosphere「Lost and Found」
https://www.youtube.com/watch?v=tonnyXiaFxU
「Freedom Rider」
Steve Winwood/Jim Capaldi作。Winwoodらしいソウルフル・ヴォーカルが映える哀愁ロック。力強さと寂しげな雰囲気が交錯する感じがいいですね。Woodのサックス、フルートの音色も演奏のいいアクセントになっています。
https://www.youtube.com/watch?v=Qsm1j_dDNtE
「Empty Pages」
Steve Winwood/Jim Capaldi作。 Winwoodらしいソウルフルな語り口が魅力のオルガン・ロック。エレピによるアクセントもいい感じです。終盤のドラマティック感はこの時期のUKロックっぽいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=5ycyIkcX7zU
Blood, Sweat & Tearsがカヴァーしています。
Blood, Sweat & Tears「Empty Pages」
https://www.youtube.com/watch?v=zHE_hvTnBws
「Stranger to Himself」
Steve Winwood/Jim Capaldi作。Guy Stevensプロデュース曲。当初のWinwoodのソロ作の名残りを感じる1曲。鍵盤のみならずWinwoodのギターも目立ちます。
https://www.youtube.com/watch?v=wA0vIcESGkI
「John Barleycorn (Must Die)」
タイトル曲はイングランド民謡「John Barleycorn」のカヴァー。大麦とそれを原料とする酒を擬人化した唄です。WinwoodとCapaldiのツイン・ヴォーカルによるフォーキー・チューンに仕上がっています。Woodのフルートがフォーキー・ムードを高めてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=LdI057Rs3wY
Gustavo Cerati「Fuerza Natural」のサンプリング・ソースとなっています。
Gustavo Cerati「Fuerza Natural」
https://www.youtube.com/watch?v=-ACG_gupkDw
「Every Mother's Son」
Steve Winwood/Jim Capaldi作。Guy Stevensプロデュース曲。ラストはBlind Faithの名残りを感じるミディアム・ロックで締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=hDnzRq9ZCM8
Trafficの過去記事やメンバーのソロ作(今回不参加のDave Masonも含めて)のソロ作もご参照ください。
『Mr. Fantasy』(1967年)
『Traffic』(1968年)
The Spencer Davis Group/Traffic『Here We Go 'Round The Mulberry Bush (Original Motion Picture Soundtrack) 』(1968年)
『Shoot Out at the Fantasy Factory』(1973年)
Steve Winwood『Steve Winwood』(1977年)
Steve Winwood『Arc Of A Diver』(1980年)
Steve Winwood『Talking Back To The Night』(1982年)
Steve Winwood『About Time』(2003年)
Jim Capaldi『Oh How We Danced』(1972年)
Jim Capaldi『Whale Meat Again』(1974年)
Jim Capaldi『Short Cut Draw Blood』(1975年)
Dave Mason『It's Like You Never Left』(1973年)
Dave Mason『Dave Mason』(1974年)
Dave Mason『Let It Flow』(1977年)