2020年09月27日

Flavia K『Janelas Imprevisiveis』

ブラジリアン・ネオソウルの新星☆Flavia K『Janelas Imprevisiveis』
flavia k janelas imprevisiveis.jpg
発表年:2020年
ez的ジャンル:ブラジリアン・ネオソウル
気分は... :グルテン・フリー・・・

今回はブラジリアン・ネオソウルの新星のデビュー・アルバムFlavia K『Janelas Imprevisiveis』です。

2019年サブスクとしてリリースされ、最近になり日本で世界初CD化が実現しました。

Flavia Kは1996年サンパウロ州サン・カエターノ・ド・スル生まれの女性シンガー/ピアニスト/コンポーザー。

幼い頃からジャズ、ソウル、ファンク、ボサノヴァに親しみ、クラシック・ピアノとジャズ・ピアノを学んでいました。

18歳となった2014年にEd Motta等をゲストに迎えた4曲入りEP「Tudo o que Soul」をリリースしています。

そして2019年に入念な準備を経てデビュー・アルバムとなる本作『Janelas Imprevisiveis』をリリースしています。

日本では、鎌倉の人気カフェ、ヴィヴモン・ディモンシュのオーナー兼マスター堀内隆志氏がコンパイルしたコンピ・アルバム『鎌倉のカフェから〜café vivement Dimanche 25th Anniversary』(2019年)に本作収録の「Sem Gluten」がセレクトされたことで注目されるようになり、その流れで『Janelas Imprevisiveis』のCD化が実現しました。

プロデュースはサンパウロのHip-Hopシーンで活動するベーシストJulio Mossil

楽曲はすべてFlavia Kのオリジナル(共作含む)。多くの曲で彼女の母Anete Kが作詞を担当しています。

アルバムには大ベテランRoberto Menescal(g)をはじめ、Marcellus Meirelles(g)、Slim Rimografia(rap)といったアーティストがフィーチャリングされています。

それ以外にVander Carneiro(ds)、Sidiel Vieira(b)、Leandro Cabral(p)等のミュージシャンがレコーディングに参加しています。Leandro Cabralは自身のピアノ・トリオ作品もリリースしているジャズ・ピアニストです。

2000年代前半のネオフィリーあたりに通じるジャジー・ソウルとブラジリアン・メロウ・ジャズ、MPBあたりがナチュラルに融合している雰囲気のアルバムです。

前述のコンピ『鎌倉のカフェから〜』収録の「Sem Gluten」Roberto Menescalをフィーチャーした「Cancao do Sol」、Marcellus Meirellesをフィーチャーした「Se Pa Tum Dere」、Slim Rimografiaをフィーチャーしたハイパー&メロウHip-Hop「Atelier do Silencio」、ブラジリアン・ネオソウルな「Plural」、Leandro Cabralのトリオとの共演「Janelas Imprevisiveis」あたりが僕のおススメです。

ネオソウルという部分をあまり気にしないで、ブラジルの新星女性アーティストとして楽しめばいいと思います。

全曲紹介しときやす。

「Neon」
ブラジル人アーティストらしい雰囲気のジャジー・ポップがオープニング。ミュート・トランペットのアクセントがいい感じのミディアムです。
https://www.youtube.com/watch?v=eeyA6KKgjeQ

「Sem Gluten」
前述のコンピ『鎌倉のカフェから〜』に収録されていた楽曲。タイトルは「グルテン・フリー」という意味。若い女性アーティストらしいですね。ブラジリアン・ネオソウルの雰囲気を楽しめるジャジー・ソウルです。
https://www.youtube.com/watch?v=JCjtKhfVVSw

「Janelas Imprevisiveis」
タイトル曲はLeandro Cabralのトリオとの共演によるメロウ・ミディアム。メロウ・エレピの心地好い響きが、初々しいFlavia Kのヴォーカルを引き立てます。
https://www.youtube.com/watch?v=SPksY_FbX90

「Cancao do Sol」
レジェンド・ボサノヴァ・ギタリストRoberto Menescalをフィーチャー。ボサノヴァではありませんが、ブラジリアン・メロウ好きならば大満足の素敵なアコースティック・メロウに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=U8Nj7ghLovA

「Contramao」
このトラックもLeandro Cabralのピアノ・トリオとの共演。ここではFlavia Kがエレピを弾いています。ジャズ・フィーリングのミディアム・バラードをしっとりと歌い上げます。
https://www.youtube.com/watch?v=eTdns1DAP8s

「Se Pa Tum Dere」
Marcellus Meirellesをフィーチャー。Flavia Kの素晴らしい多重録音コーラスとMarcellus Meirellesの絶品ギターが織り成すビューティフル・トラック。2分に満たないトラックですが、もっと長い尺で聴きたいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=KWm5iSB1eBU

「Tom」
ブラジリアン・ネオソウルなメロウ・ミディアム。2000年代前半のネオフィリーあたりと一緒に聴いてもフィットするのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=wZtwWlZevYI

「Plural」
このトラックもネオソウルなメロウ・ミディアム・グルーヴ。Flavia Kのヴォーカルもバッキングも肩の力が抜けている感じがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=TbIc5mgRY3c

「Atelier do Silencio」
20年のキャリアを誇るブラジルのHip-HopアーテイストSlim Rimografiaをフィーチャー。メロウでハイパーなHip-Hopトラックはかなり刺激的です。Flavia Kらしくはないのかもしれませんが・・・
https://www.youtube.com/watch?v=rYTY84sxHmo

「Atras do Vidro」
ラストはメロウなジャジー・ソウルで締め括ってくれます。ロッキンなギターがいいアクセントになっています。
https://www.youtube.com/watch?v=mlO2SQSS0Q0

『鎌倉のカフェから〜café vivement Dimanche 25th Anniversary』(2019年)
posted by ez at 01:37| Comment(0) | 2020年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする