発表年:1972年
ez的ジャンル:名プロデューサー/ソングライター系スウィート・ソウル
気分は... :反観合一・・・
今回はディスコ・クラシック「The Hustle」の大ヒットで知られるソウル・アーティストVan McCoyの『Soul Improvisations』(1972年)です。
Van McCoy(1940-1979年)はワシントンD.C.生まれのソウル・シンガー/プロデューサー/ソングライター。
1950年代からドゥーワップ・グループでレコーディングを経験し、60年代にはソングライター/プロデューサーとして活躍するようなります。また、自身の名義によるシングルもコンスタントにリリースしています。
1975年にはUSチャート第1位となったディスコ・クラシック「The Hustle」の大ヒットで、音楽シーンにその名を轟かせました。時期を同じくしてプロデューサーとしての手腕も発揮し、当ブログでも紹介したFaith Hope & Charity、Melba Mooreのプロデュースをはじめ、David Ruffin、Gladys Knight & the Pips、Aretha Franklin、Thelma Houston、Stacy Lattisaw、Zulema等のアーテイストの作品を手掛けています。
1979年に心臓発作による急逝(享年39歳)。
どうしても大ヒットした「The Hustle」のイメージでディスコ・アーティストのイメージが強いVan McCoyですが、元々は60年代ソウル作品のソングライティング/プロデュースで実績を積んできた人です。
その意味で今回紹介する『Soul Improvisations』(1972年)はスウィート・ソウルなVan McCoyを楽しめる1枚です。
本作は1972年にBuddah Recordsから全12曲入りでリリースされたものです。「The Hustle」の大ヒットに便乗したBuddahが1975年に『From Disco to Love』のタイトルで再リリースしますが、こちらは収録曲が9曲に減っています。
プロデュース/ソングライティングはVan McCoyとJoe Cobb。
Van McCoy(vo、p、el-p)以下、Gordon Edwards(b)、Jimmy Johnson(ds)、David Spinozza(g)、Vinnie Bell(g、sitar)、Frank Owens(org、p、el-p)、Ralph MacDonald(congas)等のミュージシャンが参加しています。
アルバム全編を通して、曲作りの良さが目立ちます。ヴォーカルもサウンドもやり過ぎない感じが僕好みです。
シングルにもなった「I'm In Love With You Baby」と「Let Me Down Easy」、グッド・ヴァイヴに溢れた「So Many Mountains」、エヴァーグリーンな魅力がある「I Would Love To Love You」、ファンキー・ソウル・グルーヴ「I Get Lovin' On My Mind」、60年代テイストの「Don't Hang Me Up」、ディスコ前夜のファンキー・グルーヴ「Soul Improvisations Part 1&2」あたりが僕のおススメです。
スウィート・ソウルなVan McCoyを満喫しましょう。
全曲紹介しときやす。
「I'm In Love With You Baby」
シングルにもなったオープニング。60年代テイストを残したファルセット・ヴォーカルが似合うミディアム・ソウル・バラード。
https://www.youtube.com/watch?v=eyr-8oSgDL4
「Don't Hang Me Up」
これも60年代テイストのダンサブル・チューン。ポップでグルーヴィーな感じがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=4M-P_l-m-uI
「Let Me Down Easy」
シングルにもなったスウィート・バラード。曲作りの良さとマイルドなヴォーカルと素敵な甘味ワールドを生み出しています。
https://www.youtube.com/watch?v=6mKduINcMsY
Dennis Brown、Derrick Harriottといったレゲエ・アーティストがカヴァーしています。
Dennis Brown「Let Me Down Easy」
https://www.youtube.com/watch?v=AbIFxcWkMy8
Derrick Harriott「Let Me Down Easy」
https://www.youtube.com/watch?v=Qs7Fnr0c1Ng
「Just In Case」
この曲もプロデューサー/ソングライターとしての才を感じる素敵なソウル・バラードに仕上がっています。やり過ぎない塩梅がいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=QnL6iphcSHc
「Now That You're Gone」
甘酸っぱいムードにグッとくるソウル・バラード。ジェントルな語り口のヴォーカルがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=PNtooGhgmXw
「Soul Improvisations Part 1」
ファンキーに躍動するストリングス入りのインスト。ディスコ前夜のファンキー・グルーヴといった雰囲気です。
https://www.youtube.com/watch?v=WoxuHQQc8Ec
「Don't Rock The Boat」
効果音入りのビューティフル・バラードですが、逆に効果音が邪魔かも?
https://www.youtube.com/watch?v=58v_GhLG0Ps
「So Many Mountains」
この曲大好き!グッド・ヴァイヴに溢れたミディアム・グルーヴ。キャッチーなコーラスも含めてシングル向きの1曲という気がします。
https://www.youtube.com/watch?v=ldIvhGAUgJE
「I Would Love To Love You」
ソングライティングの巧みさが冴えるミディアム・ソウル。初めて聴くのに懐かしく感じるエヴァーグリーンな魅力があります。
https://www.youtube.com/watch?v=a0uLnxq38fE
「I Get Lovin' On My Mind」
ファンキー・オルガンとホーン・サウンドが印象的なソウル・グルーヴ。ポジティブな雰囲気がいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=OAmqJZedusE
「He Who Hath Ears To Hear (Let Him Hear)」
ドラマのエンディング・テーマのようなストリングス入りの感動バラード。クラシックのエッセンスも感じます。
https://www.youtube.com/watch?v=kf7z6FchGr0
「Soul Improvisations Part 2」
ラストは「Soul Improvisations」のパート2で締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=-fUysKsPV_A
Van McCoyの多作品もチェックを!
Van McCoy & The Soul City Symphony『Disco Baby』(1975年)
『The Disco Kid』(1975年)
『Rhythms of the World』(1976年)
『The Real McCoy』(1976年)
『Ultimate Collection with bonus』(1999年) ※日本限定ベスト盤