2020年10月19日

Alphonse Mouzon『The Man Incognito』

豪華メンバー参加のジャズ・ファンク/フュージョン☆Alphonse Mouzon『The Man Incognito』

発表年:1976年
ez的ジャンル:ジャズ・ファンク/フュージョン
気分は... :現在の邂逅…

セッション・ドラマーとしも活用したAlphonse Mouzon『The Man Incognito』(1976年)です。

Alphonse Mouzon(1948-2016年)はUSサウスカロライナ州チャールストン出身のジャズ/フュージョン・ドラマー。

Weather Reportのオリジナル・メンバーとして、1stアルバム『Weather Report』(1971年)に参加しています。1973年から1975年まではLarry Coryell率いるEleventh Houseに参加しています。

『The Essence of Mystery』(1973年)を皮切りに1990年代前半までコンスタントにソロ・アルバムをリリースすると同時に、セッション・ドラマーとして数多くのアーティストのレコーディングに参加しています。

本作『The Man Incognito』(1976年)は、『The Essence of Mystery』(1973年)、『Funky Snakefoot』(1974年)、『Mind Transplant』(1975年)に続く4thアルバムであり、これまでと同じくBlue Noteからのリリースですが、結局本作がBlue Noteラスト作となりました。

プロデュースは前作『Mind Transplant』(1975年)と同じくZembu ProductionsSkip Drinkwater

ただし同じSkip Drinkwaterプロデュースでも、前作『Mind Transplant』Billy Cobham『Spectrum』(1973年)に対抗するかのように、ロック・ギタリストTommy Bolinをフィーチャーしたジャズ・ロック的な作品でしたが、本作『The Man Incognito』は都会的でファンキーなジャズ・ファンク/フュージョン作品に仕上がっています。

Alphonse Mouzon(ds、per、vo、syn)以下、Gary Grant(tp)、George Bohanon(tb)、Ray Pizzi (ts、as)、Tom Scott(ts、bs、lyricon)、David Benoit(p、el-p)、Dave Grusin(p、el-p、clavinet)、George Duke(Dawilli Gonga名義)(syn)、Ian Underwood(syn)、David T. Walker(g)、Lee Ritenour(g)、Tim DeHuff(g)、
Charles Meeks(el-b)、Emil Richards(cymbals、per)、Victor Feldman(congas、bongos、per)、Marty McCall(vo)、Jackie Ward(vo)、Caroline Willis(vo)がレコーディングに参加しています。特にDawilli Gonga名義で参加しているGeorge Dukeの貢献が大きいと思います。

個人的には「Mouzon Moves On」「Take Your Troubles Away」といった爽快フュージョンや、メロウ・ミディアム「You Are My Dream」がお気に入り。

主役Mouzonのドラミングを楽しむのであれば、「Snake Walk」「New York City」あたりもおススメです。「Before You Leave」はサンプリング・ソースとして人気です。

豪華メンバーにふさわしい聴きどころの多い1枚だと思います。

全曲紹介しときやす。

「Take Your Troubles Away」
アーバンでキャッチーな爽快フュージョンがオープニング。中盤からはヴォーカルも加わり、華やかな雰囲気が増します。
https://www.youtube.com/watch?v=6GvdLWzCnbM

「Snake Walk」
Mouzonのタイトなドラミングが映える開放的なファンキー・グルーヴ。George Dukeがシンセ・ソロで盛り上げてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=OOCj3AHBbuY

「Before You Leave」
力強く疾走するフュージョン・チューン。ケバケバしいシンセの音色がこの時代らしいのでは?リリコン・ソロはTom Scott
https://www.youtube.com/watch?v=kHvGYyQtXyI

Black Market Militia feat. Dead Prez「Audobon Ballroom」、LMNO「Work Ethic」、General Steele feat. Young Coke, VVS Verbal and Mantecha Music「Hometown」、Blaq Poet feat. Teflon「Let Em Have It」、Psycho Les feat. Jack and Sonny P.O.D「Oh My!」、Nesby Phips feat. Smoke DZA and Push! Montana「King Me」、The Stuyvesants「Thunderbird」のサンプリング・ソースとなっています。

「Just Like The Sun」
ドラマチックな展開の演奏です。ドキュメンタリーのエンディング・テーマとか似合いそう。ギター・ソロはTim DeHuff。
https://www.youtube.com/watch?v=rY0cut5t1_8

「You Are My Dream」
女性ヴォーカル入りのメロウ・ミディアム。Tom Scottのテナー・サックスも大きくフィーチャーされています。アーバンな雰囲気がいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=eHWzPFZOGfI

「New York City」
Mouzonの格好良いブレイクと共に始まる都会的なジャズ・ファンク。ギター・ソロはDavid T. Walker。後半はヴォーカルも加わります。
https://www.youtube.com/watch?v=PeE1jPYfSD8

「Without A Reason」
George Dukeが駆使するシンセが印象的です。ブラジリアン・フレイヴァーの隠し味もグッド!
https://www.youtube.com/watch?v=oNtDkYCeGnY

「Mouzon Moves On」
個人的には一番のお気に入り。George Duke作品がお好きな人は気に入るであろう爽快ファンキー・チューン。そのGeorge Dukeがシンセ・ソロを聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=lL1GPQVaqVs

「Behind Your Mind」
ラストはMouzonの力強いドラミングで締め括ってくれます。。さらにLee Ritenourがアコギ&エレクトリック両面で素晴らしいギターを存分に聴かせてくれるのも嬉しいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=UTV3PR1xwDo

Alphonse Mouzonの他作品もチェックを!

『The Essence of Mystery』(1973年)


『Funky Snakefoot』(1974年)


『Mind Transplant』(1975年)


『In Search of a Dream』(1978年)


『By All Means』(1981年)
posted by ez at 01:58| Comment(2) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年10月18日

Avant『Can We Fall In Love』

Robert Glasperも参加した5年ぶりの新作☆Avant『Can We Fall In Love』

発表年:2020年
ez的ジャンル:オトナ男性R&B
気分は... :Can We Fall In Love…

今回はベテラン男性R&BシンガーAvantの最新アルバム『Can We Fall In Love』です。

1978年生まれの男性R&BシンガーAvantについて、これまで当ブログで紹介したのは以下の7枚。

 『My Thoughts』(2000年)
 『Ecstasy』(2002年)
 『Private Room』(2003年)
 『Director』(2006年)
 『Avant』(2008年)
 『The Letter』(2010年)
 『Face The Music』(2013年)

デビューから20年以上。ベテランの域に入りマイペースでの作品リリースが続くAvant。本作は『The VIII』(2015年)以来5年ぶりの新作となります。

本作も前作に続きTravis Saylesとタッグを組んでおり、プロデュース、殆どのソングライティングを二人で手掛けています。

セクシー&ロマンティックなスロウ中心の構成であり、Avant好きは納得の1枚に仕上がっています。

決して歌いすぎずに、心の機微をセクシーに伝えれくれる感じがたまりません。

タイトル・トラック「Can We Fall In Love」、Maurice Brownがトランペット・ソロで盛り上げてくれる「You Don't Love Me No More」、ヴィンテージ感のあるソウル・バラード「Not Gone Lose」Robert Glasperをフィーチャーした「Take It Slow」、ビューティフル・バラード「Worth It」など素敵なスロウがズラリと並びます。

円熟味を増したAvantのセクシー&ロマンティックなR&Bワールドを満喫しましょう。

全曲紹介しときやす。

「You Don't Love Me No More」
Avant/Maurice Brown/Travis Sayles作。Avantらしい素敵なスロウがオープニング。エフェクトのかかったヴォーカルと共に切ない思いが伝わってきます。終盤にはソングライティングにも参加しているMaurice Brownがトランペット・ソロで盛り上げてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=qFyDJp3rI-g

「Can We Fall In Love」
Avant/Travis Sayles作。タイトルはこれぞAvant節!というロマンティックな極上スロウ。このトラックを聴いて本作の購入を決めました。しばらく僕のiTunesヘビロテになえそうです。
https://www.youtube.com/watch?v=0ETs_pGRD_U

「Not Gone Lose」
Avant/Travis Sayles作。アルバムに先行してシングル・リリースされたトラック。ヴィンテージ感のあるソウル・バラード。Avantのヴォーカルの魅力を知るには、こういうソウル・バラードもいいかもしれません。
https://www.youtube.com/watch?v=twuFvftvyJk

「All In My Head」
Avant/Travis Sayles作。セクシーな語り口のスロウ。エフェクトを巧みにつかって妖しいムードを醸し出しています。
https://www.youtube.com/watch?v=ptcf5VnoRJQ

「Take It Slow」
Robert Glasperをフィーチャー。Avant/Travis Sayles/Robert Glasper/Joe "Thelonius" Harley作。Glasperの美しいピアノをバックに、セクシー・モード全開のベッドルーム・モードのスロウを歌い上げます。
https://www.youtube.com/watch?v=q3384iDnVZY

「Edible」
Avant/Travis Sayles作。Avantのハイトーン・ヴォーカルが映える幻想的なミディアム。さり気ないですが、気づくとAvantワールドの只中に・・・
https://www.youtube.com/watch?v=cLdsbdKfv3o

「Irreplaceable」
Avant/Travis Sayles作。本作の中では比較的動きのあるトラック。エレクトリックな音色の中にAvantの歌声が溶け込んでいくような感じがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=_Jo0jd04NTs

「Nothing Without You」
Avant/Travis Sayles作。ロマンティックなスロウ。抑えたトーンで余韻で楽しませてくれる感じが好きです。
https://www.youtube.com/watch?v=J6OXT6z7Rd4

「Live A Lie」
Avant/Travis Sayles作。アコギの質感が印象的な哀愁スロウ。歌いすぎないことで逆に切ない思いが伝わってきます。
https://www.youtube.com/watch?v=vDW9cbAU8C4

「Worth It」
Avant/Travis Sayles/Shawn Carrington/Slavic Livins作。ラストは僕好みのビューティフル・バラードで締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=0RabNi0W9T8

Avantの他作品もチェックを!

『My Thoughts』(2000年)
My Thoughts

『Ecstasy』(2002年)
エクスタシー

『Private Room』(2003年)
Private Room

『Director』(2006年)
Director

『Avant』(2008年)
Avant

『The Letter』(2010年)
The Letter

『Face The Music』(2013年)
Face the Music

『The VIII』(2015年)
VIII
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2020年10月17日

The Cinematic Orchestra『Every Day』

ライヴ演奏が強化された2nd☆The Cinematic Orchestra『Every Day』

発表年:2007年
ez的ジャンル:UKフューチャー・ジャズ
気分は... :伏せて、開ける...

静かなるUKフューチャー・ジャズThe Cinematic Orchestra『Every Day』(2002年)です。

Jason Swinscoeを中心にしたUKのフューチャー・ジャズ・ユニットThe Cinematic Orchestraの紹介は、『Motion』(1999年)、『Ma Fleur』(2007年)に続き3回目となります。

1stアルバム『Motion』(1999年)に続く2ndアルバムとなる本作『Every Day』(2002年)では、ライヴ演奏が強化され、よりオーケストラ(楽団)らしい内容となっています。

本作におけるメンバーはJason Swinscoe(prod)、Phil France(b、prod、el-p)、Luke Flowers(ds)、John Ellis(el-p、moog)、Tom Chant(sax)、Patrick Carpenter(turntable、electronics)。

ソングライティングはJason SwinscoePhil France

アルバムには1965年の大ヒット・シングル「Rescue Me」で知られるUSソウル・シンガーFontella Bass、UKラッパーRoots Manuvaがフィーチャリングされています。

それ以外にRhodri Davies(harp)、Milo Fell(per)が参加しています。

「All That You Give」「Burn Out」などの重厚で落ち着きのある演奏が印象的ですが、「Flite」「Man with the Movie Camera」のようなリズミックな演奏もあり、その意味では飽きない構成だと思います。

ライヴ感が増し、スケール・アップしたThe Cinematic Orchestraを楽しめる1枚です。

全曲紹介しときやす。

「All That You Give」
Fontella Bassのヴォーカルをフィーチャー。ライヴ/バンド感の強まった本作を印象づけるオープニング。ハープも加わった重厚な美しさが印象的な仕上がり。ベースラインはCarlos Santana & Alice Coltrane「Angel of Air」ネタです。
https://www.youtube.com/watch?v=n8HYzhMLKi8

「Burn Out」
10分超の長尺。クラブミュージック経由の静かなるシネマティック・ミッドナイト・ジャズといった趣です。
https://www.youtube.com/watch?v=OtqTfy26tG0

「Flite」
リズミックでダンサブルなUKクラブジャズ/クロスオーヴァーらしい演奏です。Eberhard Weber「Quiet Departures」をサンプリング。
https://www.youtube.com/watch?v=rQhrrZr0hUU

「Evolution」
Fontella Bassのヴォーカルをフィーチャー。スピリチュアル&ソウルフルなクロスオーヴァー・ジャズといった雰囲気です。Patrick Carpenterのターンテーブルも効果的です。
https://www.youtube.com/watch?v=KLp07Yaveh8

「Man with the Movie Camera」
タイトルの通り、シネマティックな演奏が進むと思いきや、途中からリズミック&コズミックな演奏が展開されます。ここではTom Chantのソプラノ・サックスが活躍します。
https://www.youtube.com/watch?v=Oo-GoIX_8BE

「All Things to All Men」
Roots Manuvaのヴォーカルをフィーチャー。John Barry「Petulia (Main Title)」をサンプリング。程良いジャズ・フィーリングが心地好いです。ポエトリーリーディング調のRoots Manuvaのラップが入ると一気にUKクラブ感が増しますね。
https://www.youtube.com/watch?v=QyuY6o1kep4

「Everyday」
ラストはコンゴ共和国の子供コーラスLes Troubadours Du Roi Baudouin「Katunbu」をサンプリングした美しくも感動的な演奏で締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=n7tzP4_fhYs

僕の保有CDには未収録ですが、再発CDには「Oregon」「Horizon」の2曲が追加されています。
「Oregon」
https://www.youtube.com/watch?v=nD2YI1sr4PE
「Horizon」
https://www.youtube.com/watch?v=My11hjF8CQA

The Cinematic Orchestraの他作品もチェックを!

『Motion』(1999年)
Motion

『Man With a Movie Camera』(2003年)
Man With a Movie Camera (ZENCD78B)

『Ma Fleur』(2007年)
Ma Fleur [帯解説 / ボーナストラック3曲収録 / 国内盤] (BRC508)

『Live at the Royal Albert Hall』(2008年)
Live at the Royal Albert Hall [解説・ボーナストラック付き国内盤]

『The Cinematic Orchestra presents In Motion #1』(2012年)
The Cinematic Orchestra presents In Motion #1 (ZENCD183)

『To Believe』(2019年)
posted by ez at 03:20| Comment(0) | 2000年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年10月16日

Toquinho『Boca Da Noite』

名ギタリストの魅力が詰まった1枚☆Toquinho『Boca Da Noite』

発表年:1972年
ez的ジャンル:名ギタリスト系ボサノヴァ
気分は... :モノクロームの美学…

ブラジルの名ギタリストToquinhoが1974年にリリースした『Boca Da Noite』です。

1946年ブラジル、サンパウロ生まれのギタリストToquinhoの紹介は、Vinicius/Marila Medalha/Toquinho『Como Dizia O Poeta...』(1971年)、Toquinho & Vinicius『Sao Demais Os Perigos Desta Vida... 』(1972年)に続き3回目となります。

Vinicius de MoraesとのToquinho & Viniciusなど共同名義の作品が多いイメージのToquinhoですが、本作『Boca Da Noite』(1974年)はs『Toquinho』(1970年)以来のソロ・アルバムとなります。

シンプルな演奏ながらも、華麗なギター・テクニックと味わいのあるボサノヴァを楽しめるToquinhoの魅力が凝縮された好盤です。

レコーディング・メンバーはToquinho(g、vo、p、viola)以下、Nelson Fernandes Moraes(surdo)、Messias(viola)、Rubens De Souza Soares(ganza)、Izidoro Longano(fl)等。

プロデュースはAntonio Carlos Oliveira

個人的なお気に入りは、「Uma Rosa Em Minha Mao」「Na Cancela」「Boca Da Noite」「No Fim Nao Se Perde Nada」あたり。インストの「Tua Imagem」「Asa Branca」も楽しめます。

ジャケの雰囲気そのままにシンプルながらも味のある1枚です。

全曲紹介しときやす。

「Boca Da Noite」
Paulo Vanzolini/Toquinho作。シンプルで清々しいToquinhoのギターと素朴なヴォーカルに癒されるオープニング。栗でも食べながら聴きたい気分・・・
https://www.youtube.com/watch?v=etgEDILJAyw

「Presenca」
Geraldo Vandre/Toquinho作。1分にも満たない演奏ですが、何とも言えない味わいがあります。
https://www.youtube.com/watch?v=-2SKvxoVKIw

「Tua Imagem」
Canhoto Da Paraiba作。哀愁ギターの音色を存分に楽しめるインスト。セピア色が似合う演奏です。
https://www.youtube.com/watch?v=Q-GmedWdKO8

「1969, Aeroporto Do Galeao」
Toquinho作。スルド、フルートも加わったボサノヴァ。ジャケと同じくモノクロームな雰囲気のボサノヴァがいい感じです。
https://www.youtube.com/watch?v=hR1Qlo67274

「Uma Rosa Em Minha Mao」
Toquinho/Vinicius de Moraes作。僕の一番のお気に入り。さり気なさの中にToquinhoの美学が詰まった素敵な演奏です。
https://www.youtube.com/watch?v=zamheHVh3R0

「Asa Branca」
Humberto Teixeira/Luiz Gonzaga作。Toquinhoの華麗なギター・テクニックを存分に楽しめるインスト。
https://www.youtube.com/watch?v=BXI1hlNkDgg

「Lembrando Josh White」
Toquinho作。ブルージーな演奏はアルバムの中でも異色。こういったブルージーな演奏の中でもToquinhoらしさが滲み出ているのが面白いですね。
https://www.youtube.com/watch?v=6GrN0uI4gDE

「No Fim Nao Se Perde Nada」
Paulo Vanzolini/Toquinho作。ギターのみならずToquinho自身のピアノも加わった哀愁ボッサ。Toquinhoの寂しげなヴォーカルはこういう演奏にフィットしますね。
https://www.youtube.com/watch?v=Zz2PCp2fnlU

「Sem Enredo」
Toquinho作。シンプルな演奏ながらもToquinhoの世界観を存分に楽しめます。
https://www.youtube.com/watch?v=8Ly9iXlPInc

「Vamos Chamar O Vento」
ここでDorival Caymmi作品が2曲続きます。まずはギタリストToquinhoのテクニックを楽しむインスト。何とも言えない哀愁にグッときます。
https://www.youtube.com/watch?v=cOLX1ldigfU

「Na Cancela」
Dorival Caymmi作。こちらはヴォーカル入り。華麗なギターと軽やかな歌が美しく清らかな音世界へ誘います。
https://www.youtube.com/watch?v=IkTWeBt1Jro

「Ingenuo」
Benedito Lacerda/Pixinguinha作。美しくも寂しげなギターの音色が郷愁を誘います。とても味わいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=T1Pc694nV2E

「Noite Longa」
Paulo Vanzolini/Toquinho作。ラストはサウダージな哀愁ボッサで締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=_X6jF30fr2Y

Toquinhoの他の70年代作品もチェックを!

s『Toquinho』(1970年)


Vinicius/Marila Medalha/Toquinho『Como Dizia O Poeta...』(1971年)
コモ・ディジア・オ・ポエタ・・・

Toquinho & Vinicius『Toquinho E Vinicius』(1971年)
トッキーニョ&ヴィニシウス BOM1125

Vinicius De Moraes Avec Maria Creuza Et Toquinho『La Fusa』(1971年)
La Fusa con Maria Creuza y Toquinho(紙ジャケット仕様)

Vinicius + Maria Bethania + Toquinho『En La Fusa (Mar Del Plata)』(1971年)
Vinicius Bethania & Toquinho Em Buenos

Toquinho & Vinicius『Sao Demais Os Perigos Desta Vida... 』(1972年)
サン・ジマイス・オス・ペリーゴス・デスタ・ヴィーダ BOM1126

Toquinho & Vinicius『Per Vivere Un Gran』(1974年)
Per Vivere Un Gran

Toquinho & Vinicius『Toquinho, Vinicius & Amigos』(1974年)
Toquinho, Vinicius & Amigos

Toquinho & Vinicius『Vinicius & Toquinho』(1974年)
Vinicius & Toquinho

Toquinho & Vinicius『O Poeta E O Violao』(1975年)
O Poeta E O Violao

Ornella Vanon - Vinicius De Moraes - Toquinho『La Voglia La Pazzia L'Incoscienza L'Allegria』(1976年)
La Voglia La Pazzia

Tom & Vinicius & Toquinho & Miucha『Gravado Ao Vivo No Canecao』(1977年)
With Vinicius Toquinho & Miucha

Maria Creuza/Vinicius De Moraes/Toquinho『O Grande Encontro De』(1979年)
O Grande Encontro De

Toquinho & Vinicius『10 Anos de Toquinho e Vinicius』(1979年)
10 Anos W/Toquinho
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2020年10月15日

Naughty By Nature『19 Naughty III』

大ヒット「Hip Hop Hooray」収録☆Naughty By Nature『19 Naughty III』

発表年:1999年
ez的ジャンル:Tommy Boy系イースト・コーストHip-Hop
気分は... :アイデンティティからナラティビティへ!

90年代に人気を博したHip-HopユニットNaughty By Natureの大ヒット・アルバム『19 Naughty III』(1993年)です。

1986年にニュー・ジャージー州イースト・オレンジで結成されたTreachVin Rock(Vinnie)の2MC、DJのKay Geeから成る3人組Hip-HopユニットNaughty By Natureの紹介は、『Naughty by Nature』(1991年)、『Nineteen Naughty Nine: Nature's Fury』(1999年)に続き3回目となります。

前回『Nineteen Naughty Nine: Nature's Fury』(1999年)の記事エントリーは約10年前でした。当時はKay Geeがグループを脱退し、TreachVin Rockの2人体制でしたが、その直後にKay Geeが復帰し、トリオ復帰アルバム『Anthem Inc.』(2011年)をリリースしています。

本作『19 Naughty III』(1993年)は、Naughty By Natureとしての2ndアルバムとなります。

2ndアルバムなのに3rdアルバムと錯覚しそうな『19 Naughty III』のタイトルとなっているのは、本作のリリース年である「1993」の語呂合わせだと思います。また、New Style時代のアルバム『Independent Leaders』(1989年)も含めれば3枚目のアルバムということになるのかもしれません。

成功を収めた『Naughty by Nature』(1991年)の勢いはさらに増し、本作『19 Naughty III』もUSアルバム・チャート第3位、同R&Bアルバム・チャート第1位という大ヒット・アルバムとなりました。

S.I.D. Reynoldsプロデュースの2曲を除き、Naughty By Natureのセルフ・プロデュースです。

Heavy DRottin RazkalsFreddie FoxxxQueen Latifahがフィーチャリングされています。

本作といえば、USチャート第8位、US R&Bチャート第1位となった大ヒット曲「Hip Hop Hooray」がハイライトですね。

それ以外にシングルになった「It's On」「Written On Ya Kitten」Naughty By Natureらしさを楽しめます。

Queen Latifahをフィーチャーした「Sleepin' On Jersey」Heavy Dをフィーチャーした「Ready For Dem」、アッパーな「The Only Ones」あたりも僕好みです。

Hip-Hopらしいストリート感覚とHip-Hopファン以外も楽しめるキャッチーさのバランスが絶妙なNaughty By Natureらしい1枚だと思います。

全曲紹介しときやす。

「19 Naughty III」
Taana Gardner「Heartbeat」ネタのハートビートが印象的なタイトル・トラックがオープニング。不穏な空気が漂いますが、Otis Redding and Carla Thomas「Tramp」のブレイクと共にハード・コアに躍動します。Doug E. Fresh, Slick Rick and The Get Fresh Crew「The Show」、自らのクラシック「O.P.P.」ネタも使われています。
https://www.youtube.com/watch?v=OGC9-Zhrovg

「Hip Hop Hooray」
USチャート第8位、US R&Bチャート第1位となった大ヒット・シングル。シンセによる尺八のイントロに続き、Hip-Hop万歳!と高らかに叫ぶHip-Hopアンセムですね。彼ららしいキャッチーな魅力を満喫できます。Hip-Hop好き以外でも楽しめるからこそ大ヒットに結びついたのだと思います。The Isley Brothers「Make Me Say It Again Girl (Part 1 & 2)」、Five Stairsteps「Don't Change Your Love」、Sylvia Striplin「You Can't Turn Me Away」James Brown「Funky President (People It's Bad)」をサンプリング。

Spike Leeが監督し、Queen LatifahEazy-EMonie LoveDa Youngsta'sKris Kross2pacRun-D.M.C.が出演しているPVにも注目です。
https://www.youtube.com/watch?v=Rz1Xn1vzOM4

アルバム未収録ですが、Pete Rockのリミックスあたりもチェックしてみては?
「Hip Hop Hooray (Pete Rock Remix)」
https://www.youtube.com/watch?v=fvnghuRobZU

また、50トラック以上のサンプリング・ソースとなっています。

「Ready For Dem」
Heavy Dをフィーチャー。突進力のあるトラックですが、この時代らしくラガ・マフィンのエッセンスも取り入れています。Sly & The Family Stone「Sing a Simple Song」、Melvin Bliss「Synthetic Substitution」、James Brown「Funky Drummer」Orange Krush「Action」をサンプリング。
https://www.youtube.com/watch?v=1mnEijnZhos

「Take It To Ya Face」
Malcolm McLaren「World's Famous」をサンプリングしたトラックでKay Geeのセンスを楽しみましょう。
https://www.youtube.com/watch?v=HcBEeDigWz4

「Daddy Was A Street Corner」
ストリートらしさを感じる1曲。Ice Cube「Steady Mobbin'」、Big Daddy Kane「Ain't No Half-Steppin'」等のヴォーカル・ネタが使われています。
https://www.youtube.com/watch?v=lFZjBpDH8tM

「The Hood Comes First」
不穏な雰囲気のトラックですが、Johnny Pate「Shaft in Africa (Addis)」をサンプリングし・ネタがいいアクセントになっているのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=Rz6AYrqobMc

「The Only Ones」
S.I.D. Reynoldsプロデュース。Nu Shooz「I Can't Wait」、Ohio Players「Funky Worm」、James Taylor and The Flying Machine「Knocking 'Round the Zoo (1971 Version)」、Melvin Bliss「Synthetic Substitution」をサンプリングしたアッパー・トラックの疾走感がいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=_qmzHjTskRw

「It's On」
S.I.D. Reynoldsプロデュース。アルバムからの2ndシングル。途中まではストリートなドラマの1シーンといった雰囲気です。Donald Byrd「French Spice」をはじめ、Lafayette Afro Rock Band「Hihache」、Grover Washington Jr.「A Secret Place」、Michael Jackson「Smooth Criminal」をサンプリング。A Tribe Called Quest feat. Leaders Of The New School and Kid Hood「Scenario (Remix)」やApache「Gangsta Bitch」ネタの引用も印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=4irRTSNyPSE

アルバム未収録ですが、The BeatnutsによるPete Rock & C.L. Smooth「On and On」ネタのリミックスもチェックを!
「It's On (Beatnuts Remix)」
https://www.youtube.com/watch?v=7J0oL6cK_3k

「Cruddy Clique」
Buddy Miles Express「Train」、Bob James「Nautilus」をサンプリング。激しいビートに乗せて、叩きつけるようなフロウでリアルなストリートの姿を訴えます。
https://www.youtube.com/watch?v=d2hH1zP-_68

「Knock Em Out Da Box」
Rottin Razkalsをフィーチャー。Isaac Hayes「Ike's Mood I」、Skull Snaps「It's a New Day」をサンプリングした哀愁トラックが印象的です。Slick Rick「Children's Story」 の声ネタも使われています。90年代前半ならではのブラック・パワーが漲った仕上がり。
https://www.youtube.com/watch?v=xhoemq-d-mw

「Hot Potato」
Freddie Foxxxをフィーチャー。畳み掛けるようなフロウながらもリズミックなのがいいですね。Bob James「Take Me to the Mardi Gras」をサンプリング。The Honey Drippers「Impeach the President」、James Brown「Funky Drummer」のドラム・ネタも使われています。
https://www.youtube.com/watch?v=aZeCwyF358s

「Sleepin' On Jersey」
Queen Latifahをフィーチャー。Earth, Wind & Fire「Sunshine」のベースラインをサンプリング。また、Public Enemy「Bring the Noise」、Syl Johnson「Different Strokes」、さらに自らの「Uptown Anthem (Video Mix)」のヴォーカル・ネタが使われています。彼らのTommy Boyとの契約を後押ししてくれたQueen Latifahとの相性は抜群です。Tommy Boyらしい雰囲気に溢れた好トラックだと思います。大好き!
https://www.youtube.com/watch?v=RQBvSjqxi0k

「Written On Ya Kitten」
アルバムからの3rdシングル。Quincy Jonesの息子QD IIIもプロデュースに加わっています。Galt MacDermot「Stockyard」をサンプリング。テンポを落としたユルいトラックがいい感じです。僕好みの1曲に仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=h6Ax87PC0Yw

アルバム未収録ですが、The Isley Brothers「Between The Sheets」をサンプリングしたリミックスもあります。
「Written On Ya Kitten (Shandi's Smooth Radio Edit)」
https://www.youtube.com/watch?v=buOwTPqLqiA

「Sleepwalkin' II」
次の「Shout Outs」と2曲で1トラックのような表記のリソースもありますが、僕の保有CDでは別トラックになっています。
https://www.youtube.com/watch?v=8BzT2pEumtU

「Shout Outs」
次作『Poverty's Paradise』にもGordon Chambersをフィーチャーした「Shout Out」というトラックが収録されており、ややこしいです。「Shout Out」の方が大好きなトラックなのですが、この「Shout Outs」とは雰囲気が異なります。
https://www.youtube.com/watch?v=J2CkPrbiDg4

CDにはボーナス・トラックとして、「Hip Hop Hooray (Entended Mix)」「The Hood Comes First (Instrumental)」の2曲が追加収録されています。

Naughty By Natureの他作品もチェックを!

『Naughty by Nature』(1991年)


『Poverty's Paradise』(1995年)


『Nineteen Naughty Nine: Nature's Fury』(1999年)


『IIcons』(2002年)


『Anthem Inc.』(2011年)
posted by ez at 03:01| Comment(0) | 1990年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする