2020年10月07日

Eddie Cano & His Quintet『Brought Back Live From P.J.'s』

レア・グルーヴ方面でも人気のラテン・ジャズ☆Eddie Cano & His Quintet『Brought Back Live From P.J.'s』

発表年:1967年
ez的ジャンル:レア・グルーヴ系グルーヴィー・ラテン・ジャズ
気分は... :超適応!

今回は60年代ラテン・ジャズからEddie Cano & His Quintet『Brought Back Live From P.J.'s』(1967年)です。

レア・グルーヴ方面でも人気のラテン・ジャズ作品ですね。

Eddie Cano(1927-1988年)はL.A.出身のメキシコ系アメリカ人ラテン・ジャズ・ピアニスト。

40年代後半からプロ・ミュージシャンとして活動し、50年代後半から自身のリーダー作をリリースするようになりました。

アルバム『Eddie Cano At P.J.'s』(1961年)収録の「A Taste Of Honey」はグラミーにもノミネートされました。

今回紹介する『Brought Back Live From P.J.'s』(1967年)はDunhillからリリースされたハリウッドのナイトクラブでのライヴ・アルバムです。

メンバーはEddie Cano(p)、David Troncoso(b)、Eddie Talamantes(ds)、Max Garduno(congas)、Frank Gutierrez(per)。

プロデュースはBones Howe

本作の再評価を決定づけた「I Can't Cry Anymore」「I'll Never Forget You」の2曲がハイライトですかね。

個人的にはオープニングを飾るヒップ「Slip, Slip」が一番のお気に入り。それ以外にYoung Holt Trioのカヴァー「Wack Wack」「El Pito (I'll Never Go Back To Georgia)」「Louie Louie」というグルーヴィーなブーガルー2曲、ラテン・ソウルな「Guantanamera」もおススメです。

レア・グルーヴ好きのためのラテン・ジャズ・ライヴ作品とでも言いたくなる格好良い1枚です。

全曲紹介しときやす。

「Slip, Slip」
David Troncoso/Eddie Cano作。個人的には一番のお気に入り。今聴いても鮮度が落ちていないオシャレなラテン・ジャズがオープニング。センス抜群のヒップなCanoのピアノに一発でKOされてしまいました。
https://www.youtube.com/watch?v=RCAQz1ft4qI

「La Bamba」
Lauro Bianco作。Ritchie ValensやLos Lobosでお馴染みのメキシカン・トラディショナルをカヴァー。当ブログではWillie BoboDave Pikeのカヴァーも紹介済みです。リズミックなCanoのピアノを強調したライヴならではのノリノリの「La Bamba」を楽しめます。
https://www.youtube.com/watch?v=FRWDM50IhcA

「Wack Wack」
Young Holt Unlimitedの前身Young Holt Trioのカヴァー(Eldee Young/N.D. Walker/Red Holt作)。随所で格好良いパーカッション・ブレイクを満喫できる軽快かつエキサイティングなラテン・ジャズ。ライヴならではの臨場感がサイコーです。
https://www.youtube.com/watch?v=L4rEXl5KUGA

「Mira Como Es」
Eddie Cano/Eddie Talamantes作。ヴォーカル入りの哀愁ラテン・ジャズ・グルーヴ。華麗なタッチのピアノで楽しませてくれます。

「I Can't Cry Anymore」
Eddie Cano作。本作に再評価を決定づけたグルーヴィー・ラテン・ジャズ。リズミックなCanoのピアノ、打楽器隊が繰り出すアッパーなリズム・シャワー(特にコンガのパーカッシヴな響きがサイコー)が灼熱のラテン・ワールドへ誘ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=bo_rTFDgAco

「Monday Monday」
同じDunhillのレーベル・メイトThe Mamas & The Papas、1966年USチャートNo.1の大ヒット曲をカヴァー(John Phillips作)。お馴染みのヒット曲をラテン・タッチで聴かせてくれます。Canoのピアニストとしての魅力に触れることができます。

「Louie Louie」
Richard Berry And The Pharaohs、1961年のシングル曲をカヴァー(Richard Berry作)。ラテン好きにはたまらないグルーヴィーなブーガルー!聴いていれば自ずとテンション上がってきますね。
https://www.youtube.com/watch?v=Xh2qAOQtnPA

「Guantanamera」
David Troncoso/Eddie Cano作。ストリート感のあるラテン・ソウル。会場全体が盛り上がっているのがよく分かります。彼らの感度の良さに脱帽です。
https://www.youtube.com/watch?v=ZINmXM5CK6M

「Brown & Blue」
David Troncoso作。アイスブレイクのラテン・ジャズといった雰囲気の演奏です。

「I'll Never Forget You」
Eddie Cano作。この演奏も人気が高いのでは?打楽器隊のハイテンションなラテン・リズムにアドレナリン出まくりです。ラテン・ジャズならではのエレガントさを織り交ぜたメリハリを効かせ方もオシャレです。
https://www.youtube.com/watch?v=hGTWqqXGwmc

「Don't Ever Change」
Eddie Cano作。ラテン・リズムを効かせつつ、落ち着いた雰囲気の哀愁ラテンで会場を一度クール・ダウンさせてくれます。

「El Pito (I'll Never Go Back To Georgia)」
Joe Cuba Sextet、1966年のシングル曲をカヴァー(Jimmy Sabater作)。ラストはパーティー・ブーガルーで盛り上がって締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=xWzUj9__EAY

『Cole Porter & Me』(1956年)


Eddie Cano and His Sextet『Deep in a Drum』(1958年)


Eddie Cano『Here Is The Fabulous Eddie Cano』(1961年)
posted by ez at 02:04| Comment(0) | 1960年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年10月06日

Little Feat『The Last Record Album』

グループの進化を感じる1枚☆Little Feat『The Last Record Album』

発表年:1975年
ez的ジャンル:L,A.ファンキー・ロック
気分は... :ラストではありません!

Lowell George率いるLittle Feat『The Last Record Album』(1975年)です。

70年代L,A.ロックを代表するバンドの1つLittle Featの紹介は、3rdアルバム『Dixie Chicken』(1973年)、2ndアルバム『Sailin' Shoes』(1972年)に続き3回目となります。

前回Little Featを紹介したのが2008年2月だったので、12年半以上ぶりのLittle Featのエントリーとなります。

5thスタジオ・アルバムとなる本作『The Last Record Album』(1975年)。

タイトルだけ見ると、まるでグループのラスト作のような錯覚を起こしますが、このタイトルはジョークでありファンを安堵させました。

本作におけるLittle Featのメンバーは、Lowell George(g、vo)、Paul Barrere(g、vo)、Bill Payne(key、syn、vo)、Kenny Gradney(b)、Richard Hayward(ds、vo)、Sam Clayton(congas)という6名。

メンバー以外にValerie Carter(back vo)、OrleansJohn Hall(g)、Fran Tate(back vo)といったミュージシャンも参加しています。

プロデュースはLowell George

本作の特徴はバンドのフロントマンLowell George以外のメンバーの個性も目立っている点です。特にPaul BarrereBill Payneが存在感を示しています。勿論Lowell Georgeも約半数の曲でリード・ヴォーカルをとりますが、プロデューサーとしての役割に比重を置いている気がします。

音楽的な幅を広げつつ、メンバーの個性が分離せず調和しているのがいいですね。あとはLowell Georgeの味のあるヴォーカルには捨て難い魅力がありますね。

特にオリジナルLPのA面占める冒頭4曲の「Romance Dance」「All That You Dream」「Long Distance Love」「Day or Night」にアルバムの素晴らしさが凝縮されていると思います。

個人的にはB面の「Down Below the Borderline」「One Love Stand」も大好き!

グループの進化を感じるファンキー・サウンドはソウル/ファンク好きの人にもフィットするのでは?

10年以上ぶりに通して聴きましたが、昔聴いたとき以上に僕の耳にフィットしました。改めて素晴らしい1枚であることを実感しました。

全曲紹介しときやす。

「Romance Dance」
Bill Payne/Paul Barrere/Ken Gradney作。リード・ヴォーカルはBill PayneとPaul Barrere。タイトなリズム・セクション、Lowell Georgeのスライド、Bill Payneのリズミックなピアノが織り成すLittle Featらしいファンキー・チューン。ルーズな中にもコクを感じます。
https://www.youtube.com/watch?v=_BzUwySJzAA

「All That You Dream」
Bill Payne/Paul Barrere作。リード・ヴォーカルはLowell GeorgeとPaul Barrere。John Hall(g)も参加しています。Little Feat流ファンク・グルーヴがさく裂します。バンドの進化を感じるダイナミックな演奏が印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=c9AuJc02afQ

Linda Ronstadtが『Living In The USA』(1978年)でカヴァーしています。
Linda Ronstadt「All That You Dream」
 https://www.youtube.com/watch?v=8t5m1qSqPzQ

「Long Distance Love」
Lowell George作。リード・ヴォーカルはLowell George。Valerie Carter、Fran Tateがバック・コーラスで参加。L,A.ロックらしい雰囲気のメロウ・ミディアム・バラード。黄昏モードで聴きたいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=vsNeUZd9n48

Nicolette Larson、Louis Bertignacがカヴァーしています。また、Atmosphere「Modern Man's Hustle」のサンプリング・ソースとなっています。
Nicolette Larson「Long Distance Love」
 https://www.youtube.com/watch?v=MIL824_9l9I
Louis Bertignac「Long Distance Love」
 https://www.youtube.com/watch?v=ZpNsTiXOQus
Atmosphere「Modern Man's Hustle」
 https://www.youtube.com/watch?v=V3quWP2-n9E

「Day or Night」
Bill Payne/Fran Tate作。リード・ヴォーカルはBill PayneとPaul Barrere。Bill Payne色の強いLittle Feat流クロスオーヴァー/フュージョン・チューン。終盤のインプロヴィゼーションやトリッピーなシンセが印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=dVjENbXtDs4

「One Love Stand」
Bill Payne/Paul Barrere/Ken Gradney作。リード・ヴォーカルはLowell George。Valerie Carter、Fran Tateがバック・コーラスで参加。ルーズな雰囲気ながらもLittle Featならではの味わい深さを感じる1曲。酒の肴にピッタリな1曲(笑)。
https://www.youtube.com/watch?v=5TmdI3XqCro

「Down Below the Borderline」
Lowell George作。リード・ヴォーカルはLowell George。ブラック・フィーリングのファンキー・グルーヴ。個人的にはアルバムで一番格好良い演奏だと思います。途中でターンテーブルのスクラッチ音を思わせるエフェクトを効かせているのが面白いですね。
https://www.youtube.com/watch?v=Tjuy97pIn0I

「Somebody's Leavin'」
Bill Payne作。リード・ヴォーカルはBill Payne。Little Featらしからぬ雰囲気の荘厳な仕上がり。
https://www.youtube.com/watch?v=4K_BorKu2n8

「Mercenary Territory」
Lowell George/Richard Hayward/Elisabeth George作。リード・ヴォーカルはLowell George。本編ラストは開放的なファンキー・ロックで締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=gBkvVH2Ehlw

CDには「Don't Bogart That Joint (live)」「A Apolitical Blues (live)」というライヴ・アルバム『Waiting for Columbus』(1978年)のアウトテイク音源2曲がボーナス・トラックとして追加収録されています。
『Waiting for Columbus』のCDデラックス・エディション

Little Featの他作品もチェックを!

『Little Feat』(1970年)


『Sailin' Shoes』(1972年)


『Dixie Chicken』(1973年)


『Feats Don't Fail Me Now』(1974年)


『Time Loves a Hero』(1977年)


『Waiting for Columbus』(1978年)


『Down on the Farm』(1979年)
posted by ez at 03:58| Comment(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年10月05日

Carl Thomas『Emotional』

デビュー・ヒット「I Wish」収録☆Carl Thomas『Emotional』

発表年:2000年
ez的ジャンル:正統派男性R&B/ソウル
気分は... :オーセンティックでホッコリ!

2000年代R&B作品からCarl Thomas『Emotional』(2000年)です。

1972年イリノイ州生まれの男性R&BシンガーCarl Thomasの紹介は、2ndアルバム『Let's Talk About It』(2004年)に続き2回目となります。

1996年にSean "Puffy" Combs(Diddy)Bad Boy Entertainment(現Bad Boy Records)と契約し、
1999年にシングル「I Wish」でデビューしたCarl Thomas

本作『Emotional』(2000年)はデビュー・アルバムとなります。先のデビュー・シングル「I Wish」は全米R&Bシングル・チャート第1位に輝き、本作『Emotional』(2000年)も全米アルバム・チャート第9位、全米R&Bアルバム・チャート第2位という成功を収めました。

Bad Boy所属ということで、Sean "Puffy" Combsから連想される良くないイメージもありましたが、中身はそんなイメージからはかけ離れた正統派R&Bに仕上がっており、そのギャップが逆に新鮮だった記憶があります。

Bad Boyの総帥Sean "Puffy" Combs(P. Diddy)Carl Thomas本人、Mario WinansMike CityGordon ChambersK-GeeAnthony DentJ-DubHarve PierreRon "Amen-Ra" LawrenceChucky ThompsonDamien DeSandiesBrian KeirulfJoshua M. SchwartzRashad SmithHeavy DD-DotGarrette "Blake" Smithという多彩なプロデューサーが起用されています。メイン・プロデューサー的存在はMario Winansですかね。

「I Wish」「Summer Rain」「Emotional」というシングル3曲に本作の魅力が凝縮されているんでは?

それ以外であれば、「Giving You All My Love」「Come to Me」「Supastar」「Special Lady」あたりがおススメです。

オーセンティックなR&Bワールドをぜひ!

全曲紹介しときやす。

「Intro」
Mario Winansプロデュース。ソウルフルなイントロ。
https://www.youtube.com/watch?v=54HttCjpOVk

「Emotional」
Mario Winansプロデュース。タイトル曲はシングルにもなり、US R&Bチャート第8位となっています。Sting「Shape of My Heart」をサンプリング。素晴らしいヴォーカル・ワークに魅せられるビューティフル・バラード。
https://www.youtube.com/watch?v=CW0gaTRzzlc

「I Wish」
Mike City/Carl Thomasプロデュース。USチャート第20位、US R&Bチャート第1位となったヒット曲。Carl Thomasというアーティストを印象付けた代名詞的な1曲。Mike Cityプロデュースらしくビートを効かせつつ、メロディを大切にしているのがいいですね。感動的なイントロもグッド!
https://www.youtube.com/watch?v=9fQwrkTktug
アルバム未収録ですがLL Cool Jをフィーチャーしたリミックスもあります。
Carl Thomas feat. LL Cool J「I Wish (Remix)」
 https://www.youtube.com/watch?v=JygCm4Je0Y8
Bei Maejorがカヴァーしています。また、Big Sean「Single Again」Kevin Hart feat. Trey Songz「Push It on Me」、Jay-Z feat. Omillio Sparks, Pharrell Williams and Shay Haley「I Just Wanna Love U (Give It 2 Me)」等のサンプリング・ソースとなっています。
Bei Maejo「I Wish」
 https://www.youtube.com/watch?v=4RGuiFUSLi4
Big Sean「Single Again」
 https://www.youtube.com/watch?v=Y7OTdHYEXw8
Kevin Hart feat. Trey Songz「Push It on Me」
 https://www.youtube.com/watch?v=SurUz8qx32I

「Anything (Interlude)」
Mario Winansプロデュース。美しいインタールード。
https://www.youtube.com/watch?v=iGfqd3gsHsw

「My Valentine」
Gordon Chambers/K-Geeプロデュース。哀愁モードのミディアム・グルーヴ。
https://www.youtube.com/watch?v=qCPXH9r9YAQ

「Giving You All My Love」
Mario Winansプロデュース。Kelly Priceがバック・ヴォーカルで参加。Isaac Hayes「Wherever You Are」をサンプリングしたラブ・バラード。Bad Boyらしからぬオーセンティックな魅力があります。
https://www.youtube.com/watch?v=VFNtwDEFkwY

「Cadillac Rap (Interlude)」
Carl Thomasプロデュース。The Dramatics「Be My Girl」をサンプリングしたインタールード。
https://www.youtube.com/watch?v=fCJnhCKt01w

「Woke Up In the Morning」
Harve Pierre/P. Diddy/Mario Winansプロデュース。The Notorious B.I.G.「My Downfall」をサンプリングした美しいも悲しいムードのミディアム・グルーヴ。
https://www.youtube.com/watch?v=YS_DNFMlB8k

「Come to Me」
Anthony Dent/J-Dub/Harve Pierreプロデュース。Roberta Flack「Let's Stay Together」をサンプリングした僕好みのオーセンティック・バラード。バック・コーラスでNiveaが参加。
https://www.youtube.com/watch?v=9wI3Uz2fpjE

「Cold, Cold World」
Ron "Amen-Ra" Lawrenceプロデュース。女性R&Bグループ4KastのSharissaがバック・コーラスで参加。哀愁漂うミディアム・バラード。
https://www.youtube.com/watch?v=bgm2RSRf264

「Trouble Won't Last (Interlude)」
Chucky Thompsonプロデュース。Malik Yusefがスポークン・ワードで参加したインタールード。
https://www.youtube.com/watch?v=ISQq_CL2Nbc

「You Ain't Right」
Mike City/Carl Thomasプロデュース。ダンサブルなビートを効かせたトラック。Mike Cityプロデュースらしい面白さはありますが、Carl Thomasにはフィットしていないような・・・
https://www.youtube.com/watch?v=WiPf6yju5sQ

「Lady Lay Your Body」
Damien DeSandies/Harve Pierre/Carl Thomasプロデュース。切々と歌い上げるラブ・バラード。夢の中で迷走しているような気分です。
https://www.youtube.com/watch?v=W00hpSieV-w

「Supastar」
Brian Keirulf/Joshua M. Schwartz/Rashad Smithプロデュース。個人的にかなり好きな1曲。ジワジワと沁みてくる感じがたまらないソウルフル・バラード。
https://www.youtube.com/watch?v=8tS8nRBoLq4

「Summer Rain」
Heavy Dプロデュース。Samuel L. Jackson主演の映画『Shaft』(2000年)のサントラにも収録された曲です。シングルとしてUS R&Bチャート第18位となっています。Terence Trent D'Arby「To Know Someone Deeply Is to Know Someone Softly」をサンプリングし、のフレーズが引用されています。Heavy Dプロデュースらしいキャッチーさがあります。
https://www.youtube.com/watch?v=5LxCICsV7Lk

「Hey Now」
Heavy Dプロデュース曲が続きます。幻想的なビューティフル・バラード。
https://www.youtube.com/watch?v=9MFP0xUc1ew

「Special Lady」
D-Dot/Garrette "Blake" Smithプロデュース。ラストは素敵なラブ・バラードで締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=DqYWh4PuP88

Carl Thomasの他作品もチェックを!

『Let's Talk About It』(2004年)
Let's Talk About It (Mcup)

『So Much Better』(2007年)
So Much Better

『Conquer』(2011年)
posted by ez at 02:19| Comment(0) | 2000年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年10月04日

Chico Pinheiro『City Of Dreams』

ブラジル人ギタリスト10年ぶりの新作☆Chico Pinheiro『City Of Dreams』

発表年:2020年
ez的ジャンル:ブラジリアン・ジャズ・ギタリスト
気分は... :余白のクリエイティビティ・・・

今回はブラジル人ジャズ・ギタリストChico Pinheiroの10年ぶりのソロ・アルバム『City Of Dreams』です。

Chico Pinheiroは1975年ブラジル、サンパウロ生まれのギタリスト/コンポーザー。

1996年に渡米し、バークリー音楽院で本格的にジャズを学び、その後プロとしてキャリアを歩みます。

これまで『Meia Noite Meio Dia』(2003年)、『Chico Pinheiro』(2005年)、『There's a Storm Inside』(2010年)といったソロ・アルバムやAnthony Wilsonとの共演アルバム『Nova』(2008年)、Antonio LoureiroSergio Santosとの共演アルバム『Triz』(2012年)といった作品をリリースしています。2017年からは拠点をサンパウロからN.Y.に移して活動しています。

本作『City Of Dreams』は、『There's a Storm Inside』(2010年)以来10年ぶりのソロ・アルバムとなります。

レコーディング・メンバーはChico Pinheiro(g、vo)、Tiago Costa(p、key)、Bruno Migotto(b)、Edu Ribeiro(d)、Chris Potter(ts)。

人気のUSジャズ・サックス奏者Chris Potter以外はChicoと同じサンパウロ出身のミュージシャン達です。Maria Rita好きの僕としては、Maria Rita作品でお馴染みのTiago Costaの参加が目を引きます。

本作への布石となったのがChico Pinheiroが参加したThe Reunion ProjectのアルバムThe Reunion Project『Varanda』(2017年)です。同作にはTiago CostaBruno MigottoEdu Ribeiroも参加しており、サンパウロ出身の4人のミュージシャンが結束が本作へと導いたと言えるでしょう。

アルバムはブラジル音楽とUSジャズのスペクトラムの間に位置する演奏で構成されています。

楽曲はすべてChico Pinheiroのオリジナルです。

ブラジル色の強い「Encantando」「​Estrada Real」の2曲が僕のお気に入りです。

それ以外に素晴らしいアンサンブルを楽しめるタイトル曲「City Of Dreams」、Chicoのギタリストとしての魅力を満喫できる「Up In The Air」Wayne Shorterへ捧げた「Invisible Lights」、ボッサ・フィーリングを取り入れた「Vila Madalena」あたりもおススメです。

ブラジル人ギタリストならではの感性を楽しめるジャズ作品です。

全曲紹介しときやす。

「City Of Dreams」
4名のブラジル人ミュージシャンの素晴らしいアンサンブルを楽しめるオープニング。中盤のChicoのギター、Tiagoのピアノによる静かなデュオを挟んで再び4人の生への躍動に満ちたアンサンブルを楽しめます。
https://www.youtube.com/watch?v=KHYxknX1NEo

「Interlude」
タイトルの通り、インタールド的なChicoのギター、Tiagoのピアノのデュオ演奏。

「​Long Story Short」
Chris Potterが参加した演奏はUSジャズな雰囲気です。N.Y.ジャズ・シーンでも活躍するジャズ・ギタリストたしいChico PinheiroとChris Potterがソロで盛り上げてくれます。

「​Estrada Real」
100%ブラジル音楽なミステリアスでトラディショナルな演奏です。Baden Powellの流れを汲むブラジル人ギタリストらしいギター・プレイとスキャットを聴かせてくれます。

「Gesture」
ギター、ピアノ、ベースによるトリオ演奏。静かなる音楽モードの清らかな演奏で、聴く者の心を浄化してくれます。

「Invisible Lights」
Wayne Shorterへ捧げた1曲なのだとか。Bruno Migottoはエレクトリック・ベースをプレイしています。USジャズ・テイストのアンサンブルで楽しませてくれます。

「Encantando」
僕の一番のお気に入り。ミナス派のエッセンスを感じるブラジル・モード全開のスキャット入りの演奏です。Chris Potterのサックスもいいアクセントになっています。

「Theme」
元々映画音楽として書かれた曲なのだとか。1曲の中にドラマを感じるシネマチックな演奏です。何とも言えない哀愁が漂います。

「Vila Madalena」
ボッサ・フィーリングを取り入れたメロウな演奏です。とは言ってもモロにボサノヴァではなく、演奏全体はUSジャズ的な雰囲気に仕上がっています。

「Farol」
ギター、ピアノのみのデュオ演奏。透明感のあるクラシカルな雰囲気のアンサンブルで魅せてくれます。

「Up In The Air」
ラストは明日への希望を意識した素晴らしい演奏で締め括ってくれます。Chicoのギタリストとしての才がよく分かる演奏だと思います。

Chico Pinheiroの他作品もチェックを!

『Meia Noite Meio Dia』(2003年)


『Chico Pinheiro』(2005年)


Chico Pinheiro & Anthony Wilson『Nova』(2008年)


『There's a Storm Inside』(2010年)


Antonio Loureiro/Chico Pinheiro/Sergio Santos 『Triz』(2012年)
Triz

The Reunion Project『Varanda』(2017年)
posted by ez at 01:38| Comment(0) | 2020年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年10月02日

Fantasia Featuring Peggy Santiglia『Sweet,Sweet City Rhythm』

Billy Terellによるディスコ・プロジェクト☆Fantasia Featuring Peggy Santiglia『Sweet,Sweet City Rhythm』

発表年:1978年
ez的ジャンル:>John Davis系フィリー・ディスコ
気分は... :セレンディピティ!

今回は70年代ディスコ作品からFantasia Featuring Peggy Santiglia『Sweet,Sweet City Rhythm』(1978年)です。

本作はプロデューサーBill Terrellが60年代ガールズ・グループThe AngelsのメンバーであったPeggy Santigliaをフィーチャリングしたディスコ・プロジェクトの唯一のアルバム。

本作は同じBill Terrellが手掛けたディスコ・アルバムGary Criss『Rio De Janeiro』(1978年)とほぼ同じスタッフで制作されており、2枚は姉妹ディスコ・アルバムという位置づけになります。

Gary Criss『Rio De Janeiro』(1978年)


元々は友人であるGary Crissをレコード・レーベルに売り込んでいたBill Terrellが、レーベル側(ブラジルのTop Tapeレーベル)からThe Angelsの1961年のヒット・シングル「'Til」のインストゥルメンタルのディスコ・ヴァージョン制作を持ちかけられたことがきっかけだったようです。

偶然にもGary CrissThe Angelsのリード・ヴァーカルであったPeggy Santigliaと友人であり、レーベル側に紹介したことから、本家The Angelsを起用した「'Til」ディスコ・ヴァージョンの制作が実現し、それに気を良くしたレーベル側から本作とGary Criss『Rio De Janeiro』という2枚のアルバム制作を勝ち取りました。

The Angels「Till」(1978年)
https://www.youtube.com/watch?v=7dJaTXPfTqk

本作『Sweet,Sweet City Rhythm』ですが、Bill Terrellがプロデュースし、 MFSBのメンバーで人気ディスコ・プロデューサーのJohn DavisJohn Davis & The Monster OrchestraメンバーであるギタリストCraig SnyderもTerrellと共にアレンジを手掛けています。レコーディングはシグマ・サウンド・スタジオ。

また、Gary Crissも2曲でソングライティングに関与しています。

(正式なクレジットはありませんが)John Davis & The Monster Orchestraによる華やかなバッキングがPeggy Santigliaのヴォーカルを引き立てる素敵なフィリー・ディスコ作品に仕上がっています。

全4曲と曲数少ない構成ですが、十分満足できるディスコ作品です。

全曲紹介しときやす。

「Fantasia/Carnival」
Bill Terrell/Gary Criss作。本作のハイライト。John Davis & The Monster OrchestraのゴージャスなバッキングでPeggy Santigliaが映えるラテン風味のフィリー・ディスコ。12分超の長尺ヴァージョンです。
https://www.youtube.com/watch?v=_aU_OTL2BO4

「Sweet, Sweet City Rhythm/Summer In The City」
Bill Terrell/Craig Snyder/Gary Criss作のタイトル曲とThe Lovin' Spoonfulの大ヒット曲「Summer In The City」のメドレー。このトラックも華やかなフィリー・ディスコに仕上がっています。ファンキー・ディスコの「Summer In The City」も悪くありません。
https://www.youtube.com/watch?v=92dehNCISY8

「Go On And Dance To The Music」
Ray Dahrouge作。Peggyのヴォーカルの躍動感が心地好い軽快なディスコ・チューン。開放的なホーン・アンサンブルがいい感じです。
https://www.youtube.com/watch?v=ZtjBJsQtSdg

「Alice Street」
Bill Terrell/Craig Snyder作。John Davis & The Monster Orchestraらしいダイナミックなバッキングが冴えるゴージャスなディスコ・チューン。Peggyのヴォーカルに加え、女性コーラス隊のスキャットも印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=d3Nhbf4KNy0

本作は2020年2月のT.K. Records再発シリーズの1枚としてCDリリースされたものですが、同シリーズのそれ以外の作品もいくつかピックアップしておきます。

Eli's Second Coming『Eli's Second Coming』(1977年)


Fire『Fire』(1978年)


Osiris『O-Zone』(1979年)
posted by ez at 02:00| Comment(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする