2020年10月17日

The Cinematic Orchestra『Every Day』

ライヴ演奏が強化された2nd☆The Cinematic Orchestra『Every Day』

発表年:2007年
ez的ジャンル:UKフューチャー・ジャズ
気分は... :伏せて、開ける...

静かなるUKフューチャー・ジャズThe Cinematic Orchestra『Every Day』(2002年)です。

Jason Swinscoeを中心にしたUKのフューチャー・ジャズ・ユニットThe Cinematic Orchestraの紹介は、『Motion』(1999年)、『Ma Fleur』(2007年)に続き3回目となります。

1stアルバム『Motion』(1999年)に続く2ndアルバムとなる本作『Every Day』(2002年)では、ライヴ演奏が強化され、よりオーケストラ(楽団)らしい内容となっています。

本作におけるメンバーはJason Swinscoe(prod)、Phil France(b、prod、el-p)、Luke Flowers(ds)、John Ellis(el-p、moog)、Tom Chant(sax)、Patrick Carpenter(turntable、electronics)。

ソングライティングはJason SwinscoePhil France

アルバムには1965年の大ヒット・シングル「Rescue Me」で知られるUSソウル・シンガーFontella Bass、UKラッパーRoots Manuvaがフィーチャリングされています。

それ以外にRhodri Davies(harp)、Milo Fell(per)が参加しています。

「All That You Give」「Burn Out」などの重厚で落ち着きのある演奏が印象的ですが、「Flite」「Man with the Movie Camera」のようなリズミックな演奏もあり、その意味では飽きない構成だと思います。

ライヴ感が増し、スケール・アップしたThe Cinematic Orchestraを楽しめる1枚です。

全曲紹介しときやす。

「All That You Give」
Fontella Bassのヴォーカルをフィーチャー。ライヴ/バンド感の強まった本作を印象づけるオープニング。ハープも加わった重厚な美しさが印象的な仕上がり。ベースラインはCarlos Santana & Alice Coltrane「Angel of Air」ネタです。
https://www.youtube.com/watch?v=n8HYzhMLKi8

「Burn Out」
10分超の長尺。クラブミュージック経由の静かなるシネマティック・ミッドナイト・ジャズといった趣です。
https://www.youtube.com/watch?v=OtqTfy26tG0

「Flite」
リズミックでダンサブルなUKクラブジャズ/クロスオーヴァーらしい演奏です。Eberhard Weber「Quiet Departures」をサンプリング。
https://www.youtube.com/watch?v=rQhrrZr0hUU

「Evolution」
Fontella Bassのヴォーカルをフィーチャー。スピリチュアル&ソウルフルなクロスオーヴァー・ジャズといった雰囲気です。Patrick Carpenterのターンテーブルも効果的です。
https://www.youtube.com/watch?v=KLp07Yaveh8

「Man with the Movie Camera」
タイトルの通り、シネマティックな演奏が進むと思いきや、途中からリズミック&コズミックな演奏が展開されます。ここではTom Chantのソプラノ・サックスが活躍します。
https://www.youtube.com/watch?v=Oo-GoIX_8BE

「All Things to All Men」
Roots Manuvaのヴォーカルをフィーチャー。John Barry「Petulia (Main Title)」をサンプリング。程良いジャズ・フィーリングが心地好いです。ポエトリーリーディング調のRoots Manuvaのラップが入ると一気にUKクラブ感が増しますね。
https://www.youtube.com/watch?v=QyuY6o1kep4

「Everyday」
ラストはコンゴ共和国の子供コーラスLes Troubadours Du Roi Baudouin「Katunbu」をサンプリングした美しくも感動的な演奏で締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=n7tzP4_fhYs

僕の保有CDには未収録ですが、再発CDには「Oregon」「Horizon」の2曲が追加されています。
「Oregon」
https://www.youtube.com/watch?v=nD2YI1sr4PE
「Horizon」
https://www.youtube.com/watch?v=My11hjF8CQA

The Cinematic Orchestraの他作品もチェックを!

『Motion』(1999年)
Motion

『Man With a Movie Camera』(2003年)
Man With a Movie Camera (ZENCD78B)

『Ma Fleur』(2007年)
Ma Fleur [帯解説 / ボーナストラック3曲収録 / 国内盤] (BRC508)

『Live at the Royal Albert Hall』(2008年)
Live at the Royal Albert Hall [解説・ボーナストラック付き国内盤]

『The Cinematic Orchestra presents In Motion #1』(2012年)
The Cinematic Orchestra presents In Motion #1 (ZENCD183)

『To Believe』(2019年)
posted by ez at 03:20| Comment(0) | 2000年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする