2020年10月25日

Ledisi『The Wild Card』

自主レーベルで輝きを取り戻したレディ・ソウル☆Ledisi『The Wild Card』

発表年:2020年
ez的ジャンル:実力派女性R&Bシンガー
気分は... :この移籍は大歓迎!

新作から実力派女性R&BシンガーLedisiの最新作『The Wild Card』です。

1972年ニューオリンズ生まれの女性R&BシンガーLedisiについて、当ブログで紹介したのは以下の3枚。、

 『Soulsinger』(2000年)
 『Lost & Found』(2007年)
 『Pieces Of Me』(2011年)

最新作『The Wild Card』は長年在籍していた大手Verve Recordsを離れ、自主レーベルListen Back Entertainment からのリリースです。

このように書くと都落ちのイメージですが、正直Verveの近作はLedisi本来の魅力が薄れ、彼女にメジャーの水は合わないと感じていたので、Verveからの離脱は正解であったと思います。

結果として、最新作『The Wild Card』Ledisiらいしソウル・フィーリングに溢れた1枚に仕上がっています。彼女が自分がやりたい音楽をやっている感じが伝わってくるのがいいですね。

メイン・プロデュースはLedisi自身と長年彼女の作品を支えてきたRex Rideout

また、現代ジャズ・シーンを牽引するジャズ・ピアニストRobert Glasperも2曲プロデュースしています。

それ以外にJeff "Gitty" GitelmanIvan Barias等もプロデュースを手掛けています。

また、Cory Henry、女性ラッパーSa-Rocがフィーチャリングされています。

D'Angelo「Untitled (How Does It Feel)」を思わせるリード・シングル「Anything for You」Ivan Bariasプロデュースの2ndシングル「Where I Am」Robert Glasperプロデュース、Sa-Rocをフィーチャーした「Wake Up」Chaka Khanを彷彿させるファンキー・グルーヴ「WKND」Harry Nilssonの大ヒット曲カヴァー「Without You」Cory Henryをフィーチャーしたソウル・グルーヴ「What Kinda Love Is That」などLedisiファンを歓喜させる楽曲が並びます。

本来のレディ・ソウルらしい原点に立ち戻ったLedisiの再出発を歓迎します。

全曲紹介しときやす。

「Anything for You」
Rex Rideout/Ledisiプロデュース。アルバムからの1stシングルがオープニング。よく言われているように、D'Angelo『Voodoo』(2000年)収録の名曲「Untitled (How Does It Feel)」をヴィンテージ風にしたような素敵なソウル・バラードです。この1曲を聴いただけで、彼女のレーベル移籍は成功だと思いました。
https://www.youtube.com/watch?v=XauB5LZaOpI

アルバム未収録ですが、PJ Mortonとのデュエット・ヴァージョンもあります。
Ledisi & PJ Morton「Anything for You (The Duet)」
https://www.youtube.com/watch?v=uOT5_mFQZHw

「Next Time」
Rex Rideout/Ledisiプロデュース。Ledisiのヴォーカルがジワジワと沁み渡ってくるミディアム・ソウル。レディ・ソウルらしい地に足のついた感じがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=NZQB-YY7rfI

「Same Love」
Jeff "Gitty" Gitelmanプロデュース。歌を大事にする本作のスタンスを象徴するようなバラード。あくまでもLedisiの歌世界を引き立てるアレンジがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=uBTEIifwKp8

「Now or Never」
Robert Glasper/Ledisiプロデュース。Robert Glasper絡みの1曲目。Glasper(p)、Brandon Owens(b)、Justin Tyson(ds)のトリオがバッキングを務めます。多重録音によるヴォーカル・ワークを活かしたミディアム・ソウル。控えめな演奏でLedisiのヴォーカルを引き立てる感じがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=JByX_GOdhAY

「Stay Gone」
Rex Rideout/Ledisiプロデュース。ソウル・バンド感のあるバッキングを従えて、Ledisiが堂々としたヴォーカルを披露します。
https://www.youtube.com/watch?v=mSTJ36sdoQg

「Where I Am」
(Carvin & Ivanでお馴染みの)Ivan Bariasプロデュース。アルバムからの2ndシングル。Ivan BariasらしさとLedisiらしさが噛み合った幻想的なネオソウルに仕上がっています。次世代ネオソウルなんかにも呼応しているのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=I7MN-5DktcY

「WKND」
Rex Rideout/Ledisiプロデュース。思わずChaka Khanのカヴァー?なんて言いたくなりそうなパワフルなファンキー・グルーヴ。サイコーです。
https://www.youtube.com/watch?v=Cx0NXqzEmS4

「What Kinda Love Is That」
Cory Henry(p)をフィーチャー。Rex Rideout/Ledisiプロデュース。生演奏ならではのリラックスしたグルーヴが心地好い1曲。思わず身体を揺らしてしまいます。
https://www.youtube.com/watch?v=uu0FreBVgZE

「Sunrise (Interlude)」
Cory Henryプロデュース。Cory Henryによるインタールード。
https://www.youtube.com/watch?v=soxgRs0JS1Y

「In It to Win」
Phil Beaudreauプロデュース。Justin Bieberの最新作『Changes』でも1曲プロデュース&ソングライティングで参加していた人です。ここではすべての演奏も行っています。ラテン・フレイヴァーを効かせた哀愁グルーヴに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=SJKSq_muCfI

「One」
Rex Rideout/Ledisiプロデュース。情感たっぷりの歌いまわしが印象的な哀愁ミディアム。
https://www.youtube.com/watch?v=nKnNP62Zofc

「Wake Up」
Robert Glasper/Ledisiプロデュース。Robert Glasper絡みの2曲目は女性ラッパーSa-Rocをフィーチャー。アルバムからの3rdシングルにもなっています。ここでもGlasper(p)、Brandon Owens(b)、Justin Tyson(ds)のトリオがバッキングを務めます。今度はGlasperの現在進行形ジャズ・ワールドにLedisiに飛び込んでいっている感じです。今ジャズ好きの人も楽しめるのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=nVZoU3g3ET8

「Stone」
Rex Rideout/Ledisiプロデュース。自主レーベルだからこそのソウル・チューンって感じがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=U5N9yDKw4mY

「Without You」
Harry Nilsson、1971年の大ヒット曲をカヴァー。オリジナルはBadfinger(Tom Evans/Pete Ham作)。Rex Rideout/Ledisiプロデュース。Rexのピアノをバックに、Ledisiの感動的な歌声に聴かせてくれます。思わず涙腺が緩んでしまう至極のカヴァーに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=sjuHPMCCAsg

「Sunset (Outerlude)」
Cory Henryプロデュース。Cory Henryによるアウトロ。
https://www.youtube.com/watch?v=w5mIZnKr68U

Ledisiの他作品もチェックを!

『Soulsinger』(2000年)
Soulsinger

『Feeling Orange but Sometimes Blue』(2002年)
FEELING ORANGE BUT SOMETIMES BLUE

『Lost & Found』(2007年)


『It's Christmas』(2008年) ※クリスマス・アルバム
It's Christmas

『Turn Me Loose』(2009年)
Turn Me Loose

『Pieces Of Me』(2011年)
Pieces of Me

『The Truth』(2014年)


『Let Love Rule』(2017年)
posted by ez at 02:25| Comment(0) | 2020年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする