2020年10月27日

Carole Bayer Sager『Carole Bayer Sager』

名作詞家のデビュー・アルバム☆Carole Bayer Sager『Carole Bayer Sager』

発表年:1977年
ez的ジャンル:名作詞家女性シンガー
気分は... :私自身・・・

今回はとして名作詞家知られるCarole Bayer Sagerのソロ・デビュー・アルバム『Carole Bayer Sager』(1977年)です。

Carole Bayer Sagerは1947年N.Y.生まれの女性作詞家/シンガー。

10代後半からプロ作詞家として活動するようになり、Melissa Manchester「Midnight Blue」「Don't Cry Out Loud」(オリジナルはThe Moments)、Leo Sayer「When I Need You」Christopher Cross「Arthur's Theme (Best That You Can Do)」Dionne Warwick, Elton John, Gladys Knight & Stevie Wonder「That's What Friends Are For」(オリジナルはRod Stewart)をはじめ数多くの名曲の作詞を手掛けています。

また、一時期(1982-1991年)はあのBurt Bacharachの奥方となっていました。

ソロ・シンガーとしては、『Carole Bayer Sager』(1977年)、『...Too』(1978年)、『Sometimes Late at Night』(1981年)という3枚のアルバムをリリースしています。それ以前に60年代に女性デュオCarol & Sherryとしてシングルをリリースしています。

ソロ・デビュー・アルバム『Carole Bayer Sager』(1977年)には、これまで彼女と組んできたコンポーザーやミュージシャンたちが大挙して参加しています。

Melissa ManchesterBette MidlerPeter AllenBruce RobertsBrenda RussellTony Orlandoらがヴォーカル陣として参加しています。

また、Lee Ritenour(g)、Hugh McCracken(g)、Johnny Vastano(g、back vo)、Bob Cranshaw(b)、Lee Sklar(b)、Will Lee(b)、Andy Newmark(ds)、Jim Keltner(ds)、Russ Kunkel(ds)、Marvin Hamlisch(el-p、p)、Nicky Hopkins(el-p、p)、Bruce Roberts(p)、Artie Butler(org)、Alan Estes(congas)等のミュージシャンが参加しています。

プロデュースはBrooks Arthur

シンガーとしてのCarole Bayer Sagerは決して歌が巧いわけではありませんが、味のあるハスキー・ヴォイスに魅力があります。そんな独特のハスキー・ヴォイスと共に、彼女が手掛けてきた名曲の数々を楽しめるのが本作です。

オープニングとエンディングを飾るMelissa Manchesterとの共作2曲「Come In From The Rain」「Home To Myself」Peter Allenとの共作による「I'd Rather Leave While I'm In Love」「Don't Wish Too Hard」の2曲、映画音楽の巨匠Marvin Hamlischとの共作「Sweet Alibis」Bruce Robertsとの共作「Aces」Bette Midlerが素晴らしいバック・ヴォーカルを聴かせる「Shy As A Violet」あたりが僕のおススメです。

セピア色が似合うメロウな落ち着きに魅了される1枚です。

全曲紹介しときやす。

「Come In From The Rain」
Carole Bayer Sager/Melissa Manchester作。「Midnight Blue」をヒットさせたMelissa Manchesterとの共作曲のセルフ・カヴァーがオープニング。そのMelissa Manchesterがピアノでバッキングを務める味わいと落ち着きのあるバラードです。Lee Ritenourの美しくもさりげないアコギもグッド!
https://www.youtube.com/watch?v=WFSAcSCNNNw

Melissa Manchesterのオリジナルはアルバム『Better Days & Happy Endings』(1976年)収録。Melissa『Hey Ricky』(1982年)でも再レコーディングしています。Captain & Tennilleもカヴァーしています。
Melissa Manchester「Come In From The Rain」(From 『Better Days & Happy Endings』)
 https://www.youtube.com/watch?v=EC2yIwYCXNU
Melissa Manchester「Come In From The Rain」(From 『Hey Ricky』
 https://www.youtube.com/watch?v=t12lJMO1yzg
Captain & Tennille「Come In From The Rain」
 https://www.youtube.com/watch?v=P75jQxVhZnA

「Until The Next Time」
Carole Bayer Sager/Johnny Vastano作。Carole独特のハスキー・ヴォイスを楽しめる1曲。作曲のJohnny VastanoとMelissa Manchesterがバック・ヴォーカルを務めています。
https://www.youtube.com/watch?v=MI1dzNhCB_s

「Don't Wish Too Hard」
Carole Bayer Sager/Peter Allen作。爽快なメロウ・グルーヴにはシティ・ミュージック的な魅力があります。バック・ヴォーカルを務めるのはAbigail HanessとBrenda Russell。
https://www.youtube.com/watch?v=z1Gp2Mdqdl8

Peter Allenのヴァージョンはライブ・アルバム『It Is Time for Peter Allen』(1977年)やスタジオ・アルバム『I Could Have Been a Sailor』(1979年)に収録されています。
Peter Allen「Don't Wish Too Hard」
 https://www.youtube.com/watch?v=eiivmeuaOKg

「Sweet Alibis」
Carole Bayer Sager/Marvin Hamlisch作。映画音楽の巨匠Marvin Hamlischとの共作。二人はこの時期、Carly Simonが歌った007シリーズの映画『The Spy Who Loved Me』の主題歌「Nobody Does It Better」を共作していました。甘く切ないメロウ・バラードは紅葉の季節にフィットするのでは?Lee Ritenourがここではエレクトリック・ギターで盛り上げてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=IIdL9vEX4ZY

「Aces」
Bruce Roberts/Carole Bayer Sager作。ストリングスをバックにしみじみと歌い上げるラブ・バラード。セピア色が似合う1曲です。なかなかの名曲だと思います。
https://www.youtube.com/watch?v=_q4LLs0k9Fg

「I'd Rather Leave While I'm In Love」
Carole Bayer Sager/Peter Allen作。このPeter Allenとの共作曲は人気の高い1曲ですね(邦題「愛しているからさよならを」)。切なさが込み上げてくる素敵なラブ・バラードです。
https://www.youtube.com/watch?v=XnLm7WEv1D8

Peter Allenのヴァージョンは・アルバム『I Could Have Been a Sailor』(1979年)に収録されています。吉田美奈子、 Ann Peebles、Rita Coolidge等がカヴァーしています。
Peter Allen「I'd Rather Leave While I'm In Love」
 https://www.youtube.com/watch?v=D4PjVxZFDqo
吉田美奈子「I'd Rather Leave While I'm In Love」
 https://www.youtube.com/watch?v=LsVVGOlAOLw
Ann Peebles「I'd Rather Leave While I'm In Love」
 https://www.youtube.com/watch?v=n4ukpdPQCgI
Rita Coolidge「I'd Rather Leave While I'm In Love」
 https://www.youtube.com/watch?v=yCaq9BOe5Yc

「Steal Away Again」
Bette Midler/Bruce Roberts/Carole Bayer Sager作。作者3人がそれぞれ自身のヴァージョンをリリースしています。恋する心模様が描かれた素敵なラブ・バラードです。抑えたトーンのCaroleのハスキー・ヴォーカルの甘く切ない雰囲気がサイコーです。
https://www.youtube.com/watch?v=UAdv66gCt9M
Bruce Roberts「Steal Away Again」
 https://www.youtube.com/watch?v=XOZqdT9G6zo

「You're Moving Out Today」
Bette Midler/Bruce Roberts/Carole Bayer Sager作。Bette Midlerヴァージョンは『Live at Last』(1977年)収録。「おかしな恋人」という邦題が似合うユニークな雰囲気の1曲です。ギター・ソロはHugh McCracken。
https://www.youtube.com/watch?v=06J4NiCl4Vc
Bette Midler「You're Moving Out Today」
 https://www.youtube.com/watch?v=LtSNvjNN0n4

「Shy As A Violet」
Carole Bayer Sager/Peter Allen作。元々はPeter Allen、1975年リリースのシングル「She Loves To Hear The Music」のB面曲。Bette Midlerがバック・ヴォーカルで参加し、素晴らしいヴォーカル・ワークで盛り上げてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=jW8mnGc1aVU

「Home To Myself」
邦題「私自身」。ラストはMelissa Manchesterとの共作による名曲で締め括ってくれます。Melissaヴァージョンはアルバム『Home To Myself』(1973年)収録。聴く者を優しく励ましてくれる素敵な1曲。Melissaのハープシコードがいいアクセントになっています。
https://www.youtube.com/watch?v=f9I-zibhzfA
Melissa Manchester「Home To Myself」
 https://www.youtube.com/watch?v=7RuVWeEl5ls

Carole Bayer Sagerの他作品もチェックを!

『...Too』(1978年)


『Sometimes Late at Night』(1981年)
posted by ez at 04:12| Comment(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする