発表年:1958年
ez的ジャンル:N.Y.アフロ・キューバン・ジャズ巨匠
気分は... :アフロ・キューバン・ジャズで体を熱く!
N.Y.アフロ・キューバン・ジャズの巨匠Machitoの『Kenya (Afro Cuban Jazz)』(1958年)です。
キューバ、ハバナ出身でマンボをジャズに取り入れたアフロ・キューバン・ジャズの確立に大きく貢献したコンガ奏者/シンガー/バンドリーダーMachito(本名:Frank Grillo)(1912-1984年)の紹介は、Machito Orchestra『Fireworks』(1977年)に続き2回目となります。
本作『Kenya (Afro Cuban Jazz)』(1958年)は、マンボをジャズに取り入れたN.Y.アフロ・キューバン・ジャズの盛り上がりが収められた一大セッションです。
本作では特にCannonball Adderley(as)、Joe Newman(tp)という二人のジャズ・ミュージシャンがフィーチャリングされています。
Machito(leader)以下、Mario Bauza(musical directer、arr、tp)、Rene Hernandez(arr、p)、A.K. Salim(arr)、Doc Cheatham(tp)、Paul Cohen(tp)、Ray Santos(ts)、Eddie Bert(tb)、Santo Russo(tb)、Bobby Rodriguez(b)、Candido(congas)、Carlos "Patato" Valdes(congas)、Jose Mangual(bongos)、Ubaldo Nieto(timbales)等のミュージシャンが参加しています。
この時代らしいアフロ・キューバン・ジャズと、この時代とは思えないクラブジャズ的なアフロ・キューバン・ジャズが混在している面白さがある1枚です。個人的には後者のタイプの演奏が目当てなのですが・・・
その意味ではハイスピード&パーカッシヴな「Wild Jungle」、アフロ・キューバン・ジャズ・ダンシング「Tururato」、ラテン・リズム・シャワー「Frenzy」、Candidoのコンガが疾走する「Minor Rama」が僕のおススメです。
ラテン・ジャズ好きの方は、ラテン・ジャズ名曲カヴァー「Tin Tin Deo」、Cannonball Adderley好きの方は「Cannonology」、「Oyeme」あたりも楽しめるはずです。
50年代N.Y.アフロ・キューバン・ジャズの熱気が詰まった1枚で体を熱くしましょう。
全曲紹介しときやす。
「Wild Jungle」
Mario Bauza/Rene Hernandez作。いきなりハイスピードのパーカッシヴ・ラテン・ジャズで躍動します。トロンボーン・ソロはEddie Bert。しかし、ここでの主役は灼熱のコンガ・ソロを展開するCandido!後半にはDizzy Gillespie/Chano Pozo作のラテン・ジャズ名曲「Manteca」のフレーズが挿入されています。
https://www.youtube.com/watch?v=GRKryJSnVcE
「Congo Mulence」
A.K. Salim作。Cannonball AdderleyとJoe Newmanというゲスト2人がソロを披露する本作らしいジャズ×アフロ・キューバンな演奏です。
https://www.youtube.com/watch?v=64_iNllbMcQ
「Kenya」
Mario Bauza/Rene Hernandez作。タイトル曲はオーケストラらしい鮮やかなアレンジが映える演奏です。華やかなホーン・アンサンブルがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=FQtIP_H_D_4
「Oyeme」
A.K. Salim作。パーカッシヴなラテン・リズムをバックに、Adderley、Newmanがソロで盛り上げてくれます。特にCharlie Parkerを意識したかのようなAdderleyのプレイが印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=PO2TobgbSW
「Holiday」
Mario Bauza/Rene Hernandez作。軽やかなラテン・リズムが心地好い演奏です。ソロはDoc Cheatham(tp)とRay Santos(ts)。
https://www.youtube.com/watch?v=PlfsbSs0mgg
「Cannonology」
A.K. Salim作。タイトルの通り、Adderleyを主役に据えた演奏です。個人的にはJose Mangualのボンゴ・ブレイクがサイコーに格好良いです!
https://www.youtube.com/watch?v=jzivTuKiRws
「Frenzy」
Mario Bauza/Rene Hernandez作。これぞラテン・リズム・シャワー!Candido、Carlos "Patato" Valdesのコンガを中心にラテン・リズムを存分に満喫できます。メリハリの効いたホーン・アンサンブルのアレンジもお見事!
https://www.youtube.com/watch?v=9j-x7sUwcJ8
「Blues A La Machito」
A.K. Salim作。ラテン・ブルースですが湿っぽくありません。Newmanが雰囲気のあるソロで楽しませてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=7hSv8SWojME
「Conversation」
A.K. Salim作。Carlos "Patato" Valdesのコンガとホーン隊のアンサンブルがいい感じ!ソロはNewmanとAdderley。
https://www.youtube.com/watch?v=4rKeUye1huQ
「Tin Tin Deo」
前述の「Manteca」と並ぶDizzy Gillespie/Chano Pozo作のラテン・ジャズ名曲をカヴァー。スケールの大きな華やかな演奏で名曲を楽しめます。ソロはSanto Russo(tb)とDoc Cheatham(tp)。
https://www.youtube.com/watch?v=QjoEgv1zqyA
「Minor Rama」
A.K. Salim作。Candidoの疾走するコンガが演奏を牽引します。キレのあるホーン・アンサンブル、NewmanとAdderleyのソロもグッド!
https://www.youtube.com/watch?v=2TQTdHNV5J0
「Tururato」
A.K. Salim作。ラストはアッパーなアフロ・キューバン・ジャズ・ダンシング。Candido、Carlos "Patato" Valdes、Bobby Rodriguezのリズム隊の格好良さがたまりません。ホーン・アンサンブル、Newman、Adderleyのソロもキマっています。
https://www.youtube.com/watch?v=7HOb1YqUUsM
Machitoの他作品もチェックを!
『Vacation at the Concord』(1958年)
『Machito with Flute to Boot』(1959年)
『Machito at the Crescendo』(1961年)
『Soul of Machito』(1971年)
『La Voz De Graciela』(1972年)
『Fireworks』(1977年)
『Machito And His Salsa Big Band』(1982年)
『Machito!!!』(1983年)
『Live At North Sea '82』(1983年)