2020年11月29日

Butcher Brown『#KingButch』

新世代ファンク・バンドが遂にメジャー・デビュー☆Butcher Brown『#KingButch』

発表年:2020年
ez的ジャンル:新世代ファンク・バンド
気分は... :啐啄同時!

新作からファンク・バンドButcher Brownのメジャー・デビュー作『#KingButch』です。

Butcher Brownは、マルチ奏者/プロデューサーのDJ Harrison (Devonne Harris)を中心にバージニア州リッチモンドで結成されたファンク・バンド。

2013年にEP「Backtracks」でデビュー。アルバムも『All Purpose Music』(2014年)、『Grown Folk』(2015年)、『Live at Vagabond』(2017年)、『The Healer』(2017年)、『Camden Session』(2018年)といった作品をリリースしています。

現在のラインナップは、DJ Harrison (Devonne Harris)(key)、Andrew Randazzo(b)、Morgan Burrs(g)、Marcus Tenney(Tennishu)(sax、tp、rap)、Corey Fonville(ds)という5名。

Concordからのメジャー・デビュー作となる本作『#KingButch』

プロデュースはButcher BrownChris Dunn

新世代ファンク・バンドという括りですが、ラップを織り交ぜたHip-Hop調の演奏や70年代ジャズ/フュージョンからの影響を感じる演奏もあり、彼らの音楽のバリエーションを楽しめる1枚に仕上がっています。

ファンク・バンドLettuce(レタス)に対抗するかのような曲名の「Cabbage (DFC)」、ジャジーHip-Hop調の「#KingButch」「Gum In My Mouth」、ブギー・ファンクな「1992」Mtumeのカヴァー「Love Lock」、ゲストのFly Anakinのラップをフィーチャーした「For The City」、アーバンなジャズ・ダンサー「IDK」あたりが僕のおススメです。

満を持してのメジャー・デビューに相応しい充実作だと思います。

全曲紹介しときやす。

「Fonkadelica」
少しP-Funkを意識したかのような短いオープニング。
https://www.youtube.com/watch?v=otlea_BlkO8

「#KingButch」
タイトル曲はDJ Harrisonのメロウ・エレピをバックに、Tennishuがラップする生音ジャジーHip-Hopに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=UmBGNbtdngQ

「Broad Rock」
Marcus Tenneyのトランペット、サックスがリードするインスト。アーバン・ムードがいい感じです。
https://www.youtube.com/watch?v=-UmLgGsCCWM

「Cabbage (DFC)」
ファンク・バンドLettuce(レタス)に対抗するかのような「キャベツ」という曲名がまず気になりますね(笑)。Andrew RandazzoとCorey Fonvilleのリズム隊が生み出すグルーヴにグッとくるファンキー・チューン。Marcus Tenneyのトランペット、サックス、Morgan Burrsのギター、DJ Harrisonのエレピも見せ場を作っています。
https://www.youtube.com/watch?v=WlloRjnCAxY

「Gum In My Mouth」
Tennishuのラップ調ヴォーカルをフィーチャーしたるジャジー&メロウHip-Hop。適度なローファイ感もあっていい感じ。
https://www.youtube.com/watch?v=4nGTDuaBkgE

「Frontline (Intro)」
Andrew Randazzoのベース、チェロを楽しむ次曲に向けたイントロ。
https://www.youtube.com/watch?v=Paf4-egHKdI

「Frontline」
アーバン・メロウなインスト。新しさはないけど、オーセンティックな魅力があります。
https://www.youtube.com/watch?v=h7orUMuAPyI

「1992」
Butcher Brown流のブギー・ファンクで楽しませてくれます。彼らしいセンスが織り込まれたブギー・ファンクになっているのがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=2-aCZ2XYDoc

「Love Lock」
Mtumeのカヴァー(James Mtume/Reggie Lucas作)。オリジナルはアルバム『Kiss This World Goodbye』(1978年)収録。当ブログではFlora Purim『Carry On』のカヴァーを紹介済みです(『Carry On』収録)。僕好みのアーバンなメロウ・フュージョンなに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=nmKnPNVtLtE

「Hopscotch」
Hip-Hop×ジャズのクロスオーヴァーが格好良いスリリングな小曲。もっと長尺で聴きたい!
https://www.youtube.com/watch?v=NciRxl5BzoE

「Tidal Wave」
William Jeffery作。多分、オリジナルはRonnie Laws『Pressure Sensitive』(1975年)だと思います。70年代クロスオーヴァー・ジャズへのオマージュ的なミステリアス&メロウな演奏です。
https://www.youtube.com/watch?v=yPJNFckZLSY

「For The City」
Fly Anakinのラップをフィーチャー。Hip-Hop経由の新世代ファンク・バンドらしさが反映されている演奏を楽しめます。
https://www.youtube.com/watch?v=xtZ1-4-FePI

「IDK」
ラストはシャープでアーバンなジャズ・ダンサーで締め括ってくれます。緩急のアクセントもグッド!
https://www.youtube.com/watch?v=1qO-UK7tXSM

Butcher Brownの他作品をチェックを!

『All Purpose Music』(2014年)


『Live at Vagabond』(2017年)


『Camden Session』(2018年)
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2020年11月28日

Roots Manuva『4everevolution』

Hip-Hopの枠に囚われない1枚☆Roots Manuva『4everevolution』

発表年:2011年
ez的ジャンル:UKオルタナティブHip-Hop
気分は... :変革のとき!

UKオルタナティブHip-Hop作品からRoots Manuva『4everevolution』(2011年)です。

Roots Manuva(本名:Rodney Hylton Smith)は1972年ロンドン生まれ。

Hip-HopユニットIQ Procedureのメンバーとして活動した後、ソロ・アーティストへ転向。

1998年にNinja Tune傘下のBig Dadaと契約し、1999年にデビュー・アルバム『Brand New Second Hand』(1999年)をリリースします。

以来、レゲエ、ダブ、エレクトロニカを取り入れたスタイルでUK Hip-Hopを牽引してきました。

本作『4everevolution』(2011年)は、そんな様々な音楽エッセンスを取り込んだHip-Hopの枠を飛び越えたRoots Manuvaワールドを存分に楽しめる1枚です。

メイン・プロデュースはRoots Manuva本人ですが、何曲かで外部プロデューサーも起用しています。

アルバムにはUKロック・バンドSkunk AnansieSkin(vo)、Richard 'Cass' Lewis(b)、Big Dadaのレーベル・メイトである女性シンガーElan Tamara、ロンドンのラガ系MC Spikey Tee、女性シンガーRokhsan、さらにはRoots Manuva自身が主宰するコレクティヴBanana KlanのクルーであるRicky RankingDJ MKBig Daddy KopeAmazireeが参加しています。

シェフィールド出身のDJ/プロデューサーToddla Tとのコラボ・シングルでも話題になった「Watch Me Dance」Cameo「The Sound Table」をサンプリングしたブギー・ディスコ「Beyond This World」、シングルにもなったダンサブル・トラック「Get The Get」Toddla Tと共作したミクスチャー・トラック「In The Throes Of It」、USとUKのHip-Hopを融合させた「First Growth」Spikey TeeのラガMC をフィーチャーした「Here We Go Again」Skunk Anansieのメンバーが参加した「Skid Valley」、トリップ・ホップ的な「Who Goes There?」、レゲエ・テイストのメロウ・トラック「Wha' Mek」あたりが僕のおススメです。

Hip-Hop好きというよりも、UKクロスオーヴァー/クラブミュージック好きの人にフィットする1枚なのでは?

全曲紹介しときやす。

「First Growth」
USとUKのHip-Hopを融合させたようなオープニング。キャッチーなリズム・トラックがいいですね。プロデューサーとしてのManuvaのセンスを感じるオープニング。
https://www.youtube.com/watch?v=ngbklHF8ePM

「Here We Go Again」
Dizz1プロデュース。Spikey TeeによるラガMCをフィーチャー。UKならではのオルタナティブな魅力を持ったハイパー哀愁トラックに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=xAglv1p9pAE

「Skid Valley」
UKロック・バンドSkunk Anansieから女性ヴォーカルSkinとベースのRichard 'Cass' Lewisが参加した哀愁トラック。
https://www.youtube.com/watch?v=SjRz--PHUdU

「Who Goes There?」
Monkeymarcプロデュース。レゲエ/ダブのエッセンスを取り込んだトリップ・ホップ的な仕上がり。Ukらしくて好きです
https://www.youtube.com/watch?v=8mb1NYIR5Yk

「Watch Me Dance」
シェフィールド出身のDJ/プロデューサーToddla Tとのコラボ・シングルでも話題になった楽曲の別ヴァージョン。オリジナルのコラボ・トラックはToddla Tのアルバム『Watch Me Dance』(2011年)収録。Manuva流のディスコ・ファンクを楽しめます。Rokhsanがバック・ヴォーカルで華を添えています。
https://www.youtube.com/watch?v=E3Vezcqen_Q

Toddla Tとのコラボ・シングルと聴き比べるのも楽しいと思います。
Toddla T & Roots Manuva「Watch Me Dance」
https://www.youtube.com/watch?v=9rw9yeS6nqA

「Revelation」
Gibbs Kingプロデュース。荘厳なトラックとまさに啓示のようなManuvaのラップが印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=-AMIvXNnGmg

「Wha' Mek」
レゲエ・テイストのメロウ・トラックは僕好み。Banana KlanのクルーであるRicky Rankingがバック・コーラスを務めます。
https://www.youtube.com/watch?v=E3Vezcqen_Q

「Takes Time To」
アブストラクトな哀愁トラックが印象的です。何ともいえない不気味な雰囲気がありますね。
https://www.youtube.com/watch?v=z9nnQfmxRgE

「Beyond This World」
Rokhsanの女性ヴォーカルをフィーチャー。当ブログでも紹介したブギー・ディスコCameo「The Sound Table」をサンプリングしたダンサブル・チューン。シングル向きのキャッチーなトラックです。
https://www.youtube.com/watch?v=ebjBTlp3Q0U

「Go Champ」
イントロのヴォーカルはDaddy Kope。重低音を効かせたUKらしいダンサブル・チューン。少しラガ調のフロウを軽快に聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=pMiSmZWA0fU

「Get The Get」
Rokhsanの女性ヴォーカルをフィーチャー。シングルにもなったダンサブル・トラック。Rokhsanの妖艶なヴォーカルとManuvaの扇動的なラップの組み合わせがいい感じです。
https://www.youtube.com/watch?v=42riyqgQ3IU

「Crow Bars」
Daddy Kope、Ricky Rankingのヴォーカルをフィーチャーした哀愁トラック。
https://www.youtube.com/watch?v=Jqcnxs0qvqo

「In The Throes Of It」
Toddla Tとの共作。ロック、エレクトロニカとのミクスチャー感が印象的なトラック。なかなかインパクトがあって好きです。Banana KlanのRicky Ranking、Amazireeがバック・ヴォーカルで参加。
https://www.youtube.com/watch?v=Q-y-UC_HXqY

「Noddy」
ダーク・トーンのアッパー・チューン。こういうのもUKらしいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=8rlcn2IjGYs

「Much Too Plush」
ベースミュージック的なトラックが印象的です。派手さはありませんがいい感じなのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=8ri8apda_Lg

「The Path」
Big Dada所属の女性シンガーElan Tamaraをフィーチャー。重心の低い哀愁グルーヴがManuvaらしいのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=VANeb3RZHug

「Banana Skank」
Banana KlanのDJ MKとAmazireeが参加。本編ラストは少しラガっぽいラップで煽っています。
https://www.youtube.com/watch?v=YyXv2yEHcbg

「Snakebite」
ボーナス・トラックその1。ダーク・トーンのトラックが印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=LYQ2ndfDyFM

「Bust It」
ボーナス・トラックその2。アブストラクトなトラックですが、Manuvaのセンスを感じます。
https://www.youtube.com/watch?v=UkSIwhu6e4E

Roots Manuvaの他作品もチェックを!

『Brand New Second Hand』(1999年)


『Run Come Save Me』(2001年)


『Dub Come Save Me』(2002年)


『Awfully Deep』(2005年)


『Alternately Deep』(2006年)


The Blacknificent Seven『Ridin Thru Da Underground』(2006年)


『Slime & Reason』(2008年)


Roots Manuva Meets Wrong Tom『Duppy Writer』(2010年)


『Bleeds』(2015年)
posted by ez at 03:41| Comment(0) | 2010年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年11月26日

The Isley Brothers『Eternal』

Ronald & Ernieの二人体制で見事に復活!☆The Isley Brothers『Eternal』

発表年:2001年
ez的ジャンル:レジェンド系ソウル/R&B
気分は... :老兵は死なず、消えもしない!

今回はThe Isley Brothers『Eternal』(2001年)です。

これまで当ブログで紹介したIsleys作品は以下の14枚(発表年順)。

 『The Brothers Isley』(1969年)
 『Givin' It Back』(1971年)
 『Brother, Brother, Brother』(1972年)
 『The Isleys Live』(1973年)
 『3+3』(1973年)
 『Live It Up』(1974年)
 『The Heat Is On』(1975年)
 『Harvest For The World』(1976年)
 『Go For Your Guns』(1977年)
 『Showdown』(1978年)
 『Winner Takes All』(1979年)
 『Grand Slam』(1981年)
 『Between The Sheets』(1983年)
 『Baby Makin' Music』(2006年)

前作『Mission to Please』(1996年)の後に、 Marvin Isleyが闘病のため抜けてしまい、Ronald IsleyErnie Isleyの二人体制になってしまったIsleys。その第一弾としてDreamWorksからリリースされたアルバムが本作『Eternal』(2001年)です。

アルバムはUSチャート第3位、同R&Bチャート第1位の大ヒットとなり、見事な復活を印象づけました。

Ronald Isley、Ronaldの当時の奥方Angela Winbushをはじめ、Raphael SaadiqJake & The PhatmanR. KellySteve 'Stone' HuffJam & Lewis(Jimmy Jam/Terry Lewis)James "Big Jim" WrightDre & Vida(Andre Harris/Vidal Davis)がプロデュースを手掛けています。

当時期待の新星であったJill Scottがフィーチャリングされ、Avant、女性R&BデュオJSとしてDreamWorksからデビュー・アルバム『Ice Cream』(2003年)をリリースするJohnson Sisters(Kim Johnson、Kandy Johnson)もバック・コーラスで参加しています。

ソウル界のレジェンドIsleysと当時の売れっ子プロデューサー陣のケミストリーが本作に商業的な成功をもたらしたのだと思います。

Ronald Isleyと同じ系統のR. Kellyは次作『Body Kiss』(2003年)では大半のプロデュースを任され、本作でもシングルとなった「Contagious」をプロデュースしています。

しかし、個人的にはJam & LewisRaphael SaadiqSteve 'Stone' Huffプロデュース曲の方が聴くべき所は多いと思います。

Jam & Lewisプロデュースであれば、タイトル曲「Eternal」をはじめ、Ronaldらしい語り口を活かしつつ、あくまでクールに仕上げているのがいいですね。

Raphael Saadiqプロデュースであれば、名曲「That Lady」のエッセンスを散りばめた「Move Your Body」Raphaelのヴィンテージ感を活かした「You Didn't See Me」にグッときます。

そして、地味ですがいい仕事をしているのがSteve 'Stone' Huffプロデュースの「Secret Lover」。また、Ronaldと奥方Angela Winbushのプロデュースによる「Warm Summer Night」Chicファンがニンマリの1曲だと思います。

老兵は死なず、消えもしない!Isleysの存在感を楽しみましょう。

全曲紹介しときやす。

「Move Your Body」
Raphael Saadiq/Jake & The Phatmanプロデュース。いきなり「That Lady」を思わせるErnieのギター・ソロに思わずニンマリしてしまうオープニング。Johnson Sisters、Raphael Saadiqをコーラスに従えたヴォーカルワークでも「That Lady」の引用があります。終盤にはMarvin Gaye「After the Dance」の引用で楽しませてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=2gR1Xo9eMyg

「Contagious」
R. Kellyプロデュース。シングルにもなり、USチャート第19位、同R&Bチャート第3位となっています。正直、仰々しくて僕の好みではありませんが・・・。アルバム未収録ですが、シングル・ヴァージョンにはR. KellyChante Mooreがフィーチャリングされ、Ronaldを含めた三者で浮気がバレる愛憎劇を演じるPVが(嫌味で)なかななか笑えて楽しめます。
https://www.youtube.com/watch?v=-qnSz6Lh5pY ※シングル・ヴァージョン

「Warm Summer Night」
Angela Winbush/Ronald Isleyプロデュース。Chic「A Warm Summer Night」をモロ使いしたサンプリングというよりリメイクに近い仕上がり。このトラックでNile Rodgersのギターではなく、Ernieのギターが唸りを上げるのが面白いですね。終盤にはR. Kelly「Your Body's Callin'」、Jodeci「Cry for You」のフレーズが引用されています。
https://www.youtube.com/watch?v=u1Ckug-OZhU

「You Deserve Better」
Steve 'Stone' Huffプロデュース。Ronaldにしては濃すぎないサラッとした歌いっぷりのミディアムですが、逆にそれが功を奏しています。
https://www.youtube.com/watch?v=-j0phUOOHcg

「Just Like This」
Steve 'Stone' Huffプロデュース。Ronaldの粘着力のあるエロ・ヴォーカルと2000年代らしいアップデートされたサウンドがフィットしたミディアム・バラード。
https://www.youtube.com/watch?v=4h7FSaJStfk

「Secret Lover」
Steve 'Stone' Huffプロデュース。Ronaldのヴォーカル、Ernieのギター共にIsleyらしさを感じつつも、2000年代モードのアーバンなR&Bに仕上がっています。Avantがバック・コーラスで参加し、レジェンドを好サポートしています。
https://www.youtube.com/watch?v=cR8366Bvelc

「You're All I Need」
Jam & Lewisプロデュース。Jam & LewisとIsleysとのコラボ一発目はRonaldらしいヴォーカルの語り口を活かしつつ、決して暑くなりすぎないクールなミディアム・バラードに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=qLpFU4E1PQ8

「Settle Down」
Jam & Lewis/ James "Big Jim" Wrightプロデュース。全盛期のIsleysを少しクールダウンさせた温度感が絶妙なバラード。
https://www.youtube.com/watch?v=jPt-xESoi1s

「Eternal」
Jam & Lewis/ James "Big Jim" Wrightプロデュース。タイトル曲はJam & Lewis色とIsleys色のバランスが絶妙な素敵なバラードに仕上がっています。個人的にはJam & LewisとIsleysとのコラボ4曲の中で一番のお気に入り。
https://www.youtube.com/watch?v=unQCebQXLBw

「If You Leave Me Now」
Jam & Lewisプロデュース。はChicago、1976年のUSチャートNo.1シングルをカヴァー(オリジナルは『Chicago X』収録)。やろうと思えば、Ronald色に染まった「If You Leave Me Now」もできたのでしょうが、あえてそこを抑えてオリジナルの持つも魅力を残しつつ、IsleysらしさをバランスさせたところがJam & Lewisの手腕かもしれませんね。
https://www.youtube.com/watch?v=ic4YKablpAE

「Said Enough」
Dre & Vidalプロデュース。Jill Scottをフィーチャー。ネオフィリー×Isleysな色合いがよく出ていて面白いですね。
https://www.youtube.com/watch?v=2mzNjRgjxqQ

「You Didn't See Me」
Raphael Saadiq/Jake & The Phatmanプロデュース。Ernieのギターがリードするミディアム・バラード。Raphael Saadiq得意のヴィンテージ・ソウル感とIsleysの個性が素敵なケミストリーを起こしています。
https://www.youtube.com/watch?v=HJgLMIhpV7k

「Ernie's Jam」
Raphael Saadiq/Jake & The Phatmanプロデュース。タイトルの通り、Ernieのギターを主役に据えたトラック。Ernieのワン&オンリーなギターの魅力を堪能しましょう。
https://www.youtube.com/watch?v=Mzo16qzxfSc

「Think」
Jam & Lewis/ James "Big Jim" Wrightプロデュース。ラストはCurtis Mayfieldのカヴァー(オリジナルは『Superfly』収録)。オリジナルはインストでしたが、ここではRonaldが作詞した歌詞を加えたヴィンテージ・ソウル調のヴォーカル・ヴァージョンで楽しませてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=vollL579ojc

Isleysの過去記事もご参照下さい。

『The Brothers Isley』(1969年)
ザ・ブラザーズ:アイズレー(紙ジャケット仕様)

『Givin' It Back』(1971年)
Givin' It Back

『Brother, Brother, Brother』(1972年)
Brother Brother Brother

『The Isleys Live』(1973年)
The Isleys Live

『3+3』(1973年)
3+3

『Live It Up』(1974年)
リヴ・イット・アップ(紙ジャケット仕様)

『The Heat Is On』(1975年)
The Heat Is On

『Harvest For The World』(1976年)
ハーヴェスト・フォー・ザ・ワールド

『Go For Your Guns』(1977年)
Go for Your Guns

『Showdown』(1978年)
ショウダウン

『Winner Takes All』(1979年)
ウィナー・テイクス・オール(紙ジャケット仕様)

『Grand Slam』(1981年)
グランド・スラム(紙ジャケット仕様)

『Between The Sheets』(1983年)
Between the Sheets

『Baby Makin' Music』(2006年)
Baby Makin' Music
posted by ez at 04:42| Comment(0) | 2000年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年11月25日

Roberta Flack『Chapter Two』

第2章も感動的なバラード集☆Roberta Flack『Chapter Two』

発表年:1970年
ez的ジャンル:ニューソウル系女性ソウル・シンガー
気分は... :第2章も感動的!

今回は70年代ニューソウルを代表する女性ソウル・シンガーRoberta Flackの2ndアルバム『Chapter Two』(1970年)です。

1937年生まれの女性ソウル・シンガーRoberta Flackについて、これまで当ブログで紹介したのは以下の3枚。

 『Roberta Flack & Donny Hathaway』(1972年)
 『Feel Like Makin' Love』(1975年)
 『I'm The One』(1982年)

『Chapter Two』(1970年)は、『First Take』(1969年)に続く2ndアルバム。『First Take』収録の「The First Time Ever I Saw Your Face(愛は面影の中に)」が1972年に大ヒットする以前のアルバムであり、静かな佇まいのバラード中心のアルバムです。

ソウルフルな歌唱法ではないにも関わらず、ニューソウルを感じる点、楽曲はすべてカヴァーであるにも関わらず、まるでオリジナルのように歌いこなしてしまう点にRoberta Flackというアーティストの魅力があるのでしょうね。

プロデュースはJoel Dorn

Donny HathawayKing CurtisEumir Deodatoがアレンジを手掛けています。

レコーディングにはDonny Hathaway(p)、Eugene Mcdaniels(back vo)、King Curtis(back vo)、Eric Gale(g)、Marshall Hawkins(b)、Chuck Rainey (b)、Ray Lucas(ds)、Bernard Sweetney(ds)、()、Warren Smith(per)、Hubert Laws(fl)、Corky Hale(harp)等のミュージシャンが参加しています。

ゴスペル・フィーリングのニューソウル・グルーヴのオープニング「Reverend Lee」を除くと、バラードがズラリと並びます。

The Impressionsのカヴァー「Gone Away」Jimmy Webb作品のカヴァー「Do What You Gotta Do」Bob Dylanの名曲カヴァー「Just Like a Woman」The Everly Brothersのヒットで知られる「Let It Be Me」Buffy Sainte-Marieの名曲カヴァー「Until It's Time for You to Go」あたりが僕のおススメです。

初期Roberta Flackのプリミティヴな魅力を存分に満喫できるアルバムです。

知らぬ間に感動で胸が一杯に・・・

全曲紹介しときやす。

「Reverend Lee」
Eugene Mcdanielsのカヴァー。オリジナルは『Outlaw』(1970年)収録。ゴスペル、ブルースのエッセンスを取り込んだニューソウルなアレンジ、グルーヴにグッとくるオープニング。Robertaの歌声もアルバムで最も躍動しています。
https://www.youtube.com/watch?v=YKimovJj4EI

Fat Jon「Where?」のサンプリング・ソースとなっています。
Fat Jon「Where?」
 https://www.youtube.com/watch?v=lqsajJpkCY8

「Do What You Gotta Do」
Johnny Riversのカヴァー(Jimmy Webb作)。オリジナルはアルバム『Rewind』(1967年)収録。当ブログではClarence Carterのカヴァーも紹介済みです。初期Roberta Flackらしい深遠な味わいのバラード。普通に聴いているだけでも感動が込み上げてきます。
https://www.youtube.com/watch?v=Ekb_2NT_xFI

Todd Edwards「God Will Be There」、Dela feat. Reach「Go On」のサンプリング・ソースとなっています。
Dela feat. Reach「Go On」
 https://www.youtube.com/watch?v=HbC2iDB67tQ

「Just Like a Woman」
Bob Dylanの名曲カヴァー。オリジナルはアルバム『Blonde on Blonde』(1966年)収録。この曲がこんなビューティフル・バラードになるなんて!Bob Dylan作品を完全にRoberta Flack色にしているのが素晴らしいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=w8J2P38P5tk

Rafael Lechowski「Caviar」等のサンプリング・ソースとなっています。
Rafael Lechowski「Caviar」
 https://www.youtube.com/watch?v=R8yGRrmnBwo

「Let It Be Me」
Gilbert Becaud/Mann Curtis/Pierre Delanoe作。The Everly Brothers、Betty Everett and Jerry Butlerのヒットで知られる名曲をカヴァー。英語ヴァージョンのオリジナルは1957年Jill Coreyヴァージョン。初期Roberta Flackらしいピアノの弾き語りの魅力を堪能できるバラード。Robertaの感動的な歌声が聴く者を優しく包み込んでくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=l2Cw-ayAaJw

The Four Owls feat. DJ Premier「100%」のサンプリング・ソースとなっています。
The Four Owls feat. DJ Premier「100%」
 https://www.youtube.com/watch?v=0MPCUoDtOlw

「Gone Away」
The Impressionsのカヴァー(Donny Hathaway/Curtis Mayfield作)。オリジナルは『This Is My Country』(1965年)収録。素晴らしいストリングス・アレンジをバックに、陰影に富んだRoberta Flackならではのニューソウル・バラードを聴かせてくれます。1曲の中にドラマを感じます。
https://www.youtube.com/watch?v=uCwlVODTi58

T.I.「What You Know」等のサンプリング・ソースとなっています。
T.I.「What You Know」
 https://www.youtube.com/watch?v=pMXN9-9MgjY

「Until It's Time for You to Go」
カナダの女性SSW Buffy Sainte-Marieの名曲をカヴァー。オリジナルはアルバム『Many a Mile』(1965年)収録。当ブログではClaudine LongetLill Lindfors & Marcus Osterdahls Orkesterのカヴァーも紹介済みです。SSW的な佇まいのバラードを少し寂しげに歌います。セピア色のバラードといった雰囲気がいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=eSqhme7SKVU

「The Impossible Dream」
ミュージカル『Man of La Mancha(ラ・マンチャの男)』の名曲カヴァー(Joe Darion/Mitch Leigh作)。ここでも、どんな歌でもRoberta Flack流にしてしまう彼女の魅力を確認できます。曲名を伏せて聴いたら、この曲のカヴァーだと気づかないかもしれません。
https://www.youtube.com/watch?v=H24wcLTj0BQ

「Business Goes on as Usual」
Chad Mitchell Trioのカヴァー(Fred Hellerman/Fran Minkoff作)。オリジナルはアルバム『Violets of Dawn』(1966年)収録。アメリカ民謡「ジョニーが凱旋するとき」を引用しているあたりに、社会的なメッセージが込められているのでは?Robertaの哀愁ヴォーカルにも訴えるものがあります。
https://www.youtube.com/watch?v=zbRN8knFoHM

Roberta Flackの過去記事もご参照ください。

『First Take』(1969年)


Roberta Flack & Donny Hathaway『Roberta Flack & Donny Hathaway』(1972年)
ロバータ・フラック&ダニー・ハサウェイ

『Killing Me Softly』(1973年)


『Feel Like Makin' Love』(1975年)


『Blue Lights in the Basement』(1977年)


Roberta Flack Featuring Donny Hathaway『Roberta Flack Featuring Donny Hathaway』(1980年)


『I'm The One』(1982年)
アイム・ザ・ワン(紙ジャケット&SHM-CD)

Peabo Bryson/Roberta Flack『Born to Love』(1983年)
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2020年11月24日

『今の気分は...「Manha de Carnaval」かな』

過去記事からセレクトするシリーズです。

今回は『Orfeu Negro(黒いオルフェ)』(1959年)挿入歌であるLuiz Bonfa作の名曲「Manha de Carnaval」のカヴァー集です。

当ブログでは既に18曲の「Manha de Carnaval」カヴァーを紹介しており、その中から10曲セレクトしました。

全て過去記事で紹介済なので、気に入った曲があれば過去記事もご参照下さい。

Gerry Mulligan「Morning Of The Carnival From "Black Orpheus"(Manha De Carnaval)」
https://www.youtube.com/watch?v=27b8wAp8nMg
From 『Night Lights』(1963年)
ナイト・ライツ(紙ジャケット仕様)

Laurindo Almeida「Manha de Carnaval」
https://www.youtube.com/watch?v=2-GKRUWRLhU
From 『Guitar From Ipanema』(1964年)
ギター・フロム・イパネマ

Astrud Gilberto「Manha de Carnaval」
https://www.youtube.com/watch?v=0CPnB9RvxYs
From 『The Shadow Of Your Smile』(1965年)


Dexter Gordon「Manha de Carnaval」
https://www.youtube.com/watch?v=H7lQYgwDziQ
From 『Gettin' Around』(1965年)


Oscar Peterson「Manha de Carnaval」
https://www.youtube.com/watch?v=W2M26NhTJq0
From 『Soul Espanol』 (1966年)
ソウル・エスパニョール(紙ジャケット仕様)

Country Comfort「Manha de Carnaval」
https://www.youtube.com/watch?v=5w6JYMupjRw
From 『We Are The Children』(1975年)


O Quarteto「Manha de Carnaval」
https://www.youtube.com/watch?v=3TWZ1fpu7XM ※ノイズ多し
From 『Antologia Da Bossa Nova - 20 Anos Depois』(1977年)
Antologia da Bossa Nova - 20 Anos Depois

Paula Morelnbaum「Manha de Carnaval」
https://www.youtube.com/watch?v=nv7IUrjPa8Q
From 『Telecoteco』(2008年)


Steen Rasmussen Feat. Josefine Cronholm「Manha de Carnaval」
https://www.youtube.com/watch?v=PTNEp3-kFbo
From 『Amanha I Morron Tomorrow』(2009年)
Amanah

Diana Panton「Manha de Carnaval」
https://www.youtube.com/watch?v=E7Xb_Ui-W8w
From 『To Brazil With Love』(2011年)
フェリシダージ ~わたしが愛したブラジル
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