発表年:2020年
ez的ジャンル:新世代ファンク・バンド
気分は... :啐啄同時!
新作からファンク・バンドButcher Brownのメジャー・デビュー作『#KingButch』です。
Butcher Brownは、マルチ奏者/プロデューサーのDJ Harrison (Devonne Harris)を中心にバージニア州リッチモンドで結成されたファンク・バンド。
2013年にEP「Backtracks」でデビュー。アルバムも『All Purpose Music』(2014年)、『Grown Folk』(2015年)、『Live at Vagabond』(2017年)、『The Healer』(2017年)、『Camden Session』(2018年)といった作品をリリースしています。
現在のラインナップは、DJ Harrison (Devonne Harris)(key)、Andrew Randazzo(b)、Morgan Burrs(g)、Marcus Tenney(Tennishu)(sax、tp、rap)、Corey Fonville(ds)という5名。
Concordからのメジャー・デビュー作となる本作『#KingButch』。
プロデュースはButcher Brown、Chris Dunn。
新世代ファンク・バンドという括りですが、ラップを織り交ぜたHip-Hop調の演奏や70年代ジャズ/フュージョンからの影響を感じる演奏もあり、彼らの音楽のバリエーションを楽しめる1枚に仕上がっています。
ファンク・バンドLettuce(レタス)に対抗するかのような曲名の「Cabbage (DFC)」、ジャジーHip-Hop調の「#KingButch」や「Gum In My Mouth」、ブギー・ファンクな「1992」、Mtumeのカヴァー「Love Lock」、ゲストのFly Anakinのラップをフィーチャーした「For The City」、アーバンなジャズ・ダンサー「IDK」あたりが僕のおススメです。
満を持してのメジャー・デビューに相応しい充実作だと思います。
全曲紹介しときやす。
「Fonkadelica」
少しP-Funkを意識したかのような短いオープニング。
https://www.youtube.com/watch?v=otlea_BlkO8
「#KingButch」
タイトル曲はDJ Harrisonのメロウ・エレピをバックに、Tennishuがラップする生音ジャジーHip-Hopに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=UmBGNbtdngQ
「Broad Rock」
Marcus Tenneyのトランペット、サックスがリードするインスト。アーバン・ムードがいい感じです。
https://www.youtube.com/watch?v=-UmLgGsCCWM
「Cabbage (DFC)」
ファンク・バンドLettuce(レタス)に対抗するかのような「キャベツ」という曲名がまず気になりますね(笑)。Andrew RandazzoとCorey Fonvilleのリズム隊が生み出すグルーヴにグッとくるファンキー・チューン。Marcus Tenneyのトランペット、サックス、Morgan Burrsのギター、DJ Harrisonのエレピも見せ場を作っています。
https://www.youtube.com/watch?v=WlloRjnCAxY
「Gum In My Mouth」
Tennishuのラップ調ヴォーカルをフィーチャーしたるジャジー&メロウHip-Hop。適度なローファイ感もあっていい感じ。
https://www.youtube.com/watch?v=4nGTDuaBkgE
「Frontline (Intro)」
Andrew Randazzoのベース、チェロを楽しむ次曲に向けたイントロ。
https://www.youtube.com/watch?v=Paf4-egHKdI
「Frontline」
アーバン・メロウなインスト。新しさはないけど、オーセンティックな魅力があります。
https://www.youtube.com/watch?v=h7orUMuAPyI
「1992」
Butcher Brown流のブギー・ファンクで楽しませてくれます。彼らしいセンスが織り込まれたブギー・ファンクになっているのがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=2-aCZ2XYDoc
「Love Lock」
Mtumeのカヴァー(James Mtume/Reggie Lucas作)。オリジナルはアルバム『Kiss This World Goodbye』(1978年)収録。当ブログではFlora Purim『Carry On』のカヴァーを紹介済みです(『Carry On』収録)。僕好みのアーバンなメロウ・フュージョンなに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=nmKnPNVtLtE
「Hopscotch」
Hip-Hop×ジャズのクロスオーヴァーが格好良いスリリングな小曲。もっと長尺で聴きたい!
https://www.youtube.com/watch?v=NciRxl5BzoE
「Tidal Wave」
William Jeffery作。多分、オリジナルはRonnie Laws『Pressure Sensitive』(1975年)だと思います。70年代クロスオーヴァー・ジャズへのオマージュ的なミステリアス&メロウな演奏です。
https://www.youtube.com/watch?v=yPJNFckZLSY
「For The City」
Fly Anakinのラップをフィーチャー。Hip-Hop経由の新世代ファンク・バンドらしさが反映されている演奏を楽しめます。
https://www.youtube.com/watch?v=xtZ1-4-FePI
「IDK」
ラストはシャープでアーバンなジャズ・ダンサーで締め括ってくれます。緩急のアクセントもグッド!
https://www.youtube.com/watch?v=1qO-UK7tXSM
Butcher Brownの他作品をチェックを!
『All Purpose Music』(2014年)
『Live at Vagabond』(2017年)
『Camden Session』(2018年)