2020年11月16日

Delaney & Bonnie & Friends『D & B Together』

夫婦デュオのラスト作☆Delaney & Bonnie & Friends『D & B Together』

発表年:1972年
ez的ジャンル:夫婦スワンプ・ロック
気分は... :これがラスト・・・

今回はスワンプ・ロックの先駆者としてロック・ファンから高い支持を得ている夫婦デュオDelaney & Bonnie『D & B Together』(1972年)です。

Delaney BramlettBonnie Bramlettによる夫婦デュオDelaney & Bonnieの紹介は、2ndアルバム『Accept No Substitute』(1969年)、『To Bonnie From Delaney』(1970年)に続き3回目となります。

本作は元々『Country Life』のタイトルでAtcoからリリースする予定でしたが、直前になって中止となったため、Columbiaに移籍して、収録曲の差し替えやミックスの変更などを経てリリースに漕ぎつけたアルバムです。そのため、新録のみならず以前の音源も含まれる寄せ集め的なアルバムになっているのも確かです。

アルバムのチャート・アクションは振るわず、夫婦仲も険悪となり、本作を最後に夫婦デュオを解消し、プライベートでも離婚することになってしまいます。

しかしながら、Delaney & Bonnie & Friendsの名称でリリースされたように、過去のセッションの寄せ集めとなった結果として、豪華ミュージシャンのプレイを楽しめる1枚となっています。

Eric Clapton(g)、Jim Gordon(ds)、Bobby Whitlock(key、vo)、Carl Radle(b)というDerek & The Dominosの面々、Dave Mason(g)、Rita Coolidge(vo)、Bobby Keys(sax)、Jim Price(horns)はライヴ・アルバム『On Tour With Eric Clapton』(1970年)にも参加していたミュージシャン達です。

さらにはDuane Allman(g)、Leon Russell(p、key)、Tina Turner(vo)、Steve Cropper(g)、Billy Preston(key、p)、King Curtis(sax)、Red Rhodes(steel g)、Darrell Leonard(tp)、Jerry Jumonville(sax)、Larry Savoie(tb)、John Hartford(banjo)、Joe HicksGordon De Witty、後にLittle Featに加入するSam Clayton等のミュージシャンが参加しています。

また、クレジットを見ると、Bobby WomackEddie Kendricks、a href="http://eastzono.seesaa.net/article/255292448.html">Merry Clayton等の名も挙がっています。

1971年にAtcoからシングル・リリースされヒットした「Only You Know and I Know」、映画『Vanishing Point』(1971年)の中でも歌われた「Wade in the River of Jordan」
Tina Turnerがパワフルなヴォーカルで参加した「Sound of the City」、1969年にシングル・リリースしたClapton参加の「Comin' Home」Duane Allman参加のR&Bテイストのファンキー・グルーヴ「Big Change Comin'」、ファンク調の「A Good Thing (I'm on Fire)」Carpentersの大ヒットで知られる名曲のオリジナル「Groupie (Superstar)」等聴き所は多いと思います。

Delaney & Bonnie最後の輝きを楽しみましょう。

全曲紹介しときやす。

「Only You Know and I Know」
Dave Mason作。1971年にAtcoからシングル・リリースされ、USチャート第20位のヒットとなった楽曲。本作ヴァージョンはシングルとはミックスが違うようです。また、『On Tour with Eric Clapton』にライヴ・ヴァージョンが収録されています。ギターが目立つ『On Tour with Eric Clapton』ヴァージョンと比較すると、キーボードによるアクセントが印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=27I_hNzncKo

作者Dave Masonヴァージョンは1970年にシングル・リリースされています。
Dave Mason「Only You Know and I Know」
https://www.youtube.com/watch?v=z4mcRpWAyRM

「Wade in the River of Jordan」
タイトルからして黒人霊歌のカヴァーだと思っていたのですが、Delaney Bramlettのオリジナルみたいです(英語版WikipediaにはTraditionalと表記)。映画『Vanishing Point』(1971年)の中でDelaney & Bonnie、Rita Coolidge、David Gatesが「You Gatta Believe」という曲名で歌っていた曲。主にDelaneyのヴォーカルがメインであった「You Gatta Believe」もゴスペル調でしたが、Bonnieがソウルフルなリード・ヴォーカルをとる本ヴァージョンは、Billy Prestonのオルガンも含めてゴスペル・フィーリング全開となっています。
映画『Vanishing Point』より
https://www.youtube.com/watch?v=a2d9w3S4Tew

「Sound of the City」
Delaney Bramlett/Joe Hicks作。Tina Turnerがパワフルなヴォーカルで参加。演奏全体もR&B色の強いファンキー・チューンに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=Akt5JfQaXMM

「Well, Well」
Delaney Bramlett作。アンプラグドなファンキー・チューンですが、少しサイケ風味があるのもいいですね。

「I Know How It Feels to Be Lonely」
Bonnie Bramlett/Leon Ware作。Bonnieが情感たっぷりに歌い上げるソウルフル・バラード
https://www.youtube.com/watch?v=onsksN6Wnow

「Comin' Home」
Bonnie Bramlett/Eric Clapton作。1969年にEric ClaptonDerek & The Dominosのメンバー、Dave Mason、Rita Coolidgeらとレコーディングした楽曲。1969年12月にシングル・リリースしています。また、『On Tour with Eric Clapton』にライヴ・ヴァージョンが収録されています。どうしても主役よりもDerek & The Dominosなバック陣、特にClaptonのギターに耳が行ってしまいますね。
https://www.youtube.com/watch?v=ne3JoIOV8e4

「Move 'Em Out」
Steve Cropper/Bettye Crutcher作。カントリー調の仕上がりですが、こういう曲でもソウルフルなのがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=ZfxDhSBKbcQ

「Big Change Comin'」
Delaney Bramlett作。個人的にはアルバムで一番のお気に入り、Bonnieのソウルフル・ヴォーカルが弾けるR&Bテイストのファンキー・グルーヴ。ゴスペル調コーラス、スワンプ・ロックのドライヴ感も加わっているのがいいですね。Duane Allmanの格好良いスライド・ギターを堪能できます。

「A Good Thing (I'm on Fire)」
Delaney Bramlett/Gordon DeWitty作。この演奏も大好き!スワンプ・ロックしたSly & The Family Stoneといった趣のファンク調の仕上がり。
https://www.youtube.com/watch?v=qiKVXFCC0n0

「Groupie (Superstar)」
Delaney Bramlett/Leon Russell作。「Comin' Home」と共に1969年にEric Claptonらとレコーディングした楽曲。シングル「Comin' Home」のB面曲でした。この曲の持つ切ない魅力の原点を聴くことができます。フィドルによるアクセントも印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=5G0UWRKtOA0

この曲といえば、1971年にUSチャート第2位となったCarpentersの大ヒット・カヴァーでお馴染みですよね。また、
Joe Cocker『Mad Dogs & Englishmen』でのRita Coolidgeヴァージョンもこの曲の知名度を高めました。
Rita Coolidge「Superstar」
 https://www.youtube.com/watch?v=sDN2bB6sR6Q
Carpenters「Superstar」
 https://www.youtube.com/watch?v=SJmmaIGiGBg

「I Know Something Good About You」
Delaney Bramlett/Joe Hicks作。アーシーでソウルフルでカントリーなファンキー・チューン。ファンキー・ホーン隊が盛り上げてくれます。Delaney & Bonnieらしい1曲に仕上がっているのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=HLksdPmDzoI

「Country Life」
Delaney Bramlett/Bobby Whitlock作。ラストはDelaneyが妻Bonnieと3人の娘に向けて歌われるカントリー・ソングで長閑に幕を閉じます。本来はこの曲がタイトル曲になるはずだったのですが・・・まさか、この直後に夫婦が離婚し、デュオを解消することになるとは・・・

Delaney & Bonnieの他作品もチェックを!

『Home』(1969年)
Home

『Accept No Substitute』(1969年)
Original Delaney & Bonnie: Accept No Substitute

Delaney & Bonnie & Friends『On Tour With Eric Clapton』(1970年)
Delaney & Bonnie On Tour With Eric Clapton

『To Bonnie From Delaney』(1970年)
To Bonnie From Delaney

『Motel Shot』(1971年)
モーテル・ショット(SHM-CD)
posted by ez at 03:02| Comment(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年11月15日

Little Dragon『New Me,Same Us』

新作はNinja Tuneから!☆Little Dragon『New Me,Same Us』

発表年:2020年
ez的ジャンル:スウェディッシュ・エレクトロニカ
気分は... :新しい自分、変わらない私たち・・・

今回は日系スウェーデン人の女性シンガーYukimi Nagano率いるスウェーデンの4人組バンドLittle Dragonの最新6thアルバム『New Me,Same Us』です。

今年3月下旬のリリースですが、リリース直後の購入機会を逸してしまい、このタイミングでの紹介となりました。。

スウェーデン、ヨーテボリで結成されたYukimi Nagano(vo、per、key)、Fredrik Kallgren Wallin(key、b)、Hakan Wirenstrand(key)、Erik Bodin(ds、key)の4人組Little Dragonの紹介は、デビュー・アルバム『Little Dragon』(2007年)、5thアルバム『Season High』(2017年)に続き3回目となります。

3年ぶりの新作となる本作『New Me,Same Us』は、人気レーベルNinja Tuneに移籍してのリリースです。

プロデュースは久々にグループのセルフ・プロデュース。
ソングライティングも演奏もKali Uchisをフィーチャーした1曲を除いてメンバーのみという全編自作自演の1枚に仕上がっています。

Ninja Tuneへの移籍を機に、自分たちの立ち位置を再確認したような1枚に仕上がっています。

先行シングルとなったディスコ・ファンク調の「Hold On」、独特の雰囲気を持った「Rush」、ドリーミー・ソウルな「Another Lover」「New Fiction」、ビューティフル&ドリーミーな「Where You Belong」Kali Uchisをフィーチャーした「Are You Feeling Sad?」、ボーナス・トラックのダンサブルなクロスオーヴァー「Let Me Know」あたりがおススメです。

自分たちの音楽スタイルをワンランクアップさせたグループの成長を感じる1枚です。

全曲紹介しときやす。

「Hold On」
先行シングルとなったオープニング。Little Dragon流のディスコ・ファンクといったキャッチーな仕上がり。吹っ切れた感じが好きです。デモ段階ではMassive Attack「Unfinished Sympathy」のような仕上がりだったのだとか。
https://www.youtube.com/watch?v=JmDvTxGeJuY

「Rush」
ダンスホール・レゲエ×トロピカル×シンセ・ポップのような独特の雰囲気を持った1曲。不思議な魅力に惹かれます。
https://www.youtube.com/watch?v=1pI9kVTynX0

「Another Lover」
クールなシンセとシンセベースを効かせてたサウンドをバックに、Yukimiが魅惑のヴォーカルを披露してくれるドリーミー・ソウル。Little Dragonならではの音世界を満喫できます。
https://www.youtube.com/watch?v=a5OLk6PgIds

「Kids」
北欧シンセ・ポップ調ですが、立体的な音空間の広がりがいい感じです。
https://www.youtube.com/watch?v=fi61UQrtnbU

「Every Rain」
少し寂しげなYukimiのヴォーカルが印象的な哀愁チューン。雨の日の憂鬱な気分にピッタリ!
https://www.youtube.com/watch?v=AEdn_hIno3Q

「New Fiction」
ドリーミーでソウルフルな僕好みの1曲。うまく表現できませんが、Little Dragonの美学が凝縮された1曲だと思います。
https://www.youtube.com/watch?v=u7VSswF24Eg

「Sadness」
Yukimiのコケティッシュ・ヴォーカルが映えるシンセ・ポップ。ドリーミーな前半と、ドライブ感のある後半のコントラストがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=41ijqvnETpg

「Are You Feeling Sad?」
US女性シンガーKali Uchisをフィーチャー。ダンサブルなシンセ・ポップをバックにKaliとYukimiが魅力的なヴォーカルを披露してくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=HmRnpBQ3gBc

「Where You Belong」
Little Dragonならではのビューティフル&ドリーミーなポップ・ワールドを展開します。夢の中を彷徨っているような気分になります。
https://www.youtube.com/watch?v=lB_VTqaPC08

「Stay Right Here」
シンセベースを効かせた幻想的な1曲。美しくも儚い感じがたまりません。
https://www.youtube.com/watch?v=tbgxQjcX76E

「Water」
本編ラストは正に水のようなサウンドの中にYukimiのコケティッシュ・ヴォーカルが響きます。
https://www.youtube.com/watch?v=2pv_ExqDsHU

「Let Me Know」
国内盤ボーナス・トラック。本編とは少し異なる雰囲気のダンサブルなクロスオーヴァー・チューン。個人的にはかなり好みの音です。

Little Dragonの他作品もチェックを!

『Little Dragon』(2007年)
Little Dragon

『Machine Dreams』(2009年)
Machine Dreams

『Ritual Union』(2011年)
リチュアル・ユニオン

『Nabuma Rubberband』(2014年)
Nabuma Rubberband

『Season High』(2017年)
Season High
posted by ez at 01:46| Comment(0) | 2020年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年11月14日

7 Days Of Funk『7 Days Of Funk』

Dam-FunkとSnoop Doggによるモダン・ファンク・プロジェクト☆7 Days Of Funk『7 Days Of Funk』

発表年:2013年
ez的ジャンル:80年代ファンク・リバイバル
気分は... :7日間では足りません!

今回は80年代ファンク・リバイバルの先駆者Dam-FunkSnoopzilla(Snoop Dogg)の共演アルバム7 Days Of Funk『7 Days Of Funk』(2013年)です。

1971年L.A.郊外のパサディナ生まれDam-Funk(本名:Damon Garrett Riddick)の紹介は、『Invite The Light』(2015年)に続き2回目となります。

Stones Throwとの契約に成功し、『Toeachizown』(2009年)で注目の存在となった80年代ファンク・リバイバルの先駆者Dam-Funk

そんなDam-FunkSlaveの元メンバー
Steve Arringtonとの共演アルバム『Higher』(2013年)に続いてリリースしたのが、Snoopzilla(Snoop Dogg)と共演した7 Days Of Funk『7 Days Of Funk』(2013年)です。本作もStones Throwからのリリースです。

プロデュースはDam-Funk

ソングライティングはDam-FunkSnoop Dogg(フィーチャリング・アーティストとの共作含む)。

アルバムにはBootsy CollinsSteve Arrington(元Slave)、Snoop Dogの従兄弟であるKurupt、さらにKuruptとDaz DillingerによるHip-HopユニットTha Dogg Poundがフィーチャリングされています。

さらにGeorge Clintonに見出され、
80年代にはRick Jamesのバックアップでソロ・アルバムをリリースし、90年代以降はG-Funkをはじめ数多くのHip-Hop作品に参加している女性ソウル・シンガーVal Youngがバック・コーラスで参加しています。

アルバム全体としては、テンポを落としたメロウなモダン・ファンクが魅力の1枚に仕上がっています。

シングルになった「Faden Away」BootzillaBootsy Collins)からSnoopがSnoopzillaの名を授かる「Hit Da Pavement」あたりが目立つかもしれませんが、個人的には「Let It Go」「Ride」「Do My Thang」といったメロウ・ファンクがおススメです。

普段Snoop Doggを聴かない人であっても、メロウ・ファンク/アーバン・ファンク好きの人であれば楽しめると思います。

1週間ファンク三昧を意図した1日1ファンクの全7トラック(本編)ですが、7日間じゃ物足りない!

全曲紹介しときやす。

「Hit Da Pavement」
Bootsy Collinsをフィーチャー。Bootzilla(Bootsy)からSnoopzillaの名を授かってSnoopが登場する!といった雰囲気のオープニングです。G-Funkとモダン・ファンクの融合を楽しめます。
https://www.youtube.com/watch?v=Cltcs5ge48M

「Let It Go」
Patrice Rushen「Feels So Real (Won't Let Go)」を引用した僕好みのメロウ・ファンク。Val Youngら女性コーラス陣も盛り上げてくれます。後半はシンセのみならずギター・サウンドを楽しめます。
https://www.youtube.com/watch?v=HuismoaZ4Bg

「Faden Away」
先行シングルにもなったトラック。Dam-Funkらしいピーヒャラ・シンセが唸るモダン・ファンク・ワールドを楽しめます。
https://www.youtube.com/watch?v=DVNGfK7gP1M

「1Question?」
本作と同じ年にDam-Funkとの共演アルバム『Higher』をリリースしたSteve Arringtonをフィーチャー。ヴォーカル・スタイルでファンクネスを訴求するトラックに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=eeXLKrZ17N8

「Ride」
Kuruptをフィーチャー。80年代ファンクへのリスペクトに満ちたメロウ・ファンクを聴かせてくれます。アーバン・メロウとしても楽しめます。
https://www.youtube.com/watch?v=74VPrtd25jo

「Do My Thang」
80年代ファンク・リバイバルの完成度としてはコレが一番かも?Dam-Funkによるモダン・ファンク・サウンドとSnoopのフロウが見事に融合したキャッチーなトラックに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=TCG366PW4mc

「I'll Be There 4U」
本編のラストは、アルバムの余韻を楽しむかのようなトラック。メロウ・ファンクに乗ったSnoopの歌心のあるフロウを楽しめます。
https://www.youtube.com/watch?v=9dKR6WDMEH4

「Systamatic」
ボーナス・トラックその1。Tha Dogg Poundをフィーチャー。G-Funk×モダン・ファンクなムードを楽しめます。
https://www.youtube.com/watch?v=yPb598k8b2A

「High Wit Me」
ボーナス・トラックその2(国内盤CDのみ)。USではiTunes限定リリースだったトラックです。タイトルの通り、聴く者を静かにハイにするトラックです。
https://www.youtube.com/watch?v=g-_TLRBlIp8

Dam-Funkの他作品もチェックを!

Dam-Funk『Toeachizown』(2009年)
Toeachizown

Dam-Funk『Adolescent Funk』(2010年)
Adolescent Funk

Steve Arrington & Dam-Funk『Higher』(2013年)
Higher

Dam-Funk『Invite The Light』(2015年)
Invite the Light
posted by ez at 02:24| Comment(0) | 2010年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年11月13日

Cheese『Cheese』

マイアミ産AOR/ブルーアイド・ソウル☆Cheese『Cheese』

発表年:1977年
ez的ジャンル:マイアミ産AOR/ブルーアイド・ソウル
気分は... :好調ドルフィンズ!

NFLでは我がマイアミ・ドルフィンズが4連勝でAFC東地区で好位置に!

特に連勝中にもかかわらず、先発QBをルーキーのトゥア・タゴヴァイロアに交代するという大胆な抜擢をし、そのタゴヴァイロアで昨年の最優秀新人攻撃選手QBカイラー・マレー擁するカーディナルスに勝利した先週の試合は見応え十分でしたね。

タゴヴァイロアの活躍と共にチームも好調をキープしてほしいですね。

そんな流れで今回はマイアミ産AOR/ブルーアイド・ソウル作品、Cheese『Cheese』(1977年)です。

CheeseJimmy List(b、back vo)、Lloyd Landesman(key、back vo)、Mark Gingras(vo)、Mike Redman(vo、g)、Ronnie Cangro(ds)という白人5人組バンド。

マイアミ・ソウルの名門T.K.Records傘下のGood Soundsからリリースしたグループ唯一のアルバムが本作『Cheese』(1977年)です。

プロデュースはJohn BlancheStephen J. Nicholas

レコーディングには、T.K.傘下のBold Recordsからアルバムをリリースした女性ソウル・グループReid Inc.Good Soundsのレーベル・メイトであるブルーアイド・ソウル・グループSpatsも参加しています。

アルバム全体としては、AORでブルーアイド・ソウルでフリーソウルな爽快ポップ・ロックといった印象です。

Reid Inc.参加の爽快メロウ・ダンサー「I Got Love」、シングルにもなった「So Long」、ブルーアイド・ソウルな「Man In Love」「Time Is An Arrow」、サマー・モードの爽快メロウ「Lady Love」Spatsメンバーが参加したファンキー・メロウ「Lady Of The Night」

Spats好きの方はぜひチェックを!

全曲紹介しときやす。

「Dallas」
Mike Redman作。一聴するとウエストコースト・ロック調ですが、ファンキーな味わいやトロピカルな隠し味がマイアミらしいのでは?

「So Long」
Mike Redman作。シングルにもなった爽快ポップ・ロック。AOR好きの人は気に入る1曲なのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=_BTuZNrdcVk

「I Got Love」
Mike Redman作。僕の一番のお気に入り。シンセを織り交ぜた爽快メロウ・ダンサー。Reid Inc.による女性コーラスが華やかな雰囲気を演出します。
https://www.youtube.com/watch?v=CImwX38HeuE

「Hard Times」
Mike Redman作。ドライヴ感のある爽快ポップ・ロック。アーシーとトロピカルを同居させている感じが印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=b-llHmUT1TA

「Sweet Harmony」
Mike Redman作。スウィート・ハーモニーなメロウ・ミディアム。Redmanのギター・ソロもキマっています。

「Man In Love」
Lloyd Landesman作。これも僕のお気に入り。ブルーアイド・ソウルな魅力を楽しめる都会的なファンキー・メロウ。
https://www.youtube.com/watch?v=Dgw4lg-UpRc

「City Life」
Mike Redman作。シンセを駆使したこのアーバン・ミディアムもブルーアイド・ソウルしていますね。
https://www.youtube.com/watch?v=cJ-d1v4wGiQ

「Lonely Man」
Lloyd Landesman作。男性SSW的な魅力を持つ1曲。この曲にもReid Inc.がバック・コーラスで参加。

「Lady Love」
Lloyd Landesman作。サマー・モードの爽快メロウはポップ好き、AOR好き、フリーソウル好きを満足させる素敵な1曲に仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=GA8OkhMWNL0

「Time Is An Arrow」
Mike Redman作。疾走する都会的なブルーアイド・ソウルといった雰囲気がいいですね。タイムトリップ感を狙ったシンセの装飾は余計ですが(笑)。この曲にもReid Inc.が参加。
https://www.youtube.com/watch?v=Yukm7xy83dM

「Lady Of The Night」
Mike Redman作。ラストは、Spatsメンバーが参加した都会的なファンキー・メロウで締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=8zJHJZn4NjU

ご興味がある方はSpatsもセットでどうぞ!

Spats『Spats』(1978年)
スパッツ[国内プレス盤 / 最新リマスター / 日本語解説付き](CDSOL-5658)
posted by ez at 02:50| Comment(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年11月12日

Os Ritmistas『Os Ritmistas』

Domenico Lancellottiを中心としたブラジリアン・エクスペリメンタル☆Os Ritmistas『Os Ritmistas』

発表年:2007年
ez的ジャンル:ブラジル新世代エクスペリメンタル・ポップ
気分は... :静かなる実験!

今回はブラジルもののエクスペリメンタルな1枚、Os Ritmistas『Os Ritmistas』(2007年)です。

Os Ritmistasは、Domenico LancellottiStephane San JuanDany Rolandという打楽器を本職とするミュージシャン3名による多国籍ユニット。

Domenico Lancellottiは、KassinMoreno Velosoとの+ 2ユニットで知られる当ブログでもお馴染みのブラジル新世代を代表するミュージシャンですね。

Stephane San Juanはフランス人パーカッション奏者/シンガー・ソングライターですが、2002年にブラジルに渡り、DomenicoKassinらと交流を持つようになります。最近では、当ブログでも紹介したAlexia Bomtempo『Suspiro』(2018年)のプロデュースが印象に残っています。

Dany Rolandはアルゼンチン出身。この3人がリオ・デ・ジャネイロで結成したユニットがOs Ritmistasです。+ 2ユニットの活動から派生したプロジェクトという見方もできるかもしれません。

プロデュースはOs Ritmistas自身。

Domenico(vo、per、key、g、mpc、electronics、etc.)、
Stephane San Juan(ds、tabla、mpc、electronics、etc.)、Dany Roland(g、p、sampler、etc.)というメンバー3名以外に、Kassin(g)、Pedro Sa(g、b)、Wilson das Neves(vo、ds、tamborim)、Thalma de Freitas(vo)、Nelson Jacobina(b)、Berna Ceppas(vibe、per、efects)、DonatinhoJoao Donatoの息子)(el-p)等のミュージシャンが参加しています。

アルバムは+ 2ユニットにも通じるブラジル新世代らしいエクスペリメンタル・ポップに仕上がっています。打楽器奏者によるユニットなので、パーカッシヴなサウンドを前面に打ち出してくるイメージもありますが、そんなことはありませんでした。

個人的には、動と静、伝統と近未来といったコントラストを活かしたサウンド・クリエイトが気に入りました。

正直、派手さやキャッチーさはありませんが、+ 2ユニット好きの人であれば、思わずニンマリする1枚だと思います。

全曲紹介しときやす。

「Vem A Onda」
Domenico作。ブラジル新世代ならではのサウダージ感に満ちた哀愁エクスペリメンタル・サンバがオープニング。
https://www.youtube.com/watch?v=pmMRPW-looc

「O Que Aconteceu」
Wilson das Neves/Domenico作。トロンボーンの音色がフィットするメロウ・ボッサ調の仕上がりですが、ブラジル新世代ならではのスパイスを効かせています。ヴォーカルは作者の二人。
https://www.youtube.com/watch?v=MWtqLrUvR2k

「Radio Patrulha」
Silas de Oliveira/J.Dias/Luisinho/Marcelino Ramos作。女性ヴォーカル入りの華のあるエクスペリメンタル・サンバ。未来と過去が交錯する感じがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=qe7CludjUxQ

「Num Canto Quieto」
Domenico/Adriana Calcanhotto作。Kassin参加曲。レトロ・フィーチャーな魅力!味わいのあるインスト。
https://www.youtube.com/watch?v=1W2tCTl7dbU

「A Ver Navios」
Domenico/Alvaro Lancellotti作。ブラジリアン・ポストロック的な魅力を持った不思議な音世界。
https://www.youtube.com/watch?v=mWEN2mv-DM8

「Layana」
Dany Roland/Stephane San Juan/Domenico作。打楽器のリズムとエレクトロニクスを融合させたブラジル新世代らしいエクスペリメンタルな仕上がり。
https://www.youtube.com/watch?v=rr1c1CAX-y0

「Alguem」
Domenico作。Domenicoの弾き語りに、徐々にエクスペリメンタルな音のレイヤーが重なっていきます。
https://www.youtube.com/watch?v=7gWLu_bVDQo

「Palpite」
Domenico/Alvaro Lancellotti作。Domenicoのヴォーカル、Pedro Saのギター、ベースのみですが、エクスペリメンタル・ロックしています。
https://www.youtube.com/watch?v=RqyZH98UXiQ

「Cada Um」
Domenico作。Domenicoのヴォーカル&ヴィオラン、Nelson Jacobinaのギターによるシンプルな演奏ですが、ブラジル新世代ならではのワビサビがあります。
https://www.youtube.com/watch?v=bWNUWWHWwtQ

「Um Copo」
Domenico作。シンプルなように聴こえて実は緻密な装飾がなされてる心憎いサウンドメイクを楽しめます。
https://www.youtube.com/watch?v=dRhaFl2uCCQ

「Samba De Pacto」
Dany Roland/Stephane San Juan/Domenico作。ブラジル新世代エクスペリメンタル・サンバの名に相応しいリズミックな演奏です。
https://www.youtube.com/watch?v=LNq0Yyx9Afw

「Num Canto Quieto」
「Num Canto Quieto」のヴォーカル入りヴァージョン。
https://www.youtube.com/watch?v=t-RH3UGNmcQ

「De Onde Sei」
Domenico作。Domenico好きの人にはグッとくる寂しげな
https://www.youtube.com/watch?v=6lWC327YaTM

「Fora Do Ar」
Kassin/Hiromi Konishi/Domenico作。本編ラストはKassinもソングライティングに参加したメロウ・チューンで締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=f-pBjmhbsvs

「Minico」
国内盤ボーナス・トラックその1。Dany Roland/Stephane San Juan/Domenico/Ernani Petisco作。鶏肉料理の作り方をKassinの奥方Hiromi Konishi(古西ひろ美)さんが日本語で同時通訳するユニークなトラック。
https://www.youtube.com/watch?v=ZzkEtWjqUZ0

「Devorando Quilometros」
国内盤ボーナス・トラックその2。Stephane San Juan作。エクスペリメンタルなインストです。
https://www.youtube.com/watch?v=TGtZMRTi8H0

+ 2ユニット関連の過去記事もチェックを!

Domenico + 2『Sincerely Hot』(2002年)
Sincerely Hot

Moreno + 2『Maquina de Escrever Musica』(2002年)
タイプライター・ミュージック

Kassin『Relax』(2017年)
リラックス
posted by ez at 03:12| Comment(0) | 2000年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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