発表年:1979年
ez的ジャンル:名プロデューサー/アレンジャー系アーバン・メロウ
気分は... :ジャケで引かないで!
今回は名プロデューサー/アレンジャーRichard Evansが自身の名義でリリースした『Richard Evans』(1979年)です。
Richard Evans(1932-2014年)はアラバマ出身のベーシスト、コンポーザー、プロデューサー、アレンジャー。
50年代後半からジャズ・ベーシストとして活動し、60年代前半はPaul Winter Sextet等で活動し、60年代半ばから70年代前半にかけては Cadet Recordsでプロデューサー/アレンジャーとしての才能を開花させ、自らThe Soulful Stringsを率いて作品をリリースしています。
その後は名プロデューサー/アレンジャーとして数々のアーティストの作品を手掛けました。
当ブログで扱ったアルバムだけでも、以下の作品でプロデュースを手掛けています。
Dorothy Ashby『Afro-Harping』(1968年)
Dorothy Ashby『Dorothy's Harp』(1969年)
Dorothy Ashby『The Rubaiyat Dorothy Ashby』(1970年)
Marlena Shaw『The Spice Of Life』(1969年)
Terry Callier『Fire on Ice』(1978年)
Samuel Jonathan Johnson『My Music』(1978年)
Rockie Robbins『Rockie Robbins』(1979年)
Linda Williams『City Living』(1979年)
Perry & Sanlin『We're The Winners』(1981年)
そんなRichard Evansが、『Dealing With Hard Times』(1972年)に続きリリースしたソロ名義のアルバムが本作『Richard Evans』(1979年)です。
まずジャケがインパクトありすぎですね。
僕の場合、このジャケからはB級ヘヴィメタル作品しか想起できませんが(笑)
プロデュースはRichard Evans。
アルバムにはLinda Williams、Chuck Colbert、ヴォーカル・トリオCinnamon、Spices、Billy Durham、Kenny Mann、テナー・サックス奏者Eddie Harris、Tower of Power Horn Section、Ross Traut、Starlet Elといったアーティストがフィーチャリングされています。
本作のハイライトとなるLinda Williamsをフィーチャーしたブラジリアン・フュージョン「Capricorn Rising」、素敵なメロウ・ソウル「Funky Day」、キャッチーなモダン・ディスコ「Do-Re-Me-For-Soul」、素敵なストリングスを配したアーバン・メロウ・ソウル「Windy City」、Peabo Brysonのカヴァー「Feel The Fire」、The Soulful Strings時代の人気曲のセルフ・カヴァー「Burning Spear」など充実の全8曲です。
名プロデューサー/アレンジャーによるアーバン・メロウ・ワールドを楽しみましょう!
全曲紹介しときやす。
「Capricorn Rising」
Linda Williams作。Linda Williamsをフィーチャーしたブラジリアン・フュージョンは本作のハイライト。軽快なボッサ・ビートとLinda Williamsのスキャットの組み合わせがサイコーです。
https://www.youtube.com/watch?v=yB5SvoBbA3k
「Funky Day」
Richard Evans/Alice Sanderson/Keith Echols作。Chuck Colbert、Cinnamon、Spicesをフィーチャー。前半は「Funky Day」より「Mellow Day」のタイトルを付けたくなる素敵なメロウ・ソウルですが、中盤以降ようやくファンキーな要素が加わったアーバン・ファンキー・メロウで楽しませてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=pJJx4GaznNU
「Do-Re-Me-For-Soul」
Richard Evans/Alice Sanderson/Keith Echols作。Cinnamon、Eddie Harrisをフィーチャー。♪ド・レ・ミ・ファ・ソウル♪という歌詞はNHKみんなのうた的ですが、キャッチーなモダン・ディスコ・チューンです。Cinnamonの華のあるヴォーカルとEddie Harrisの軽快なサックスが牽引します。
https://www.youtube.com/watch?v=-8MlvmCiauM
「Windy City」
Richard Evans/Denzil Miller作。Billy Durham、Kenny Mannをフィーチャー。素敵なストリングスを配したアーバン・メロウ・ソウル。Richard Evansらしいセンスの詰まった1曲に仕上がっているのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=uzjMf5BHTTY
「Educated Funk」
Richard Evans作。Tower of Power Horn Sectionをフィーチャーしたファンク・チューン。Greg Adams、Mic Gilletteのトランペットをはじめ、ファンキー・ホーンを全編楽しめます。
https://www.youtube.com/watch?v=GpzH4GyZofE
「Feel The Fire」
Peabo Bryson作品をカヴァー。オリジナルはアルバム『Reaching for the Sky』(1978年)収録。Eddie Harrisのサックスをフィーチャー。Eddie Harrisのサックスがスウィートにブロウするアーバン・メロウに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=QCu-EZtxdkY
Nujabes feat. C.L. Smooth「Sky Is Falling」、IAMNOBODI「27」のサンプリング・ソースとなっています。
Peabo Bryson「Feel The Fire」
https://www.youtube.com/watch?v=dL_om5U2iXM
Nujabes feat. C.L. Smooth「Sky Is Falling」
https://www.youtube.com/watch?v=V2OLLYgocdA
IAMNOBODI「27」
https://www.youtube.com/watch?v=JKIwwG0WgWM
「Burning Spear」
レア・グルーヴでも人気のThe Soulful Strings時代の楽曲(1967年)のセルフ・カヴァー(Richard Evans作)。Kenny Mann、Linda Williams、Ross Trautをフィーチャー。この時代らしいアーバンなインスト・ファンクで楽しませてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=fx7MkiYYmTg
The Soulful Strings「Burning Spear」
https://www.youtube.com/watch?v=HWuBd3yzVC8
「Round Midnight」
Thelonious Monk作のジャズ・スタンダードをカヴァー。Ross Traut、Starlet Elをフィーチャー。ラストはお馴染みのジャズ・スタンダードをRichard Evansらしい手腕の冴えるアーバンなジャジー・ソウルで楽しませてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=u3rG-_lpqP4
Richard Evans、The Soulful Stringsの他作品もチェックを!
『Dealing With Hard Times』(1972年)
The Soulful Strings 『Paint It Black/Groovin' With The Soulful Strings』(1966/1967年)
The Soulful Strings 『Groovin' With The Soulful Strings』(1967年)
The Soulful Strings 『Another Exposure』(1968年)
The Soulful Strings 『The Magic of Christmas』(1968年)