2020年11月23日

The Left Banke『The Left Banke, Too』

バロック・ポップで人気を博したグループの2nd☆The Left Banke『The Left Banke, Too』

発表年:1968年
ez的ジャンル:バロック・ポップ/サイケ・ポップ
気分は... :ジャケ買いした1枚!

今回は60年代サイケ・ポップ作品からThe Left Banke『The Left Banke, Too』(1968年)です。

The Left Bankeは、Michael Brown(key)を中心に1965年N.Y.で結成されたバンド。

1966年にリリースしたデビュー・シングル「Walk Away Renee(邦題:いとしのルネ)」がUSチャート第5位のヒットとなり、いきなり商業的な成功を収めます。続くシングル「Pretty Ballerina」も同チャート第15位のヒットとなりました。

「Walk Away Renee」
 https://www.youtube.com/watch?v=qDfrW5cWqMU
「Pretty Ballerina」
 https://www.youtube.com/watch?v=m-Ep5x-DETc

その2曲のヒット・シングルを収めたデビュー・アルバム『Walk Away Renee/Pretty Ballerina』(1967年)をリリースしています。

The Beatles『Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band』(1967年)の影響を受けたクラシックのエッセンスを取り入れた彼らのポップ・サウンドは"バロック・ポップ"と呼ばれました。

ここまでは順調であったグループですが、その後はトラブルで混迷を極めます。中心であったMichael Brownがメンバー以外のミュージシャンと録音した音源をThe Left Banke名義でリリースしたことで、他メンバーと訴訟トラブルとなり、最終的にMichaelは脱退することになります。

さらにマネジメント側とメンバーの対立で何名かのメンバーが去り、残ったのは本作のジャケに写るSteve Martin Caro(vo)、Tom Finn(b)、George Cameron(ds、vo)の3名となってしまいました。

こんな状況下で制作されたのが本作『The Left Banke, Too』(1968年)です。

実際には、Michael Brown在籍のレコーディングも2曲あり、それ以外にTom Feher(p、g)もメンバーとして参加しています。

それ以外にSteve Tallarico(back vo)、Paul Griffin(key)、Hugh McCracken(g)等の外部ミュージシャンも参加しています。Steve Tallaricoは後にAerosmithのリード・ヴォーカルとなるSteven Tylerです。

本作でも『Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band』(1967年)、『Magical Mystery Tour』(1967年)の影響を受けたバロック・ポップが展開されます。サイケ・ポップな楽曲が多いのもいいですね。

メイン・プロデュースはPaul Leka。それ以外にArthur Schroeck/Gene RadiceMichael Brownプロデュース曲も含まれます。

シングルにもなったMichael在籍時の「Desiree」が目立ちますが、バロック・サイケ・ポップな「Nice to See You」「There's Gonna Be a Storm」、美しいハーモニーを満喫できる「Dark is the Bark」「My Friend Today」あたりも僕のおススメです。

『Sgt. Pepper's』『Magical Mystery Tour』好き、サイケ・ポップ好き、ソフトロック好きの方はぜひチェックを!

全曲紹介しときやす。

「Goodbye Holly」
Tom Feher作。Buddy Hollyに捧げられたオープニング。素敵なヴォーカルワークで楽しませてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=uRWHdP3uWkM

「There's Gonna Be a Storm」
Tom Finn作。クラシカルなエッセンスとサイケなエッセンスを織り交ぜたバロック・サイケ・ポップがたまりません。
https://www.youtube.com/watch?v=wO0geDRTTRc

「Sing Little Bird Sing」
Tom Feher作。幻想的かつ牧歌的なバロック・・ポップに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=GFoVjUUJTi4

「Nice to See You」
Tom Finn作。僕好みのサイケなバロック・ポップ。バック・コーラスにはSteve Tallarico(Steven Tyler)も参加しています。
https://www.youtube.com/watch?v=fQqxuQHDZJM

「Give the Man a Hand」
Marvin Potocki作。『Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band』の影響を強く感じる1曲ですね。
https://www.youtube.com/watch?v=uDwAVXqbuco

「Bryant Hotel」
Tom Feher作。バンジョーでアクセントをつけた哀愁チューン。カントリー・ロック×Sgt. Pepper'sみたいな雰囲気が面白いですね。
https://www.youtube.com/watch?v=jKKQaOc3lpQ

「Desiree」
Michael Brown/Tom Feher作。シングルにもなったMichael在籍時のレコーディング。ストリングス&ホーンを駆使した美しいハーモニーのソフトロックに仕上がっています。ギターはHugh McCracken。
https://www.youtube.com/watch?v=iHqy6EMr5Ro

「Dark is the Bark」
George Cameron/Tom Finn/Steve Martin Caro作。美しいハーモニーを満喫できる1曲。迷宮に迷い込んでしまったような感じがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=aPwMicQ1ca0

「In the Morning Light」
Michael Brown/Tom Feher作。この曲もMichael在籍時のレコーディング。『Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band』経由のポップ・チューンに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=HiioT8k5cug

「My Friend Today」
Tom Finn作。同じThe Beatlesでもコレは『Magical Mystery Tour』って感じですね。
https://www.youtube.com/watch?v=yT-3_Wm9LTs

1stアルバム『Walk Away Renee/Pretty Ballerina』(1967年)もセットでどうぞ!

『Walk Away Renee/Pretty Ballerina』(1967年)
posted by ez at 00:54| Comment(0) | 1960年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする