発表年:1971年
ez的ジャンル:クリーブランド産ファンク
気分は... :レア・グルーヴらしさ!
今回はレア・グルーヴ方面で評価の高いファンク・アルバムS.O.U.L.『What Is It』(1971年)です。
※単独CD化は未実現であり、上記ジャケおよびamazonへのリンクは『Can You Feel It』(1972年)との2in1CD
S.O.U.L.はクリーブランドで結成されたファンク・バンド。
S.O.U.L.はSounds of Unity and Loveの略。
バンドは『What Is It』(1971年)、『Can You Feel It』(1972年)という2枚のアルバムをリリースしており、共にレア・グルーヴ人気作として再評価されています。
本作『What Is It』(1971年)におけるメンバーは、Lee Lovett(vo、b)、Gus Hawkins(sax、fl、back vo)、Paul Stubblefield(ds、back vo)、Walter Winston(g)という4名。
プロデューサーはDanny JordanとRupert Holmes。
本作のハイライトであるThe Soulful Stringsのカヴァー「Burning Spear」をはじめ、「Soul」、「Down In The Ghetto」という強力なオリジナル2曲、「Get Ready」、「Message From A Black Man」というThe Temptationsカヴァー2曲、Charles Wright & the Watts 103rd Street Rhythm Bandのクラシック・カヴァー「Express Yourself」、Herbie Mannのカヴァー「Memphis Underground」という充実の全7曲です。
レア・グルーヴの代名詞的なファンク作品の1枚なのでは?
全曲紹介しときやす。
「Down In The Ghetto」
Lee Lovett作。オーディエンスの歓声のSE入りのライヴ仕立てのオープニング。サックスがリードするレア・グルーヴらしいファンク・グルーヴ。
https://www.youtube.com/watch?v=DINpZQS9yEc
「Get Ready」
The Temptationsのカヴァー(Smokey Robinson作)。オリジナルは『Gettin' Ready』(1966年)収録。先週もGreenwoodのカヴァーを紹介したばかりです。格好良いブレイクと共に始まる格好良いインスト・ファンクに仕上がっています。Johnny Jungle「Killa Sound」等のサンプリング・ソースとなっています。
https://www.youtube.com/watch?v=VMgv1Ic6XDo
「Burning Spear」
The Soulful Stringsのカヴァー。(Richard Evans作)。オリジナルは『Groovin' With the Soulful Strings』(1967年)収録。本作のハイライトとなるクラシック・インスト・ファンク。フルートに先導され、重心の低いファンク・グルーヴが展開されます。
https://www.youtube.com/watch?v=UB0tzvS-790
Pete Rock & C.L. Smooth「Go With the Flow」、Organized Konfusion「Releasing Hypnotical Gases」、Justin Warfield and S.O.U.N.D.「Steppin' With the Sound」、Guttt Control「Dis-O-Man」等のサンプリング・ソースとなっています。
Pete Rock & C.L. Smooth「Go With the Flow」
https://www.youtube.com/watch?v=7EqCx21qazo
Organized Konfusion「Releasing Hypnotical Gases」
https://www.youtube.com/watch?v=fjUW4WKjzdM
Justin Warfield and S.O.U.N.D.「Steppin' With the Sound」
https://www.youtube.com/watch?v=DjWucwAdJIk
「Express Yourself」
Charles Wright & the Watts 103rd Street Rhythm Bandのカヴァー(Charles Wright作)。オリジナルは『Express Yourself』(1970年)収録。オリジナルもレア・グルーヴ人気曲ですが、S.O.U.L.ヴァージョンも悪くありません。
https://www.youtube.com/watch?v=RYyzBbWPV5w
「Soul」
Gus Hawkins/Lee Lovett作。グループの名を冠した楽曲は格好良いブレイクと共に始まります。フルートが先導するヴォーカル入りのファンキー・メロウは僕の一番のお気に入り。
https://www.youtube.com/watch?v=qzQbPAeztZ8
Jungle Brothers「In Dayz 2 Come」、Organized Konfusion「Releasing Hypnotical Gases」、Main Source「Fakin' the Funk」、Grand Puba「Honey Don't Front」等のサンプリング・ソースとなっています。
Jungle Brothers「In Dayz 2 Come」
https://www.youtube.com/watch?v=bBb71z4NbIk
Main Source「Fakin' the Funk」
https://www.youtube.com/watch?v=cf0LpQzo-LY
Grand Puba「Honey Don't Front」
https://www.youtube.com/watch?v=e3ymaQ7SmQc
「Message From A Black Man」
The Temptationsのカヴァー(Barrett Strong/Norman Whitfield作)。オリジナルは『Puzzle People』(1969年)収録。哀愁フルートが印象的なヴォーカル入りミディアム・バラードに仕上がっています。ここでもベースの響きがいいですね。終盤の緩急もグッド!
https://www.youtube.com/watch?v=M-j70y7cZ1k
House of Pain「On Point (Da Beatminerz UK Remix)」のサンプリング・ソースとなっています。
House of Pain「On Point (Da Beatminerz UK Remix)」
https://www.youtube.com/watch?v=lPsw_GTjTxI
「Memphis Underground」
Herbie Mannのカヴァー。オリジナルは『Memphis Underground』(1969年)収録。フルートが主役の曲なので彼らのカヴァーにフィットしますね。レア・グルーヴらしいファンク・チューンに仕上がっているのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=Ruim5TK6Ox0
次作『Can You Feel It』(1971年)では、Larry Hancock(org)が加わり、5人体制となっています。