発表年:1980年
ez的ジャンル:UKシンセ・ディスコ/クロスオーヴァー
気分は... :愛のコリーダ!
今回はIan Dury & The Blockheadsのサウンドリーダー/ソングライターとしても活躍したChaz Jankel(Chas Jankel)の初ソロ・アルバム『Chas Jankel』(1980年)です。
1952年ロンドン生まれのキーボード奏者/ギタリストChaz Jankel(Chas Jankel)の紹介は、2010年の復活アルバム『The Submarine Has Surfaced』に続き2回目となります。
1980年代に『Chas Jankel』(1980年)、『Chasanova』(1981年)、『Chazablanca』(1983年)、『Looking at You』(1985年)といったアルバムをリリースし、「Ai No Corrida」、「Glad To Know You」、「Without You」、「Number One」等のダンス・ヒットを放ったChaz Jankel。
その中でも最も有名な1曲が「Ai No Corrida」。
といっても、本家ヴァージョンよりもQuincy Jonesのカヴァー・ヴァージョンの方がはるかに有名ですが。
Dune (Charles May)をフィーチャーしたQuincy Jonesカヴァー・ヴァージョンは、アルバム『The Dude』(1981年)に収録され、シングルとしてUSチャート第28位、同R&Bチャート第10位のヒットとなりました。今でもQuincyのオリジナルだと思っている方も多いのでは?
そのオリジナル「Ai No Corrida」が収録されているのが初ソロ・アルバム『Chas Jankel』(1980年)です。
レコーディング・メンバーはChaz Jankel(vo、g、key、syn、per)、Mark Isham(ss、tp、syn)、Chris Hunter(as、ts)、Peter Van Hook(ds、per)、Chris Warwick(syn prog)、Kuma Harada(b)、Paul Westwood(b)。
中でもPeter Van Hookは、GenesisのMike Rutherfordによるサイド・プロジェクトMike and the Mechanicsのメンバーとしてご存知の方もいるかもしれませんね。
プロデュースはChaz Jankel、Peter Van Hook、Mark Isham、Chris Warwick。
Blockheadsでは聴くことができないChaz Jankelの音世界を楽しめます。
やはり「Ai No Corrida」の出来栄えがダントツですが、レゲエ調のメロウ・チューン「Just a Thought」も僕のお気に入り。
「Ai No Corrida」とは全く異なるタイプの15分近い長尺クロスオーヴァー「Am I Honest with Myself Really?」、メロウなインスト「Lenta Latina」、Chazの美しいピアノを楽しめる「Reverie」などChazの多様な音楽性を楽しめます。
まずは本家「Ai No Corrida」をぜひチェックを!
全曲紹介しときやす。
「Ai No Corrida」
Chaz Jankel/Kenny Young作。前述の通り、本作のハイライトとなるダンス・チューン。曲タイトルは大島渚 監督の映画『愛のコリーダ』(1976年)からとったもの。この本家ヴァージョンは9分近く長尺です。QuincyはRod Tempertonを介して本曲を知ったようですが、このオリジナル自体がRod Temperton風ですよね。まさにQuincyにカヴァーされるために作られたような1曲だと思います。
https://www.youtube.com/watch?v=DfEYKBdSQ8k
Quincy Jones以外にもJames Last、Big Bang(K-POPのあのグループではなく日本のユニット)、Sudirman、Lesette Wilson、Uniting Nations feat. Laura More、Chipper、Cuban Jazz Comboがカヴァーしています。
Quincy Jones「Ai No Corrida」
https://www.youtube.com/watch?v=NVTVheyDY4s
James Last「Ai No Corrida」
https://www.youtube.com/watch?v=dYrRmjNr5I4
Big Bang「Ai No Corrida」
https://www.youtube.com/watch?v=WShI4HjTjTc
Sudirman「Ai No Corrida」
https://www.youtube.com/watch?v=iKiWvveKWiM
Lesette Wilson「Ai No Corrida」
https://www.youtube.com/watch?v=FYWyrl3n4Qk
Uniting Nations feat. Laura More「Ai No Corrida」
https://www.youtube.com/watch?v=vKPxO68oV7A
Chipper「Ai No Corrida」
https://www.youtube.com/watch?v=zjm_gBuM1LI
Cuban Jazz Combo「Ai No Corrida」
https://www.youtube.com/watch?v=sN0K2apYeUM
「Peace, At Last」
Chaz Jankel作。「Ai No Corrida」から一変して美しいピアノ・ソロの小曲。
https://www.youtube.com/watch?v=OXtTkQalkMI
「Just a Thought」
Chaz Jankel/Mark Newton-Carter作。レゲエ調のメロウ・チューン。なかなかいい雰囲気です。シンセ・サウンドとレゲエ・リズムの組み合わせが面白いですね。
https://www.youtube.com/watch?v=qhUOncRmQ60
K-Hill and Debonair P feat. Omniscence「Root 4 Me」のサンプリング・ソースとなっています。
K-Hill and Debonair P feat. Omniscence「Root 4 Me」
https://www.youtube.com/watch?v=14iulq8ysb0
「Lenta Latina」
Chaz Jankel作。メロウなインスト・チューン。サンセット・モードにフィットしそうです。
https://www.youtube.com/watch?v=ww3ztNHGCG0
「Fuse」
Mark Isham/Peter Van Hooke作。実験的な短いインスト。というか次曲のイントロ。
https://www.youtube.com/watch?v=N4vHLAfgyiE
「Am I Honest with Myself Really?」
Chaz Jankel/Mark Newton-Carter作。15分近い長尺のダンス・チューン。シンセ・ポップ×ファンク×ジャズといったChazのクロスオーヴァー感覚を楽しむことができます。
https://www.youtube.com/watch?v=nhR_FykgAAA
「Reverie」
Chaz Jankel作。本編ラストはピアノ・ソロにシンセやサックスでアクセントをつけたビューティフル・トラックで締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=Hp6jsAUq30M
Pro Era「Like Water」のサンプリング・ソースとなっています。
Pro Era「Like Water」
https://www.youtube.com/watch?v=0fg08Hjwdo0
「Little Eva」
CDボーナス・トラック。4thアルバム『Looking at You』(1985年)収録曲(Chaz Jankel/Ian Dury作)。ダンサブルなシンセ・ポップです。
https://www.youtube.com/watch?v=F7ddto8nz5E
『Looking at You』(1985年)
『Out of the Blue』(2001年)
『Zoom』(2003年)
『The Submarine Has Surfaced』(2010年)
未CD化のオリジナル・アルバムもあるので、お手軽なコンピ作品で手元に置くのもいいかも?
『My Occupation - The Music Of Chaz Jankel』(2007年)
『Glad to Know You – The Anthology 1980-1986』(2020年)