録音年:1961年
ez的ジャンル:ハード・バップ/クール・ジャズ
気分は... :静と動・・・
今回はジャズ・サックス奏者Cannonball Adderleyがジャズ・ピアニストBill Evansを迎えてレコーディングした1枚、『Know What I Mean?』(1961年)です。
Bill Evansについては、今月『Alone (Again)』(1975年)を紹介したばかりですが、本作はあくまでCannonball Adderley枠ということで。
大物ジャズ・アルトサックス奏者Julian "Cannonball" Adderley(1928-1975年)について、当ブログでこれまで紹介したのは以下の5枚。
『Cannonball's Bossa Nova』(1962年)
『Mercy, Mercy, Mercy!』(1966年)
『Country Preacher』(1969年)
『Inside Straight』(1973年)
『Love, Sex, And The Zodiac』(1974年)
1958年のMiles Davisのセクステットで同僚であったAdderleyとEvansによる再会セッションです。
レコーディング・メンバーは、Cannonball Adderley(as)、Bill Evans(p)、さらにはPercy Heath(b)、Connie Kay(ds)というThe Modern Jazz Quartet(MJQ)のリズム隊が加わったカルテット編成。
Riversideからリリース。
プロデュースはOrrin Keepnews。
ハイライトはBill Evansの名曲「Waltz for Debby」ですね。本作と同じ1961年レコーディングの『Waltz For Debby』(1961年)ヴァージョンがあまりにも有名ですが、同じ年にレコーディングされたもう1つの「Waltz for Debby」も要チェックです。
それ以外にも「Goodbye」、「Elsa」、「Nancy (With the Laughing Face)」なんかはEvansを意識した選曲だと思います。
一方、「Who Cares?」、「Toy」はAdderleyらしいプレイを楽しめます。
さらにMJQへのリスペクトを感じる「Venice」も僕のお気に入り。
クリスマス・シーズンに聴くジャズとしては案外フィットしていると思います。
全曲紹介しときやす。
「Waltz for Debby」
Bill Evans/Gene Lees作。冒頭のEvansのピアノは『Waltz For Debby』ヴァージョンそのままな感じですが、Adderleyのサックスが入ると軽やかでスウィンギーな本ヴァージョンらしい演奏を楽しめます。
https://www.youtube.com/watch?v=acX3MhM_dpw
『Waltz For Debby』(1961年)ヴァージョンと聴き比べるのも楽しいと思います。
「Waltz for Debby」(From Bill Evans『Waltz For Debby』)
https://www.youtube.com/watch?v=P0FIsFD9MXU
「Goodbye」
Gordon Jenkins作。Benny Goodman Orchestraでお馴染みのスタンダードをカヴァー。Milt Jackson With Hubert Lawsのカヴァーも紹介済みです。これはAdderleyというよりEvans向けの選曲ですね。Evans、Heath、Kayのトリオ演奏でも良かったかも?
https://www.youtube.com/watch?v=GQSxofFjc1E
「Who Cares? (Take 5)」
George Gershwin/Ira Gershwin作品。当ブログではAnita O'Dayのカヴァーも紹介済みです。Heath、Kayのリズム隊が先導し、Adderleyのサックスが躍動する軽快な演奏です。Evansのソロも実にいい雰囲気です。
https://www.youtube.com/watch?v=kHQrQtIW60k
「Who Cares? (Take 4)」
ボーナス・トラック。「Who Cares?」の別ヴァージョン。コチラの方がリズム隊が目立ちますね。
https://www.youtube.com/watch?v=zkAxJyNT-NU
「Venice」
MJQ作品をカヴァー(John Lewis作)。MJQメンバーへの敬意を表したカヴァー・セレクトですね。演奏自体もMJQへのリスペクトを感じる落ち着いたトーンの穏やかな演奏がいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=oRbYmVd1mrs
「Toy」
Clifford Jordan作。。メンバー全員がリラックスした雰囲気の軽やかに疾走する演奏がいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=6wcErvs_Dlk
「Elsa」
Earl Zindars作。Bill Evans『Explorations』(1961年)収録曲としても知られていますね。やはりこの曲はEvansの繊細な美しさを持つピアノが主役です。AdderleyもEvansワールドに必死に合わせている感じが面白いです。
https://www.youtube.com/watch?v=CN4pzCVql9M
「Nancy (With the Laughing Face)」
Phil Silvers/Jimmy Van Heusen作のポピュラー・スタンダードをカヴァー。これもEvansのためにAdderleyが用意した楽曲かもしれませんね。実にロマンティックなバラードです。
https://www.youtube.com/watch?v=6dt4p1Zt5s4
「Know What I Mean? (Re-take 7)」
Bill Evans作。静のEvans、動のAdderleyという緩急のコントラストを明確にした、この二人の共演ならではの演奏が印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=WVVROe83TVU
「Know What I Mean? (Take 12)」
「Know What I Mean? 」の別テイク。こちらは7分超の長尺です。上記テイクのようなEvansとAdderleyのコントラストは強調しておらず、ある意味こちらの方が自然な流れな気がします。
https://www.youtube.com/watch?v=F3iPSfib4m4
Cannonball Adderleyの過去記事もご参照ください。
『Cannonball's Bossa Nova』(1962年)
『Mercy, Mercy, Mercy!』(1966年)
『Country Preacher』(1969年)
『Inside Straight』(1973年)
『Love, Sex, And The Zodiac』(1974年)