2021年01月31日

Marcos Ruffato『Vata』

ミナスの男性シンガー・ソングライター☆Marcos Ruffato『Vata』

発表年:2020年
ez的ジャンル:ミナス系ブラジル人シンガー・ソングライター
気分は... :音楽家は静寂のスタイリスト!

新作アルバムからMarcos Ruffato『Vata』(2020年)です。

Marcos Ruffatoは、1983年ミナスジェライス生まれの男性シンガー・ソングライター。

音楽一家に育ち、Choro da Merceariaというショーロ・グループを結成し、地元で演奏活動を行っていました。

本作『Vata』は、クラウド・ファンディングで資金を集めて制作されたデビュー・アルバムです。

プロデュースはMarcos RuffatoRafael Dutra
楽曲はすべてMarcos Ruffatoのオリジナル(共作含む)。

レコーディングにはMarcos Ruffato(vo、g)以下、Sergio Santos(vo)、Trio Amaranto(vo)、Jose Luis Braga(vo)、Rafaela Sueitt(vo)、Maira Manga(vo)、Barbara Barcellos(vo)、Leopoldina Azevedo(vo)、Edelson Pantera(vo)、Claudia Manzo(vo)、Irene Bertachini(vo)、Rafael Dutra(vo)、Mariah Carneiro(vo)、Rafael Macedo(vo)、Alexandre Andres(vo)、Toninho Horta(g)、Felipe Vilas Boas(g)、Carlos Walter(g)、Cristovao Bastos(p)、Davi Fonseva(el-p)、Camila Rocha(b)、Sa Reston(b)、Fabio Gouve(b)、Aloizio Horta(b)、Analu Braga(per)、Jack Will(per)、Taui Castro(per)、Daniel Guedes(per)、Yuri Vellasco(ds)、Eduardo Sueitt(ds)、Esdra "Nenem" Ferreira(ds)、Nonato Lima(accordion)、Breno Mendonca(sax)等のミュージシャンが参加しています。

ヴォーカルをMarcos Ruffato以外のシンガーに譲っている曲も多く、シンガーというよりトータル志向のミュージシャンという印象を受けます。

僕が本作を購入したのは昨年末ですが、もう少し早く購入して聴き込んでいれば、『ezが選ぶ2020年の10枚』に間違いなくセレクトしていたと思いまます。

たおやかで叙情あふれる歌心、ナチュラルな響きが美しい彩り豊かなアンサンブル、多彩なハーモニーとリズムを見事に昇華したという販売元の宣伝文句そのままの素敵な1枚に仕上がっています。

本作に参加しているミナスを代表する名ギタリストToninho Hortaは、本作を聴いて「山と海が出会う場所にいる感覚になった」と賛辞を述べています。

ブラジル音楽ファンのみならず、Carlos AguirreRodrigo Carazoあたりのアルゼンチン・フォルクローレ好きの方にもフィットする1枚だと思います。

ブラジル音楽の新たな才能の誕生を祝福しましょう!

全曲紹介しときやす。

「O Azul」
本作の持つ、透明感に満ちた美しく躍動する音世界を満喫できるオープニング。言葉にできない感動が胸一杯に広がっていきます。Trio Amarantoがバック・コーラスを務め、Cristovao Bastos(p)、Camila Rocha(b)、Yuri Vellasco(ds)
https://www.youtube.com/watch?v=WR1W46Yfmfc

「Carta ao Patriota」
ミナスの新世代バンドGraveolaのメンバーJose Luis Bragaのヴォーカルをフィーチャー。コンテンポラリー感のある1曲に仕上がっています。Davi Fonsevaのエレピ、Felipe Vilas Boasのギターも印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=w9xLCsFLAaw

「Peao-Rei」
ヴォーカルはRafaela SueittとMarcos。Taui Castroのパンデイロのビートが印象的なリズミックな演奏です。Nonato Limaのアコーディオンもいいアクセントとなっています。
https://www.youtube.com/watch?v=yCKXNIvGgts

「O Passo Faz o Chao」
ヴォーカルはIrene BertachiniとMarcos。Alexandre AndresとRafael Dutraがバック・コーラスで参加。伝統的なブラジル音楽とジャズをドラマティックに融合させた演奏がいいですね。Breno Mendoncaのフリーキーなサックスも印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=M5X7TPPf4fY

「Frevo pra Acorda」
Toninho Hortaが参加。ヴォーカルはBarbara BarcellosとMarcosと。マルシャの軽々なリズム、Barbara Barcellosの晴れやかな歌声、Toninho Hortaの素晴らしいギター・ソロが印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=pfFyolnH94Q

「Pescador」
ヴォーカルはMaira Manga。彼女の味わいのある歌声が映える深遠なフォーキー。フルートやバイオリンがいい雰囲気を演出します。
https://www.youtube.com/watch?v=oQV-jfP89kc

「Desanuvio」
波音の効果音をバックに、Leopoldina Azevedoがア・カペラで歌う小曲。
https://www.youtube.com/watch?v=ta2xo55ABAc

「Jericoacoara e o Vento」
ヴォーカルはRafaela Sueitt。透明感のあるアコースティック・サウンドの響きの美しさが印象的な序盤、中盤以降は一転して躍動するというドラマティックな展開の1曲に仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=trqUkyiigGY

「Farol」
ヴォーカルはMarcos自身。弾き語り調の前半で一度演奏が終了後にサンバ調のリズムミックな後半が始まります。
https://www.youtube.com/watch?v=kItv_PVUAJg

「Setembro」
ヴォーカルはSergio Santos。フルートやクラリネットの音色でブラジル伝統音楽に室内楽的なアクセントが加わっている感じがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=Pe4YsSuGd3Y

「A Significacao Antitetica das Auroras Primitivas」
ヴォーカルはClaudia ManzoとMarcos。伝統的な音楽を少しだけモダンな雰囲気で聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=W94Xm5Lu4yU

「Serra de Luz」
ヴォーカルはMariah Carneiro。僕好みのブラジリアン・メロウ。キュートなMariahの歌声とコンテンポラリーなブラジリアン・サウンドの組み合わせがサイコーです。
https://www.youtube.com/watch?v=oOLYlMoHFoM

「Cortejo」
ヴォーカルはRafael MacedoとMarcos。少しノスタルジックな雰囲気の演奏が終わると、雨音と共にアルバムは幕を閉じます。
https://www.youtube.com/watch?v=f-epol5XJ-M

早くも1月最終日。
どうやら緊急事態宣言は1か月延長になりそうですね。

ネット注文していたエルンスト・フリードリッヒ・シューマッハー著『スモール イズ ビューティフル』(講談社学術文庫)が届きました。1973年の本ですが、今読むべき1冊として先人の知恵に学びたく思います。
posted by ez at 01:54| Comment(0) | 2020年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年01月30日

Moodymann『Silence in the Secret Garden』

美学が貫かれた漆黒デトロイト・ハウス☆Moodymann『Silence in the Secret Garden』
サイレンス・イン・ザ・シークレット・ガーデン [名盤1000円]
発表年:2003年
ez的ジャンル:漆黒デトロイト・ハウス
気分は... :暗黒に咲く一輪の薔薇・・・

デトロイト・ハウス・シーンを長年牽引し続けるMoodymannの4thアルバム『Silence in the Secret Garden』(2003年)です。

Moodymann(本名Kenny Dixon Jr.について、当ブログで紹介したのは以下の3枚。

 『Silentintroduction』(1997年)
 『Mahogany Brown』(1998年)
 『Forevernevermore』(2000年)

4thアルバム『Silence in the Secret Garden』(2003年)もMoodymannらしい美学が貫かれた漆黒デトロイト・ハウスを満喫できます。

MoodymannがリミックスしたInnerzone Orchestra「People Make The World Go Round (Kenny Dixon, Jr. Remix)(1999年)の後半部分を再構築した「People」、神秘的なミニマル・テクノ「LiveInLA 1998」、美しくも儚い「Shine」、狂乱の中の美を感じる漆黒ハウス「Silence In The Secret Garden」Pitch Black Cityをフィーチャーしたソウルフル・ハウス「Sweet Yesterday」あたりが僕のおススメです。

暗黒に咲く一輪の薔薇のような漆黒デトロイト・ハウスをぜひ!

全曲紹介しときやす。

「Entrance 2 The Garden」
秘密の庭園のエントランス。美しくも危険な香りのするプロローグ。
https://www.youtube.com/watch?v=_sAie8uO6g8

「People」
デトロイト・テクノの巨人Carl CraigによるThe StylisticsのカヴァーをMoodymannがリミックスしたInnerzone Orchestra「People Make The World Go Round (Kenny Dixon, Jr. Remix)(1999年)の後半部分を再構築したトラック。Norma Jean Bellのサックスをフィーチャーしたソリッドなビートのジャジー・ハウス。
https://www.youtube.com/watch?v=o0AYP6d6w6s
Innerzone Orchestra Featuring Paul Randolph「People Make The World Go Round (Kenny Dixon, Jr. Remix)」(1999年)
 https://www.youtube.com/watch?v=3nhdz9QdqgA

「Backagainforthefirsttime?」
鳥の囀りが聞こえてくる美しい前半から赤ん坊の泣き声を使った意味深な後半という2段構えの構成です。
https://www.youtube.com/watch?v=Zu6j6Dumnbo

「LiveInLA 1998」
神秘的なミニマル・テクノ。不気味なダビー感も魅力です。中盤からのピアノによるアクセントもいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=8yQAK-T7fFI

「P.B.C.」
約1分20秒の短いトラック。繋ぎの1曲です。
https://www.youtube.com/watch?v=iNhTr_-pgLg

「Shine」
美しいピアノ・リフとチョップ・ヴォーカル織り成す美しくも儚いトラック。静寂を突き破って疾走していく感じがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=1K45-t65wZs

「Yesterdays Party Watta Bout It」
少しテンポを落とし緩急をつけたトラック。
https://www.youtube.com/watch?v=mOtSNk484Lo

「Silence In The Secret Garden」
10分半近くのタイトル曲。狂乱の中の美といった雰囲気の漆黒ハウス。迷宮の中を彷徨っているような気分になります。
https://www.youtube.com/watch?v=ZPvMmNR68ds

「On My Way Home」
サイバー空間に放り込まれ、電脳パルスに脳内が侵食されていくような感覚に陥るトラック。
https://www.youtube.com/watch?v=c_VOU1LtpTM

「Sweet Yesterday」
Pitch Black Cityをフィーチャー。真夜中の官能的なソウルフル・ハウスといった雰囲気がモロに僕好み。
https://www.youtube.com/watch?v=jX8Ubexyh5Y

『Silentintroduction』(1997年)
A Silent Introduction

『Mahogany Brown』(1998年)
マホガニー・ブラウン [名盤1000円]

『Forevernevermore』(2000年)
フォエヴァーネヴァーモア [名盤1000円]

『Black Mahogani』(2004年)
BLACK MAHOGANI

『Black Mahogani II』(2004年)
BLACK MAHOGANI II ( 直輸入盤・帯ライナー付 )

『Moodymann』(2014年)
Moodymann
posted by ez at 01:17| Comment(2) | 2000年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年01月29日

Lyn Collins『Think (About It)』

JBファミリーの歌姫☆Lyn Collins『Think (About It)』

発表年:1972年
ez的ジャンル:JBファミリー系女性ファンキー・ソウル
気分は... :ダイナマイト!

JBファミリーの歌姫Lyn Collinsの1stアルバム『Think (About It)』(1972年)です。

Lyn Collins(1942-2005年)はテキサス出身の女性R&Bシンガー。

Marva Whitneyに次ぐJBファミリーの歌姫として、1970年前半にJBのステージで歌うようになります。

(1971年)、(1972年)という2枚のシングルをKing Recordsからリリースしますが、ヒットしませんでした。

その後Peopleに移籍し、リリースしたシングル(1972年)がUS R&Bチャート第9位のヒットとなり、その勢いに乗って制作された1stアルバムが本作『Think (About It)』(1972年)です。

彼女は本作に続く2ndアルバム『Check Me Out If You Don't Know Me by Now』(1975年)もリリースしていますが、やはりLyn Collinsといえば、この1stアルバム『Think (About It)』(1972年)ということになりますね。

ハイライトは前述のヒット曲「Think (About It)」。本家JB顔負けのファンクスの効いたファンキー・グルーヴです。

それ以外にMarva Whitneyのカヴァー「Things Got To Get Better」、スタンダードのまさかのファンキー・ソウル・カヴァー「Fly Me To The Moon」JBファミリーらしいファンキー・サウンドを楽しめます。

Jerry Butlerのカヴァー「Never Gonna Give You Up」、この時代らしいソウル・バラード「Women's Lib」、Burt Bacharach/Hal David作の名曲カヴァー「Reach Out For Me」といったバラードも僕好み。

JBファミリーの歌姫のファンキー・ソウル・ワールドを楽しみましょう!

全曲紹介しときやす。

「Think (About It)」
James Brown作。前述のようにUS R&Bチャート第9位のヒットとなったタイトル曲は本作のハイライト。定番サンプリング・ソースとしても大人気えす。本家JB顔負けのファンクスの効いたファンキー・グルーヴで楽しませてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=vCByeJsq65M

Cookie Crew「Females (Get on Up)」、Rob Base & DJ E-Z Rock「It Takes Two」、Roxanne Shante「Go on Girl」、Slick Rick「Children's Story」、Kool Moe Dee「Let's Go」、De La Soul「Jenifa Taught Me (Derwin's Revenge)」Heavy D & the Boyz「You Ain't Heard Nuttin Yet」等2700トラック以上のサンプリング・ソースとなっています。
Cookie Crew「Females (Get on Up)」
 https://www.youtube.com/watch?v=PIUMP9xdpGg
Rob Base & DJ E-Z Rock「It Takes Two」
 https://www.youtube.com/watch?v=phOW-CZJWT0
Roxanne Shante「Go on Girl」
 https://www.youtube.com/watch?v=E1YAqCumPn8
Slick Rick「Children's Story」
 https://www.youtube.com/watch?v=HjNTu8jdukA
Kool Moe Dee「Let's Go」
 https://www.youtube.com/watch?v=J9VO21-fAtE
De La Soul「Jenifa Taught Me (Derwin's Revenge)」
 https://www.youtube.com/watch?v=Mouc6ZE1-UA
Heavy D & the Boyz「You Ain't Heard Nuttin Yet」
 https://www.youtube.com/watch?v=qOn-wtXDERU

「Just Won't Do Right」
James Brown作。JB、1957年のシングル曲を本家JBとのデュエットでカヴァー。彼女のソウル魂を感じるバラード。
https://www.youtube.com/watch?v=mVnhGiVZLCI

「Wheels Of Life」
Joe Valentine/Johnny Terry作。前述のように彼女の1stシングル。70年代というよりも60年代の香りの残るファンキー・ソウル。
https://www.youtube.com/watch?v=lElf_9pd0zM

「Ain't No Sunshine」
Bill Withersのニュー・ソウル・ヒット曲をカヴァー。オリジナルはアルバム『Just as I Am』(1971年)収録。当ブログではBetty WrightHarlem Undergroundのカヴァーも紹介済みです。JBファミリー流のニュー・ソウルを聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=yPS5Ut2oGHE

Method Man and RZA feat. Inspectah Deck, Streetlife and Carlton Fisk「Mr. Sandman」、Ol' Dirty Bastard「Don't U Know」、Ghostface Killah「Cobra Clutch」、Wu-Tang Clan feat. Cappadonna「Windmill」、Rick Ross「Fascinated」等のサンプリング・ソースとなっています。
Method Man and RZA feat. Inspectah Deck, Streetlife and Carlton Fisk「Mr. Sandman」
 https://www.youtube.com/watch?v=kQZo4uOSXpo
Ol' Dirty Bastard「Don't U Know」
 https://www.youtube.com/watch?v=0jeRWpyey1g
Wu-Tang Clan feat. Cappadonna「Windmill」
 https://www.youtube.com/watch?v=n_6d8fGGYlA
Rick Ross「Fascinated」
 https://www.youtube.com/watch?v=uW1njeZOZzI

「Things Got To Get Better」
Alfred Ellis/James Brown作。Marva Whitneyのカヴァー。オリジナルは当ブログでも紹介した『It's My Thing』(1969年)収録。JBファミリーらしいホーン・サウンドが印象的なファンキー・ソウルで楽しませてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=JNQWc0q3mj0

「Never Gonna Give You Up」
Jerry Butler、1968年のヒット・シングルをカヴァー(Kenny Gamble/Leon Huff/Jerry Butler作)。オリジナルはアルバム『The Ice Man Cometh』(1968年)収録。情感豊かに歌われる僕好みのソウル・バラード。
https://www.youtube.com/watch?v=RQr07wDRyyk

「Reach Out For Me」
Dionne Warwickのヒットで知られるBurt Bacharach/Hal David作品をカヴァー。オリジナルはLou Johnsonヴァージョン。当ブログではDionne Warwickをはじめ、Michael HendersonThe Carnivalのカヴァーも紹介済みです。メロウなバッキングで歌われる名曲カヴァー。案外悪くありません。
https://www.youtube.com/watch?v=2ivFQf7KCNQ

Boogie K「Sonríe (What Going on Now)」のサンプリング・ソースとなっています。
Boogie K「Sonríe (What Going on Now)」
 https://www.youtube.com/watch?v=gdB2JYWFYWg

「Women's Lib」
James Brown作。この時代らしいタイトルのソウル・バラード。なかなかいい雰囲気です。
https://www.youtube.com/watch?v=9rKiemF3XnQ

「Fly Me To The Moon」
Bart Howard作のポピュラー・スタンダードをカヴァー(オリジナル・タイトルは「In Other Words」)。当ブログではThe Quiet Nights OrchestraAstrud GilbertoTrio 3DChris Montezのカヴァーを紹介済みです。このスタンダードをこのようなファンキー・ソウルでカヴァーするとは驚きです。曲名知らずに音だけ聴いたら、「Fly Me To The Moon」のカヴァーだと気づかない人も多いのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=eH7gkMolHRE

Public Enemy「Move!」、Intelligent Hoodlum「Party Pack」、The Herbaliser「Up 4 the Get Downs」のサンプリング・ソースとなっています。
Public Enemy「Move!」
 https://www.youtube.com/watch?v=zk5DYT2MLrk
Intelligent Hoodlum「Party Pack」
 https://www.youtube.com/watch?v=zDgK9iqzNqA
The Herbaliser「Up 4 the Get Downs」
 https://www.youtube.com/watch?v=hgYCIPO9LoI

『Check Me Out If You Don't Know Me by Now』(1975年)


同じくJBファミリーの歌姫によるレア・グルーヴ人気作Marva Whitney『It's My Thing』(1969年)もチェックを!

Marva Whitney『It's My Thing』(1969年)
posted by ez at 01:06| Comment(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年01月27日

Basso Valdambrini Quintet『Basso Valdambrini Quintet』

双頭コンボの第一弾☆Basso Valdambrini Quintet『Basso Valdambrini Quintet』
Basso Valdambrini Quintet
録音年:1959年
ez的ジャンル:伊達男ハードバップ
気分は... :Grazie!

今回はGianni Basso(ts)とOscar Valdambrini(tp)の双頭コンボQuintetto Basso-Valdambri『Basso Valdambrini Quintet』(1959年)です。

サックス奏者Gianni Basso(1931-2009年)とトランペット奏者Oscar Valdambrini(1924-1997年)を双頭リーダーにしたイタリアン・ジャズの至宝コンボについて、当ブログで紹介したのは以下の3枚。

 Basso Valdambrini Quintet『Basso Valdambrini Quintet Plus Dino Piana』(1960年)
 Quintetto Basso-Valdambri『Walking in the Night』(1960年)
 Sestetto Basso-Valdambrini『The Best Modern Jazz in Italy 1962』(1962年)

1955年の結成から1973年までイタリアのジャズ・シーンを牽引してきたイタリア・ジャズ界の功労者と呼べるコンボであると同時に、今日のクラブジャズに多大な影響を与えたBasso-Valdambri

クラブジャズ世代からBasso-Valdambriへのリスペクトは、イタリアのクラブジャズ・ブームの立役者であるマエストロNicola ConteがプロデュースしたBasso-Valdambriniへのトリビュート・アルバムSchema Sextet『Look Out』(2000年)に象徴されています。

本作『Basso Valdambrini Quintet』(1959年)は、この双頭コンボの第一弾アルバムとなる作品です。

レコーディング・メンバーはGianni Basso(ts)、Oscar Valdambrini(tp)、Renato Sellani(p)、Giorgio Azzolini(b)、Gianni Cazzola(ds)の5名。

他の作品同様に、今聴いても全く色褪せないスタイリッシュで格好良い演奏に魅了されます。

次作『Walking in the Night』でも演奏していたアフロ・キューバン人気曲「Lotar」をはじめ、「Come Out Wherever You Are」「Parlami D'Amore Mariu'」といったスリリングな演奏に魅了されます。

リリカルなバラード「Everything Happens To Me」、落ち着きが魅力の「Fan-Tan」「Like Someone In Love」、開放的でスタイリッシュな「Gone With The Wind」あたりも僕のお気に入りです。

伊達男たちのハードバップ、格好良すぎます!

全曲を紹介しときやす。

「Come Out Wherever You Are」
Jule Styne作。Basso-Valdambriniの素敵なアンサンブルと共にアルバムは幕を開けます。このコンボらしい格好良いハードバップを堪能できます。
https://www.youtube.com/watch?v=DTsAarcSY08

「Fan-Tan」
Russ Freeman作。落ち着いたオトナ・ジャズといった感じです。Valdambrini〜Basso〜Sellaniと続くソロも紳士な雰囲気でグッド!
https://www.youtube.com/watch?v=Rg6Pa0LqQ8E

「I Wanna Be Kissed」
Harold Spina作。ミュージカル『Good Boy』(1928年)のために書かれた曲をカヴァー。リラックスした演奏で聴く者を和ませてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=qJQ52HI2BL0

「Parlami D'Amore Mariu'」
Cesare Andrea Bixio作。このコンボお得意のスリリングに疾走するアフロ・キューバン調のハードバップが格好良すぎます。
https://www.youtube.com/watch?v=lOVH-qKs368

「Everything Happens To Me」
Matt Dennis作。Frank SinatraをフィーチャーしたTommy Dorsey Orchestraヴァージョンがオリジナル。Chet Baker『It Could Happen To You』(1958年)ヴァージョンでも知られる1曲。Basso-Valdambriniのリリカルなプレイを満喫できるバラード。
https://www.youtube.com/watch?v=9q9GUKiY1o0

「Lo Struzzo Oscar」
Oscar Valdambrini作。Azzoliniのウォーキング・ベースが牽引する緩急をつけた演奏が印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=eQPQ-y41pN0

「Lotar」
Oscar Valdambrini作。前述のSchema Sextetのカヴァーでも知られ、次作『Walking in the Night』でも演奏していたアフロ・キューバン人気曲。あえて比較すれば、スタイリッシュな『Walking in the Night』ヴァージョンに対して、本ヴァージョンはパッションを感じる演奏です。
https://www.youtube.com/watch?v=MrlWFhTM0DE
「Lotar」(From 『Walking in the Night』
https://www.youtube.com/watch?v=RIb36PVE-LU

「Like Someone In Love」
Jimmy Van Heusen作。映画『Belle of the Yukon』(1944年)のために書かれたポピュラー・スタンダードをカヴァー。今聴いても全く古さを感じないこのコンボのセンスの良さを感じる落ち着いた演奏です。
https://www.youtube.com/watch?v=BrPvFMG1ydU

「C'Est Si Bon」
Henri Betti作。フレンチ・ポピュラーのスタンダードをカヴァー。軽やかなスウィングで聴く者の心も軽やかにしてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=3i4xnR8mhJw

「Gone With The Wind」
Mack David/Max Steiner作。開放的でスタイリッシュなアンサンブル、ソロで楽しませてくれるハードバップ。後味スッキリなのがこのコンボの演奏の魅力ですね。
https://www.youtube.com/watch?v=JCDJCZSgHuM

「Ballad Medley(「I Can't Get Started」/「Lover Man」)」
「I Can't Get Started」
Vernon Duke作。バラード・メドレー1曲目はValdambriniのリリシズム溢れるソロに魅了されます。
https://www.youtube.com/watch?v=Q_s8Uk0m9no
「Lover Man」
Jimmy Davis作。バラード・メドレー2曲目はBassoのジェントルなテナーが優しく包み込んでくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=l63-Jh-_wME

「I Can't Get Started」に関して、当ブログではAnita O'DayCybill Shepherdのカヴァーも紹介済みです。
「Lover Man」に関して、当ブログではPatti LaBelleJose JamesMaria Muldaurのカヴァーも紹介済みです。

「Chet To Chet」
Oscar Valdambrini作。ラストはChet Bakerに捧げられた Valdambriniのオリジナルで締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=F8HfgfD4Tus

他のBasso/Valdambrini作品もどうぞ!

『Basso Valdambrini Quintet Plus Dino Piana』(1960年)
Plus Dino Piana

『Walking in the Night』(1960年)
ウォーキング・イン・ザ・ナイト

『The Best Modern Jazz in Italy 1962』(1962年)
バッソヴァルダンブリーニセクステット

『Exciting 6』(1967年)
basso-valdambrini exciting 6.jpg

ご興味がある方は、Basso-Valdambriniへのトリビュート・アルバムSchema Sextet『Look Out』(2000年)も併せてチェックを!

Schema Sextet『Look Out』(2000年)
Look Out
posted by ez at 01:43| Comment(0) | 1950年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年01月26日

Men At Large『One Size Fits All』

Gerald Levert発掘の巨漢デュオの2nd☆Men At Large『One Size Fits All』
One Size Fits All
発表年:1992年
ez的ジャンル:巨漢ユニット系男性R&B/NJS
気分は... :チーフス対バッカニアーズ

NFLはAFC/NFCチャンピオンシップが行われ、チーフスとバッカニアーズがスーパーボウル進出を決めました。

チーフス対ビルズは、QBマホームズが万全ではないにも関わらずチーフスの圧勝でしたね。ビルズは挑戦者の立場であったのに、攻守ともに消極的なプレーコールが少し残念でした。

パッカーズ対バッカニアーズはロジャース対ブレイディのQB対決は見応え十分でしたね。ドルフィンズ・ファンの僕にとって、ペイトリオッツ時代のブレイディはAFC東地区ライバルの憎らしいヒール役と映っていましたが、今季NFCのバッカニアーズに移籍したブレイディに対して、不思議と応援している自分がいます。

ベリチックのペイトリオッツだからこそブレイディは活躍できた!と思っていた人は僕も含めて多かったと思います。しかし、今季ブレイディ抜きのベリチックが指揮するペイトリオッツはシーズンを負け越し、反対にベリチックから離れたブレイディは見事なリーダーシップでバッカニアーズをスーパーボウルへ導くという対照的な結果に終わりました。やはり、トム・ブレイディは凄かった!昨シーズンまでとは手のひら返しで、すっかりブレイディ・ファンになってしまいました。

経験値、タレントの豊富さという点では連覇を狙うチーフスが有利だと思いますが、それを乗り越えて、ブレイディ率いるバッカニアーズが史上初のホーム・スタジアムでのスーパーボウル制覇という瞬間を見てみたいですね。

今回は90年代R&Bファンには懐かしい巨漢デュオMen at Largeの2ndアルバム『One Size Fits All』(1994年)です。

オハイオ州クリーブランドで結成されたJason ChampionDave Tolliverという2人合わせて体重300kg超という巨漢男性R&BデュオMen at Largeの紹介は、デビュー・アルバム『Men At Large』(1992年)に続き2回目となります。

以前にも書きましたが、しばらくMen at Largeの存在を忘却していましたが、『ezが選ぶ2008年の10枚』でもセレクトしたJason Championの素晴らしいソロ・アルバム『Reflections』で彼らのことを思い出し、再注目するようになりました。

Gerald Levertのバックアップによるデビュー・アルバム『Men At Large』(1992年)からは「So Alone」「Use Me」といったR&Bヒットが生まれました。

2ndアルバムとなる本作『One Size Fits All』(1994年)もGerald LevertEdwin NicholasMarc Gordon等のLevert人脈がプロデュースし、内容的には『Men At Large』以上に充実した1枚に仕上がっています。

シングルにもなった「Let's Talk About It」「Holiday」Gerald Levert/Keith Sweatをフィーチャーした話題曲「Don't Cry」、僕好みのミディアム・バラード「Funny Feeling」、ウエディング・ソング「Will You Marry Me」などスロウ/ミディアム系が充実しています。ダンサブルな「Feet Wet」もキャッチーでおススメです。

結果的に本作『One Size Fits All』(1994年)を最後にJason Championがグループを離れてしまいます。残ったDave Tolliverは新メンバーEdgar "Gemini" Poterを迎えてMen at Largeを継続させます。

デビュー・アルバム『Men At Large』ほど注目されなかった1枚ですが、中身の充実度でいえば『Men At Large』を凌ぐ90年代R&B好きにはたまらない1枚です。

全曲紹介しときやす。

「I'm In A Freaky Mood」
Alton "Wokie" Stewartプロデュース。彼らの安定したヴォーカルを活かしたミディアム。当ブログでも紹介したアトランタのR&BグループModest Fokの女性リード・シンガーDebra Killingsがバック・ヴォーカルで参加しています。
https://www.youtube.com/watch?v=H1Tl172vKPo

「Let's Talk About It」
Gerald Levert/Edwin Nicholasプロデュース。シングル・カットされ、US R&Bチャート第16位となりました。ビジュアルからは想像できない爽快ミディアム。2人の素晴らしいヴォーカルを存分に堪能できます。
https://www.youtube.com/watch?v=Tk6AeGfEQCQ

「Holiday」
Gerald Levert/Edwin Nicholasプロデュース。この曲もシングルになりました。オーセンティックな魅力に溢れたミディアム・バラード。彼らのヴォーカルの素晴らしさを実感できる素敵な1曲。
https://www.youtube.com/watch?v=lEl4_DYFDKc

「Good Things Don't Last」
Alton "Wokie" Stewartプロデュース。この時期のR&Bらしい雰囲気の哀愁バラード。
https://www.youtube.com/watch?v=zCXyS01XCxU

「Don't Cry」
Gerald Levert/Keith Sweatをフィーチャーした話題曲。Keith Sweat/H.O.P. Productions(Donald Parks/Emanuel Officer/John Howcott)プロデュース。ゲスト2人が目立ちますが、主役の彼らもそれに負けないヴォーカルを聴かせてくれる絶品スロウに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=TWU3lNZ9x-A

「Feet Wet」
Gerald Levert/Marc Gordon/Jason Champion/David Tolliverプロデュース。僕好みのキャッチーなダンサブル・チューン。ラップ調ヴォーカルも披露してくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=9v3T93-A9ME

「Better Off By Myself」
Alton "Wokie" Stewartプロデュース。スクラッチも織り交ぜたHip-Hop色の強い1曲。アルバムの中のアクセントといった感じでしょうか。
https://www.youtube.com/watch?v=FzX3IOZS7yw

「First Day」
Gerald Levert/Marc Gordon/Jason Champion/David Tolliverプロデュース。実にいい雰囲気のミディアム・グルーヴ。ここでもラップ調ヴォーカルを織り交ぜています。
https://www.youtube.com/watch?v=rJGLGmETnFg

「I Wanna Roll」
Gerald Levert/Edwin Nicholasプロデュース。ジワジワと盛り上げていくミディアム・バラード。
https://www.youtube.com/watch?v=UyoR9A4yGv0

「Funny Feeling」
Gerald Levert/Edwin Nicholasプロデュース。輪郭のはっきりしたサウンドとヴォーカル・ワークが魅力の僕好みのミディアム・バラード。
https://www.youtube.com/watch?v=PapeWLEZejE

「Will You Marry Me」
Gerald Levert/Edwin Nicholas/Jason Championプロデュース。本編ラストはウエディング・ソングのバラードを熱唱します。
https://www.youtube.com/watch?v=_Ua5HTQ7Lq4

「Do Ya」
CDボーナス・トラック。Rude BoysのLarry Marcusプロデュース。本編とは少し異なる雰囲気のソウル/ゴスペル・フィーリングの仕上がり。
https://www.youtube.com/watch?v=hFLzw9k2UCY

Men at Largeの他作品もチェックを!

『Men At Large』(1992年)
Men at Large

『Love Struggle & Progress』(1999年)


『Back On Top Couzan』(2007年)


Men at Large作品とは全くタイプが異なる作品ですが、Jason Champion『Reflections』はぜひチェックして欲しい1枚です。
Jason Champion『Reflections』(2008年)
Reflections
Jason Champion「Find A Reason」
http://www.youtube.com/watch?v=Hhezf-NOcXA
posted by ez at 03:26| Comment(0) | 1990年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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