発表年:2020年
ez的ジャンル:アルゼンチン産エレクトリック・フォルクローレ
気分は... :直感せよ!
新作からアルゼンチンのエレクトリック・フォルクローレ作品、San Ignacio『La Identidad es una Trampa』です。
年末恒例の『ezが選ぶ2020年の10枚』でもFederico Estevez『De Aqui Hasta Aqui』、History of Colour『Antumbra』という2枚のエレクトリック・フォルクローレ作品をセレクトしましたが、本作もそんなエレクトリック・フォルクローレ・シーンの1枚です。
San Ignacioは、Chancha Via Circuito、Barrio Lindo、UJIらと並ぶ現行エレクトリック・フォルクローレ・シーンのキーパーソン。
ちなみに前述のHistory of ColourはBarrio Lindoによるユニット、Federico EstevezはChancha Via Circuitoのバンド・メンバーです。
San Ignacioは、El Remolonと共同運営するレーベルFertil Discosを2014年に設立。。Fertil Discosは一昨年にリリースされた『El Camino de Leda(Un Tributo a Leda Valladares)』で注目され、エレクトリック・フォルクローレ・シーンの今を伝えてくれました。
San Ignacio名義では、これまで『Costa』(2015年)、『Lugares Para Nadar』(2017年)という2枚のアルバムをリリースしています。
そして、最新作『La Identidad es una Trampa』では、唯一無二のメディテーショナルでダウンテンポ・スタイルのエレクトリック・フォルクローレを聴かせてくれます。
アルバムには、アルゼンチンのフォルクローレ・シンガーLola Bhajan、ブラジル人プロデューサーProjeto Mujique、El Buho(History of Colour)のアルバム『Ramas』にも参加していたRumbo Tumba、イタリア人マルチメディア・アーティストLorenzo Commissoのトロピカル・ミュージック・プロジェクトMr. Island、前述のFertil Discosの共同運営者El Remolon、ブラジリアン・ロック・バンドTitasの元メンバーであり、Marisa Monte、Carlinhos Brownとのスーパー・トリオTribalistasでも知られるArnaldo Antunesといったアーティストがフィーチャーされています。
これまで紹介してきたエレクトリック・フォルクローレには、ダンス・ミュージックのエッセンスも含まれていましたが、本作はより内省的でメディテーショナルです。
目を閉じて、瞑想モードで聴くとハマるエレクトリック・フォルクローレです。
全曲紹介しときやす。
「Esto No Es Un Poema」
辺境の奥地へ向かっていくような気分になるオープニング。本作らしいメディテーショナルな音世界を満喫できます。
https://www.youtube.com/watch?v=YD9Z0B6bltY
「Dejenme Gozar」
Lola Bhajanをフィーチャー。近未来の古代文明(なんじゃそりゃ!)へタイムスリップといった雰囲気の南米エレクトロニカ。
https://www.youtube.com/watch?v=au5R5wdh_bU
「O Bem」
Projeto Mujiqueをフィーチャー。本作らしいダウナーなエレクトリック・フォルクローレ。神秘的でダークな音世界に引き込まれます。
https://www.youtube.com/watch?v=6O3vE7GGwJM
「Y Pobre de mi」
古代文明の宗教的儀式の場にいるような神秘的でメディテーショナルなエレクトリック・フォルクローレ。
https://www.youtube.com/watch?v=TAtdBEFV2U8
「(Antes del gobierno popular, un soolo duenno; despuees del gobierno popular, muchos duennos)」
Rumbo Tumbaをフィーチャー。伝統的フォルクローレとエレクトロニカの融合が生みだした孤高のエレクトリック・フォルクローレ。
https://www.youtube.com/watch?v=ZaXrf9zLiUA
「Perrear en tu casa tranqui no es la revolucioon, pero podría predisponerte a ella」
Mr. Islandをフィーチャー。エクスペリメンタルな南米エレクトロニカを聴いていると、何故か心が「無」になっていきます。
https://www.youtube.com/watch?v=ViDEz_OfUGY
「Yo tambien quiero, como vos, canchas de fuutbol abandonadas en donde paste el ganado, y patrulleros abandonados en la playa, a punto de ser integrados por la arena y el sol」
El Remolonをフィーチャー。他にも長い曲名のトラックがありますが、本トラックはその極めつけです。多分、当ブログで紹介した曲タイトルで最長だと思います。サウンドスケープ的な南米エレクトロニカ。今、NHKの『おやすみ日本』を観ながら記事を書いていますが、眠いいね!モードにフィットする1曲かもしれません。
https://www.youtube.com/watch?v=2ydrJ_UAk_E
「Cerrar los ojos y ver casitas」
メディテーショナルなエレクトリック・フォルクローレ。聴いていると、穢れが取り払われていくような気分になります。
https://www.youtube.com/watch?v=c8gwX1gZs4k
「Esto no es un poema」
Arnaldo Antunesをフィーチャー。Arnaldo Antunesの囁きと孤高のエレクトリック・フォルクローレがよくマッチしています。
https://www.youtube.com/watch?v=vR5xbNG3z88
Various『El Camino de Leda(Un Tributo a Leda Valladares)』(2019年)
Federico Estevez『De Aqui Hasta Aqui』(2020年)
History of Colour『Antumbra』(2020年)