2021年02月09日

David T. Walker『Plum Happy』

名ギタリストによるファンキー・グルーヴ☆David T. Walker『Plum Happy』
david t walker plum Happy.jpg
発表年:1970年
ez的ジャンル:名ギタリスト系ファンキー・グルーヴ
気分は... :バッカニアーズ完勝!

NFLスーパーボウルは予想外の展開でバッカニアーズがチーフスを相手に完勝し、ブレイディ劇場を有終の美で終えました。

バッカニアーズを応援していましたが、まさかチーフス相手にTDゼロに抑えることは全く予想できませんでしたね。

チーフスの不調は、マホームズがケガの影響で万全でなかったことも大きな要因ですが、それ以上にケガ人続出で急ごしらえとなったオフェンス・ラインの崩壊が大きかったですね。アメフトはいかにラインの攻防が大切かを思い知らされるゲームになりましたね。

それにしても、7回目のチャンピオン・リングを獲得したブレイディは持っている男ですね。来年の現役続行も表明したし、来シーズンのバッカニアーズも楽しみですね。

音楽面でも毎回話題になるスーパーボウルですが、今回はH.E.R.の愛国歌「America The Beautiful」が良かったですね。

さて、今回は超売れっ子セッション・ギタリストDavid T. Walkerの3rdソロ・アルバム『Plum Happy』(1970年)です。

David T. Walkerは1941年オクラホマ州タルサ出身。

60年代からソウル/R&B/ファンク作品を中心に数多くのレコーディングに参加してきた名セッション・ギタリスト。

調べたら、当ブログで取り上げた作品でも最低50作品以上にDavid T. Walkerが参加しています。

そんな名セッション・ギタリストのDavid T. Walkerですが、自身名義のアルバムも約20枚リリースしています。

本作『Plum Happy』(1970年)は、『The Sidewalk』(1967年)、『Going Up!』(1969年)に続く3rdソロ・アルバム。

ジャケの雰囲気で分かるように、サイケデリック・ロック/フラワー・ムーヴメントの影響を受けたファンキー・グルーヴが魅力の1枚です。

プロデュースはDavid T. WalkerHosea Wilson

レコーディングにはDavid T. Walker(g)、Tracy Wrigh(b)、Al Edmond(ds)、John Barnes(p)、Buzz Cooper(per)、Richard Waters(timbales)等のミュージシャンが参加しています。

サイケなファンク・ロック「Doo Doo」、インド音楽の影響を感じるジャズ・ロック「Plum Happy」Bob Dylanの名曲をカヴァー「Lay Lady Lay」、男女コーラス入りのエキサイティングなファンキー・グルーヴ「Love Vibrations」あたりが僕のおススメ。

CDは日本独自のレコード盤起こしのため、正直音質は悪いですが、そんなマイナス要素を聴いているうちに忘れさせてくれるDavid T. Walkerのファンキー・ギターを楽しみましょう!

全曲紹介しときやす。

「Doo Doo」
David T. Walker作。ドラッグの隠語を示すタイトルのオープニング曲。David本人の意図としてはアンチ・ドラッグの意味合いがあるらしいです。この時代らしいサイケ・フィーリングのファンク・ロック・グルーヴ。Davidのトリッピンなギターが格好良すぎます。

「Oh Happy Day」
有名なゴスペル・ソングをカヴァー。ソウルフルな味わいのDavidのギターとうねるTracy Wrighのベースの絡みがいい感じです。ワウペダルによるアクセントもグッド!
https://www.youtube.com/watch?v=R27OCSlBpKw

「Come Together」
The Beatlesの名曲カヴァー(John Lennon/Paul McCartney作)。お馴染みの名曲を本作らしいサイケ・ロックなファンキー・チューンで楽しませてくれます。

「Lay Lady Lay」
Bob Dylanの名曲をカヴァー。オリジナルは『Nashville Skyline』(1969年)に収録されています。当ブログでは『Hard Rain』収録のDylanのライブ・ヴァージョンやThe Isley BrothersCassandra Wilsonのカヴァーを紹介済みです。Dylanの名曲の素晴らしさをDavidのギターで魅せる素敵なメロウ・グルーヴに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=Jowpw3tmPy0

Pete RockプロデュースのINI「What You Say」のサンプリング・ソースにもなりました。
INI「What You Say」
 https://www.youtube.com/watch?v=aTWeJjGPD1c

「Plum Happy」
David T. Walker作。タイトルにはPerfectly Trueの意味があるらしいです。インド音楽の影響を感じるジャズ・ロック的な演奏です。シタール風のギターはGabor Szaboあたりを意識したのかもしれませんね。

「Blues For My Father」
David T. Walker作。タイトルの通り、典型的なブルース演奏です。Davidのギターを味わうという意味ではいいのでは?

「Listen To The Sun」
David T. Walker作。ジャズ・フィーリングのメロウな演奏。John Barnesのピアノもいい感じです。
https://www.youtube.com/watch?v=Eo5HFV3N8fI

「Love Vibrations」
Godoy Colbert作。僕の一番のお気に入り。男女コーラス入りのエキサイティングなファンキー・グルーヴ。Davidのギターも絶好調です。レア・グルーヴ好きの人も気に入るはず!
https://www.youtube.com/watch?v=ACBb5dv1DBk

David T. Walkerの他の初期リーダー作もチェックを!

『The Sidewalk』(1967年)


『Going Up!』(1969年)


『David T. Walker』(1971年)


『Press On』(1973年)


『On Love』(1976年)
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2021年02月08日

Identity Crisis『The Spanish Afro』

ヒスパニック系によるアーバンR&B☆Identity Crisis『The Spanish Afro』

発表年:1994年
ez的ジャンル:L.A.ヒスパニック系R&Bグループ
気分は... :いよいよスーパーボウル

今回は90年代R&BからIdentity Crisis『The Spanish Afro』(1994年)です。

Identity CrisisLuis Spice Santiago(vo、b)、Elzie Z Gatson(vo、congas、per)、Daniel Doom Bejarano(ds、per、prog)、Darryl Stogie Walker(vo、sax、per)、Romeo Brune(g、vo)、Eduardo Salo Loyo(key、vo)という6人組。

詳しいプロフィールは不明ですが、ジャケに写るメンバーやその名前からヒスパニック系メンバーを中心としたL.A.のグループだと思います。

そんなグループ唯一のアルバムがTabu Recordsからリリースされた本作『The Spanish Afro』(1994年)です。

ヒスパニック系メンバーが多く、ラテン色の強いサウンドをイメージするかもしれません。確かに、そういった楽曲も何曲かありますが、アルバム全体としてはアーバンなR&B作品といった印象です。80年代にTabu Recordsからリリースされたブラコン作品のテイストを受け継いだ楽曲も多いのが魅力です。

本作が中古CDショップで僕のアンテナに引っ掛かったのも裏ジャケでTabuのロゴを見つけたからです。

プロデュースはR&Bファンにお馴染みのChristopher TroyZac Harmonのコンビ。

レコーディングにはメンバー以外にChristopher Troy(key、el-p、syn、prog、b)、Zac Harmon(key、per、prog、back vo)、Ocasio(rap)、Victor Pontoja(per、congas、timbales、back vo)、The Funkytown Pros(beats)、Louie Rankin(rap)、Valerie Davis(back vo)、Machito Sanchez(per)、Jonathan Slim Fast Rax(back vo)、Felix Gonzalez(back vo)、Kevin Ricard(congas、timbales)、Alex Al(b)、Ndugu(per)、Munyungo Jackson(timbales)といったミュージシャンが参加しています。

僕のおススメはシングルにもなった「Te Necesito」「Come to Me」「Kiss and Make Up」という80年代ブラコンの香りのする3曲。特に「Te Necesito」は名曲だと思います。

アーバンR&Bグルーヴ「Summer」、シングル曲にもなったSly & The Family Stoneのカヴァー「Sing a Simple Song (Old School Flavor)」、完全にラテン・モードの「Somos Hermanos」あたりもいいですね。

ラテン/ヒスパニックという先入観なしにアーバン・メロウなR&Bとして聴くと楽しめるはずです。

全曲紹介しときやす。

「The Spanish Afro」
Elzie Z Gatson/Don Reed/Luis Spice Santiago/Christopher Troy/Zac Harmon作。タイトル曲はグルーヴィーなHip-Hopチューン。ラテン・タッチのピアノ、ロッキン・ギターが印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=xsMw_nO5jwM

「Sing a Simple Song (Old School Flavor)」
Sly & The Family Stoneのカヴァー(Sylvester "Sly Stone" Stewart作)。シングル・カットもされました。お馴染みのファンク・ロック名曲をオリジナルに近い雰囲気のヘヴィなファンク・ロックで聴かせてくれます。軽くラテンを効かせているのがこのユニットらしさです。
https://www.youtube.com/watch?v=e_N1gDocfJM

「Island Girl」
Daniel Doom Bejarano/Leonard Ford/Christopher Troy/Zac Harmon作。これはレゲエ/ラガ×メロウ・グルーヴな仕上がり。ジェントル・ヴォーカルとダミ声ラガのコントラストが印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=prNlkh_0cvE

「Te Necesito」
Elzie Z Gatson/Luis Spice Santiago/Christopher Troy/Zac Harmon作。シングル・カットもされた超おススメ曲。80年代ブラコン・テイストのメロウ・バラード。ブラコン好きの人であれば気に入るであろうファルセット・ヴォーカルが映える胸キュンの仕上がりです。
https://www.youtube.com/watch?v=EbQBi1qLRUk

「Come to Me」
Romeo Brune/Elzie Z Gatson/Christopher Troy/Zac Harmon作。ファルセット・ヴォーカルが優しく包み込むビューティフルなスロウ。80年代のJam & Lewisプロデュース曲のような魅力があります。
https://www.youtube.com/watch?v=tmrc2FAHanI

「Honey」
Luis Spice Santiago/Christopher Troy/Darryl Stogie Walker/Zac Harmon作。ファンクネスを効かせたヘヴィ・ビートが印象的なダンサブル・チューン。
https://www.youtube.com/watch?v=TPj1tYoMM54

「Summer」
Christopher Troy/Zac Harmon作。ムーディーなサックスが先導するアーバンR&Bグルーヴ。なかなかいい雰囲気です。
https://www.youtube.com/watch?v=0p0yOE_I4Js

「Kiss and Make Up」
Christopher Troy/Zac Harmon作。本作らしいファルセット・ヴォーカルによるメロウ・バラード。曲調・サウンド・コーラス共に80年代ブラコンの香りがします。
https://www.youtube.com/watch?v=Kj5KpJ0kgE0

「I've Got What You Need」
Christopher Troy/Zac Harmon作。ジャジー・フィーリングのメロウ・ミディアム。
https://www.youtube.com/watch?v=Xa4h2LXXiVk

「Somos Hermanos」
Christopher Troy/Zac Harmon/Ocasio作。この曲に限っては歌詞もスパニッシュの完全なラテン・モードの仕上がり。ラテン・ロック/ラテン・ファンク好きの方向けの1曲。
https://www.youtube.com/watch?v=T3_jLehkH34

「Sing a Simple Song (New School Flavor Remix)」
「Sing a Simple Song」のリミックス。Hip-Hopビートを効かせたフロア仕様のリミックスに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=K8PiVYkss9I

いよいよスーパーボウルですね!
今日は夜ふかしせずに早く寝て、万全の体調でスーパーボウル生中継を観戦したく思います。

初めてブレイディを応援するスーパーボウル。
挑戦者の立場で王者チーフスの連覇を阻止してほしいですね。

最後、ブレイディからグロンコウスキーへ逆転TDパス!なんて劇的ドラマが生まれるかも?
posted by ez at 00:23| Comment(0) | 1990年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年02月07日

The Jahari Massamba Unit『Pardon My French』

Madlib×Karriem Rigginsによるジャズ・ユニット☆The Jahari Massamba Unit『Pardon My French』

発表年:2020年
ez的ジャンル:最新型ブラック・ジャズ
気分は... :下手なフランス語ですみません!

新作アルバムから人気Hip-HopアーティストMadlibKarriem Rigginsと組んだユニットThe Jahari Massamba Unitの初アルバム『Pardon My French』です。

Madlib(本名:Otis Jackson Jr.)に関して、当ブログでは以下の8作品を紹介済みです。

 Yesterdays New Quintet『Angles Without Edges』(2001年)
 Madlib『Shades Of Blue』(2003年)
 Jaylib『Champion Sound』(2003年)
 Yesterdays New Quintet『Stevie』(2004年)
 Sound Directions『The Funky Side Of Life』(2005年)
 Talib Kweli & Madlib『Liberation』(2007年)
 Jackson Conti『Sunjinho』(2008年)
 Quasimoto『Yessir, Whatever』(2013年)

Hip-Hopアーティストであると同時に、ジャズに強い愛着を持ち、マルチプレイヤーぶりを発揮しながら架空ジャズ・ユニットYesterdays New Quintet(YNQ)でHip-Hop経由のジャズ作品をリリースしてきたMadlib

そんなMadlibが今回タッグを組んだのがKarriem RigginsMadlibと同じくHip-Hopプロデューサー/トラックメイカーとジャズ・ドラマーという二刀流で活躍するアーティストですね。

ユニット名については、かつてMadlibが用いていたThe Jahari Massamba Unitの名を復活させています。

こうしてレコーディングされたのが本作『Pardon My French』です。

アルバム全体としては、ジャズ、ワールド、Hip-Hop、ソウル/ファンクなどを昇華させたブラック・ジャズといった印象です。

Pharoah SandersHerbie HancockLonnie Liston Smithあたりの影響を感じる演奏を楽しめます。

スピリチュアル・ジャズ、アフロ・ジャズ、フリー・ジャズ、ジャズ・ファンク、新主流派ジャズなど過去のジャズ・スタイルをHip-Hopプロデューサー/トラックメイカーの感性とジャズ・ミュージシャンとしての衝動でアップデートさせている感じが魅力です。

アルバム・タイトルやジャケのセンスも含めて僕好みの1枚に仕上がっています。

全曲紹介しときやす。

「Je Prendrai Le Romanee-Conti (Putain De Leroy)」
フリー・ジャズな短い演奏がオープニング。ドラム、サックス等がフリーキーに鳴り響きます。
https://www.youtube.com/watch?v=LtFOI1vXSIY

「Les Jardins Esmeraldins (Pour Caillard)」
1分15秒に満たない演奏ですが、壮大な音世界を感じる演奏です。
https://www.youtube.com/watch?v=d6WkinG_iTY

「Un Bordeaux Pre-Phylloxera (Pour Le Riche Encule)」
Pharoah Sandersあたりを意識したであろうスピリチュアル・ジャズ。Pharoah Sanders好きの僕としては嬉しい1曲。
https://www.youtube.com/watch?v=DWeDloOjoyQ

「Deux Fakes Jayers (Aussi Pour Le Riche Encule)」
コズミックなブラック・スピリチュアル・ジャズ。女性のヴォイスもコズミック・フィーリングを高めてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=3g6cQ2mEXR8

「Riesling Pour Robert」
演奏の格好良さで言えば、コレが一番かもしれませんね。Karriemの叩き出す硬質なビートがメチャ格好良すぎです!この二人の共演であれば、こういうジャズを期待してしまいます。
https://www.youtube.com/watch?v=FmaRE6qPce8

「Du Morgon Au Moulin-A-Vent (Pour Duke)」
ヴィブラフォンの音色が印象的です。前半は60年代のBobby HutchersonHerbie Hancock等の新主流派ジャズを意識したような演奏です。中盤からは一気に加速したリズミックでトライバルな演奏へ変貌します。
https://www.youtube.com/watch?v=u56HJsbZ2rw

「Trou Du Cul (Ode Au Sommelier Arrogant)」
アフロ・リズムで突き抜ける短い尺のトライバルな演奏です。
https://www.youtube.com/watch?v=CH1clAUL6tg

「Etude Montrachet」
コズミック・ファンク×スピリチュアル・ジャズな演奏です。このユニットの世界観を感じれる音なのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=y5WVpPiwmq0

「Le Feu (Pour Belluard)」
30秒強の短い演奏ですが、Lonnie Liston Smith的な魅力があります。
https://www.youtube.com/watch?v=VZwO1DO4dr4

「Merde (Basse-cour)」
ドラム・ブレイクと共に始まります。Hip-Hop的なコズミック・ジャズはこのユニットらしい演奏だと思います。
https://www.youtube.com/watch?v=R0Yxz11C1-8

「Inestimable Le Clos」
クラヴィネットが唸りを上げるアッパー&トライバルな演奏です。現代ビートミュージックをミニマル感覚のジャズに仕上げています。
https://www.youtube.com/watch?v=rkMkbMXwcb8

「La Closerie (Pour Prevost)」
ブラックスプロイテーション・サントラ調のスリリングな演奏はモロに僕好み。2分強の演奏ですが、もっと長尺で聴きたいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=v-8SPsdYxR4

「Hommage A La Vielle Garde (Pour Lafarge Et Rinaldi)」
ラストはHip-Hop経由のジャズ・ミュージシャンらしいビートで締め括ってくれます。適度なメロウネスもいい感じです。
https://www.youtube.com/watch?v=jyANKtmmzbg

Madlib関連の過去記事もチェックを!

Yesterdays New Quintet『Angles Without Edges』(2001年)
Angles Without Edges by Yesterdays New Quintet (2001-05-03)

Madlib『Shades Of Blue』(2003年)
Shades of Blue

Jaylib『Champion Sound』(2003年)
Champion Sound

Yesterdays New Quintet『Stevie』(2004年)
Stevie: Instrumental Tribute to Stevie Wonder

Sound Directions『The Funky Side Of Life』(2005年)
Funky Side of Life

Talib Kweli & Madlib『Liberation』(2007年)
Liberation

Jackson Conti『Sunjinho』(2008年)
Sujinho

Quasimoto『Yessir, Whatever』(2013年)
Yessir Whatever
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2021年02月06日

Ladi6『Time Is Not Much』

NZのクロスオーヴァーな歌姫☆Ladi6『Time Is Not Much』

発表年:2008年
ez的ジャンル:NZ産クロスオーヴァー
気分は... :ロココ・バジリスク

今回はNZ産クロスオーヴァーからLadi6『Time Is Not Much』(2008年)です。

Ladi6(本名:Karoline Tamiti)は1982年ニュージーランド、クライストチャーチ生まれ。

ガール・ヒップホップ・ユニットSheelahroc、ヒップホップ・ソウル・バンドVerse Twoで活躍した後、本作『Time Is Not Much』(2008年)でソロ・デビュー。

その後、『The Liberation Of...』(2010年)、『Automatic』(2013年)といったアルバムをリリースしています。

当ブログで紹介したアーティストであれば、NZを代表するレゲエ/ダブ・バンドFat Freddy's Dropのアルバムにも参加しています。

さて、初ソロ・アルバムとなる本作『Time Is Not Much』(2008年)ですが、Hip-Hop、ソウル/R&B、レゲエ/ダブ/ラガを融合させたクロスオーヴァー作品に仕上がっています。

プロデュースは彼女の良きパートナーParksFat Freddy's DropMuDJ Fitchie)。

レコーディングにはFat Freddy's Dropのメンバーや関連ミュージシャンも参加しています。

必ずしもキャッチーなアルバムではないかもしれませんが、Fat Freddy's Dropをはじめ、NZ産クロスオーヴァーがお好きな人であれば楽しめる1枚だと思います。

全曲紹介しときやす。
※盤によって曲順、ボーナス・トラックが異なるのでご注意を

「Walk Right Up」
レゲエ/ダブなオープニング。モロにレゲエではなくてクロスオーヴァー感覚なのがNZのアーティストらしいですね。Fat Freddy's Dropあたりがお好きな人であれば気に入るのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=iKuUMPGwhuM

「So Far」
乾いたビートが印象的なソウルフル・チューン。途中MC調のヴォーカルも聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=n9qpXyEp5YA

「Question?」
ナチュラルな質感がいい感じの哀愁ソウル。少し憂いを帯びたヴォーカルがフィットしています。
https://www.youtube.com/watch?v=PCZJD-JXUKs

「Danger Part2」
国内盤ボーナス・トラック。Verse Two時代の楽曲。レゲエ×Hip-Hopの哀愁トラック。ダーク&クールな雰囲気がいいですね。

「Down And Out」
ダウナーな哀愁ミディアム・ソウル。スタジオ・ライヴのような臨場感があっていいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=VGIZ1GoVh1M

「Give Me The Light」
Hip-Hop×ラガな仕上がり。こういうのがLadi6らしいスタイルなのかもしれません。
https://www.youtube.com/watch?v=M23LStHVCmQ

「Call You Out」
ビートの効いたソウル・グルーヴですが、ラップによるアクセントも含めてクロスオーヴァー感覚なのがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=2J1nlw15ZFw

「Time Is Not Much (Boogie's Interlude)」
アコギとローズのみのバックでLadi6のヴォーカルもサウンドに溶け込んでいます。
https://www.youtube.com/watch?v=1cGAHgdwVg8

「Dark Brown」
Parksのトラック・メイカー的センスを楽しめる1曲。ローファイな魅力があります。
https://www.youtube.com/watch?v=c61Mi0Sog1I

「Believe Me」
ムーグを効かせたファンクネス・トラックと少しダークなLadi6のヴォーカルがよくフィットしています。
https://www.youtube.com/watch?v=h9HVVu0E48Q

「Jacknife」
レゲエ/ダブ×ファンク×Hip-Hopなクロスオーヴァー感覚のダークなエレクトリック・ソウル。
https://www.youtube.com/watch?v=QSOA0zrAOo4

「Gold」
国内盤ボーナス・トラック。Verse Two時代の楽曲。生音バンドによるメロウR&B×Hip-Hopな仕上がり。
https://www.youtube.com/watch?v=-RBVQNXQZn0

「More Than Fake」
Hip-Hop調のクロスオーヴァー。本編の後にしばらく空白があり、隠れトラックが収録されています。
https://www.youtube.com/watch?v=zK-QuzBDlfA

ご興味がある方はLadi6の他作品もチェックを!

『The Liberation Of...』(2010年)


『Automatic』(2013年)
posted by ez at 02:16| Comment(0) | 2000年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年02月05日

The Emotions『Untouched』

大人気「Blind Alley」収録☆The Emotions『Untouched』
アンタッチド
発表年:1972年
ez的ジャンル:姉妹ソウル・グループ
気分は... :"Stax版Supremes!

Hutchinson姉妹による女性ソウル・ヴォーカル・グループThe Emotions『Untouched』(1972年)です。

The Emotionsについて、これまで当ブログで紹介したのは以下の3枚。

 『Flowers』(1976年)
 『Rejoice』(1977年)
 『Sincerely』(1984年)

彼女たちの場合、Earth,Wind & Fire/Kalimba Productionのバックアップでキャリアの絶頂期であった70年代後半のColumbia時代の華やかさが目立ちますが、"Stax版Supremes"と称された70年代前半のStax/Volt時代もレア・グルーヴ方面から再評価されていますね。

今回紹介する『Untouched』(1972年)は、そんなStax/Volt時代を代表するアルバムであり、『So I Can Love You』(1969年)に続く彼女たちの2ndアルバムとなります。

本作におけるメンバーはWanda HutchinsonSheila HutchinsonTheresa Davisの3名。Jeanette Hutchinsonが結婚して一時期抜けていた時期であり、代役として従姉妹のTheresa Davisがグループに加入しています。

メイン・プロデュースはRonnie Williams/David Porter
それ以外にIsaac HayesDon Davisがプロデュースを手掛けています。

本作といえば、定番サンプリング・ソースとして大人気の「Blind Alley」がハイライトですね。

それ以外にメロウな「Take Me Back」、クラヴィネットが印象的な「Boss Love Maker」、グルーヴィー・ソウル「Love Is The Hardest Thing To Find」、イナたいソウル・グルーヴ「If You Think It (You May As Well Do It)」あたりが僕のおススメです。

この時代ならではの"Stax版Supremes"なThe Emotionsを満喫しましょう!

全曲紹介しときやす。

「Take Me Back」
Ronnie Williams/David Porterプロデュース。メロウな魅力に満ちた僕好みのミディアムがオープニング。
https://www.youtube.com/watch?v=xABoIol3CX0

Ghostface Killah feat. Jacki-O「Tooken Back」のサンプリング・ソースとなっています。
Ghostface Killah feat. Jacki-O「Tooken Back」
 https://www.youtube.com/watch?v=YObYyosIQw4

「Nothing Seems Impossible」
Ronnie Williams/David Porterプロデュース。緩急のアクセントが絶妙なメロウ・ソウル。しっとりとグルーヴィーのコントラストがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=jDbDNP1zQAg

J Dilla feat. Ta'Raach and Exile「Say It」のサンプリング・ソースとなっています。
J Dilla feat. Ta'Raach and Exile「Say It」
 https://www.youtube.com/watch?v=EUiKsf8x-UM

「Boss Love Maker」
Ronnie Williams/David Porterプロデュース。クラヴィネットの響きが印象的なミディアム・グルーヴ。息の合ったコーラスワークでも楽しませてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=ut9DSbxL674

Rapsusklei feat. Juaninacka「Boss」のサンプリング・ソースとなっています。
Rapsusklei feat. Juaninacka「Boss」
 https://www.youtube.com/watch?v=aE_dBWBxN50

「It's Been Fun」
Ronnie Williams/David Porterプロデュース。ヤングソウル好きの人も気に入りそうなポップなソウル・グルーヴ。
https://www.youtube.com/watch?v=bbRKOQD6pic

「Love Ain't Easy Onesided」
Isaac Hayes/David Porterプロデュース。ハイ・トーン・ヴォーカルが映えるミディアム・ソウル。
https://www.youtube.com/watch?v=isaOXk9cWDE

「Blind Alley」
Ronnie Williams/David Porterプロデュース。本作のハイライト。再評価の高いメロウ・ソウル・グルーヴ。彼女たちのキュートな魅力が弾けます。
https://www.youtube.com/watch?v=Eg_RR0CO-N8

定番サンプリング・ソースとして大人気です。Big Daddy Kane「Ain't No Half-Steppin'」
Das EFX「Klap Ya Handz」、Redman「Redman Meets Reggie Noble」、EPMD「Brothers From Brentwood L.I.」、The Pharcyde「4 Better or 4 Worse」、Mariah Carey「Dreamlover」、LL Cool J「Pink Cookies in a Plastic Bag Getting Crushed by Buildings」、Smif-N-Wessun「Wrekonize」Gang Starr「Comin' for Datazz」、Craig Mack「Funk Wit Da Style」、Brand Nubian feat. Busta Rhymes「Alladat」、A Tribe Called Quest feat. Consequence「Phony Rappers」、112「In Love With You」、Pete Rock feat. C.L. Smooth「Da Two」等170トラック以上のサンプリング・ソースとなっています。
Big Daddy Kane「Ain't No Half-Steppin'」
 https://www.youtube.com/watch?v=wTCGw0wizRo
Das EFX「Klap Ya Handz」
 https://www.youtube.com/watch?v=GA6BhMa2gd8
Redman「Redman Meets Reggie Noble」
 https://www.youtube.com/watch?v=0nGpQmVMueE
EPMD「Brothers From Brentwood L.I.」
 https://www.youtube.com/watch?v=UikHOjWoYL8
The Pharcyde「4 Better or 4 Worse」
 https://www.youtube.com/watch?v=49PQ75u6WTQ
Mariah Carey「Dreamlover」
 https://www.youtube.com/watch?v=CqBtS6BIP1E
LL Cool J「Pink Cookies in a Plastic Bag Getting Crushed by Buildings」
 https://www.youtube.com/watch?v=8arEbwctrh0
Smif-N-Wessun「Wrekonize」
 https://www.youtube.com/watch?v=9fzt4Mt8DmU
Gang Starr「Comin' for Datazz」
 https://www.youtube.com/watch?v=6B-beueejuU
Craig Mack「Funk Wit Da Style」
 https://www.youtube.com/watch?v=1n52zvld36A
Brand Nubian feat. Busta Rhymes「Alladat」
 https://www.youtube.com/watch?v=PlhOwhljE5M
A Tribe Called Quest feat. Consequence「Phony Rappers」
 https://www.youtube.com/watch?v=n0ut_iFMT10
112「In Love With You」
 https://www.youtube.com/watch?v=OslF9mdPhKQ
Pete Rock feat. C.L. Smooth「Da Two」
 https://www.youtube.com/watch?v=tg5ROmK0zG4

「Show Me How」
Isaac Hayes/David Porterプロデュース。1971年にシングル・リリースされ、US R&Bチャート第13位となっています。ちょっぴり切ないメロウ・バラードです。
https://www.youtube.com/watch?v=2mN5G0W6MpQ

「If You Think It (You May As Well Do It)」
Ronnie Williams/David Porterプロデュース。この曲も1971年にシングル・リリースされています。イナたいソウル・グルーヴですが、女性コーラス・グループらしいキュートなヴォーカル・ワークで魅せてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=cLbHtxyY3yg

Raekwon feat. Ghostface Killah and Nas「Verbal Intercourse」、Mentispesse「Sulla Strada (I Wanna Go On)」、Shyne feat. Foxy Brown「The Gang」、Snoh Aalegra「Emotional」のサンプリング・ソースとなっています。
Raekwon feat. Ghostface Killah and Nas「Verbal Intercourse」
 https://www.youtube.com/watch?v=g4s6QAF5RAY
Mentispesse「Sulla Strada (I Wanna Go On)」
 https://www.youtube.com/watch?v=j5yTbxe8Cmw
Shyne feat. Foxy Brown「The Gang」
 https://www.youtube.com/watch?v=0MqDj_ozVpE

「Love Is The Hardest Thing To Find」
Ronnie Williams/David Porterプロデュース。クラヴィネットがリードする僕好みのグルーヴィー・ソウル。彼女たちのキュートな魅力を満喫できます。
https://www.youtube.com/watch?v=H62MHP63W_o

「Tricks Were Made For Kids」
Don Davisプロデュース。Phillip Mitchell作。少しイナたいソウル・バラード。
https://www.youtube.com/watch?v=B4xw1XLmej0

「Boy, I Need You」
Ronnie Williams/David Porterプロデュース。ラストはキュートなグルーヴィー・ソウルで締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=bVJGXc-55f8

The Emotionsの他作品もチェックを!

『So I Can Love You』(1969年)
ソー・アイ・キャン・ラヴ・ユー

『Flowers』(1976年)
Flowers

『Sunshine』(1977年)


『Rejoice』(1977年)
リジョイス(紙ジャケット仕様)

『Sunbeam』(1978年)
SUNBEAM

『Come Into Our World』(1979年)
Come Into Our World: Expanded Edition

『New Affair』(1981年)
NEW AFFAIRS

『Sincerely』(1984年)
Sincerely
posted by ez at 00:55| Comment(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする