録音年:1964年
ez的ジャンル:USボッサ・ジャズ
気分は... :深化or探索?
今回は60年代ボッサ・ジャズからClare Fischer『So Danco Samba』(1964年)です。
Clare Fischer(1928–2012年)はミシガン州デュランド出身のピアニスト/バンド・リーダー/アレンジャー/コンポーザー。
60年代から2012年に逝去するまでにコンスタントにアルバムをリリースし、グラミーにも13回ノミネートされ、3回受賞しています。
それまでもBud Shankとの共演作『Bossa Nova Jazz Samba』(1962年)をはじめ、ボサノヴァに傾倒してきたClare Fischerですが、本作はタイトルからもイメージできるようにAntonio Carlos Jobim作品を中心としたボッサ・ジャズ作品です。
レコーディング・メンバーはClare Fischer(p、org)、Dennis Budimir(g)、Bob West(b)、Colin Bailey(ds)
「So Danco Samba」、「Desafinado」、「Quiet Nights (Corcovado)」、「Girl From Ipanema」、「How Insensitive」、「One Note Samba」等のJobim名曲を躍動するジャズ・サンバやエレガントなボッサ・ジャズで聴かせてくれます。
また、「Pensativa」、「Ornithardy」等のオリジナルもJobim名曲に引けを取らない素敵な仕上がりです。
ピアノ・トリオでなくギターも加わった編成によるサウンド・センスの良さも光ります。
単なるJobimカヴァー集ではないプラスαの魅力を持った1枚だと思います。
全曲紹介しときやす。
「So Danco Samba」
Antonio Carlos Jobim作。躍動感の中にも小粋なセンスの光るジャズ・サンバで楽しませてくれるオープニング。
https://www.youtube.com/watch?v=CI5Q7Zrj5cs
本曲に関して、当ブログではSergio Mendes & Brasil'66、Wanda Sa(Wanda De Sah)、Roberto Menescal、Gimmicks、Jazzlife Sextet、Stan Getz & Luiz Bonfa、Peter Fessler、Till Bronner、A Tres、Charlie Byrd、Sergio Mendes、Tamba Trioのカヴァーを紹介済みです。
「Desafinado」
Antonio Carlos Jobim作。ピアノ・トリオのみならずギターが加わっている構成の効果を感じる小気味良いジャズ・サンバに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=MYm6NA5pV6c
本曲に関して、当ブログではこれまでNara Leao、Roberto Menescal、Gary McFarland、Tania Maria、Os 3 Morais、O Quarteto、Gal Costa、Joao Gilberto、Nico Gomez & His Orchestra、Laurindo Almeida & The Bossa Nova Allstars、Tamba Trioのカヴァーを紹介済みです。
「Quiet Nights (Corcovado)」
Antonio Carlos Jobim作。エレガントなボッサ・ジャズですが、ここでもピアノ・ボッサにギター・ボッサの隠し味が効いています。
https://www.youtube.com/watch?v=ILcOAvttAo0
本曲に関して、当ブログではJoanie Sommers、Cannonball Adderley、Wanda Sa(Wanda De Sah)、Mario Castro-Neves & Samba S.A.、Diane Denoir/Eduardo Mateo、Earl Okin、Dardanelles、Cassandra Wilson、O Quarteto、Jon Hendricks、Genai、Tillery、Laurindo Almeida、Charlie Byrd、Tamba Trio、Mario Castro Neves & Samba S.A.のカヴァーも紹介済みです。
「Pensativa」
Clare Fischer作。思わず「これもJobim作品?」と勘違いしてしまうほどのボサノヴァ名曲群に引けを取らないオリジナル・ボッサ。Fischerのボサノヴァ傾倒ぶりを窺える1曲ですね。
https://www.youtube.com/watch?v=I7qL6iQ8870
「Carnaval」
Clare Fischer作。軽快に躍動するオリジナル・ジャズ・サンバ。思い切り突っ込んでいる感じのドラムがいいですね。
「Girl From Ipanema」
Antonio Carlos Jobim作。お馴染みのボサノヴァ名曲を程良いテンポのアレンジで聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=dT-Z2Oju3Hw
本曲に関して、当ブログではAgustin Pereyra Lucena、Diane Denoir/Eduardo Mateo、Roberto Menescal、Bossacucanova & Roberto Menescal、Sheila Landis/Rick Matle、Papik、Trio 3D、Freddie McCoy、Laurindo Almeida、Charlie Byrd、Sirius B、Sergio Mendes、Tamba Trioのカヴァーも紹介済みです。
「Ornithardy」
Clare Fischer作。これもJobim作と錯覚しそうなジャズ・サンバ。躍動するリズム隊とバランスの取れたFischerのピアノ・タッチが絶妙ですね。
https://www.youtube.com/watch?v=KaeJFzYNEmU
「O Amor em Paz」
Antonio Carlos Jobim作。ロマンティックなボッサ・ジャズをしっとりと聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=Wkjgaqo_7oU
本曲に関して、当ブログではWanda Sa(Wanda De Sah)、Trio 3D、Jon Hendricks、Till Bronner、Charlie Byrdのカヴァーを紹介済みです。
「How Insensitive」
Antonio Carlos Jobim作。憂いを帯びた哀愁ボッサ・ジャズをエレガントに聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=Dnz_Y0rJOj4
本曲に関して、当ブログではTriste Janero、Duke Pearson、Oscar Peterson、Earl Okin、Stacey Kent、Stan Getz & Luiz Bonfa、Flora Purim、Dusko Goykovichのカヴァーを紹介済みです。
「One Note Samba」
Antonio Carlos Jobim作。ラストは小気味良さとエレガントさを兼ね備えたジャズ・サンバで締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=iOqXggWJ37I
本曲に関して、当ブログではSergio Mendes & Brasil'66以外にもNara Leao、、Trio 3D、Chris Montez、Nico Gomez & His Afro Percussion Inc.、Stacey Kent、Wanda de Sah featuring The Sergio Mendes Trio、Tamba Trio、Peter Fessler、Laurindo Almeida & The Bossa Nova Allstarsのカヴァーも紹介済みです。
ご興味がある方はClare Fischerの60年代レコーディングの他作品もチェックを!
『First Time Out』(1962年)
Bud Shank & Clare Fischer『Bossa Nova Jazz Samba』(1962年)
Bud Shank/Clare Fischer/Joe Pass『Brasamba!』(1963年)
『Surging Ahead』(1963年)
『Extension』(1963年)
『Manteca!』(1965年)
『Thesaurus』(1969年)