発表年:2021年
ez的ジャンル:アンビエント/オルタナティヴR&B
気分は... :王様の美術館・・・
新作からジェンダーレスなヴォーカルが印象的なオルタナティヴR&B作品Rhye『Home』です。
カナダ出身のシンガー/プロデューサーMike MiloshによるプロジェクトRhyeの紹介は、デビュー・アルバム『Woman』(2013年)に続き2回目となります。
元々はMike Miloshとデンマーク出身のプロデューミュージシャン/プロデューサーRobin Hannibalの男性デュオとしてスタートし、デビュー・アルバム『Woman』(2013年)が各方面で絶賛されましたが、Robinが抜けてMiloshのソロ・プロジェクトとなり、2017年に2ndアルバム『Blood』をリリースしたRhye。
その後、12"シングル「Summer Days」(2018年)、8曲入りEP「Spirit」(2019年)をリリースしています。
3rdアルバムとなる最新作『Home』は、まずジャケが印象的ですね。これまでモノトーンのジャケ・イメージが定着していましたが、今回はカラフル・ジャケしかもヴィヴィッドではなく淡い色使いが印象的です。そんなジャケを反映してかサウンド面でも合唱団やストリングスを巧みに用いて、より温もりのあるサウンドを聴かせてくれます。
勿論、本作でもMiloshのジェンダーレスなハイトーン・ヴォーカルで魅せてくれます。
柔らかな光を感じる「Beautiful」、儚いメロウR&B「Helpless」、Rhye流ディスコ「Black Rain」といった既に昨年先行リリースした楽曲が本作を強く印象づけます。
それ以外に、アコースティックとエレクトロの融合が美しい「Safeword」、シンセとストリングスの融合が絶妙な「Hold You Down」、美しくも儚い「My Heart Bleeds」あたりもおススメです。
心の安らぎを得られる"ホーム"のような音世界を満喫しましょう。
全曲紹介しときやす。
「Intro」
デンマーク国営ラジオ局主宰の女性合唱団DR Pigekoretをフィーチャー。美しいア・カペラ女性コーラスを聴いていると瞑想モードへ誘ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=6KYFJufEGeU
「Come In Closer」
Rhyeらしい北欧シンセ・ポップ調のダンサブル・チューンですが、ストリングスがドラマティックな雰囲気を演出してくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=cG2SFddXgBk
「Beautiful」
昨年先行リリースされていた楽曲。本作らしい柔らかな光を感じるトラック。官能的ながらも開放的なムードが本作らしいかもしれませんね。
https://www.youtube.com/watch?v=SXNFDhtyVmA
「Safeword」
これはモロに僕好み。アコースティック・ギターとエレクトロ・サウンドの融合が美しいダンサブル・チューン。Miloshのジェンダーレスなハイトーン・ヴォーカルが映えます。Milosh、James Alan Ghaleb、Ian Meltzerによるプロデュース。
https://www.youtube.com/watch?v=Ps9rc3tplKY
「Hold You Down」
シンセ・サウンドとストリングスの融合が絶妙なポップ・チューン。DR Pigekoretがバック・コーラスで盛り上げてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=pA5g1aNsRaY
「Need A Lover」
Miloshのハイトーン・ヴォーカルの魅力を存分に満喫できるビューティフル・バラード。ここでもストリングスが効果的です。
https://www.youtube.com/watch?v=y5DEOqMDnOg
「Helpless」
この曲も昨年先行リリースされていた楽曲。Miloshに加えて、BLVK、Biakoもプロデューサーとしてクレジットされています。Rhyeらしい儚いムードのメロウR&Bに仕上がっています。PVには女優のConor Leslieが出演しています。
https://www.youtube.com/watch?v=G4z64YEAiIk
「Black Rain」
この曲も昨年先行リリースしていました。Rhye流ディスコ・チューン。ダンサブルなのに儚い感じがするのがRhyeらしいですね。PVにはイギリス人俳優 Aaron Taylor-Johnsonが出演し、ダンスを披露しています。
https://www.youtube.com/watch?v=0fizVDRsvOI
「Sweetest Revenge」
哀愁シンセ・ポップですが、ストリングス、エレクトリック・ギターを効果的に使ったドラマティックなアレンジが印象的です。カラフルなのにヒンヤリな感じがRhyeらしいです。
https://www.youtube.com/watch?v=VW5XJIL0mdQ
「My Heart Bleeds」
美しくも儚いメロウネスが魅力のオルタナティヴR&B。多重録音によるヴォーカル・ワークもいい感じです。Milosh、Biako、Austin Brownによるプロデュース。
https://www.youtube.com/watch?v=WQ-MVj65qe0
「Fire」
美しいピアノにエレクトロな質感を加えた哀愁バラード。聴く者の内面の奥に沁み渡っていきます。
https://www.youtube.com/watch?v=reCixCJMzDs
「Holy」
聖なる雰囲気で始まりますが、ジャズ・ギター風がいいアクセントとなっています。DR Pigekoretのバック・コーラスが厳かなホーリー気分を高めてくれます。MiloshとBen Schwierの共同プロデュース。
https://www.youtube.com/watch?v=KoB1C3nLShg
「Outro」
本編のラストもDR Pigekoretによるア・カペラ・コーラスで締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=32q-wj62JUk
「Beautiful (Deconstructed Mix) 」
国内盤ボーナス・トラックその1。「Beautiful」のリミックス。ピアノとコーラスによるシンプルでピュアな音世界はまさにビューティフル!
「Helpless(live) 」
国内盤ボーナス・トラックその2。「Helpless」のライヴ・ヴァージョン。オリジナルとは異なる質感を楽しめます。
Rhyeの他作品もチェックを!
『Woman』(2013年)
『Blood』(2017年)