発表年:2020年
ez的ジャンル:P-Funkマニア系モダン・ファンク/ディスコ
気分は... :継承されるP-Funk魂
新作からモダン・ファンク/ディスコ作品Funk Style Quality『Reprise Tonight』(2020年)です。
Funk Style Quality(FSQ)は、P-FunkマニアのChuck Da Fonk FishmanとP-Funkの総帥George Clintonの甥であるSa'D "The Hourchild" AliことDwayne Maultsbyが意気投合して結成したP-Funkユニット。
2014年のEP「Zule Congo Call」を皮切りに、作品をリリースしていましたが、2018年にSa'D "The Hourchild" Aliが他界してしまいます。
しかし、彼の存命中からアルバムが制作されており、それを完成させたのが本作『Reprise Tonight』(2020年)です。
本作におけるFSQメンバーとして、Chuck Da Fonk Fishman、Sa'D "The Hourchild" Aliも含めて、Chas Bronz、G Koop、One Era、Morgan Wileyの6名がクレジットされています。
アルバムには、P-Funkの総帥George Clintonをはじめ、George Clintonの息子Trey Lewd、Funkadelicのオリジナル・ベーシストBilly Bass Nelson、元Funkadelic/ParliamentメンバーRodney Curtis、メンバーのG-Koopがバークリー音楽大学に作っていたユニットG-Koop & O-Man、元LabelleのメンバーNona Hendryx、ベテラン女性シンガーDenise King、70年代から活躍する女性セッション・シンガーDolette McDonald、ディスコ・ヒット「Over Like A Fat Rat」(1982年)で知られる女性シンガーFonda Rae、ディスコ系クリエイター/DJのMichael The Lionがゲスト参加しています。
こういった豪華ゲストを楽しめるのも本作の魅力の1つです。
内容はP-Funk愛に満ちたモダン・ファンク/ディスコ作品ですが、P-Funkで全編通している訳ではありません。昨今のモダン・ファンク/ディスコ・ブームの流れに乗ったトラックやミュンヘン・ディスコ調のトラックもあります。
国内盤CDのボーナス・トラック4曲も含めて、P-Funk好き、モダン・ファンク/ディスコ好きを楽しませてくれる1枚です。
継承されるP-Funk魂を満喫しましょう。
全曲紹介しときやす。
「Reprise Tonight (Original Mix)」
Denise Kingをフィーチャー。タイトル曲はP-Funkマニアらしいスペイシーな重量ファンク。随所にP-Funk愛に満ちた小ネタがあります。
https://www.youtube.com/watch?v=aIrwlzapf-A
「Vibe Out Now」
Nu Disco/モダン・ファンク系DJ/プロデューサーLoose Shusと制作したトラックがベース。モダンなディスコ・ファンクで楽しませてくれます。G Koopのカッティング・ギター&ファズ・ギターも印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=Vy3hI7Ohr3k
「Dancefloor Democracy」
George Clinton、Trey Lewd、Billy Bass Nelsonをフィーチャー。P-Funk軍団を招きながらも、ミュンヘン・ディスコ風のダークで妖しげなディスコ・チューンに仕上がっているのが面白いですね。One Eraのパーカッションが印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=dzImy3gaZDM
「The Infinite Reprise」
G Koop & O-Manをフィーチャー。ストリングス入りのインスト・ファンク。生音ファンクとトラック・メイカー的センスを融合させています。
https://www.youtube.com/watch?v=fifhLI_pZVw
「Peel Back」
Nona Hendryx、G Koop & O-Manをフィーチャー。P-Funk愛を感じる重量モダン・ファンク。Parliamentのスペース・オペラ的な音世界をモダン・ファンクに落とし込んでいる感じがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=YCzAf-eZrsg
「What They Don't Know」
Dolette McDonald、Rodney Curtis、One Era、Michael The Lionをフィーチャー。Dolette McDonaldがヴォーカル、Rodney Curtisがベースです。P-Funkらしさはありませんが、僕好みの哀愁モダン・ディスコに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=w28g0SaapMA
「11 AM」
Fonda Raeのヴォーカル、Chas Bronzのギターをフィーチャー。Fonda Raeの個性的なヴォーカルが映えるモダン・ディスコ。甘い誘惑に満ちた感じがたまりません。
https://www.youtube.com/watch?v=RpnhiSEfiJk
「Reprise (Disco Mix)」
本編ラストはタイトル曲のリミックス。P-Funk度を落としたディスコ・リミックスです。
https://www.youtube.com/watch?v=HCjeWiksH6I
さらに国内盤CDには以下の4曲がボーナス・トラックとして追加収録されています。
「Reprise Tonight (Original Mix) (Ray Mang Remix)」
タイトル曲のリミックス。パーカッシヴなP-Funkって雰囲気がいいですね。
「The Infinite Reprise (A Tom Moulton Mix)」
「The Infinite Reprise」のリミックス。Tom Moultonの名が嬉しいですね。その名に相応しいディスコ・リミックスに仕上がっています。
「Dancefloor Democracy (Dr Rubberfunk Remix)」
「Dancefloor Democracy」のリミックス。本編は全くP-Funkらしくありませんでしたが、リミックス名からも想像できるように、こちらはP-Funk仕様のディスコ・ファンクです。
「11 AM (DJ Rocca Italo Discomix Vocal)」
「11 AM」のリミックス。リミックス名の通り、イタロ・ディスコ仕様です、
アートワークは、かつてZapp、P-Funk関連作品のジャケも手掛けたRonald P. Edwardsです。