発表年:1976年
ez的ジャンル:UKパブロック
気分は... :殺人病棟?
UKパブロックを代表するバンドDr. Feelgoodの最強ライヴ『Stupidity』(邦題:殺人病棟)(1976年)です。
Dr. Feelgoodは、イギリス、エセックス州キャンベイ・アイランドで結成されたロック・バンド。
オリジナル・メンバーはLee Brilleaux(vo、harmonica)、Wilko Johnson(g)、John B. Sparks(b)、The Big Figure(John Martin)(ds)の4名。
Lee BrilleauxのワイルドなヴォーカルとWilko Johnsonの鋭いギターという二枚看板で、パブロックを代表するグループとして人気を博しました。
このオリジナル・メンバーで『Down by the Jetty』(1975年)、『Malpractice』(邦題:不正療法)(1975年)、『Sneakin' Suspicion』(1977年)というスタジオ・アルバム3枚とライヴ・アルバムとなる本作『Stupidity』(邦題:殺人病棟)(1976年)をリリースしています。
しかしながら、『Sneakin' Suspicion』(1977年)を最後に二枚看板の一人であるWilko Johnsonが脱退してしまいます。
さらにJohn B. Sparks、The Big Figureも1982年に脱退し、オリジナル・メンバーはLee Brilleauxのみとなってしまいます。そのLee Brilleauxも1994年に逝去してしまいます。その後もDr. Feelgoodというバンド自体はオリジナル・メンバー不在のまま継続しています。
やはりオリジナル・メンバー4名による初期4作品こそがDr. Feelgoodって感じがしますね。
正直、つい最近までDr. Feelgoodというバンドは、僕の音楽嗜好の視界に殆ど入ってこないグループでした。僕の世代はパブロックよりもパンク/ニュー・ウェイブという感じだったので・・・。その後、僕のロック離れが進み、Dr. Feelgoodとの接点のない音楽ライフを歩むことに・・・
それでも本作『Stupidity』(1976年)がロック名盤という認識はあったので、中古CDショップのまとめ買いセールのときに数合わせで購入していました。ただし、購入したまま10年近く聴かないまま埋もれていましたが。
それが最近になってTVで彼らのライヴ映像を何度が目にするうちに、「もしかしていいかも?」という思うようになり、埋もれていた『Stupidity』をCD収納ボックスから探し出し、聴くようになっている次第です。
殆どロックを聴かない最近の僕にDr. Feelgoodが馴染むというのも不思議な感覚なのですが・・・
きっとロックの持つ衝動のようなものがダイレクトに伝わってくるのが気に入っているのだと思います。ライヴならではの臨場感があるのも魅力かもしれませんね。
アルバムは1st『Down by the Jetty』(1975年)、2nd『Malpractice』(1975年)収録曲とロックンロール、ブルース、R&Bのカヴァーから構成されています。
個人的には『Down by the Jetty』(1975年)からのシングル曲でもある「She Does It Right」、「Roxette」の2曲がダントツで好きです。
それ以外であれば、『Down by the Jetty』収録曲の「All Through The City」、Chuck Berryのカヴァー「Talking About You」、Solomon Burkeのカヴァーであるタイトル曲「Stupidity」、Rufus Thomasのカヴァー「Walking The Dog」あたりもおススメです。
プロデュースはDr. Feelgood自身。
彼らの真っすぐで潔いロックンロール道を楽しみましょう。
全曲紹介しときやす。
「Talking About You」
Chuck Berryのカヴァー。軽快なロックンロールがオープニング。Leeのワイルドなヴォーカルと前のめりリズム隊、Wilkoのギターの一体感がサイコーです。
https://www.youtube.com/watch?v=znBUehe2ygo
「20 Yards Behind」
Wilko Johnson作。『Down by the Jetty』収録曲。Leeのハーモニカと共に始まります。改めて聴くと、スカのエッセンスが印象的ですね。
https://www.youtube.com/watch?v=6L6S--qLgoI
「Stupidity」
タイトル曲はSolomon Burkeのカヴァー。僕好みのR&Bテイストのロックンロール。今の僕の嗜好にもフィットします。
https://www.youtube.com/watch?v=0Dbv3_JGKqg
「All Through The City」
Wilko Johnson作。『Down by the Jetty』収録曲。Wilkoの軽快なギターが牽引する小気味いいロックンロール。なかなかキャッチーだと思います。
https://www.youtube.com/watch?v=JKBn4zw5Wpg
「I'm a Man」
Bo Diddleyのカヴァー。The Yardbirdsもカヴァーしていましたね。ブルース・ロックなDr. Feelgoodを楽しめます。WilkoのギターとLeeのハーモニカが印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=kNd-A_h8YA4
「Walking The Dog」
Rufus Thomasのカヴァー。The Rolling Stonesもカヴァーしていた曲ですね。このバンドの持つワイルドな魅力が伝わってきます。かなり好きです。
https://www.youtube.com/watch?v=7SFrIarw7NY
「She Does It Right」
Wilko Johnson作。『Down by the Jetty』からのシングル曲。僕の中でDr. Feelgoodといえばこの曲!という気がします。その後のパンクやネオモッズを先取りした格好良すぎる1曲。Wilkoのギターもサイコーです。
https://www.youtube.com/watch?v=7YxlHjhFMUw
「Going Back Home」
Mick Green/Wilko Johnson作。『Malpractice』収録曲。軽快なロックンロールで楽しませてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=vV0yYcN9QnE
「I Don't Mind」
Wilko Johnson作。『Down by the Jetty』収録曲。ライヴならではの荒々しさがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=BJ2Z3gZcWL0
「Back in the Night」
Wilko Johnson作。『Malpractice』からのシングル曲。The Rolling Stones好きの人なんかも気に入りそうな1曲なのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=nW1dF8YJ0CM
「I'm a Hog for You Baby」
Jerry Leiber/Mike Stoller作品のカヴァー。オリジナルはThe Coasters。ロック系でいえば、Canned Heatも1973年にカヴァーしています。 Dr. Feelgoodらしい雰囲気のロック魂溢れるカヴァーに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=Ha914XeQtKU
「Checking Up on My Baby」
Sonny Boy Williamsonのカヴァー。推進力のあるブルース・ロックに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=uoL8hI77F70
「Roxette」
Wilko Johnson作。『Down by the Jetty』からのシングル曲。僕の中では「She Does It Right」と並ぶ2トップ。パンクの源流がココにありますね。
https://www.youtube.com/watch?v=pusY1VwTT70
以下の2曲はオリジナルLPの初回プレスに付いていたシングルに収録されていたものです。僕の保有するCDにはこれらも収録されています。
「Riot in Cell Block No. 9」
Jerry Leiber/Mike Stoller作品のカヴァー2曲目。R&Bクラシックとして知られる曲です。『Malpractice』収録曲。荒々しいブルース・ロックです。
https://www.youtube.com/watch?v=mkDQvpDxih4
「Johnny B. Goode」
Chuck Berryのカヴァー2曲目。お馴染みのロックンロール名曲をワイルドにカヴァーしています。
https://www.youtube.com/watch?v=lKDnAKYCDnw
Dr. Feelgoodのオリジナル・メンバーによるスタジオ作もチェックを!
『Down by the Jetty』(1975年)
『Malpractice』(邦題:不正療法)(1975年)
『Sneakin' Suspicion』(1977年)