2021年03月06日

The Pretty Things『S. F. Sorrow』

ロック・オペラのプロトタイプ☆The Pretty Things『S. F. Sorrow』

発表年:1968年
ez的ジャンル:UKサイケデリック・ロック
気分は... :サイケの迷宮・・・

今回はUKロック・バンドThe Pretty Thingsによる元祖ロック・オペラ作品『S. F. Sorrow』(1968年)です。

ロック・オペラを世間に知らしめたThe Whoの名作『Tommy』(1969年)に影響を与えた作品として再評価の高い1枚ですね。

The Pretty Thingsは、ロンドンのアート・スクールで知り合ったPhil May(vo)、Dick Taylor(g)を中心に1962年結成されたロック・バンド。

二人はThe Rolling Stones結成前のMick JaggerKeith Richardsと友人であり、特にDick TaylorはMickとKeithらとバンドを組んでいました。

そんなThe Rolling Stonesと同じR&Bテイストのロック・グループとして登場したThe Pretty Thingsは、1964年にシングル「Rosalyn」でデビューし、2ndシングル「Don't Bring Me Down」はUKチャート第10位のヒットとなりました。

1965年には1stアルバム『The Pretty Things』(1965年)をFontanaからリリース。さらにFontanaから2枚のアルバムをリリースしています。

しかし、時代の流れの中で音楽性を変化させ、レーベルを移籍してサイケデリック・ロックに取り組んだのが、Columbiaからリリースした4thアルバムとなる本作『S. F. Sorrow』(1968年)です。

本作のメンバーはPhil May(vo)、Dick Taylor(g、vo)、Wally Waller(b、g、p、vo)、Jon Povey(org、sitar、mellotron、per、vo)、そして新加入の元TomorrowTwink(ds、vo)という6名。前メンバーのSkip Alan(ds)も何曲で参加しているようです。

プロデュースはNorman Smith

前述のように、The Who『Tommy』(1969年)に先立つ元祖ロック・オペラ作品として再評価の高い1枚です。

アルバムはSebastian F. Sorrowという男の人生を描いたロック・オペラのプロトタイプ的な1枚に仕上がっています。

個人的にはロック・オペラ云々以上に、スウィンギン・ロンドンにおけるサイケデリック・ロック作品としての魅力を感じる1枚です。

The Beatles『Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band』(1967年)の影響を強く感じますが、よりサイケを徹底しているのが本作の魅力だと思います。

物語仕立てのサイケ・ワールドを満喫しましょう。

全曲紹介しときやす。

「S.F. Sorrow Is Born」
シタールが怪しげに響く僕好みサイケなオープニング。サイケなドライヴ感は今聴いてもなかなか格好良いと思います。
https://www.youtube.com/watch?v=f5_jpgPxIFc

Big Audio Dynamite「The Green Lady」のサンプリング・ソースとなっています。
Big Audio Dynamite「The Green Lady」
 https://www.youtube.com/watch?v=WKS_CoQAp-8

「Bracelets」
『Sgt. Pepper's 〜』の影響が色濃い仕上がり。「Lucy In The Sky With Diamonds」にシタールによるアクセントを強調したような雰囲気です。
https://www.youtube.com/watch?v=phkeWcsWPHY

「She Says Good Morning」
こちらはThe Beatles「I Am The Walrus」あたりを想起させます。ファズ・ギターが格好良いですね。
https://www.youtube.com/watch?v=VGYfrTF6nzo

「Private Sorrow」
フォーキーな味わいの中にもサイケ・ムードを漂わせます。終盤の展開がロック・オペラ
https://www.youtube.com/watch?v=byKvF_1Ab5I

「Balloon Burning」
UKビート・バンドらしい躍動感とサイケな怪しさを融合させた1曲に仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=hheLZ8vYr6s

「Death」
ロック・オペラ的な繋ぎの1曲といった雰囲気です。インド音楽のテイストを物語にうまく取り込んでいるのがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=Si554hC2Xq0

「Baron Saturday」
トリップ・モードのダークなポップ・ロックは後期BeatlesJohn Lennonがやりそうな雰囲気ですね。
https://www.youtube.com/watch?v=kAgXbnZZ4PQ

「The Journey」
僕好みのサイケ・フォーキー・グルーヴ。終盤には混沌としたサイケな迷宮に入り込んでしまいます。
https://www.youtube.com/watch?v=tfpFnS8y0nY

「I See You」
ドラマティックな哀愁サイケ。荘厳で幻想的なロック・オペラが展開されます。
https://www.youtube.com/watch?v=7exhDAskajc

「Well Of Destiny」
前衛的なインスト。この時代はThe Beatles「A Day In The Life」に触発されて、こういう曲やりたかったんでしょうね。
https://www.youtube.com/watch?v=NWmCDsFLlZ8

「Trust」
メロディアスなサイケ・ポップ。この曲のコーラスワークを聴いていると、その流れでThe Who『Tommy』が聴きたくなりますね。
https://www.youtube.com/watch?v=-MUSPn7depg

「Old Man Going」
前曲「Trust」からの流れでいえば、この曲を聴いていると、そのまま『Tommy』「Pinball Wizard」を聴きたくなりますね。「Pinball Wizard」には本曲のようなサイケ・フィーリングはありませんが・・・
https://www.youtube.com/watch?v=7qgsbAGN-WA

「Loneliest Person」
物語のラストは寂しげなフォーキー・チューンで締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=XDtg9bniDVA

ここからはCDボーナス・トラック4曲。

「Defecting Grey」
サイケ・モード全開のロック・チューン。ワルツや前衛的要素のアクセントもあり、1曲の中に詰め込めるだけ詰め込んだ感じが好きです。
https://www.youtube.com/watch?v=lZLoZz-PZaI

「Mr. Evasion」
キャッチーなサイケ・ロック。思い切り弾けてながらも幻想的な音世界を展開している感じがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=xR9iVuad7js

「Talkin' About The Good Times」
サイケな迷宮に入り込んでいくようなトリップ感が魅力です。
https://www.youtube.com/watch?v=Zqdz2GhVndQ

「Walking Through My Dreams」
UKビートロックにサイケ・フィーリングを加味したわかりやすい1曲ですが、なかなかキャッチーです。
https://www.youtube.com/watch?v=KrcMjmHF74A

The Pretty Thingsの他作品もチェックを!

『The Pretty Things』(1965年)


『Get the Picture?』(1965年)


『Emotions』(1967年)


『Parachute』(1970年)


『Freeway Madness』(1973年)


『Silk Torpedo』(1974年)


『Savage Eye』(1975年)
posted by ez at 00:53| Comment(0) | 1960年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年03月05日

Gregory Isaacs『Soon Forward』

レジェンド・レゲエ・シンガーの初期名作☆Gregory Isaacs『Soon Forward』
Soon Forward
発表年:1979年
ez的ジャンル:四天王レジェンド・レゲエ・シンガー
気分は... :Lonely Lover・・・

今回はレジェンド・レゲエ・シンガーGregory Isaacs(1951-2010年)の代表作『Soon Forward』(1979年)です。

Dennis BrownFreddie McGregorSugar Minottと並び四天王と呼ばれたレゲエ・シンガーGregory Isaacsの紹介は、『Cool Ruler』(1978年)に続き2回目となります。

本作『Soon Forward』(1979年)は、『Cool Ruler』(1978年)らと並び初期傑作の呼び声高い1枚です。

Channel Oneのハウス・バンドThe Revolutionariesを解散し、新たにTaxiを結成したSly & Robbie(Sly Dunbar/Robbie Shakespeare)とのコラボでも注目されました。

プロデュースはGregory Isaacs
「Soon Forward」のみSly Dunbar/Robbie Shakespeareプロデュース。

Sly Dunbar(ds)、Robbie Shakespeare(b)、Leroy Wallace(ds)、Santa(ds)、Leroy Sibbles(b、back vo)、Bo Peep(g)、Bingy Bunny(g)、Scully(per)、Sticky(per)、Gladstone Anderson(p)、Winston Wright(org)、Bobby Ellis(horns)、Ronald 'Nambo' Robinson(horns)、(horns)、Deadly Headly(horns)、Ansel Collins(org)、Earl 'Wire' Lindo(strings)、Dennis Brown(back vo)、Junior Delgado(back vo)がレコーディング・メンバーです。

レゲエ作品をそれ程網羅的に聴いている訳ではない僕でも、耳に残るトラックが多いので、それだけ聴きやすい1枚だと思います。

Sly & RobbieTaxi Riddimを使った「Soon Forward」、親友Dennis Brownのことを歌った「Mr. Brown」、セクシー&ソウルフルな「Lonely Girl」、哀愁レゲエ「Universal Tribulation」あたりが人気のようですね。

個人的にはピースフルな「My Relationship」、ソウルフルな「Slave Market」、リラックスした「Jah Music」もおススメです。

Gregoryのセクシー&ソウルフルなヴォーカルとSly & Robbieら名うてのレゲエ・ミュージシャンら織り成す極上のレゲエ・ワールドを満喫しましょう。

全曲紹介しときやす。

「Universal Tribulation」
隠れた名曲とも称されるオープニング。哀愁のレゲエ・グルーヴに乗って、Gregoryが雰囲気のあるヴォーカルを聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=Vp-672P4gqU

「Mr. Brown」
親友Dennis Brownのことを歌った人気曲。Gregoryのセクシー&ソウルフルな魅力を楽しめる、和やかな友情レゲエです。ホーンによるアクセントも楽しげです。
https://www.youtube.com/watch?v=hZfqqycoAek

「Down The Line」
哀愁コーラスと共に始まるルーツ・レゲエ。一度聴いたら脳内リピートする哀愁レゲエです。
https://www.youtube.com/watch?v=MQ5VeXd79LE

「Lonely Girl」
Gregoryに相応しい人気曲。彼のセクシー&ソウルフルなヴォーカルを満喫できます。哀愁メロウなバッキングもいい感じ。
https://www.youtube.com/watch?v=gL_ebJa-fGI

「Bumping And Borning」
抑えたトーンのGregoryの歌い回しと、オルガンによるアクセントはいい感じです。レゲエならではの淡々とした魅力があります。
https://www.youtube.com/watch?v=78qaSt4d0yo

「My Relationship」
僕の好きなピースフル・レゲエ。晴れた日の午後、昼寝でもしながら聴きたいタイプの1曲です。
https://www.youtube.com/watch?v=JWN2rLdl_Is

「Slave Market」
Gregoryのソウルフルな歌い回しで魅せてくれる1曲。バッキングもかなり格好良いですね。
https://www.youtube.com/watch?v=tkNq9tDU5Mg

「Black Liberation Struggle」
「黒人解放闘争」というタイトルが象徴するようにグイグイくるベースの推進力が印象的な攻撃的な演奏です。
https://www.youtube.com/watch?v=H8OfB0K0gRo

「Jah Music」
リラックスした雰囲気のヴォーカル&演奏が僕好み、というか日本人はこういう感じのレゲエが好きなのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=0bXUDPfR5U0

「Soon Forward」
タイトル曲はSly & Robbie×Gregory Isaacsのコラボらしい仕上がり。Sly & Robbieのレーベル名にもなったTaxi Riddimを使った名曲です。
https://www.youtube.com/watch?v=CO1YS4Ff0aU

Gregory Isaacsの70年代、80年代の他作品もチェックを!

『Extra Classic』(1977年)
Extra Classic...Plus!

『Cool Ruler』(1978年)
Cool Ruler

『Mr. Isaacs』(1978年)
Mr. Isaacs

『More Gregory/Night Nurse』(1981/1982年) ※2in1CD
More Gregory + Night Nurse

『Easy』(1984年)
Easy

Dennis Brown/Gregory Isaacs『Judge Not』(1984年)
Judge Not

『Private Beach Party』(1985年)
Private Beach Party

『All I Have Is Love, Love, Love』(1986年)
All I Have Is Love
posted by ez at 00:32| Comment(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年03月04日

Galactic『Ya-Ka-May』

ニューオリンズの音楽パーティー☆Galactic『Ya-Ka-May』
Ya-Ka-May (Dig)
発表年:2010年
ez的ジャンル:ニューオリンズ・ファンク・バンド
気分は... :ガンボ!

今回はニューオリンズが誇るファンク・ジャム・バンドGalactic『Ya-Ka-May』(2010年)です。

1994年にニューオリンズで結成されたファンク・ジャム・バンドGalacticについて、これまで当ブログで紹介したのは以下の3枚。

 『Crazyhorse Mongoose』(1998年)
 『Ruckus』(2003年)
 『From The Corner To The Block』(2007年)

本作『Ya-Ka-May』(2010年)は、前作『From The Corner To The Block』(2007年)でのHip-Hopアプローチとバンドの原点ともいうべきニューオリンズ・ファンクを融合させたニューオリンズ音楽パーティー的な1枚に仕上がっています。

本作におけるメンバーはBen Ellman(horns、harps、prog)、Robert Mercurio(b)、Stanton Moore(ds)、Richard Vogel(key)、Jeff Raines(g)。

プロデュースはBen Ellman
Chuck BrodyCount がプロデュースに加わっているトラックもあります。

The Rebirth Brass BandIrma ThomasBig Chief Bo DollisThe Wild Magnolias)、Allen ToussaintWalter "Wolfman" Washingtonなどニューオリンズの新旧アーティストが多数フィーチャリングされています。

また、Louis "Becky" Clark(per)、Steve Riley(accordion)、Mark paradis(cello)、Anders Osborne(g)といったミュージシャンも参加しています。

ニューオリンズのブラス・バンドThe Rebirth Brass Bandをフィーチャーした「Boe Money」、ベテラン女性ソウル・シンガーIrma Thomasをフィーチャー「Heart Of Steel」The Wild MagnoliasのリーダーBig Chief Bo Dollisをフィーチャーした「Wild Man」Katey RedSissy NobbyのラップをフィーチャーしたHip-Hopトラック「Katey Vs. Nobby」、僕の一番のお気に入りのインスト・ファンク「Cineramascope」あたりが僕のおススメです。

進化と原点回帰をうまくバランスさせた僕好みのダイナミックなニューオリンズ・ファンクで魅せてくれる1枚です。

全曲紹介しときやす。

「Friends Of Science」
ドライヴ感のあるファンキー・チューンがオープニング。このバンドの持つミクスチャー感覚を満喫できます。
https://www.youtube.com/watch?v=dzgZejA9jyA

「Boe Money」
ニューオリンズのブラス・バンドThe Rebirth Brass Bandをフィーチャー。素晴らしいブラス・アンサンブルで楽しませてくれる迫力満点のニューオリンズ・ファンク。
https://www.youtube.com/watch?v=RiS5M7TgtpQ

「Double It」
Big FreediaのラップをフィーチャーしたHip-Hopバンド的なトラック。不穏ムードのコズミック感覚がいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=r_-oAWEE8mY

「Heart Of Steel」
ベテラン女性ソウル・シンガーIrma Thomasをフィーチャー。ニューオリンズ・ファンクの伝統とHip-Hop経由のファンク・アプローチをうまく融合させています。Irmaのヴォーカルにはベテランならではの色気があっていいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=8Tqlaogfu7M

「Wild Man」
ニューオーリンズのマルディグラ・インディアンのバンドThe Wild Magnoliasのリーダーであり、部族のビッグ・チーフ(酋長)であるBig Chief Bo Dollisをフィーチャー。ニューオリンズ・マナーに配慮したモダンでパワフルなファンク・チューンで楽しませてくれます。このドライヴ感は格好良い!
https://www.youtube.com/watch?v=Wu0pwcFPb6I

「Bacchus」
ニューオーリンズを代表する大物ミュージシャンAllen Toussaintをフィーチャー。そんな大物を迎えても、攻めのアプローチで新旧ニューオリンズ・サウンドをミクスチャーさせています。
https://www.youtube.com/watch?v=Daz4jvU9Hec

「Katey Vs. Nobby」
Katey Red、Sissy Nobbyのラップをフィーチャー。ワイルドなドライヴ感にエレクトロニクスなアクセントをうまく織り交ぜたトラックに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=NO4XSObbLvE

「Cineramascope」
Corey Henry、Trombone Shortyというホーン隊をフィーチャー。僕の一番のお気に入り。ダイナミックなホーン・サウンドが躍動するインスト・ファンクは格好良すぎます!
https://www.youtube.com/watch?v=MaoUyW5sXfc

「Dark Water」
John Boutteをフィーチャー。タイトルの通りダークトーンの仕上がり。少しロッキンな感じもあります。チェロのアクセントも効いています。
https://www.youtube.com/watch?v=advYZmmMGys

「Do It Again」
Cheeky Blakkのラップをフィーチャー。生音Hip-Hopバンド的な格好良さがあるファンク・グルーヴ。Cheeky Blakkのラップも存在感があります。
https://www.youtube.com/watch?v=41USJy2r6gY

「Liquor Pang」
Breakestraなどでも知られるドラマーJosh CohenとMorning 40 Federationなどでの活動でも知られるRyan Scullyをフィーチャー。ダークなロック・チューンに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=K8tMSD9XTko

「Krewe D'Etat」
繋ぎの短いインスト。
https://www.youtube.com/watch?v=9EO_HqGloAQ

「You Don't Know」
Glen David Andrews、The Rebirth Brass Bandをフィーチャー。ニューオリンズらしいブラス・アンサンブルを楽しみましょう。
https://www.youtube.com/watch?v=uxNFYbCDkrY

「Speaks His Mind」
伝説のブルース・アーティストWalter "Wolfman" Washingtonをフィーチャー。Walter "Wolfman" Washingtonのブルージーな魅力を生かしつつ、モダンにアップデートさせている感じがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=SMTw8BPScN0

「Do It Again (Again)」
「Do It Again」のリプライズでアルバム本編を締め括ってくれます。

「Muss The Hair」
国内盤ボーナス・トラック。Allen Toussaintをフィーチャー。本編に収録されていた「Bacchus」以上に、Allen Toussaintらしいニューオリンズ・ワールドを楽しめます。

Galacticの他作品もチェックを!

『Coolin' Off』(1996年)
Coolin Off

『Crazyhorse Mongoose』(1998年)
Crazyhorse Mongoose

『Late for the Future』(2000年)
Late for the Future

『We Love 'Em Tonight: Live at Tipitina's』(2001年)
We Love Em Tonight

『Ruckus』(2003年)
Ruckus

『From The Corner To The Block』(2007年)
From The Corner To The Block[対訳歌詞・解説・ボーナストラック付き国内盤]

『The Other Side Of Midnight: Live In New Orleans』(2011年)
Other Side of Midnight:Live in New O

『Carnivale Electricos』(2012年)
Carnivale Electricos

『Into the Deep』(2015年)
Into the Deep

『Already Ready Already』(2019年)
posted by ez at 02:45| Comment(0) | 2010年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年03月03日

Stacey Kent『In Love Again: The Music of Richard Rodgers』

素敵なRichard Rodgers作品集Stacey Kent『In Love Again: The Music of Richard Rodgers 』(2002年)
In Love Again
発表年:2002年
ez的ジャンル:ロマンティック系女性ジャズ・ヴォーカル
気分は... :哀れにも又おかし・・・

今回は大好きな女性ジャズ・ヴォーカリストStacey Kent『In Love Again: The Music of Richard Rodgers 』(2002年)です。

キュートな歌声の女性ジャズ・ヴォーカリストStacey Kentに関して、これまで当ブログで紹介したのは以下の6枚。

 『Dreamsville』(2000年)
 『Breakfast On The Morning Tram』(2007年)
 『Raconte Moi』 (2010年)
 『The Changing Lights』(2013年)
 『Tenderly』(2015年)
 『I Know I Dream:The Orchestral Sessions』(2017年)

本作はタイトルの通り、名作曲家Richard Rodgersの作品集です。

プロデュースは公私のパートナーJim Tomlinson

レコーディング・メンバーはStacey Kent(vo)、Jim Tomlinson(ts、fl)、Colin Oxley(g)、David Newton(p)、Simon Thorpe(b)、Jasper Kviberg (ds)。前作『Dreamsville』(2000年)と同じメンバーです。

日本映画『Shall we ダンス?』でもお馴染みの「Shall We Dance?」、軽やかなスウィング感が気持ちいい「My Heart Stood Still」
、素敵なギターを伴ったメロウ・バラード「It Might as Well Be Spring」、長閑なジャジー・ムードの「I'm Gonna Wash That Man Right Outta My Hair」、メンバーの一体感を感じるスウィンギーな「This Can't Be Love」、お馴染みの名バラードをStaceyらしく魅せる「Easy to Remember」、小粋な雰囲気の「Manhattan」あたりが僕のおススメです。

Staceyの歌声の魅力を存分に満喫できる1枚です。

全曲紹介しときやす。

「Shall We Dance?」
Oscar Hammerstein II/Richard Rodgers作。ミュージカル『The King and I』(1951年)のために書かれた曲。日本では周防正行監督の映画『Shall we ダンス?』(1995年)でお馴染みの曲ですね。当ブログではPeter Brownのカヴァーを紹介済みです。ここではリラックスした中にもキュートなStaceyの歌声が映える「Shall We Dance?」を聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=DiZCeEoPCUY

「Bewitched, Bothered and Bewildered」
Lorenz Hart/Richard Rodgers作。ミュージカル『Pal Joey』(1940年)のために書かれた曲。抑えたトーンの歌声、バッキングでしっとりと、ちょっぴり切なく聴かせてくれるバラードです。
https://www.youtube.com/watch?v=gpRDUsHDQDU

「My Heart Stood Still」
Lorenz Hart/Richard Rodgers作。ミュージカル『One Dam Thing after Another』(1927年)のために書かれた曲。当ブログではChet Bakerのカヴァーを紹介済みです。軽やかなスウィング感が気持ちいい演奏をバックに、Staceyが涼しげな歌声を聴かせてくれます。David Newtonがピアノ・ソロで魅せてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=X1YgEHhKhSw

「It Never Entered My Mind」
Lorenz Hart/Richard Rodgers作。ミュージカル『Higher and Higher』(1940年)のために書かれた曲。当ブログではCybill ShepherdThe Oscar Peterson Trio + The Singers UnlimitedAnn Burtonのカヴァーを紹介済みです。前半がJim Tomlinsonのサックス、後半がStaceyのヴォーカルという夫婦共演で楽しませてくれるバラード。
https://www.youtube.com/watch?v=8RT9IWmjbzs

「I Wish I Were in Love Again」
Lorenz Hart/Richard Rodgers作。ミュージカル『Babes in Arms』(1937年)のために書かれた曲。当ブログではThe Latin Jazz Quintet with Eric Dolphyのカヴァーを紹介済みです。ここではコケティッシュなStaceyの語り口にグッときてしまいます。
https://www.youtube.com/watch?v=dFDM2Skzdcg

「Thou Swell」
Lorenz Hart/Richard Rodgers作。ミュージカル『A Connecticut Yankee』(1927年)のために書かれた曲。ゆったりとした雰囲気のバラードで和ませてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=t9OQdihANhE

「It Might as Well Be Spring」
Oscar Hammerstein II/Richard Rodgers作。映画『State Fair』(1945年)のために書かれた曲。Colin Oxleyの素敵なギターをバックに、Staceyが優しく語りかける僕好みのメロウ・チューンに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=YPACHxI5rEY

「Nobody's Heart (Belongs to Me)」
Lorenz Hart/Richard Rodgers作。ミュージカル『By Jupiter』(1942年)のために書かれた曲。ピアノとギターのみのシンプルなバッキングで、Staceyの切ない歌声が胸の奥に沁み渡ります。
https://www.youtube.com/watch?v=zahgf6TbrKU

「I'm Gonna Wash That Man Right Outta My Hair」
Oscar Hammerstein II/Richard Rodgers作。ミュージカル『South Pacific』(1949年)のために書かれた曲。Staceyの歌声のチャーミングな魅力を満喫できる1曲。長閑なジャジー・ムードがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=-Abw4rDKtlk

「This Can't Be Love」
Lorenz Hart/Richard Rodgers作。ミュージカル『The Boys from Syracuse』(1938年)のために書かれた曲。やり慣れたメンバーの一体感を感じるスウィンギーな演奏が魅力です。そんなバッキングと共にStaceyの歌声も実に晴れやかです。
https://www.youtube.com/watch?v=4XdHkQjyUBM

「Easy to Remember」
Lorenz Hart/Richard Rodgers作。映画『Mississippi』(1935年)のために書かれた曲。Billie Holiday等が歌い、John Coltrane『Ballads』での演奏もお馴染みですね。当ブログではPharoah SandersAnn Burtonのカヴァーを紹介済みです。お馴染みの名バラードを、Staceyの歌声の魅力でさらにグレードアップしてくれます。ロマンティックなDavid Newtonのピアノもグッド!
https://www.youtube.com/watch?v=4PuqXXqcnLw

「Manhattan」
Lorenz Hart/Richard Rodgers作。ミュージカル『The Garrick Gaieties』(1925年)のために書かれた曲。
当ブログではThe Girls From Bahiaのカヴァーを紹介済みです。ピアノのみのバッキングですが、小粋な雰囲気の1曲に仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=KrPh_L01qik

「Bali Ha'i」
Oscar Hammerstein II/Richard Rodgers作。ミュージカル『South Pacific』(1949年)のために書かれた曲。この曲の持つエキゾチックなムードをStaceyらしく表現してくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=3bP57RGfSLU

他のStacey Kent作品もチェックを!

『Close Your Eyes』(1997年)
Close Your Eyes

『Love Is...The Tender Trap』(1998年)
Love Is...The Tender Trap

『Let Yourself Go: Celebrating Fred Astaire』(2000年)
Let Yourself Go: Celebrating Fred Astaire

『Dreamsville』(2000年)
ドリームズヴィル [日本語帯・解説付] [輸入CD]

『The Boy Next Door』(2003年)
The Boy Next Door

Jim Tomlinson Feat. Stacey Kent『The Lyric』(2005年)
The Lyric featuring Stacey Kent

『Breakfast On The Morning Tram』 (2007年)
Breakfast on the Morning Tram

『Raconte Moi』 (2010年)
パリの詩

『Dreamer in Concert』(2011年)
Dreamer in Concert

『The Changing Lights』(2013年)
Changing Light

Marcos Valle & Stacey Kent『Ao vivo』(2014年)
Marcos Valleとの共演ライブ
マルコス・ヴァーリ&ステイシー・ケント・ライヴ~マルコス・ヴァーリ・デビュー50周年記念

『Tenderly』(2015年)
Tenderly

『I Know I Dream:The Orchestral Sessions』(2017年)
アイ・ノウ・アイ・ドリーム
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2021年03月01日

Curtis Mayfield『Do It All Night』

ディスコ・カーティス第一弾☆Curtis Mayfield『Do It All Night』

発表年:1978年
ez的ジャンル:ディスコ・カーティス
気分は... :怒涛の3月突入!

あっという間に3月ですね。
今月は忙しいのが目に見えているので少々気が重いです

久々のCurtis Mayfieldです。
取り上げたのはディスコ路線の『Do It All Night』(1978年)です。

昨日の投稿でソウル名曲カヴァーを紹介しましたが、投稿後に紹介した曲一覧を眺めていたら、ふと「Curtis作品がないなぁ」と思い、そんな流れで久々にCurtisを取り上げたくなりました。

これまで当ブログで紹介したCurtis Mayfield作品は以下の10枚。

 『Curtis』(1970年)
 『Curtis/Live!』(1971年)
 『Roots』(1971年)
 『Superfly』(1972年)
 『Back To The World』(1973年)
 『Got To Find A Way』(1974年)
 『Give, Get, Take And Have』(1976年)
 『Never Say You Can't Survive』(1977年)
 『Heartbeat』(1979年)
 『Something To Believe In』(1980年)

本作『Do It All Night』(1978年)は、ディスコ路線を打ち出した1枚であり、この流れは次作『Heartbeat』(1979年)にも受け継がれます。

プロデュースはCurtis Mayfield自身。アレンジはGil Askey

レコーディングにはCurtis Mayfield(vo、g)、Keni Burke(b)、Donelle Hagan(ds)、Henry Gibson(bongos、congas)、Gary Thompson(g)、Lucky Scott(b)、Floyd Morris(key)、Rich Tufo(key)、The Jones Girls(back vo)、(back vo)、Kitty Haywood & the Haywood Singers(back vo)といったミュージシャンが参加しています。

ディスコ路線全開の「Do It All Night」「No Goodbyes」「Party, Party」というJim Burgessがミックスを手掛けた3曲がアルバムを印象づけています。

Linda Clifford提供曲の自身ヴァージョン「You Are, You Are」、メロウ・バラード「In Love, In Love, In Love」もおススメです。

一般的にはあまり評価の高い作品ではありませんが、僕は結構好きです。

全曲紹介しときやす。

「Do It All Night」
Gil Askey/Curtis Mayfield作。シングル・カットもされたタイトル曲。本作を象徴する軽快なディスコ・ダンサー。Curtisらしい味わいもホンノリ残っていているのがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=4ur_ts47Jdw

「No Goodbyes」
Gil Askey/Curtis Mayfield作。Curtis流フィリー・ダンサーといった雰囲気のストリングス入りディスコ・チューン。Henry Gibsonによるパーカッシヴなリズムも僕好みです。
https://www.youtube.com/watch?v=IO7uYwCoft8

「Party, Party」
Gil Askey/Curtis Mayfield作。Chicあたりを意識したかのような都会的ディスコ・チューン。こういうの大好き!
https://www.youtube.com/watch?v=EyvmJe25acQ

「Keeps Me Loving You」
Curtis Mayfield作。本来のCurtisらしさを感じる、少しイナたくて温かいミディアム。その分、地味な存在ですが・・・
https://www.youtube.com/watch?v=UjVmdr74ihc

「In Love, In Love, In Love」
Curtis Mayfield作。Curtisらしいファルセットを満喫できるメロウ・バラード。アレンジも含めて素敵な1曲だと思います。

「You Are, You Are」
Curtis Mayfield作。Linda Cliffordのために書いた楽曲のCurtisヴァージョン。Linda Cliffordヴァージョンは『If My Friends Could See Me Now』(1978年)収録。Curtisヴァージョンはシングルにもなりました。軽々なファンキー・グルーヴで楽しませてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=ew8vl3JoAPM

Curtisの過去記事もご参照下さい。

『Curtis』(1970年)
Curtis

『Curtis/Live!』(1971年)
Curtis/Live!

『Roots』(1971年)
Roots

『Superfly』(1972年)


『Back To The World』(1973年)


『Got To Find A Way』(1974年)


『Give, Get, Take And Have』(1976年)
ギヴ・ゲット・テイク・アンド・ハヴ+1(紙ジャケット仕様)

『Never Say You Can't Survive』(1977年)
ネヴァ・セイ・ユー・キャント・サヴァイヴ+1(紙ジャケット仕様)

『Heartbeat』(1979年)
ハートビート+2(紙ジャケット仕様)

『Something To Believe In』(1980年)
サムシング・トゥ・ビリーヴ・イン+1(紙ジャケット仕様)

本作のディスコ/ダンス路線を気に入った方はLinda Cliffordのソロ作をチェックするのも楽しいのでは?

『Linda』(1977年)
Linda/If My Friends Could See.

『If My Friends Could See Me Now』(1978年)
If My Friends Could See Me Now

『Let Me Be Your Woman』(1979年)
Let Me Be Your Woman
posted by ez at 00:05| Comment(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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