発表年:2010年
ez的ジャンル:ニューオリンズ・ファンク・バンド
気分は... :ガンボ!
今回はニューオリンズが誇るファンク・ジャム・バンドGalacticの『Ya-Ka-May』(2010年)です。
1994年にニューオリンズで結成されたファンク・ジャム・バンドGalacticについて、これまで当ブログで紹介したのは以下の3枚。
『Crazyhorse Mongoose』(1998年)
『Ruckus』(2003年)
『From The Corner To The Block』(2007年)
本作『Ya-Ka-May』(2010年)は、前作『From The Corner To The Block』(2007年)でのHip-Hopアプローチとバンドの原点ともいうべきニューオリンズ・ファンクを融合させたニューオリンズ音楽パーティー的な1枚に仕上がっています。
本作におけるメンバーはBen Ellman(horns、harps、prog)、Robert Mercurio(b)、Stanton Moore(ds)、Richard Vogel(key)、Jeff Raines(g)。
プロデュースはBen Ellman。
Chuck Brody、Count がプロデュースに加わっているトラックもあります。
The Rebirth Brass Band、Irma Thomas、Big Chief Bo Dollis(The Wild Magnolias)、Allen Toussaint、Walter "Wolfman" Washingtonなどニューオリンズの新旧アーティストが多数フィーチャリングされています。
また、Louis "Becky" Clark(per)、Steve Riley(accordion)、Mark paradis(cello)、Anders Osborne(g)といったミュージシャンも参加しています。
ニューオリンズのブラス・バンドThe Rebirth Brass Bandをフィーチャーした「Boe Money」、ベテラン女性ソウル・シンガーIrma Thomasをフィーチャー「Heart Of Steel」、The Wild MagnoliasのリーダーBig Chief Bo Dollisをフィーチャーした「Wild Man」、Katey Red、Sissy NobbyのラップをフィーチャーしたHip-Hopトラック「Katey Vs. Nobby」、僕の一番のお気に入りのインスト・ファンク「Cineramascope」あたりが僕のおススメです。
進化と原点回帰をうまくバランスさせた僕好みのダイナミックなニューオリンズ・ファンクで魅せてくれる1枚です。
全曲紹介しときやす。
「Friends Of Science」
ドライヴ感のあるファンキー・チューンがオープニング。このバンドの持つミクスチャー感覚を満喫できます。
https://www.youtube.com/watch?v=dzgZejA9jyA
「Boe Money」
ニューオリンズのブラス・バンドThe Rebirth Brass Bandをフィーチャー。素晴らしいブラス・アンサンブルで楽しませてくれる迫力満点のニューオリンズ・ファンク。
https://www.youtube.com/watch?v=RiS5M7TgtpQ
「Double It」
Big FreediaのラップをフィーチャーしたHip-Hopバンド的なトラック。不穏ムードのコズミック感覚がいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=r_-oAWEE8mY
「Heart Of Steel」
ベテラン女性ソウル・シンガーIrma Thomasをフィーチャー。ニューオリンズ・ファンクの伝統とHip-Hop経由のファンク・アプローチをうまく融合させています。Irmaのヴォーカルにはベテランならではの色気があっていいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=8Tqlaogfu7M
「Wild Man」
ニューオーリンズのマルディグラ・インディアンのバンドThe Wild Magnoliasのリーダーであり、部族のビッグ・チーフ(酋長)であるBig Chief Bo Dollisをフィーチャー。ニューオリンズ・マナーに配慮したモダンでパワフルなファンク・チューンで楽しませてくれます。このドライヴ感は格好良い!
https://www.youtube.com/watch?v=Wu0pwcFPb6I
「Bacchus」
ニューオーリンズを代表する大物ミュージシャンAllen Toussaintをフィーチャー。そんな大物を迎えても、攻めのアプローチで新旧ニューオリンズ・サウンドをミクスチャーさせています。
https://www.youtube.com/watch?v=Daz4jvU9Hec
「Katey Vs. Nobby」
Katey Red、Sissy Nobbyのラップをフィーチャー。ワイルドなドライヴ感にエレクトロニクスなアクセントをうまく織り交ぜたトラックに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=NO4XSObbLvE
「Cineramascope」
Corey Henry、Trombone Shortyというホーン隊をフィーチャー。僕の一番のお気に入り。ダイナミックなホーン・サウンドが躍動するインスト・ファンクは格好良すぎます!
https://www.youtube.com/watch?v=MaoUyW5sXfc
「Dark Water」
John Boutteをフィーチャー。タイトルの通りダークトーンの仕上がり。少しロッキンな感じもあります。チェロのアクセントも効いています。
https://www.youtube.com/watch?v=advYZmmMGys
「Do It Again」
Cheeky Blakkのラップをフィーチャー。生音Hip-Hopバンド的な格好良さがあるファンク・グルーヴ。Cheeky Blakkのラップも存在感があります。
https://www.youtube.com/watch?v=41USJy2r6gY
「Liquor Pang」
Breakestraなどでも知られるドラマーJosh CohenとMorning 40 Federationなどでの活動でも知られるRyan Scullyをフィーチャー。ダークなロック・チューンに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=K8tMSD9XTko
「Krewe D'Etat」
繋ぎの短いインスト。
https://www.youtube.com/watch?v=9EO_HqGloAQ
「You Don't Know」
Glen David Andrews、The Rebirth Brass Bandをフィーチャー。ニューオリンズらしいブラス・アンサンブルを楽しみましょう。
https://www.youtube.com/watch?v=uxNFYbCDkrY
「Speaks His Mind」
伝説のブルース・アーティストWalter "Wolfman" Washingtonをフィーチャー。Walter "Wolfman" Washingtonのブルージーな魅力を生かしつつ、モダンにアップデートさせている感じがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=SMTw8BPScN0
「Do It Again (Again)」
「Do It Again」のリプライズでアルバム本編を締め括ってくれます。
「Muss The Hair」
国内盤ボーナス・トラック。Allen Toussaintをフィーチャー。本編に収録されていた「Bacchus」以上に、Allen Toussaintらしいニューオリンズ・ワールドを楽しめます。
Galacticの他作品もチェックを!
『Coolin' Off』(1996年)
『Crazyhorse Mongoose』(1998年)
『Late for the Future』(2000年)
『We Love 'Em Tonight: Live at Tipitina's』(2001年)
『Ruckus』(2003年)
『From The Corner To The Block』(2007年)
『The Other Side Of Midnight: Live In New Orleans』(2011年)
『Carnivale Electricos』(2012年)
『Into the Deep』(2015年)
『Already Ready Already』(2019年)