発表年:1989年
ez的ジャンル:レジェンド・シカゴ・ハウス
気分は... :「French Kiss」だけではない!
シカゴ・ハウスのレジェンドの一人Lil Louisの1stアルバム『From The Mind Of Lil Louis』(1989年)です。
1962年シカゴ生まれのDJ/ハウス・プロデューサーLil Louis(本名:Marvin Louis Burns)の紹介は、2ndアルバム『Journey with the Lonely』(1992年)に続き2回目となります。
個人的には前回紹介した2ndアルバム『Journey with the Lonely』(1992年)やそこからシングル・カットされUSダンス・チャート第1位となった「Club Lonely」を聴く頻度が圧倒的に多かったですが、Lil Louisの代表曲となれば、何といっても世界中で600万枚以上を売り上げた大ヒット・シングル「French Kiss」になってしまいますね。
「French Kiss」は、女性のセクシーな喘ぎ声を使った禁断の変態ハウスですが、Ukチャートで第1位、USダンス・チャート第1位をはじめ、世界中で大ヒットしました。
その「French Kiss」収録の1stアルバム『From The Mind Of Lil Louis』(1989年)ですが、どうしても「French Kiss」のイメージが先行してしまうかもしれません。しかし、アルバムは当時は新ジャンルであったハウス・ミュージックの魅力を伝える実に音楽的なアルバムに仕上がっています。
Lil Louisと同じくシカゴ・ハウスのレジェンド、Mr. FingersことLarry Heardが2曲に参加し、Lil Louisと共に作曲/プロデュースを手掛けています。
個人的にはそのLarry Heard(Mr. Fingers)との共演した「Tuch Me」と「6 A.M.」、Lil LouisのDJ的センスが詰まった人気曲「I Called U」、Die Warzauとの共同プロデュースによる哀愁トラック「It's The Only Thing」、R&B調のメロウ・バラード「The Luv U Wanted」、セクシー&メロウなミディアム・グルーヴ「Nyce & Slo」あたりがお気に入りです。
「French Kiss」だけではないLil Louisのシカゴ・ハウス・ワールドを楽しみましょう!
全曲紹介しときやす。
「I Called U」
電話の呼び鈴が時代を感じますが、70年代からDJとして活動していたLil LouisのDJ的センスとシカゴ・ハウスらしいエッセンスが詰まった人気曲。ジャズ・フィーリングのピアノ入りのハウス大好き!
https://www.youtube.com/watch?v=g2GZ1u01zB0
「Blackout」
アンダーグラウンドで不穏なミニマル感がいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=p2UG3sLkGgo
「Tuch Me」
Larry Heard(Mr. Fingers)との共演1曲目。シカゴ・ハウス・レジェンドの強力タッグが悪いはずありません。Fingers, Inc.や初期Mr. Fingersに通じる美しくも儚いハウス・ワールドが展開されます。
https://www.youtube.com/watch?v=WHifmTt4eH0
「French Kiss」
前述の思わず赤面の大ヒット・シングル。聴くときには音漏れや他人に聴かれないていないかチェックしましょう(笑)。そういったセクシー要素以外に、BPMの緩急を巧みに駆使したDJ的センスもヒットの要因かもしれませんね。
https://www.youtube.com/watch?v=LcKFSJTIC20
Fantastic Plastic Machine等がカヴァーしています。また、Michael Jackson「In the Closet (The Vow)」、Lil' Kim「Custom Made (Give It to You)」等のサンプリング・ソースとなっています。
Fantastic Plastic Machine「French Kiss」
https://www.youtube.com/watch?v=3GdAOHeqG5U
Michael Jackson「In the Closet (The Vow)」
https://www.youtube.com/watch?v=ucQ_iWgbFRk
Lil' Kim「Custom Made (Give It to You)」
https://www.youtube.com/watch?v=ruGBHEw1hPc
「Wargames」
実験的なトラックですが、今聴くとL.A.ビートミュージックあたりにも通ずるものがあるかもしれませんね。
「It's The Only Thing」
Die Warzauとの共同プロデュース。儚いヴォーカル、トライバルなビート、哀愁シンセの音色が印象的な僕好みのトラック。
https://www.youtube.com/watch?v=v9ReTnu8t-A
「6 A.M.」
Larry Heard(Mr. Fingers)との共演2曲目。Mr. Fingers『Introduction』(1992年)あたりに通ずるジャズ・フィーリング全開のインスト・ハウスに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=TeBaos479Ys
「Nyce & Slo」
セクシー&メロウなミディアム・グルーヴ。ハウス黎明期以前からDJとして活動していた彼らしくハウスの枠に収まらない音楽センスを感じます。
https://www.youtube.com/watch?v=M8ZMqFowhks
「Insecure」
Lil' Louis自身がヴォーカルをとる哀愁メロウ・バラード。アルバムの構成上、こういうアクセントをつけたいのも理解できますが僕はスルー(笑)
https://www.youtube.com/watch?v=Ni3nNtya4tI
「The Luv U Wanted」
Eric Ferrranteとの共同プロデュース。バラードならば、前曲よりもこちらの方が断然いいです。Jadeの女性ヴォーカルをフィーチャーしたR&B調のメロウ・バラード。ジャズ・フィーリングのピアノもグッド!
https://www.youtube.com/watch?v=NEOTwvJZ8cc
「Brittany」
哀愁ピアノが印象的なインスト。
https://www.youtube.com/watch?v=MDFBfExU9To
「Lil Tanya」
ジャズ・ミュージックである父Bobby Sims(vo、g)との共演。ハウスとは全く関係ないリラックスしたブルース調の親子共演です。
https://www.youtube.com/watch?v=zcN1znKou7Q
「6 A.M. (Reprise)」
「6 A.M.」のリプライズ。
「I Called U (Reprise)」
「I Called U 」のリプライズ。
未聴の方は2nd『Journey with the Lonely』(1992年)もチェックを!
『Journey with the Lonely』(1992年)
「Club Lonely」
https://www.youtube.com/watch?v=AqLmmM_sXH8
「Saved My Life」
https://www.youtube.com/watch?v=ogJ1DuF-nvM