発表年:1976年
ez的ジャンル:サイレント・ストーン系ロック
気分は... :孤独なストーン・・・
元The Rolling StonesのベーシストBill Wymanの2ndソロ・アルバム『Stone Alone』(1976年)です。
1936年生まれ。1962年から1993年までThe Rolling Stonesのベーシストとして活躍したBill Wyman。
Mick Jagger、Keith Richardsらの陰に隠れ、Charlie Watts(ds)と共に"サイレント・ストーン"としてリズム隊に徹していたBill Wyman。
そんなBill Wymanの2ndソロ・アルバム『Stone Alone』(1976年)ですが、Rolling Stonesからリリースされたものの、発売当時のチャート・アクションや評価は芳しくありませんでした。しかしながら、90年代にフリーソウル方面で「If You Wanna Be Happy」が話題となり、再評価が高まった1枚です。
僕もそれまでは全然興味がないアルバムでしたが、それで注目するようになり、再発CDを購入した次第です。また、この人の持つ長閑な雰囲気が今の僕にはフィットするかもしれません。
プロデュースはBill Wyman自身。
レコーディング・メンバーはBill Wyman(vo、b、g、p、per、horn arr)以下、Bob Welch(g)、Danny Kortchmar(g)、Ronnie Wood(g)、Terry Taylor(g)、Joe Walsh(g)、John McFee(fiddle、pedal steel)、Nicky Hopkins(p)、Joe Vitale(p)、Al Kooper(p)、Dr. John(org、marimba)、Albhy Galuten(syn)、Dallas Taylor(ds、per)、Jim Keltner(ds)、Greg Errico(ds)、Van Morrison(as、harmonica、g)、Emilio Castillo(horns)、Lenny Pickett(horns)、Mic Gillette(horns)、Stephen Kupka(horns)、Bonnie Pointer(back vo)、Ruth Pointer(back vo)、Clydie King(back vo)、Vanetta Fields(back vo)、Paula Harrison(back vo)等のミュージシャンが参加しています。
Gary "U.S." Bondsのカヴァー「A Quarter to Three」、Jimmy Soulのカヴァー「If You Wanna Be Happy」、Danny Kortchmar作の「Feet」という3曲以外はすべてBill Wymanのオリジナルです。
アルバムは一貫してリラックスした雰囲気です。
話題の「If You Wanna Be Happy」以外であれば、グルーヴィー&ソウルフル&スワンピーな「Wine and Wimmen」、アイランド・モードのトロピカル・チューン「Soul Satisfying」、シングルにもなったパーカッシヴな「Apache Woman」、Danny Kortchmar作の「Feet」、セクシー・モードとイナたさが融合した「Peanut Butter Time'」あたりが僕のおススメです。
"サイレント・ストーン"の豊かな音楽性を楽しみましょう。
全曲紹介しときやす。
「A Quarter to Three」
Gary "U.S." Bonds、1961年のヒット・シングルをカヴァー (Gene Barge, Gary "U.S." Bonds, Frank Guida, Joseph Royster作)。シングルにもなりました。リラックスしたR&B調ダンサブル・チューンは実に楽しげです。Van Morrisonがサックスで参加。
https://www.youtube.com/watch?v=MfmjktlGgVs
「Gimme Just One Chance」
リラックスした演奏ですが、ソウルフルな女性コーラス隊とDr. Johnのマリンバが印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=R939aRximnw
「Soul Satisfying」
アイランド・モードのトロピカル・チューン。シンセのアクセントも程良い感じです。
https://www.youtube.com/watch?v=o-I1ZdThIUs
「Apache Woman」
シングルにもなりました。インディアン・ミュージック仕様のパーカッシヴなグルーヴは僕好み。ヴォーカルは長閑ですがサウンドはなかなかキマっています。
https://www.youtube.com/watch?v=9IGGx-I-R_s
「Every Sixty Seconds」
リラックスしすぎたRolling Stonesといった雰囲気のイナたくブルージーな演奏です。
https://www.youtube.com/watch?v=W0dCpsEiym0
「Get It On」
リラックスした楽しげなロック。本来こういうタイプの演奏は苦手なのですが、Bill Wymanだと許せちゃいますね(笑)
https://www.youtube.com/watch?v=imENxBnNKrc
「Feet」
Danny Kortchmar作。Danny Kortchmarらしい曲調ですが、それがBill Wymanの個性とよくフィットしています。後にSteve Cropperもカヴァーしています。
https://www.youtube.com/watch?v=VeJvQJYwcww
「Peanut Butter Time'」
セクシー・モードとイナたさの融合がBill Wymanらしいかもしれませんね。サウンド自体にはBill Wymanのセンスを感じます。
https://www.youtube.com/watch?v=V0-e90-PWbM
「Wine and Wimmen」
僕の一番のお気に入り。グルーヴィー&ソウルフル&スワンピーな演奏です。この躍動感、推進力は魅力的です。
https://www.youtube.com/watch?v=qR1OKMH4-Zw
「If You Wanna Be Happy」
Jimmy Soul、1963年のヒット・シングルをカヴァー (Carmela Guida, Frank Guida, Joseph Royster作)。本作の再評価を高めるきっかけとなったフリーソウル。リラックスしたハッピー・チューンです。サウンド的に当ブログでも紹介したフリーソウル人気曲The Brady Bunch「I Believe in You」を引き合いに出しているサイトを見かけましたが、確かに同タイプですね。
https://www.youtube.com/watch?v=mIeLGeJEnEI
The Brady Bunch「I Believe in You」
https://www.youtube.com/watch?v=qHOhx0c8CNM
「What's the Point」
カントリー・ロックな仕上がり。僕が苦手な芋臭いタイプのカントリーなのですが、不思議となBill Wymanのキャラに合っていてそれ程拒否反応が起きません(笑)
https://www.youtube.com/watch?v=flcZY10pf8E
「No More Foolin'」
本編ラストはBillがLouis Armstrongのヴォーカル・スタイルを真似たユーモラスかつオールドタイミーな演奏を楽しめます。
https://www.youtube.com/watch?v=hoZluK5k4wU
CDにはボーナス・トラックとして、以下の2曲が追加収録されています。
「Can't Put Your Picture Down」
イナたい雰囲気ですが、遊び心のある音作りがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=Tln-JZw1jck
「Love Is Such A Wonderful Thing」
ジェントルなジャジー・ソウル。Ben Sidranあたりがやりそうな感じですね。
https://www.youtube.com/watch?v=TbF3mEp1ZSI
ご興味がある方はBill Wymanの他の初期ソロ作もチェックを!
『Monkey Grip』(1974年)
『Bill Wyman』(1982年)
Willie and the Poor Boys『Willie and the Poor Boys』(1985年)