発表年:2010年
ez的ジャンル:L.A.スピリチュアル・ジャズ・プロジェクト
気分は... :梵我一如・・・
今回はL.A.のスピリチュアル・ジャズ・プロジェクトBuild An Arkの4thアルバム『Love Part 2』(2010年)です。
US西海岸の奇才ミュージシャン/プロデューサーCarlos Ninoを中心としたスピリチュアル・ジャズ・プロジェクトBuild An Arkについて、当ブログで紹介したのは以下の3枚。
『Peace With Every Step』(2004年)
『Dawn』(2007年)
『Love (Part 1)』(2009年)
本作はタイトルの通り、『Love (Part 1)』(2009年)の続編として制作されたアルバムです。
ただし、それまでのBuild An Ark作品と同じく、ラブ&ピースなスピリチュアル・ジャズ・ワールドを展開したPart 1とは、かなり雰囲気の異なるアルバムです。
瞑想のスピリチュアル/アンビエント・ジャズというのがアルバム全体の印象です。
プロデュースはCarlos Nino。
Carlos Nino(per)、Miguel Atwood-Ferguson(violin、viola、cello、harp、p)、Dwight Trible(vo)、Nick Rosen(b)、Tara Speiser(bassoon)、Yaakov Levy(fl、ballaphone)、Tony Austin(ds)、Jim Lang(org)、Andres Renteria(ds、per)、Damon Aaron(g、per)、Peter Jacobson(cello)、Rebekah Raff(harp)、Paul Livingstone(sirar)、Michael White(violin)、Mia Doi Todd(vo、g)、Waberi Jordan(chant)、Gaby Hernandez(chant)Nedra Wheeler(b)、Alan Lightner(ds)、Nate Morgan(p)、Leisei Chen(vo)、NTrevor Ware(b)、Thomas White (ds)、Derf Reklaw(congas)、John Rangel(p)、 Carmen Lundy(vo)等のミュージシャンが参加しています。
多くは『Love (Part 1)』(2009年)の参加ミュージシャンです。
目立つのはHal David/Burt Bacharach作品のカヴァー「What The World Needs Now Is Love」、Donny Hathaway/Leroy Hutson作品のカヴァー「Tryin' Times」という2曲のヴォーカル曲ですが、個人的には瞑想モードの「Nature」、「Ginger」、「Improvisation Day 10」やビートの効いたスリリングな「Improvisation Day 8」、前衛的スピリチュアル・ジャズ「Say Yes!」、美しきスピリチュアル・ジャズ「Improvisation Day 2」あたりがお気に入りです。
いつものBuild An Arkとは異なる雰囲気ですが、瞑想モードでお楽しみください。
全曲紹介しときやす。
「Cosmic Tuning」
Build An Ark作。正に宇宙のチューニングといった雰囲気のアルバムのプロローグ。
「Nature」
Build An Ark作。東洋的な瞑想の世界へ誘われるサウンドです。曼荼羅で見えてきます・・・
「Ginger」
Build An Ark作。目を閉じて聴けば、シタールの音色と共に瞑想モードへ・・・こういうの大好き!
「Say Yes!」
Build An Ark/Mia Doi Todd作。Mia Doi Toddのヴォーカルをフィーチャーした前衛的スピリチュアル・ジャズ。
「Improvisation Day 1」
Build An Ark作。バラフォン(マリンバの先祖にあたるアフリカの民族楽器)の音色が印象的な演奏です。
「Improvisation Day 8」
Miguel Atwood-Ferguson/Nick Rosen/Tony Austin作。6曲目にして、ようやくビートの効いたジャズ演奏を楽しめます。なかなかスリリングで格好良いです。
「Cadence Of The Love Messengers」
Tony Austinのドラム・ソロです。
「What The World Needs Now Is Love」
Hal David/Burt Bacharach作。Jackie DeShannonのヒット曲をカヴァー。ヴォーカルはDwight Trible。彼の深遠なヴォーカルと生かしたソウルフルな仕上がりです。Dwight Tribleは当ブログでも紹介した自身のアルバム『Inspirations』(2017年)でも本曲をカヴァーしています。
それ以外に当ブログではCal Tjader、Enoch Light、Samuel Jonathan Johnson、The Sweet Inspirationsヴァージョンも紹介済みです。
「Improvisation Day 10」
Build An Ark作。ハープとシタールの響きが織り成す瞑想モードのアンビエント。アートマンがブラフマンに包まれていきます。
「Improvisation Day 2」
Build An Ark作。Yaakov LevyのフルートとMiguel Atwood-Fergusonのピアノらが織り成す美しきスピリチュアル・ジャズ。心が洗われます。
「Tryin' Times」
ラストはDonny Hathaway/Leroy Hutson作品のカヴァー。『First Take』(1969年)収録のRoberta Flackヴァージョンや『Everything Is Everything』(1970年)収録のDonny Hathawayヴァージョンでお馴染みの曲です。ヴォーカルはDwight TribleとCarmen Lundy。ソウルフルなジャズ・バラードですが、コンガのアクセントが僕好みです。
https://www.youtube.com/watch?v=Ncbl80YbvVI
この曲もDwight Tribleが『Inspirations』(2017年)でカヴァーしています。
当ブログではCourtney Pineのカヴァーも紹介済みです。
Build An Arkの他作品もチェックを!
『Peace With Every Step』(2004年)
『Dawn』(2007年)
『Love (Part 1)』(2009年)
『The Stars Are Singing Too』(2011年)