発表年:1988年
ez的ジャンル:ダンサブル・ミクスチャー・ロック
気分は... :踊るためのロック!
元The ClashのギタリストMick Jones率いるミクチャ―・ロック・ユニットBig Audio Dynamiteの3rdアルバム『Tighten Up Vol. 88』(1988年)です。
Big Audio Dynamite(略称B.A.D.)は、人気パンク・ロック・バンドThe Clashを一方的に解雇されてしまったMick Jonesが映像作家のDon Lettsらと1984年に結成したダンス・ロック・ユニット。
結成メンバーはMick Jones(vo、g)、Don Letts(sound effects、vo)、Greg Roberts(ds、vo)、Dan Donovan (key、vo)、Leo 'E-Zee-Kill' Williams(b、vo)という5名。
デビュー・アルバム『This Is Big Audio Dynamite』(1985年)からは「E=MC2」というシングル・ヒットが生まれ、グループは幸先いいスタートを切りました。
Big Audio Dynamite「E=MC2」
https://www.youtube.com/watch?v=cHTDkJ-bQqM
2ndアルバム『No. 10, Upping St.』(1986年)では、The Clash時代の同僚Joe Strummerが共同プロデューサーとして関与しています。
3rdアルバムとなる本作『Tighten Up Vol. 88』(1988年)では、同じくThe Clash時代の同僚Paul Simononがアルバム・ジャケットを手掛けています。
その後4thアルバム『Megatop Phoenix』(1989年)をリリースしてMick Jonesは第1期B.A.D.に終止符を打ちます。
そして、Mick Jones以外のメンバーを一新し、Big Audio Dynamite IIとして活動を継続させました。
僕にとってのThe ClashはJoe StrummerよりもMick Jonesだったので、彼の新ユニットB.A.D.には当時注目していました。結果的に僕が最も愛聴したB.A.D.のアルバムが本作『Tighten Up Vol. 88』(1988年)でした。
まず音以外の部分、Trojan Recordsのロックステディ・コンピ『Tighten Up』シリーズに由来するアルバム・タイトル、Paul Simononが手掛けたストリート感覚のジャケにグッときますよね。
中身は、パンク・ロックなThe Clashを求めるファンにとっては真逆の方向性かもしれませんが、ダンス・ビートとロック・フィーリングを融合させたMick Jonesらしいミクスチャー・サウンドを楽しめます。『Tighten Up』シリーズを意識しているようにレゲエ/スカ/ラガのエッセンスも随所で聴けます。
プロデュースはMick Jones自身。
シングル曲はファンカラティーナ調のダンス・チューン「Just Play Music!」とダンサブル・ロック「Other 99」。
それ以外であれば、ファンカラティーナ×ディスコなタイトル曲「Tighten Up Vol. '88」、Go-Go×レゲエ×ロックな「Rock Non Stop (All Night Long)」、「Other 99」と同タイプの「Hip, Neck & Thigh」、B.A.D.らしいダンサブル・ミクスチャー・ロック「Champagne」あたりがおススメです。
Mick Jonesならではのダンサブル・ミクスチャー・ロックを満喫しましょう。
全曲紹介しときやす。
「Rock Non Stop (All Night Long)」
Go-Go×レゲエ×ロックなミクスチャー感覚が痛快なオープニング。何でもいいとこどりな感じがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=WmgnsPAgqYI
「Other 99」
アルバムからの2ndシングル。Mick Jonesらしいキャッチーで格好良いダンサブル・ロック。Mick Jonesの美学を実感できる1曲なのでは?久しぶりに聴きましたが、思わず体を揺らしてしまいました。
https://www.youtube.com/watch?v=NZaEOvey-bI
「Funny Names」
テンポを落とした1曲ですが、正直僕には面白さがあまり伝わってきません。
https://www.youtube.com/watch?v=tJ8M25aRrNA
「Applecart」
メロディアスなロックとクラシックとダンス・ビートを融合させた手腕はお見事!
https://www.youtube.com/watch?v=mexCyGjqv1g
「Esquerita」
意外とフツーにロックンロールしています。
https://www.youtube.com/watch?v=aDnAUgcieDE
「Champagne」
B.A.D.らしいダンサブル・ミクスチャー・ロック。踊るためのロックに徹しているのがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=tBRdOYsMpxQ
「Mr. Walker Said」
メロディアスなMick JonesとダンサブルなMick Jonesがうまく折り合いをつけている感じがグッド!
「The Battle Of All Saints Road」
Hip-Hop×トラッドという意外な組み合わせ。終盤にはラガマフィン調の展開になります。
https://www.youtube.com/watch?v=BR9flFVy8DM
「Hip, Neck & Thigh」
「Other 99」と同タイプのダンサブル・ロック。この曲調はMick Jonesの必勝パターンですね。
https://www.youtube.com/watch?v=ATEZO48QZzc
「2000 Shoes」
B.A.D.流のファンク・チューンですが、タップ・リズムを取り入れているあたりが面白いですね。
https://www.youtube.com/watch?v=ePSEA0h1Lg8
「Tighten Up Vol. '88」
ファンカラティーナ×ディスコなタイトル曲が僕の一番のお気に入り。チープなピコピコ電子ビートを逆手に取った感じがサイコーです。
https://www.youtube.com/watch?v=OkZ-Gk5Bj3k
「Just Play Music!」
アルバムから1stシングル。ファンカラティーナ調のダンス・クラシック。ファンカラティーナ×テクノ×ロッキン・ギターのミクスチャー感覚がサイコーです。途中のヴォーカルがラガマフィン調になるのもこのユニットらしくて好きです。
https://www.youtube.com/watch?v=LA31hiYg_Vk
B.A.D.の他作品もチェックを!
『This Is Big Audio Dynamite』(1985年)
『No. 10, Upping St.』(1986年)
『Megatop Phoenix』(1989年)