2021年04月11日

Antonio Neves『A Pegada Agora E Essa』

刺激的な次世代ブラジリアン・ジャズ☆Antonio Neves『A Pegada Agora E Essa』

発表年:2021年
ez的ジャンル:次世代ブラジリアン・ジャズ
気分は... :カオス!

新作アルバムから次世代ブラジリアン・ジャズAntonio Neves『A Pegada Agora E Essa』です。

Antonio Nevesはブラジル出身のトロンボーン奏者/ドラマー。

父はジュリアード音楽院やカリフォルニア・ジャズ音楽院で教授も務めるEduardo Neves

そんな恵まれた音楽環境の中でドラマー、トロンボーンを演奏し、特にトロンボーン奏者としてリオの音楽シーンで頭角を現すようになります。

そんなAntonio Nevesの初リーダー作が本作『A Pegada Agora E Essa』です。

レコーディングにはAntonio Neves(tb、ds、vo、g)以下、父Eduardo Neves(fl)、Leda(vo)、Ana Frango Eletrico(vo)、Gus Levy(g、back vo)、Marcelo Costa(per)、Marcos Esguleba(vo、per)、Alice Caymmi(vo)、Hamilton de Holanda(mandolin)、Leo Gandelman(as)、Joana Queiroz(bass clarinet)、Alberto Continentino(b)、Andre Vasconcellos(b)、Luiz Otavio(el-p)、Eduardo Farias(p)、Eduardo Santana(tp、back vo)、Filipe Castro(per)、Lucas Videla(per)、Marcos Alcides Filho(per)、Gabriel Balleste(back vo)、Jose Castro(back vo)、Rudah Guedes(back vo)等のミュージシャンが参加しています。

Ana Frango Eletrico(vo)、Gus Levy(g、back vo)、Marcelo Costa(per)といった当ブログでもお馴染みの注目ミュージシャンの参加が目を引きます。

内容としては、現在進行形ジャズ、伝統的なブラジル音楽、リオのオルタナ・ポップ第三世代のエッセンスのカオス状態といった次世代ブラジリアン・ジャズです。

アヴァンギャルドなファンキ・カリオカ「Simba」、アフロ・ブラジリアン「A Pegada Agora E Essa」、呪術的ブラジリアン・ジャズ「Noite De Temporal」、Ana Frango Eletricoをフィーチャーした「Luz Negra」、エキサイティングな「Forte Apache」など刺激的な演奏が並びます。

ブラジル音楽好きもジャズ好きも刺激を受ける1枚だと思います。

全曲紹介しときやす。

「Simba」
Ledaのヴォーカルをフィーチャー。リオ発のゲットー・ミュージック=ファンキ・カリオカ(バイレ・ファンキ)のリズムなのだとか。アヴァンギャルドなブラジリアン・ジャズといった印象です。
https://www.youtube.com/watch?v=iCClDvf8--g

「A Pegada Agora E Essa」
Esgulebaのヴォーカルをフィーチャー。アフロ・ブラジリアン・リズムとジャズを巧みに融合した演奏です。原始的な衝動と知的ジャズが同居している感じが面白いですね。
https://www.youtube.com/watch?v=oLx0Yi2Rx4Y

「Noite De Temporal」
Alice Caymmiのヴォーカルをフィーチャー。カンドンブレの影響を感じる呪術的ブラジリアン・ジャズ。
https://www.youtube.com/watch?v=-JMmJSy1YzE

「Luz Negra」
Nelson Cavaquinho/Amancio Cardoso作。注目のアーティストAna Frango Eletricoのヴォーカルをフィーチャー。幻想的な美しさに引き込まれる演奏です。
https://www.youtube.com/watch?v=h4xUynHu7kc

「Forte Apache」
Hamilton de Holandaのマンドリンをフィーチャー。バス・クラリネットの穏やかな響き、ノイジーなギターの響きのコントラストを突き破るかのようにマンドリンの幻想的な音色が突き抜けていきます。いやぁ、なかなかエキサイティングな演奏です。
https://www.youtube.com/watch?v=v4pjerpUzZU

「Lamento De Um Perplexo」
Leo Gandelmanのアルト・サックスをフィーチャー。本作のなかでは一番穏やかな演奏です。
https://www.youtube.com/watch?v=p8q2MbJadCE

「Summertime」
George Gershwin/Ira Gershwinのスタンダードをカヴァー。お馴染みの名曲を現在進行形ジャズとして聴かせてくれます。これぞ21世紀ジャズらしい「Summertime」だと思います。
https://www.youtube.com/watch?v=7RWDe0gEgdo

「Jongo No Feudo」
Edu Nevesのフルートをフィーチャー。ラストはトロンボーンとフルートの親子共演で締め括ってくれます。現在進行形ジャズとして聴いてもフツーに格好良いと思います。
https://www.youtube.com/watch?v=kK2S1Jz1kx0

国内仕様の輸入CDもあるようですが入手しづらいので、通常の輸入盤で購入しました。
posted by ez at 00:01| Comment(0) | 2020年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする