発表年:2004年
ez的ジャンル:UKロック
気分は... :いよいよ3回目の・・・
久々にPaul Wellerのソロ・アルバムを!
セレクトしたのは『Studio 150』(2004年)です。
長年UKロックを牽引してきたPaul Weller。当ブログではThe Jam、Style Council、ソロ作品に関して、これまで以下の10枚を紹介しています。
The Jam
『All Mod Cons』(1978年)
『Setting Sons』(1979年)
『Sound Affects』(1980年)
『The Gift』(1982年)
Style Council
『Introducing The Style Council』(1983年)
『Cafe Bleu』(1984年)
『Our Favorite Shop』(1985年)
『The Cost Of Loving』(1987年)
ソロ作品
『Wild Wood』(1993年)
『Illumination』(2002年)
ソロ・アルバムの紹介は、『Wild Wood』(1993年)のエントリーが2008年だったので、13年ぶりになります。
本作『Studio 150』は、彼の音楽嗜好を反映したカヴァー集です。ソウル、フォーク系のセレクトが多いのが特徴ですね。個人的にはStyle Councilからの流れでソウル系のカヴァーに惹かれて本作を購入しました。
レコーディングにはPaul Weller(vo、g、key)以下、Steve Cradock(g)、Damon Minchella(b)、Steve White(ds、per)、Petra Rosa(harp)、Danny Thompson(double b)、Dalbir Singh Rattan(tabla)、Stefan Schmid(syn)、The Stands(back vo)、Carleen Anderson(back vo)等のミュージシャンが参加しています。
プロデュースはPaul WellerとJan Kybert。
The Jamの後期からずっとPaul Weller関連作品をリアルタイムで追い求めてきた僕でしたが、新作リリース直後に即購入したアルバムは本作『Studio 150』(2004年)が最後になりました。本作を聴き重ねるうち、何となくPaul Wellerは聴ききった!と思ったんですよね。
きっと、僕はロックなPaul Wellerよりも、ソウルなPaul Wellerを求めていて、彼のソウル嗜好は本作のようなカヴァー集でないと難しいのかなぁ?と思い至ったのだと思います。
その意味では、本作における「If I Could Only Be Sure」(Nolan Porter)、「Wishing on a Star」(Rose Royce)、「The Bottle」(Gil Scott-Heron)、「Hercules」(Aaron Neville)、「Thinking of You」(Sister Sledge)といったソウル/ファンク系カヴァーが、僕が求めていたPaul Wellerに近かったのだと思います。
それ以外であれば、The Carpentersの大ヒットで知られるBurt Bacharach/Hal David作品「Close to You」、Bob Dylanの名曲カヴァー「All Along the Watchtower」もおススメです。
本作も他のソロ作同様に、UKアルバム・チャート第2位のヒットとなりました。
全曲紹介しときやす。
「If I Could Only Be Sure」
US R&BシンガーNolan Porter、1972年のシングルをカヴァー (Gabriel Mekler/Nolan Porter作)。ソウル・バンド的なグルーヴィーな演奏がいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=SOCL_6opf_0
「Wishing on a Star」
Rose Royce、UKチャート第3位となった1978年のヒット・シングルをカヴァー (Billie Calvin作)。オリジナルは当ブログでも紹介したアルバム『Rose Royce II: In Full Bloom』(1977年)収録。哀愁モードのブルーアイド・ソウルといった雰囲気です。ハープの音色がいいアクセントになっています。
https://www.youtube.com/watch?v=njPIMCVr9gQ
「Don't Make Promises」
Tim Hardin作品をカヴァー。オリジナルはデビュー・アルバム『Tim Hardin 1』(1966年)収録。アンプラグドな格好良さとホーン・サウンドによるアクセントがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=V8LUDfeawQA
「The Bottle」
Gil Scott-Heronの名曲カヴァー。オリジナルは当ブログでも紹介したアルバム『Winter In America』(1974年)収録。また、『It's Your World』(1976年)でのライヴ・ヴァージョンも紹介済みです。これぞ僕の求めるPaul Wellerって感じの躍動感が格好良いカヴァーです。
https://www.youtube.com/watch?v=woUjL0_JMZw
「Black Is the Colour」
トラディショナルをカヴァー。味わい深い弾き語り。ヴァイオリンによるアクセントがグッド!
https://www.youtube.com/watch?v=pVXgDNkN6L8
「Close to You」
The Carpentersの大ヒットで知られるBurt Bacharach/Hal David作品をカヴァー(オリジナルは1963年のRichard Chamberlainヴァージョン)。このカヴァーも秀逸ですね。何処となくスタカン的センスを感じるのもファンには嬉しいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=yB7UnQDL2pY
「Early Morning Rain」
Gordon Lightfootのカヴァー。オリジナルはデビュー・アルバム『Lightfoot!』(1966年)収録。少しラフな感じが自然体でいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=a3n_QNc53js
「One Way Road」
Oasis、2000年のシングル「Who Feels Love?」のB面曲をカヴァー(Noel Gallagher作)。本作の中では異色のセレクト。演奏もクラリネットでジャズ・エッセンスを取り入れたソウルフル・チューンに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=MiLJ9b9MQRI
「Hercules」
Aaron Neville、1973年のシングル曲をカヴァー (Allen Toussaint作)。Paul Weller流のニューオリンズ・スタイルのソウルを満喫できます。
https://www.youtube.com/watch?v=VLZY6yWxjU8
「Thinking of You」
Chicサウンドが冴え渡る、Sister Sledge永遠のダンス・クラシックをカヴァー(Bernard Edwards/Nile Rodgers作)。オリジナルは当ブログでも紹介した『We Are Family』(1979年)収録。ここではアコースティック・ソウルな「Thinking of You」で楽しませてくれます。美しいストリングスが盛り上げてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=0iykikvY-tw
当ブログではLord Echo、Vida Novaのカヴァーも紹介済みです。
「All Along the Watchtower」
Bob Dylanの名曲をカヴァー。オリジナルは『John Wesley Harding』(1967年)。ここでは当ブログでも紹介したThe Jimi Hendrix Experience『Electric Ladyland』(1968年)ヴァージョンを意識していると思います。Carleen Andersonらの女性コーラスを従えたグルーヴィー・ソウルに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=3beWMVU-LRw
「Birds」
ラストはNeil Youngのカヴァー。オリジナルはアルバム『After the Gold Rush』(1970年)収録。感動的なピアノ・バラードで締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=7z_SF8pKrlA
Paul Wellerの他のソロ・アルバムもチェックを!
『Paul Weller』(1992年)
『Wild Wood』(1993年)
『Stanley Road』(1995年)
『Heavy Soul』(1997年)
『Heliocentric』(2000年)
『Illumination』(2002年)
『As Is Now』(2005年)
『22 Dreams』(2008年)
『Wake Up the Nation』(2010年)
『Sonik Kicks』(2012年)
『Saturns Pattern』(2015年)
『A Kind Revolution』(2017年)
『True Meanings』(2018年)
『On Sunset』(2020年)
『Fat Pop』(2021年)