発表年:2020年
ez的ジャンル:ウルグアイ産エレクトロ・カンドンべ・ポップ
気分は... :コーネリアス!
新作からウルグアイ・ジャズを代表するギタリストSantiago Olariagaの新プロジェクトSOA『Canciones Guachas』です。
Santiago Olariagaは、Trio del FuturoやMOMといった自身のプロジェクトで知られるウルグアイ人ギタリスト。
そんなSantiago Olariagaの新プロジェクトSOAです。
ウルグアイの伝統音楽カンドンべをベースに持つジャズ系ギタリストというイメージの強い人のようですが、本作では全曲ヴォーカル入りで、カンドンべとエレクトロニクスを融合したエレクトロ・カンドンべ・ポップ作品に仕上がっています。
プロデュース/アレンジ/ソングライティングはSantiago Olariaga自身。
レコーディングにはSantiago Olariaga(vo、g、syn、key、ds)以下、Camila Ibarra(vo、syn)、Manuel Llosa(b、vo)、Ruben Casco(key、vo)、Julian Semprini (ds)、Martin Ibarra(g、key、vo)、Martin Ibarburu(ds)、Julieta Rada(vo)といったミュージシャンが参加しています。
注目すべきはコーネリアス(Cornelius)「未来の人へ(Dear Future Person)」の日本語でカヴァーです。渋谷系ミュージシャンとして絶大な人気を誇った小山田 圭吾のソロ・プロジェクトコーネリアスの楽曲を、ウルグアイ人ジャズ・ギタリストが取り上げ、しかも日本語カヴァーしているという点が何とも興味深いですね。
そんなコーネリアスのカヴァーが象徴するように、ウルグアイ・ジャズ云々を意識せずとも楽しめるエレクトロ・ポップでアルバムが埋め尽くされています。
販売元がLouis ColeとGenevieve ArtadiによるL.A.の超絶ポップ・ユニットKNOWERを引き合いに出していますが、僕も本作を聴いて、まず頭に浮かんだのがKNOWERでした。
とりあえず「Void」、「New Memories」、「Dear Future Person」、「Modo Celeste (Remix)」あたりを聴けば、本作の魅力を実感できると思います。
ジャンルを超越したポップ・センスを楽しみましょう。
全曲紹介しときやす。
「Void」
Camila Ibarraがリード・ヴォーカルをとるエレクトロ・ダンス・ポップがオープニング。このオープニングを聴くとKNOWERを引き合いに出したくなるのがわかります。
https://www.youtube.com/watch?v=jQOo91gceGU
「Manto Ambar」
確信犯的なチープなB級ダンス・ポップの佇まいがLouis Coleっぽいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=onGQNNtCpq0
「SomeHow」
エレクトロニカやロックのエッセンスをうまく取り入れたミステリアスな音世界が展開されます。
https://www.youtube.com/watch?v=GJfW_GeWmLI
「Rising Lines」
現行ジャズやL.A.ビートミュージックあたりとも共振しそうなミニマル・ジャズ・グルーヴ。
https://www.youtube.com/watch?v=7UYTFWveva4
「New Memories」
Camila Ibarraがリード・ヴォーカルをとるエレクトロ・メロウ・ポップ。この曲もKNOWERタイプの仕上がりですが、Olariagaのギター・プレイも楽しめます。
https://www.youtube.com/watch?v=UaWnjZK5jhs
「Your Song」
何処となく寂しげな哀愁エレクトロ・ポップ。インディー・ロック的なギター・プレイも印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=jY9bIJzM2cc
「Dear Future Person」
前述のように、コーネリアス「未来の人へ」の日本語カヴァー(小山田 圭吾 作曲/坂本 慎太郎 作詞)。拙い日本語ですが、甘酸っぱいJ-POPワールドを見事に再現しています。
https://www.youtube.com/watch?v=iToIEanRGBM
「A-LAS」
アルバムで最も"エレクトロ・カンドンべ・ポップ"という形容が似合いそうな仕上がり。様々な音楽のエッセンスを織り交ぜた本作らしいクロスオーヴァーを楽しめます。
https://www.youtube.com/watch?v=cpGFhhrSLmw
「Modo Celeste (Remix)」
Julieta Radaをフィーチャー。スペイン語の語感の響きがいい感じの哀愁エレクトロ・ポップで締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=t_pGoFpBBck
Santiago Olariagaとは全く関係ないですが、きっと本作にはKNOWERがフィットすると思います。
KNOWER『Let Go』(2013年)
KNOWER『Covers』(2014年)
KNOWER『Life』(2016年)