2021年05月30日

Snowpoet『Wait For Me』

UK男女デュオの3rd☆Snowpoet『Wait For Me』
snowpoet wait for me.jpg
発表年:2021年
ez的ジャンル:UKジャズ・ポップ・デュオ
気分は... :春は花 夏ほととぎす・・・

新作アルバムからUKの男女デュオSnowpoetの最新アルバム『Wait For Me』です。

Snowpoetはアイランド出身の女性ヴォーカリストLauren Kinsellaとマルチインストゥルメンタリスト/プロデューサーChris Hysonによるロンドンを拠点とする男女デュオ。あるいは彼らを中心としたユニットをさすのかもしれません。

2014年にEP「Butterfly」でデビュー。

これまで『Snowpoet』(2016年)、『Thought You Knew』(2018年)という2枚のアルバムをリリースしています。

3rdアルバムとなる本作『Wait For Me』は、アコースティックとエレクトロニックを融合させた美しくも幻想的な音世界で魅せてくれます。

プロデュースはChris Hyson
ソングライティングはすべてSnowpoetのオリジナル。

本作ではLauren Kinsella(vo)、Chris Hyson(p、syn)に加え、Matthew Robinson(p、syn)、Josh Arcoleo(sax)、Dave Hamblett(ds)という5名がSnowpoetメンバーとしてクレジットされています。

それ以外にLloyd Haines(ds)、Alex Haines(g)、Alice Zawadski (violin)がレコーディングに参加しています。

美しくも幻想的なサウンドスケープ的な音世界は、心を鎮め、安らぎを感じさせてくれます。

日本の禅を扱った「Floating Practice」のようなトラックもあり、侘び寂び的な美意識がお好きな人にもフィットするかもしれません。

春は花 夏ほととぎす 秋は月 冬雪さえて 冷しかりけり

道元の句が似合いそうな1枚です。

全曲紹介しときやす。

「Roots」
今ジャズ/次世代ネオソウルともリンクするサウンドとLauren Kinsellaの独特の存在感が印象的なオープニング。
https://www.youtube.com/watch?v=7-CqR30E918

「The Wheel」
幻想的なサウンドとポエトリー・リーディング的なLaurenのヴォーカルが織り成すビューティフル・ポップ。
https://www.youtube.com/watch?v=SUgbRnwbWv8

「A Chance To Hear The Rain」
ピアノとシンセが織り成す浮遊サウンドがドリーミーでストレンジな音世界を展開します。
https://www.youtube.com/watch?v=51I0ZRQ5Qaw

「Sky Thinking」
ヴァイオリンを交えた美しいサウンドとポエトリー・リーディング的なLaurenのヴォーカルが織り成すサウンドスケープ的な仕上がり。
https://www.youtube.com/watch?v=H3Zae0w_EIw

「FaceTime」
Laurenの多重ヴォーカルとアコースティック・ギターを交えたフォーキー&エレクトロニックな仕上がり。
https://www.youtube.com/watch?v=gMfuiurYmcE

「Early Feelings」
ビートレスの幻想的な仕上がり。サウンドの中に溶け込んでしまいそうです。
https://www.youtube.com/watch?v=wnoBm7H3xrA

「Tiers」
濃霧の中のサックス・ブロウといった雰囲気のインスト。
https://www.youtube.com/watch?v=6WXsX1CYNtM

「With You」
アルバムの中で最もシンセ・ポップでキャッチーなダンサブル・チューン。KNOWERあたりがお好きな人も気に入るのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=MpPku1RuVOc

「Here’s The Thing」
ビートレスでミステリアスなサウンドとLaurenのヴォーカルが織り成す壮大な音世界が印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=ojixJnov0kQ

「Burn Bright」
ピアノ、ヴァイオリンによる美しいサウンドとLaurenの透明感のあるヴォーカルがフィットしたデトックスのような仕上がり。
https://www.youtube.com/watch?v=9ol89rj0rMA

「Floating Practice」
禅僧の視点から日本の四季のウツロイが歌われます。寒緋桜、山桜、フゲンゾウといった日本語の歌詞が聴こえてきます。禅的エレクトロニック・サウンドを楽しみましょう。
https://www.youtube.com/watch?v=Zu-D-VWPURk

「Wool Cotton Lace & Snow」
ラストもサウンドスケープ的な幻想的サウンドで締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=EPwhgt80wx8

Snowpoetの他作品もチェックを!

『Snowpoet』(2016年)


『Thought You Knew』(2018年)
posted by ez at 02:28| Comment(0) | 2020年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年05月29日

『今の気分は...「So Danco Samba」かな』

過去記事から10曲セレクトするシリーズです。
今回はAntonio Carlos Jobim作の名曲「So Danco Samba」のカヴァー10曲をセレクトしました。

全て過去記事で紹介済なので、気に入った曲があれば過去記事もご参照下さい。

Stan Getz & Luiz Bonfa「So Danco Samba」
https://www.youtube.com/watch?v=f6e6W304LhA
From 『Jazz Samba Encore!』(1963年)
ジャズ・サンバ・アンコール

Tamba Trio「So Danco Samba」
https://www.youtube.com/watch?v=no8loMkgGUQ
From 『Avanco』(1963年)


Roberto Menescal「So Danco Samba」
https://www.youtube.com/watch?v=FYO06GESZv0
From 『A Bossa Nova De Roberto Menescal E Seu Conjunto』(1963年)


Clare Fischer「So Danco Samba」
https://www.youtube.com/watch?v=CI5Q7Zrj5cs
From 『So Danco Samba』(1964年)


Wanda Sa(Wanda De Sah)「So Danco Samba (Jazz 'N' Samba)」
https://www.youtube.com/watch?v=_TVRIkiANg4
From 『Softly!』(1965年)


Sergio Mendes & Brasil'66「So Danco Samba」
https://www.youtube.com/watch?v=OtcAg5E7ya4
From 『Equinox』(1967年)


Bruno Battisti D'Amario「So Dancao Samba」
https://www.youtube.com/watch?v=jApVNCwGQ9w
From 『Samba Pa Ti & More』(1974年)


Peter Fessler「So Danco Samba」
https://www.youtube.com/watch?v=QOdKuv77fcY
From 『Here's That Rainy Day』(2004年)
Here’s That Rainy Day

Till Bronner「So Danco Samba」
https://www.youtube.com/watch?v=fVdH9hl5LO8
From 『Rio』(2008年)


Jazzlife Sextet「So Danco Samba」
https://www.youtube.com/watch?v=Kyki5rfMjsM
From 『Tall Stories』(2009年)
posted by ez at 02:33| Comment(0) | その他 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年05月28日

Young Black Teenagers『Dead Enz Kidz Doin' Lifetime Bidz』

Bomb Squad系のHip-Hopグループ☆Young Black Teenagers『Dead Enz Kidz Doin' Lifetime Bidz』

発表年:1993年
ez的ジャンル:Bomb Squad系Hip-Hop
気分は... :骨法用筆

今回は90年代Hip-HopからYoung Black Teenagers『Dead Enz Kidz Doin' Lifetime Bidz』(1993年)です。

Young Black TeenagersはN.Y.ロングアイランドで結成されたHip-Hopグループ。結成メンバーはDJ SkribbleKamronFirst BornATATommy Neverの5名。

Public Enemy作および彼らの作品のプロダクションで知られるBomb Squadのバックアップによりデビューし、『Young Black Teenagers』(1991年)、『Dead Enz Kidz Doin' Lifetime Bidz』(1993年)という2枚のアルバムをリリースしています。

2ndアルバムとなる本作『Dead Enz Kidz Doin' Lifetime Bidz』(1993年)では、Tommy Neverが抜け、DJ SkribbleKamronFirst BornATAという4名の体制です。

メイン・プロデューサーはBomb SquadGary G-WizKeith Shocklee

さらにはPublic EnemyTerminator XKerwin YoungPaul Shabazz、メンバーのKamron、Hip-Hopのパイオニアの一人Grandmaster Flashがプロデュースしています。

今日では取り上げられることが殆どないHip-Hopアルバムですが、リアルタイムでかなり聴き込んだ1枚です。若々しいグループのパワーとBomb Squadらしい格好良いトラックに魅せられたのかもしれません。

僕のお気に入りは、「First True Love Affair」と2ndシングル「Roll W/The Flavor」Terminator Xプロデュースの1stシングル「Tap The Bottle」も本作では外せないトラックかもしれませんね。

それ以外であれば、The Rolling Stones「Monkey Man」ネタの「Soul Wide Open」、定番ネタのテンコ盛り「Blowin' Up The Spot」、グループ名を冠した「Y.B. Teenagers」、Grandmaster Flashプロデュースの「Outta My Head」あたりもおススメです。

Bomb Squad好きの方はチェックを!

全曲紹介しときやす。

「In The House」
Gary G-Wiz/Keith Shockleeプロデュース。
Isaac Hayes「Medley: Ike's Rap III/Your Love Is So Doggone Good」をサンプリングしたアルバムのイントロ。
https://www.youtube.com/watch?v=mFu23ZJDRkQ

「Tap The Bottle」
Terminator Xプロデュース。アルバムからの1stシングルにもなりました。Otis Redding and Carla Thomas「Tramp」をサンプリング。勢いのあるトラックと若々しいラップが印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=V8Ypk09SHaU

「Roll W/The Flavor」
Gary G-Wiz/Keith Shockleeプロデュース。アルバムからの2ndシングル。Ronny Jordan「Cool and Funky」、Joe Tex「Papa Was Too」、Mountain「Long Red」、Biz Markie「Vapors」をサンプリング。個人的には「First True Love Affair」と並ぶアルバムで一番のお気に入り。Ronny Jordan「Cool and Funky」ネタのジャジー&ファンキーなギター・ループがいい感じです。
https://www.youtube.com/watch?v=zeBAcBDYTeU

「Sweatin' Me」
Gary G-Wiz/Keith Shockleeプロデュース。Baby Huey「Hard Times」をサンプリング。Bomb Squadらしい重量感のあるトラックと、力強いフロウがよくマッチしています。
https://www.youtube.com/watch?v=ov2bhEJV5gk

「Plead The Fifth」
Kerwin Young/Paul Shabazzプロデュース。テンポ良く疾走するトラック&フロウがキャッチーです。
https://www.youtube.com/watch?v=_carBQVL-dY

「Soul Wide Open」
The Rolling Stones「Monkey Man」をサンプリング。意表を突かれたネタ使いですが、「Monkey Man」のエッセンスを巧みに取り込んだトラックはかなり格好良いです。
https://www.youtube.com/watch?v=BwImymRaNHE

「Blowin' Up The Spot」
Gary G-Wiz/Keith Shocklee/Kamronプロデュース。Jean-Jacques Perrey「E.V.A.」、The Emotions「Blind Alley」、Skull Snaps「It's a New Day」、ESG「UFO」Sly & the Family Stone「You Can Make It if You Try」という定番ネタのテンコ盛りトラックにグッときます。Bomb Squadを満喫できる格好良い1曲。
https://www.youtube.com/watch?v=jFs2AoPREk0

「Y.B. Teenagers」
Gary G-Wiz/Keith Shockleeプロデュース。Dion & the Belmonts「Teenager in Love」のフレーズを引用、N.W.A「Fuck Tha Police」をサンプリング。グループ名を冠した勢いのあるトラック。エネルギー有り余っている感じがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=7TKJv0GFae4

「On The DL (Down Low)」
Gary G-Wiz/Keith Shockleeプロデュース。Cypress Hill「How I Could Just Kill a Man」ネタ。少しテンポを落として、3人のMCのフロウがより際立ちます。
https://www.youtube.com/watch?v=SVykbSyRf-o

「Looney Toonz」
Gary G-Wiz/Keith Shockleeプロデュース。あまりBomb Squadっぽくない雰囲気ですが、あまり力みすぎていない感じが僕好みです。
https://www.youtube.com/watch?v=I7Gane11DMQ

「Outta My Head」
レジェンドGrandmaster Flashのプロデュース。Hip-Hop本来の魅力を認識をできる格好良いトラックに仕上がっています。他のトラックと異なる雰囲気で、アルバム構成面でもいいアクセントになっています。
https://www.youtube.com/watch?v=3YsMORo24fE

「Back For Your Head」
Gary G-Wiz/Keith Shockleeプロデュース。1分にも満たない短いトラック。
https://www.youtube.com/watch?v=zMO65fNXvyA

「First True Love Affair」
Gary G-Wiz/Keith Shockleeプロデュース。Duke Williams and the Extremes「Chinese Chicken」、Jimmy Ross「First True Love Affair」をサンプリング。「Roll W/The Flavor」と並ぶ僕のお気に入り。この雰囲気は90年代前半のHip-Hopならではかもしれませんね。
https://www.youtube.com/watch?v=fwUGQokEpZE

「Time To Make The Dough Nutz」
Gary G-Wiz/Keith Shockleeプロデュース。Rush「Tom Sawyer」をサンプリング。Rushネタを活かしたスペイシーなロック・フィーリングが印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=nGkLrqjghRc

『Young Black Teenagers』(1991年)
posted by ez at 03:45| Comment(0) | 1990年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年05月26日

Lionel Loueke『In A Trance』

ベナン共和国出身のギタリスト☆Lionel Loueke『In A Trance』

発表年:2005年
ez的ジャンル:アフリカ系ジャズ・ギタリスト
気分は... :余白の味わい!

今回は西アフリカ、ベナン共和国出身のギタリストLionel Loueke『In A Trance』(2005年)です。

フランスとアメリカで音楽教育を受けた後、Herbie Hancockに見出されてプロとしてデビューしたギタリストLionel Louekeの紹介は、Robert Glasperプロデュースの下でリリースした『Heritage』(2012年)に続き2回目となります。

また、彼が組んだジャズ・トリオGilfemaの1stアルバム『Gilfema』(2005年)も紹介済みです。

Lionel Louekeの初期作品となる『In A Trance』(2005年)は、Louekeによるギターとヴォーカル、そしてギターを駆使した音をループさせたパーカッションのみの演奏を収めたアルバムです。

ジャズ・ギタリストとしてのテクニックを駆使しつつ、ルーツとなるアフリカのエッセンスも取り入れたLouekeならではのギター・ワールドを披露してくれます。

シンプルすぎる演奏に物足りなさを感じる人がいるかもしれませんが、余白が多いからこその味わいがあります。

たまにはこんな純度の高い音を聴いてみるのもいいのでは?

全曲紹介しときやす。

「Nonvignon」
アフリカン・フォーキーと呼びたくなる素朴な味わいのオープニング。
https://www.youtube.com/watch?v=6NZ6HhLP9FI

「Benny's Tune」
Louekeのジャズ・ギタリストとしてのセンスを感じる演奏です。
https://www.youtube.com/watch?v=-sGyFzdL16E

「In A Trance」
タイトル・チューンは1分に満たない演奏ですが、ジャズ・ギタリストらしさを示してくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=RNuSLp2XAAY

「Mivakpola」
アフリカをルーツにもつジャズ・ギタリストらしいパーカッシヴな演奏です。
https://www.youtube.com/watch?v=TdO5UEwSun4

「Gbeto」
アフリカのトラディショナルといった趣の演奏&ヴォーカルです。
https://www.youtube.com/watch?v=nbBcZLgXzXA

「Fifa」
バラード調の美しい演奏です。一人心を鎮めながら聴きたい感じです。
https://www.youtube.com/watch?v=ZM71TZKN1R4

「Nagbe」
ハンド・クラップのヴォーカルのみのトラック。
https://www.youtube.com/watch?v=PkVvz7wD1mc

「Okagbe」
インドのタブラのようなパーカッションを用いたミステリアスな演奏です。かなり僕好み。
https://www.youtube.com/watch?v=CCAnGcwY5vY

「Be-Nin-Bop」
ブルージーでアーシーなジャズ・ギターで楽しませてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=7kWGeZz0Hh4

「Boum-Boum !!!」
アンプラグドなギターの格好良さを満喫できる演奏です。
https://www.youtube.com/watch?v=GXwmR1uO7oI

「Always Will Be」
サウンドスケープのような味わいのある演奏です。
https://www.youtube.com/watch?v=RZSMdRow36s

「A Prayer For Peace」
ラストは平和への祈りを込めたミステリアスな演奏で締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=6mbolIu1LM0

Lionel Louekeのソロ作やGilfema名義の作品もチェックを!

『Karibu』(2008年)
カリブ

『Mwaliko』(2010年)
Mwaliko

『Heritage』(2012年)
ヘリテッジ

Jeff Ballard Trio With Lionel Loueke & Miguel Zenon『Time's Tales』(2014年)
Time's Tales

『Virgin Forest』(2014年)
ヴァージン・フォレスト

『Gaia』(2015年)


『The Journey』(2018年)


『HH』(2020年)


Gilfema『Gilfema』(2005年)
GILFEMA

Gilfema『Gilfema +2』(2008年)
Gilfema Gilfema+2 Other Modern Jazz

『Three』(2020年)
posted by ez at 02:35| Comment(0) | 2000年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年05月25日

Banks『Goddess』

ゴシックR&Bなデビュー・アルバム☆Banks『Goddess』

発表年:2014年
ez的ジャンル:オルタナティヴR&B/ゴシックR&B
気分は... :ダーク&メランコリック!

今回はダークなオルタナティヴR&B作品、Banks『Goddess』(2014年)です。

Banks(本名:Jillian Rose Banks)は1988年カリフォルニア州オレンジカウンティ出身の女性シンガー・ソングライター。

大学で心理学を学びながら音楽を作り続け、2013年2月にデビュー・シングル「Before I Ever Met You」をリリース。

その後、EP「Fall Over」「London」のリリースで注目が高まり、2014年リリースのデビュー・アルバム『Goddess』は高い評価を得ました。

さらに2nd『The Altar』(2016年)、3rd『III』(2019年)という2枚のアルバムをリリースしています。

Lauryn HillFiona Appleから影響を受けたBanks

デビュー・アルバムとなる本作『Goddess』で聴けるダークなエレクトロニック・ビートと物憂いヴォーカルによる音世界は、"ゴシックR&B"とも形容されました。アルバムはUSアルバム・チャート第12位となっています。

Lil SilvaSOHNJamie WoonJustin ParkerTotally Enormous Extinct DinosaursAl ShuxといったUKのプロデューサーが多数起用されているのが本作の特徴です。

それ以外にShlohmoTim AndersonJesse RoggといったL.A.のプロデューサーも起用されています。

Lana Del ReyのR&B版といった声も多いですね。オルタナティヴR&Bという点では、Rhye『Woman』(2013年)に通じるものもあると思います。

今聴くと、Rhye『Woman』(2013年)あたりと並んで、その後のオルタナティヴR&Bの流れを予感させる1枚に仕上がっています。

決して明るくない、ダークなメランコリックな音世界は好き/嫌いが分かれるかもしれませんが、今の時代を反映している音世界に思えます。

僕の保有する国内盤は、ボーナス・トラックも含めて全19トラックとヴォリューミーですが、まずはシングルにもなった「Warm Water」「Brain」「Drowning」「Beggin For Thread」、Victoria's SecretのCMでも使われた「Waiting Game」、美しくも切ないタイトル曲「Goddess」あたりを聴けば、アルバムの雰囲気を掴めると思います。

たまにはダーク&メランコリックな音世界に浸るのもいいのでは?

全曲紹介しときやす。

「Alibi」
SOHNプロデュース。自分の心に潜むモンスターを歌ったオープニング。心の叫びとエレクトリックのダークな質感がフィットしています。
https://www.youtube.com/watch?v=OOp1MzVAqQ8

「Goddess」
Lil Silvaプロデュース。タイトル曲は美しくも切ない雰囲気のエレクトロニック・ビートが印象的なオルタナティヴR&Bに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=S98Q11zhS-g

「Waiting Game」
SOHNプロデュース。EP「London」収録曲であり、Victoria's SecretのCMでも使われました。彼女の作品が"ゴシックR&B"と呼ばれる理由が何となくわかるダークネスに満ちた1曲に仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=JCT_lgJ5eq8

「Brain」
Shlohmoプロデュース。アルバムからの2ndシングル。抑えていた感情が、重厚なエレクトロニック・サウンドと共に中盤に一気に吐き出されるような展開が印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=NL9T42SVnN0

「This Is What It Feels Like」
Lil Silva/Jamie Woonプロデュース。EP「London」収録曲。深い底まで落ちていくようなダウナーな音世界が展開されます。
https://www.youtube.com/watch?v=o4W4uNZfAOg

「You Should Know Where I'm Coming From」
Totally Enormous Extinct Dinosaurs/Justin Parker/Tim Andersonプロデュース。Lana Del Reyを手掛けるJustin Parkerの参加が興味深いですね。ピアノをバックにBanksが切々と歌い上げる哀愁バラード。
https://www.youtube.com/watch?v=BQDoIzNKVSY

「Stick」
Lil Silvaプロデュース。本作らしいエレクトロニック・ビートを楽しめる哀愁のダンサブル・チューン。
https://www.youtube.com/watch?v=BgYJyAvsvYs

「F*** Em Only We Know」
Totally Enormous Extinct Dinosaursプロデュース。放送禁止用語なタイトルですが、美しくも儚いムードのオルタナティヴR&Bに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=7oNpcKxwqVY

「Drowning」
Al Shux/Tim Andersonプロデュース。アルバムからの3rdシングル。レイヤー感のエレクトリック・サウンドが印象的な1曲。この雰囲気かなり好きです。
https://www.youtube.com/watch?v=HzGHgQBPyV0

「Beggin For Thread」
Jesse Rogg/Tim Andersonプロデュース。アルバムからの4thシングル。ダーク・トーンのダンサブル・チューンは本作の中ではかなりキャッチーな部類に入ります。
https://www.youtube.com/watch?v=Twix375Me4Q

「Change」
Tim Andersonプロデュース。EP「London」収録曲。オルタナティヴR&Bがお好きな人であれば気に入りそうな哀愁ラブソング。
https://www.youtube.com/watch?v=F0b8KA1drwI

「Someone New」
Tim Andersonプロデュース。本作の中では異色のアコースティック・ギターの質感が印象的です。優しさと脆さが伝わってくる切ないラブソングにグッときます。
https://www.youtube.com/watch?v=hBZ3k3rcoQs

「Warm Water」
Totally Enormous Extinct Dinosaursプロデュース。2013年に先行シングルとしてリリースされたトラック。浮遊するエレクトリック・サウンドと届かぬ思いを歌い上げるBanksの切ないヴォーカルのバランスがサイコーです。
https://www.youtube.com/watch?v=hYG3iIcZOkw

「Under The Table」
Totally Enormous Extinct Dinosaursプロデュース。本編のラストは切ないピアノ・バラード。本人曰く、本作で最も心の弱さが出た曲なのだとか。そんな弱さが伝わってきます。
https://www.youtube.com/watch?v=gpqEa9WYmwc

ここからはCDのボーナス・トラックです。

「And I Drove You Crazy」
Totally Enormous Extinct Dinosaursプロデュース。これも"ゴシックR&B"と称したくなるダークな美学のあるトラックに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=XWpw9XxWJmw

「Fall Over」
Jesse Roggプロデュース。EP「Fall Over」収録曲。抑えられない心も鼓動をエレクトロニック・ビートに託したダークなダンサブル・チューン。
https://www.youtube.com/watch?v=5g_S9Vzp9Hs

「Before I Ever Met You」
Jesse Roggプロデュース。EP「Fall Over」収録曲。トリップ・ホップの最新モデルとでも呼びたくなるダウナー・チューン。嫌いじゃないですこのサウンド。
https://www.youtube.com/watch?v=zzSQ67fhk6g

「Bedroom Wall」
Totally Enormous Extinct Dinosaursプロデュース。EP「London」収録曲。タイトルの通り、ベッドルーム・ミュージック的な仕上がりです。
https://www.youtube.com/watch?v=pLvoVotdneo

「Beggin For Thread (Bag Raiders Remix)」
国内盤独自のボーナス・トラック。「Beggin For Thread」のBag Raidersによるリミックス。エレクトリックなメリハリを楽しみましょう。
https://www.youtube.com/watch?v=F18FpmdJthI

Banksの他作品もチェックを!

『The Altar』(2016年)


『III』(2019年)
posted by ez at 01:39| Comment(0) | 2010年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする