2021年05月07日

Miles Davis『Pangaea』

エレクトリック・マイルス最終章、夕方の部☆Miles Davis『Pangaea』

発表年:1975年
ez的ジャンル:エレクトリック・マイルス最終章
気分は... :すべての大陸は1つだった!

ジャズ界の帝王Miles Davis『Pangaea』(1975年)です。

Miles Davisに関して、これまで当ブログで紹介した作品は以下の20枚。

 『Bag's Groove』(1954年)
 『'Round About Midnight』(1955、56年)
 『Cookin'』(1956年)
 『Miles Ahead』(1957年)
 『Milestones』(1958年)
 『Someday My Prince Will Come』(1961年)
 『E.S.P.』(1965年)
 『Miles Smiles』(1966年)
 『Nefertiti』(1967年)
 『Filles De Kilimanjaro』(1968年)
 『In A Silent Way』(1969年)
 『Live Evil』(1970年)
 『On The Corner』(1972年)
 『Get Up With It』(1970、72、73、74年)
 『In Concert』(1973年)
 『Dark Magus』(1974年)
 『Agharta』(1975年)
 『The Man With The Horn』(1981年)
 『Tutu』(1986年)
 『Rubberband』(2018年)

Miles作品を20枚紹介しながら、その20枚に『Kind of Blue』(1959年)や『Bitch's Brew』(1969年)が入っていないのが僕らしいセレクトですね(笑)勿論、その2枚も大好きですよ!!

ご存知の通り、本作『Pangaea』(1975年)は、1975年2月1日の大阪公演夕方の部のライブ録音です。同日の昼の部を収めたライブ・アルバムが『Agharta』(1975年)です。この2枚のライブ録音を最後に病気療養のため、活動を休止してしまいます。

『Agharta』(1975年)
Agharta

メンバーは『Agharta』と同じく、Miles Davis(tp、org)以下、Sonny Fortune(as、ss、fl)、Pete Cosey(g、synth、per)、Reggie Lucas(g)、Michael Henderson(b)、Al Foster(ds)、James Mtume(per、congas、rhythm box)という7名。

プロデュースはTeo Macero

オリジナルLPは2枚組で全2曲。
要はLPのA面、B面で1曲。C面、D面で1曲という構成。
さらに言えば、「Zimbabwe」「Gondawana」という曲タイトルも便宜上のもので、40分超のメドレー演奏を2セットという説明の方がわかりやすいですね。

演奏曲目的には1974年N.Y,でのライヴを収めた『Dark Magus』と重なる部分も多いですが、攻撃的な『Dark Magus』とは異なる緊張感を楽しめます。

また。昼の部『Agharta』がファンクなエレクトリック・マイルスならば、本作(特に「Zimbabwe」)ではブラック・ロックなエレクトリック・マイルスを楽しめます。

エレクトリック・マイルス最終章を『Agharta』とセットで楽しみましょう!

全曲紹介しときやす。

[Disc 1]

「Zimbabwe」
「Turnaroundphrase」「Willie Nelson」「Tune In 5」等のメドレー。やはり「Turnaroundphrase」のイントロのAl Fosterのドラム、Mtumeのパーカッションを聴くと、Led Zeppelin「Rock and Roll」のエレクトリック・マイルス・ヴァージョンといった雰囲気でアドレナリンが出まくりますね。後半のMichael Hendersonのベースのうねりもたまりません。Milesのトランペットは、エレクトリック・ギターに対抗するかのような"動"の部分と、引き算の演奏の"静"の部分のコントラストがいいですね。ラストは「Zimbabwe」のタイトルらしくアフロな雰囲気で締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=DbJ_qJPtiMM

[Disc 2]

「Gondawana」
「Ife」「For Dave」のメドレー。幻想的な異空間を創り出しながら、ブラック・ロックやオーセンティックなジャズ演奏なも交えて余韻を楽しませてくれるような演奏です。
https://www.youtube.com/watch?v=bHPeer4ykoQ


ご興味がある方は、本作と同じメンバーによる1975年1月22日の東京公演を収めたライヴ・アルバム『Live In Tokyo 1975』(2015年)もセットでどうぞ!

『Live In Tokyo 1975』(2015年)


Miles Davisの過去記事もご参照下さい。

『Bag's Groove』(1954年)
バグズ・グルーヴ

『'Round About Midnight』(1955、56年)
'Round About Midnight

『Cookin'』(1956年)
クッキン

『Miles Ahead』(1957年)


『Milestones』(1958年)
マイルストーンズ+3

『Someday My Prince Will Come』(1961年)
Someday My Prince Will Come

『E.S.P.』(1965年)
E.S.P.

『Miles Smiles』(1966年)
マイルス・スマイルズ

『Nefertiti』(1967年)
ネフェルティティ + 4

『Filles De Kilimanjaro』(1968年)
キリマンジャロの娘

『In A Silent Way』(1969年)


『Live Evil』(1970年)
ライヴ・イヴル

『On The Corner』(1972年)
Blu-spec CD オン・ザ・コーナー

『In Concert』(1973年)
イン・コンサート

『Get Up With It』(1970、72、73、74年)
ゲット・アップ・ウィズ・イット

『Dark Magus』(1974年)
ダーク・メイガス

『Agharta』(1975年)
Agharta

『The Man With The Horn』(1981年)
The Man with the Horn

『Tutu』(1986年)
TUTU<SHM-CD>

『Rubberband』(2018年)
ラバーバンド
posted by ez at 01:31| Comment(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年05月05日

Mis-Teeq『Eye Candy』

UKのデスチャの2nd☆Mis-Teeq『Eye Candy』

発表年:2003年
ez的ジャンル:UKガラージ/R&B系女性グループ
気分は... :UKならではのミクスチャー感覚!

2000年代前半に人気を博したUKの女性グループMis-Teeqの2ndアルバム『Eye Candy』(2003年)です。

Mis-Teeqは1999年にロンドンで結成された女性グループ。
"デスチャに対するイギリスからの返答"と評された女性グループでしたね。
デビュー時のメンバーは、Alesha DixonSu-Elise NashSabrina Washingtonの3名。

UKガラージとR&Bをミックスしたデビュー・アルバム『Lickin' on Both Sides』(2001年)は、UKアルバム・チャート第3位の大ヒットとなり、アルバムからは「Why?」「All I Want」「One Night Stand」「B with Me」「Roll On/This Is How We Do It」という5曲のUK Top10ヒットが生まれました。
「Why?」
 https://www.youtube.com/watch?v=DFKge4y0MDw
「All I Want」
 https://www.youtube.com/watch?v=sEecGdMpcoU
「One Night Stand」
 https://www.youtube.com/watch?v=iYcCkwYU_ck
「B with Me」
 https://www.youtube.com/watch?v=lwMFIo-zUNo
「Roll On/This Is How We Do It」
 https://www.youtube.com/watch?v=WCD_c6S2NNA

2ndアルバムとなる本作『Eye Candy』(2003年)もUKアルバム・チャート第6位の大ヒットとなり、「Scandalous」(UKチャート第2位)、「Can't Get It Back」(UKチャート第8位)といったシングル・ヒットも生まれています。

Salaam RemiStarGateJoeMushtaqEd CaseStaybentJayson "Loose" DyerDready(Karl Daniel)Dave KellyDelroy AndrewsJolyon SkinnerRishi Richがプロデューサーとして起用されています。

また、US人気男性R&BシンガーJoe、ジャマイカのダンスホール・レゲエ・アーティストChamがフィーチャリングされています。

1st以上に、UKらしいミクスチャー感が増していると思います。特にダンスホール・レゲエのエッセンスが印象的ですね。UKのDestiny's Child的な楽曲もありますが、あまりそこに引きずられずに聴いた方が楽しめると思います。

前述のシングル・ヒット2曲以外であれば、ファンクネスを効かせた「My Song」、ハイブリッドな「Dance Your Cares Away」、ドラムンベースな「All In One Day」Joeプロデュース&フィーチャリングの「Home Tonight」、ダンスホール・レゲエな「Do Me Like That」、甘酸っぱいメロウ・チューン「It's Beginning To Feel Like Love」、トライバルなUKガラージ「Eye Candy」あたりがおススメです。

USの女性R&Bグループにはない、UKならではのハイブリッドな女性R&Bを楽しみましょう!

全曲紹介しときやす。

「My Song」
Mushtaqプロデュース。ファンクネスを効かせたダンサブル・チューン。この時代らしいハイパーな雰囲気がキャッチーでいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=l4r6PAVRe2g

「Scandalous (StarGate Radio Mix)」
StarGateプロデュース。UKチャート第2位となった大ヒット・シングル。Destiny's Childへの対抗心を感じる、デビュー・アルバムの流れを汲むダンサブル・チューン。
https://www.youtube.com/watch?v=S1kE0MMfr20

「Can't Get It Back」
Salaam Remi/Staybentプロデュース。この曲もUKチャート第8位のヒットとなりました。US女性R&BグループBlaque、2001年のシングル曲のカヴァーです。
BlaqueのオリジナルもSalaam Remiのプロデュースです。R&B好きの人は、Hip-Hopテイストを効かせたキャッチーなトラックを楽しめるはず!
https://www.youtube.com/watch?v=uQ0REmxXYFM
Blaqueヴァージョンと聴き比べるのも楽しいのでは?
Blaque「Can't Get It Back」
 https://www.youtube.com/watch?v=2XK910Pilfo

「Dance Your Cares Away」
Ed Caseプロデュース。R&B×Hio-Hop×クラブミュージックなハイブリッド・サウンドを楽しめるダンサブル・チューン。
https://www.youtube.com/watch?v=xFZn7kbaGBE

「All In One Day」
Salaam Remiプロデュース。ドラムンベース×R&Bなクロスオーヴァーが面白い1曲に仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=0hflRzUob8U

「Strawberrez」
Salaam Remi/Staybent/Jayson "Loose" Dyerプロデュース。哀愁モードのメロウ・ミディアムで一度落ち着かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=3IIPmeAyHM8

「Nitro」
Dready(Karl Daniel)プロデュース。Hip-Hop調のヴォーカル&トラックで楽しませてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=X9jXhwgO8BI

「Home Tonight」
Joeのプロデュース&フィーチャリング。爽快なメロウR&Bグルーヴはかなり僕好み!
https://www.youtube.com/watch?v=dVTFclS4_QY

「Do Me Like That」
Mushtaqプロデュース。ダンスホール・レゲエのエッセンスを取り入れたダンサブル・チューン。なかなかキャッチーです。
https://www.youtube.com/watch?v=uvhdrhoDHOQ

「That's Just Not Me」
Dave Kellyプロデュース。ジャマイカのダンスホール・レゲエ・アーティストChamのトースティングをフィーチャー。こういうのはUKアーティストならではですね。
https://www.youtube.com/watch?v=l8dDJP0vDTg

「How Does It Feel」
Mushtaqプロデュース。カリビアン・テイストの隠し味がいい感じのダンサブル・チューン。
https://www.youtube.com/watch?v=GeAqbNNvp5g

「Best Friends」
Mushtaqプロデュース。Destiny's Childタイプの哀愁ミディアム・グルーヴ。
https://www.youtube.com/watch?v=79BwKmhxxT8

「It's Beginning To Feel Like Love」
Delroy Andrews/Jolyon Skinnerプロデュース。甘酸っぱいメロウ・チューン。この時代らしからぬ感じがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=dbbGF53YiZs

「Eye Candy」
Rishi Richプロデュース。タイトル曲はUKガラージなトライバル・ダンサブル・チューン。アッパーに駆け抜けていきます。
https://www.youtube.com/watch?v=nOquARqCTMw

「Just For You」
Rishi Richプロデュース。ラストはラップ調ヴォーカルによる妖しげなアッパーで締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=Hh-tMkYXnaw

『Lickin' on Both Sides』(2001年)


無意識ですが、この1週間、UK作品に偏りがち。
俺が欲しているのはユニオンジャックなのか・・・
posted by ez at 01:40| Comment(0) | 2000年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年05月04日

The 5th Dimension『The Magic Garden』

Jimmy Webb作品で占められた2nd☆The 5th Dimension『The Magic Garden』

発表年:1967年
ez的ジャンル:ソフト・ロック系黒人コーラス・グループ
気分は... :記憶のトポス!

今回は60年代後半から70年代前代に人気を博した黒人コーラス・グループThe 5th Dimensionの2ndアルバム『The Magic Garden』(1967年)です。

Florence LaRueLamonte McLemoreBilly Davis Jr.Marilyn McCooRon Townsonという5人組グループThe 5th Dimensionの紹介は、ベスト・アルバム『Greatest Hits on Earth』(1972年)に続き2回目となります。

また、グループ脱退後にBilly Davis Jr.Marilyn McCooがリリースした夫婦デュオ・アルバムMarilyn McCoo & Billy Davis Jr.『I Hope We Get To Love In Time』(1976年)も紹介済みです。

本作『The Magic Garden』(1967年)は、ヒット・シングル「Up, Up and Away」を収録した大ヒット・デビュー・アルバム『Up, Up and Away』(1967年)に続く2ndアルバムです。

残念ながら、前作のようなヒットはしませんでしたが、内容的には今聴いても楽しめる1枚です。

プロデュースはBones Howe。また、Jimmy WebbThe Beatlesの名曲カヴァー「Ticket to Ride」以外のソングライティングとアレンジを手掛けています。

また、レコーディングにはHal BlaineJoe OsbornLarry KnechtelMike DeasyTommy TedescoJohnny Riversといったミュージシャンが参加しています。

シングルにもなった「Paper Cup」「Carpet Man」「The Girls' Song」という3曲と、タイトル曲「The Magic Garden」、素晴らしいコーラス・ワークの「Orange Air」あたりがおススメです。

The 5th DimensionJimmy Webbとのタッグが生んだ充実の1枚を楽しみましょう。

全曲紹介しときやす。

「Prologue」
美しいストリングを配したプロローグ。

「The Magic Garden」
タイトル曲はソフトロックな魅力があるポップ・ソウル。躍動する前半としっとり聴かせる後半とのコントラストも鮮やかです。
https://www.youtube.com/watch?v=zEGbbZDoOpE

Dusty Springfieldがカヴァーしています。Phonte feat. Pharoahe Monch「We Go Off」のサンプリング・ソースとなっています。
Dusty Springfield「The Magic Garden」
 https://www.youtube.com/watch?v=gOOttnSY7fQ
Phonte feat. Pharoahe Monch「We Go Off」
 https://www.youtube.com/watch?v=h3PTvN6XC9s

「Summer's Daughter」
流麗なストリングが似合う美しいポップ・バラード。
https://www.youtube.com/watch?v=l4SSXfZCvyU

「Dreams/Pax/Nepenthe」
サイケでクラシカルという不思議な雰囲気の1曲に仕上がっています。こういうのが1967年らしいのかもしれませんね。

「Carpet Man」
同時期にJohnny Riversも取り上げていた曲。前のめりな疾走感のあるソフトロック調のグルーヴィー・チューン。シングル・カットされ、USチャート第28位となっています。
https://www.youtube.com/watch?v=IiHav7FUzJw

Johnny Rivers「Carpet Man」
 https://www.youtube.com/watch?v=qu5fBuJgktE

「Ticket to Ride」
The Beatlesの名曲カヴァー(John Lennon/Paul McCartney作)。オリジナルは『Help!』(1965年)収録。少しテンポを遅くしたポップ・ソウルで聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=wuX29FBVC6g

「Requiem: 820 Latham」
トリップ感のある哀愁バラード。1967年らしい仕上がりかもしれません。
https://www.youtube.com/watch?v=EV4nGEx_5L8

MF DOOM「Lemon Grass」等のサンプリング・ソースとなっています。
MF DOOM「Lemon Grass」
 https://www.youtube.com/watch?v=ubgEOMvHm9U

「The Girls' Song」
女性陣2人がリード・ヴォーカルをとる本曲が僕の一番のお気に入り。エヴァーグリーンな魅力のあるメロウ・ポップに仕上がっていると思います。
https://www.youtube.com/watch?v=1ErvZ6lz2AA

Jackie DeShannonがカヴァーしています。
Jackie DeShannon「The Girls' Song」
 https://www.youtube.com/watch?v=yEPh95tVgXo

「The Worst That Could Happen」
Billy Davis, Jr.のヴォーカルの素晴らしさを堪能できるポップ・ソウル・バラード。Jimmy Webbのソングライティングも素晴らしいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=ALM8OCKXkzY

Brooklyn Bridge、Freddie Ryder、The Lettermen、Sheila Southern、J. Vincent Edwards、Hajji Alejandro等がカヴァーしています。
Brooklyn Bridge「The Worst That Could Happen」
 https://www.youtube.com/watch?v=1Wn04VG_D3g
The Lettermen「The Worst That Could Happen」
 https://www.youtube.com/watch?v=IHSUo0Wd5qA
J. Vincent Edwards「The Worst That Could Happen」
 https://www.youtube.com/watch?v=aERD_9d5Q5Q

「Orange Air」
この曲も大好き!素晴らしいコーラス・ワークで楽しませてくれる、ドラマティックで躍動するポップ・ソウルです。
https://www.youtube.com/watch?v=V0jfxEqEHS8

Arsonists「What You Want」、Jibbs「Yeah Boii」、Wise Intelligent「Mama Cry」、Lloyd Banks「Practice」、Ago「Questa E' Per...」等のサンプリング・ソースとなっています。
Lloyd Banks「Practice」
 https://www.youtube.com/watch?v=h3KDS38e3L0

「Paper Cup」
アルバムからの1stシングル。ソフトロック好きの人は気に入るであろうドリーミーなポップ・ソウル。完成度ではアルバム随一かもしれませんね。
https://www.youtube.com/watch?v=-IglqUVVR-k

Ray Bryant、Bud Shankがカヴァーしています。
Ray Bryant「Paper Cup」
 https://www.youtube.com/watch?v=x7FkRfiW1k0
Bud Shank「Paper Cup」
 https://www.youtube.com/watch?v=5FCKJbLJ77Y

「Epilogue」
美しいストリングを配したエピローグ。

The 5th Dimensionの他の初期作品もチェックを!

『Up, Up and Away』(1967年)


『Stoned Soul Picnic』(1968年)


『The Age of Aquarius』(1969年)


『Portrait』(1970年)


『Live!!』(1971年)


『Greatest Hits on Earth』(1972年)
posted by ez at 00:45| Comment(2) | 1960年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年05月03日

Quarteto Em Cy『Querelas Do Brasil』

美しきブラジルの詩☆Quarteto Em Cy『Querelas Do Brasil』

発表年:1978年
ez的ジャンル:ブラジル女性コーラス・グループの最高峰
気分は... :美しきブラジルの詩!

今回はブラジル女性コーラス・グループの最高峰Quarteto Em Cyの70年代のヒット作『Querelas Do Brasil』(1978年)です。

これまで当ブログで紹介したQuarteto Em Cy作品(The Girls from Bahia名義を含む)は以下の5枚。

 『Quarteto Em Cy』(1966年)
 The Girls from Bahia『Pardon My English』(1967年)
 The Girls From Bahia『Revolucion Con Brasilia!』(1968年)
 『Em Cy Maior』(1968年)
 『Quarteto Em Cy』(1972年)

本作『Querelas Do Brasil』(1978年)は、Quarteto Em Cyらしい透明感のある美しいコーラスを、70年代後半らしいモダンなアレンジで聴かせてくれるメロウMPBに仕上がっています。

本作におけるメンバーは、CyvaCynaraというDe Sa Leite姉妹と、Sonia FerreiraDorinha Tapajosの4名。

プロデュースはMarcos Maynard
アレンジはLuiz Claudio Ramos

レコーディングにはAzymuthJose Roberto Bertrami(p、org、syn)、Banda Black RioJamil Joanes(g)、Sivuca(accordion)、MPB4Miltinho(g)、Luiz Claudio Ramos(g)、Jamil Joanes, Luizao(b)、Neco(cavaquinho)、Antonio Adolfo(p)、Paulinho Braga(ds)、Zequinha(ds)、Wilson das Neves(per)、Mu Carvalho(p)、Raul de Barros(tb)、Netinho(clarinet)等のミュージシャンが参加しています。

ヒットしたタイトル曲「Querelas Do Brazil」、清らかな「Angelica」Caetano Veloso作のメロウな「Love, Love, Love」、透明感のある「Santo Amaro」、感動的な「Sapato Velho」、軽快なサンバ・グルーヴ「Plataforma」あたりが僕のおススメです。

もしかしたら、一番好きなQuarteto Em Cy作品かもしれません。

全曲紹介しときやす。

「Querelas Do Brazil」
Aldir Blanc/Mauricio Tapajos作。ヒットしたタイトル曲。美しいコーラスと素敵なメロディと都会的サウンドが調和したメロウMPBに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=BCATnt7H7Ok

「Angelica」
Chico Buarque/Miltinho作。美しいギターの絃の響きと清らかなヴォーカル&コーラスが印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=I7hWRFqwEzI

「Maresia」
Abel Silva/Sueli Costa作。エレガントなストリングスをバックに配したロマンティックな演奏です。でも歌詞は別れの歌なんですよね。
https://www.youtube.com/watch?v=-ZBeOm9bx1E

「Love, Love, Love」
Caetano Veloso作。本作のモダンさを象徴するメロウMPB。透明感のあるヴォーカルが映えます。
https://www.youtube.com/watch?v=E_OQfTCYE4I

「Estrela Guia」
Mauricio Tapajos/Paulo Cesar Pinheiro作。素晴らしいコーラス・ワークを存分に満喫できるビューティフル・ソング。
https://www.youtube.com/watch?v=ZvsqsyDZ61g

「Ultima Cena」
Miltinho/Paulo Cesar Pinheiro作。ある意味Quarteto Em Cyらしい雰囲気の哀愁バラード。
https://www.youtube.com/watch?v=YdoMZnVf6Bc

「Salve O Verde」
Jorge Ben作。Jorge Benらしいサンバ・ソウル調の楽曲とQuarteto Em Cyの組み合わせが面白いですね。
https://www.youtube.com/watch?v=fiurq_sCbXM

「Santo Amaro」
Aldir Blanc/Franklin da Flauta/Luiz Claudio Ramos作。美しいアコースティック・サウンドをバックに、透明感のあるコーラスを聴かせてくれます。オーセンティックな魅力があります。
https://www.youtube.com/watch?v=qAU32YNS9TE

「Sapato Velho」
Claudio Nucci/Mu Carvalho/Paulinho Tapajos作。この曲かなり好き!美しいコーラス・ワークと素敵なメロディに感動が胸の込み上げてくる1曲。
https://www.youtube.com/watch?v=Y0G-DWsM7NA

「Plataforma」
Aldir Blanc/Joao Bosco作。フォーキーな雰囲気でスタートしますが、次第に軽快なサンバ・グルーヴとなり盛り上げてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=MBnAOA_XOcQ

「Canudos」
Cacaso/Edu Lobo作。Edu Loboらしいミステリアスな雰囲気と、Quarteto Em Cyらしい爽快コーラスの組み合わせが面白いですね。
https://www.youtube.com/watch?v=zqYXsU0dOcA

「Nao Posso Me Esquecer Do Adeus」
Caetano Veloso作。ラストは美しくも切ない哀愁バラードをしっとり歌い上げます。
https://www.youtube.com/watch?v=fHXE7OTxIuc

Quarteto Em CyThe Girls from Bahiaの過去記事もご参照下さい。

『Quarteto Em Cy』(1966年)
ペドロ・ペドレイロ

The Girls from Bahia『Pardon My English』(1967年)
Girls From Bahia: Pardon My English

The Girls From Bahia『Revolucion Con Brasilia!』(1968年)
天使のクァルテット <BRASIL SUPERSTAR 1200>

『Em Cy Maior』(1968年)


『Quarteto Em Cy』(1972年)
Quarteto Em Cy
posted by ez at 00:35| Comment(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年05月02日

STR4TA『Aspects』

BlueyとGilles Petersonによる新ユニット☆STR4TA『Aspects』

発表年:2021年
ez的ジャンル:UKジャズ・ファンク・ユニット
気分は... :レジェンド×レジェンド!

新作からIncognitoBlueyとUKを代表するDJ/プロデューサーGilles Petersonによる新ユニットSTR4TAのアルバム『Aspects』です。

二人は、80年代のUKソウル/ファンク・バンドCentral LineやUKジャズ・ファンク・バンドAtmosfearからインスパイアされて、STR4TAの音創りに取り組んだ模様です。

プロデュースはBlueyGilles Peterson
さらに曲によって、元OutsideMatt CooperRichard BullPaul Boothが関与しています。

Bluey(g、vo、Instruments)以下、Matt Cooper(key、ds)、昨日紹介したばかりのThe K-CreativeSki Oakenfull(key)、Richard Bull(Instruments)、Paul Booth(sax、fl)、Francis Hylton(b)、Francesco Mendolia(per)、Ben Epstein(b)、Pete Biggin(ds)、Randy Hope-Taylor(b)、Francesco Mendolia(ds)、Joao Caetano(per)、前述のAtmosfearの元メンバーPeter Hinds(key)等がレコーディングに参加しています。

基本は80年代ジャズ・ファンク/フュージョンをBluey/Gillesのセンスで2020年代仕様にアップデートしたようなサウンドがズラリと並びます。

また、AOR/シティ・ミュージック風やディスコ・ファンク調のトラックもあります。

音自体に特段目新しさはありませんが、洗練されたサウンドに仕上げるセンスはBluey/Gillesならではですね。

レジェンド×レジェンドのコラボを楽しみましょう。

全曲紹介しときやす。

「Aspects」
タイトル曲はBlueyらしいジャズ・ファンク/フュージョンとGillesらしいダンシング・ジャズのエッセンスが融合した、懐かしくて新しい進化形ジャズ・ファンク/フュージョンで楽しませてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=wxtnkyaF5ug

「Rhythm In Your Mind」
80年代ジャズ・ファンク/フュージョン・テイストを2020年代仕様にアップデートしたような1曲。ラテン・フレイヴァーをうまく取り入れて点は、昨日紹介したThe K-Creativeあたりとも共通しますね。
https://www.youtube.com/watch?v=LUKaRPAvFt4

「Dance Desire」
Gillesらしいセンスを感じる切れ味のあるハイブリッド・ブラジリアン・フュージョン。コズミックな雰囲気もあっていいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=VUOCNFyU8e4

「We Like It」
Incognitoモードの爽快サマー・ジャズ・ファンク。涼しげなギター・カッティングとコズミックなシンセの音色が印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=xp6UWG5xXik

「Steppers Crusade」
この演奏も参加メンバーも含めて、ほぼIncognitoといった雰囲気のサマー・フュージョンに仕上がっています。後半からはブラジリアン・フュージョンへと展開されます。
https://www.youtube.com/watch?v=LRFV8HxYYJU

「After The Rain」
Bluey/Gilles流シティ・ミュージックといった雰囲気の仕上がり。目新しさはありませんが、洗練度合いが流石Bluey/Gillesって感じですね。
https://www.youtube.com/watch?v=6RgUq1XqWro

「Give In To What Is Real」
疾走感が心地好い爽快メロウなディスコ・フュージョン。ディスコ・ファンクとフュージョンのバランス感覚が絶妙ですね。
https://www.youtube.com/watch?v=Eulw4s2Y2G4

「Kinshasa FC」
80年代ディスコ・ファンクがベースで、それをフュージョン・テイストを加味してモダンにアップデートした感じです。
https://www.youtube.com/watch?v=KVIz_YV1Jn0

「Vision 9」
Gillesらしいクラブジャズ/ボッサ感覚のブラジリアン・フュージョン。Paul Boothのフルートが涼しげです。
https://www.youtube.com/watch?v=kKfYd5WvqVc

「Aspects (Demus Dub)」
CDボーナス・トラック。「Aspects」のダビーなリミックス。個人的にはオリジナル以上に面白いです。
https://www.youtube.com/watch?v=Y0JE6U3YzZM

ご興味がある方は、Bluey/GillesがインスパイアされたCentral LineAtmosfearの作品をチェックするのも楽しいのでは?

Atmosfear『En Trance』(1981年)


Central Line『Central Line』(1981年)
posted by ez at 00:07| Comment(0) | 2020年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする