発表年:1989年
ez的ジャンル:クワイエットストーム系女性R&B
気分は... :クワイエットストーム...
今回は80年代クワイエットストーム作品からMiki Howard『Miki Howard』(1989年)です。
Miki Howardは1960年シカゴ生まれの女性R&Bシンガー。
1980年、Sylvia St. Jamesに代わってAugie Johnson率いるヴォーカル・グループSide Effectに加入。『After the Rain』(1980年)、『Portraits』(1981年)、『All Aboard』(1982年)という3枚のアルバムに参加しています。
そして、Side Effect解散後にソロ活動を開始し、1986年にソロ・デビュー・アルバム『Come Share My Love』をリリース。
続く2nd『Love Confessions』(1987年)、3rd『Miki Howard』(1989年)、4th『Femme Fatale』(1992年)という3枚のアルバムはUS R&Bアルバム・チャートTop10に入っています。
本作『Miki Howard』(1989年)は、US R&Bアルバム・チャート第4位となったMiki Howard最大のヒット作です。
個人的にリアルタイムでよく聴いていたの2ndは『Love Confessions』(1987年)でしたが、アナログ盤しか保有しておらず、CDで聴いたMiki Howard作品となると、本作『Miki Howard』(1989年)となります。
一般的にも彼女の代表作といえば、本作になると思います。
本作からは「Ain't Nuthin' In The World」、「Love Under New Management」、「Until You Come Back To Me (That's What I'm Gonna Do)」という3曲のUS R&BチャートTop3ヒットが生まれています。
メイン・プロデュースはJon Nettlesbey/Terry Coffey。また前作も手掛けていたGerald Levert、Marc Gordon、Nick Martinelliが引き続き起用されています。さらにはCameoのLarry Blackmonも1曲プロデュースしています。
「Ain't Nuthin' In The World」のようなNJSも収録されていますが、基本は前作『Love Confessions』の流れを汲むクワイエットストーム路線のアルバムに仕上がっています。
個人的には「If You Still Love Her」、「Come Home To Me」という冒頭2曲のクワイエットストーム感がサイコーです。
Gerald Levertとのデュエット「I'll Be Your Shoulder」、Gerald Levert、Eddie Levert(The O'Jays)、Sean Levert(Levert)というLevert親子がバック・コーラスを務める「Just The Way You Want Me To」、Larry Blackmonプロデュースのメロウ・バラード「Who Ever Said It Was Love」あたりもおススメです。
Miki Howardらしいクワイエットストーム・ワールドを楽しみましょう。
全曲紹介しときやす。
「If You Still Love Her」
Jon Nettlesbey/Terry Coffeyプロデュース。Brandon Fieldsの素敵なサックスと共に始まるクワイエットストーム好きには大満足のなオープニング。アルバム全体の雰囲気を印象づけます。
https://www.youtube.com/watch?v=TYDPZux5llA
「Come Home To Me」
Jon Nettlesbey/Terry Coffeyプロデュース。アルバムからの4thシングル。ヒットはしませんでしたが、ヒットした3曲以上にクワイエットストームした1曲に仕上がっています。今聴いても実にいい雰囲気です。
https://www.youtube.com/watch?v=xROGGSQIV-4
「Until You Come Back To Me (That's What I'm Gonna Do)」
Jon Nettlesbey/Terry Coffeyプロデュース。Stevie Wonderらソングライティングを手がけたAretha Franklinの大ヒット曲をカヴァー。オリジナルはアルバム『Let Me in Your Life』(1973年)収録。Mikiヴァージョンもアルバムからの3rdシングルとしてUS R&Bチャート第3位のヒットとなりました。Arethaのオリジナルの雰囲気をクワイエットストーム仕立てにしつつ、この時代らしいビートをうまく調和させています。
https://www.youtube.com/watch?v=LIariiiNQpw
Aretha Franklin「Until You Come Back To Me (That's What I'm Gonna Do)」
https://www.youtube.com/watch?v=bJZwcaWResA
「Ain't Nuthin' In The World」
Jon Nettlesbey/Terry Coffeyプロデュース。アルバムからの1stシングルとしてUS R&Bチャート第1位のヒットとなりました。この時代らしいNJSです。ただし、当時も今もMiki HowardにNJSは求めておらず、その意味は個人的にビミョーな1曲です。
https://www.youtube.com/watch?v=6UOOD-vS5XE
「Love Under New Management」
Nick Martinelliプロデュース。アルバムからの2ndシングルとしてUS R&Bチャート第2位のヒットとなりました。ヒットした3曲の中では最もオーセンティックなバラードに仕上がっています。彼女の伸びやかなヴォーカルを存分に楽しめます。
https://www.youtube.com/watch?v=WPIDT774GP4
Miss Jones、Keke Wyattがカヴァーしています。また、Knxwledge.「Listen」のサンプリング・ソースとなっています。重厚なバック・コーラスも含めて、素晴らしいヴォーカルに魅了されます。
Miss Jones「Love Under New Management」
https://www.youtube.com/watch?v=5IX2N9YWyBY
Keke Wyatt「Love Under New Management」
https://www.youtube.com/watch?v=pXYPbnEniQo
Knxwledge.「Listen」
https://www.youtube.com/watch?v=13lgrG9K7gs
「I'll Be Your Shoulder」
Gerald Levert/Marc Gordonプロデュース。Gerald Levertがフィーチャリングされています。当時はLevert絶頂期であり、その好調ぶりが反映された素敵なデュエットに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=N39sRJVgku4
「Love Me All Over」
Jon Nettlesbey/Terry Coffeyプロデュース。後にソロ・デビューする男性R&BシンガーKeith Washingtonがバック・ヴォーカルで参加しています。この時代らしいNJSであり、アルバムの構成上、こういったアップが必要だったのかもしれませんが、前述のように個人的にはビミョーです。
https://www.youtube.com/watch?v=nKfVKl17O_k
「Mister」
Gerald Levert/Marc Gordonプロデュース。本作のダンサブル・チューンではコレが一番好きです。Mikiの持ち味を生かしたダンサブル・チューンに仕上がっていると思います。
https://www.youtube.com/watch?v=3YrdoLM0w_0
「Just The Way You Want Me To」
Gerald Levert/Marc Gordonプロデュース。Geraldに加えて、Gerald Levertの父、The O'JaysのEddie Levert、さらには弟でありLevertメンバーのSean LevertというLevertファミリーがバック・ヴォーカルで参加しています。正統派のソウル・バラードは実に安定感があります。
https://www.youtube.com/watch?v=THvdct-aIt8
「Who Ever Said It Was Love」
Larry Blackmon(Cameo)プロデュース。ソングライティングはMiki Howard自身。Cameo作品に数曲入っているメロウ・バラードがお好きな人であれば、気に入るであろうブラコン調の仕上がりです。
https://www.youtube.com/watch?v=PkxUayrlpSo
Miki Howardの他の初期作品もチェックを!
『Come Share My Love』(1986年)
『Love Confessions』(1987年)
『Femme Fatale』(1992年)