発表年:1996年
ez的ジャンル:円熟系女性MPB
気分は... :琥珀色の想い出・・・
今回はCaetano Velosoの妹にしてブラジルを代表する女性シンガーMaria Bethaniaの『Ambar』(1996年)です。
これまで当ブログで紹介したMaria Bethania作品は以下の7枚。
『Edu E Bethania』(1967年)
※Edu Loboとの共演作
『Recital Na Boite Barroco』(1968年)
『Maria Bethania (1969)』(1969年)
『Passaro Proibido』(1976年)
『Alibi』(1978年)
『Ciclo』(1983年)
『Maria』(1988年)
本作『Ambar』(1996年)は、Maria50歳のときのアルバム。ベテラン・シンガーならではの円熟の表現・歌声で聴く者を魅了します。
アルバムにはZap Mama、Chico Buarqueなどがフィーチャーされ、兄Caetano Velosoをはじめ、Adriana Calcanhotto、Arnaldo Antunes、Carlinhos BrownAry Barroso、Chico Cesarなど新旧アーティストの楽曲から構成されています。
プロデュースはGuto Graca Melo。
また、アルバムの随所でJaime Alemが素敵なギターを聴かせてくれます。
どんな曲を歌ってもMaria Bethania色にしてしまうところに彼女のシンガーとしての表現力の豊かさを感じます。彼女の演劇的なヴォーカルはベテランになるほどその味わいが映えるのかもしれません。
特に「Chao De Estrelas」、「Onde Estará O Meu Amor」、「Allez Y」、「Todos Os Lugares」、「Ave Maria」の味わいは格別です。コンテンポラリーなメロウ・ボッサ「Lua Vermelha」もいいですね。
ベテラン・シンガーならではの表現力を満喫してください。
全曲紹介しときやす。
「Ambar」
タイトル曲は現行MPBを代表する女性SSW、Adriana Calcanhottoの作品。Jaime Alemの素敵なクラシカル・ギターをバックにMariaがしみじみと歌い上げます。円熟シンガーの味わいが滲み出てくる感じがいいですね。
「Chao De Estrelas」
Orestes Barbosa/Silvio Caldas作。哀愁のメロディを情感たっぷりに歌います。ここでもMariaの歌に寄り添うJaime Alemのクラシカル・ギターが素晴らしいです。
https://www.youtube.com/watch?v=BfuRLGsyDYI
「Iluminada」
Jorge Portugal/Roberto Mendes作。ベルギーの世界的グループZap Mamaをフィーチャー。個性的でリズミックなヴォーカル・ワークで盛り上げてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=hTvCQYe0Pcs
「Onde Estará O Meu Amor」
1995年にデビューしたブラジル人SSW、Chico Cesarの作品。円熟したシンガーだからこその表現力で聴く者を魅了する感動的な仕上がり。Tony Morganのハーモニカもグッド。
https://www.youtube.com/watch?v=B2P1c7ghnjU
「Lua Vermelha」
Arnaldo Antunes/Carlinhos Brown作。
後にMarisa Monteも含めたスーパー・トリオTribalistasを結成する二人による楽曲。コンテンポラリーなアレンジのメロウ・ボッサです。オトナ・ボッサな感じがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=42AAwN_wWlk
「O Circo」
Antonio Cicero/Orlando Moraes作。美しいピアノとストリングスによるジャジー・バラード。歌と演奏に余裕と品格があるのがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=eG6L6vImKVg
「Invocacao」
Chico Cesar作。兄Caetano Velosoが見出したブラジルの女性シンガーVirginia Rodriguesをフィーチャー。独創的なVirginia Rodriguesのコーラスや土着的なリズムが織り成す独特な雰囲気の1曲に仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=I3JwCSN-Ym8
「Uns Versos」
Adriana Calcanhotto作。Mariaらしい表現力で魅せてくれる哀愁チューン。
https://www.youtube.com/watch?v=9I6CyiB4l1s
「Allez Y」
Carlinhos Brown作。ギターとチェロのみバッキングで、Mariaのしみじみと歌う円熟ヴォーカルを存分に満喫できます。
https://www.youtube.com/watch?v=vrJlHakaL4A
「Todos Os Lugares」
Suely Costa/Tite De Lemos作。Jotinhaのピアノとストリングスをバックに、Mariaが味わい深いヴォーカルを聴かせてくれる感動バラード。泣ける映画を観終わった後のような気持になります。
https://www.youtube.com/watch?v=mRlybeFvZpQ
「Quando Eu Penso Na Bahia」
Ary Barroso/Luiz Peixoto作。Chico Buarqueをフィーチャー。同年代の2人がリラックスしつつも年論を感じるヴォーカルで楽しませてくれます。華のあるレトロ感がいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=rMsEc0IXHTA
「Ave Maria」
Jayme Redondo/Vicente Paiva作。ここでのMariaのヴォーカルも感動的です。Victor Biglioneのギター、Michel Besslerのヴァイオリン・ソロも味わい深いです。
https://www.youtube.com/watch?v=4mFFhmEDeSI
「Eterno Em Mim」
兄Caetano Velosoの作品。Bill Brendleのピアノをバックに哀愁のメロディを素晴らしい表現で歌い上げます。ドラマティックのストリングスが盛り上げてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=7xeqd_ilt8A
「Brisa」
Manuel Bandeira/Paquito作。ラストはア・カペラで始まり、その後ギターの音色が重なるバイーア感のある雰囲気の演奏で締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=szH8cAidmXg
Maria Bethaniaの他作品もチェックを!
『Maria Bethania』(1965年)
Edu Lobo & Maria Bethania『Edu E Bethania』(1967年)
『Recital Na Boite Barroco』(1968年)
『Maria Bethania (1969)』(1969年)
『A Tua Presenca...』(1971年)
『Rosa dos Ventos』(1971年)
『Drama 3o Ato』(1973年)
『A Cena Muda』(1974年)
Chico Buarque & Maria Bethania『Chico Buarque & Maria Bethania Ao Vivo』(1975年)
『Passaro Proibido』(1976年)
『Passaro Da Manha』(1977年)
『Alibi』(1978年)
『Mel』(1979年)
『Talisma』(1980年)
『Alteza』(1981年)
『Ciclo』(1983年)
『Maria』(1988年)