発表年:1984年
ez的ジャンル:UKロック/ブルー・アイド・ソウル
気分は... :僕は支持します!
青春時代、お気に入りだったUKミュージシャンElvis Costelloの『Goodbye Cruel World』(1984年)です。
ロックの殿堂入りもしたElvis Costello(1954年ロンドン生まれ)について、これまで当ブログで紹介してきたのは以下の6枚。
『This Year's Model』(1978年)
『Get Happy!!』(1980年)
『Imperial Bedroom』(1982年)
『Blood & Chocolate』(1986年)
『Spike』(1989年)
Elvis Costello & The Roots『Wise Up Ghost』(2013年)
前回紹介したThe Rootsとのコラボ・アルバム『Wise Up Ghost』(2013年)は、企画もの的な要素もあったので、僕が夢中になった70〜80年代のCostello作品を紹介するのは10年以上ぶりになります。
Elvis Costello & The Attractions名義でリリースされた本作『Goodbye Cruel World』(1984年)は、前作『Punch the Clock』(1983年)と同じく、Madnessの諸作やDexys Midnight Runners 『Too-Rye-Ay』(1982年)を手掛けたClive Langer/Alan Winstanleyのプロデュース。
『Punch the Clock』(1983年)、『Goodbye Cruel World』(1984年)の2枚は、Costello本人が失敗作と公言していることもあって、すこぶる評判の悪いアルバムですね。
『Punch the Clock』(1983年)
僕は高校生・大学生のときに、この2枚をリアルタイムで聴いていましたが、当時はそれほど悪い評価ではなかった気がしますし、僕自身は今聴いてもどちらも好きです。
特に『Goodbye Cruel World』(1984年)は、リード・シングル「I Wanna Be Loved」のインパクトの大きさが印象に残っています。
アルバムにはDaryl Hall(Hall & Oates)、Green Gartside(Scritti Politti)といったゲストが参加しています。
レコーディングにはSteve Nieve(key)、Bruce Thomas(b)、Pete Thomas(ds)というThe Attractionsメンバーに加えて、Gary Barnacle(sax)、Jim Paterson(tb)、Luis Jardim(per)といったミュージシャンが参加しています。
目立つのはGreen Gartside参加の「I Wanna Be Loved」、Daryl Hall参加の「The Only Flame in Town」というブルー・アイド・ソウルなシングル2曲。この2曲の出来栄えが頭抜けています。
それ以外であれば、哀愁ブルー・アイド・ソウルな「Home Truth」、軽快なポップ・ロック「Room with No Number」、メロディアスな「Worthless Thing」、Roy Orbisonもカヴァーした「The Comedians」あたりがおススメです。
賛否両論のアルバムですが、あなたの評価はどっち?
全曲紹介しときやす。
「The Only Flame in Town」
本作を象徴するブルー・アイド・ソウルなオープニング。Daryl Hall(Hall & Oates)とのデュエットでも注目を集めたアルバムからの2ndシングル。USマーケットも意識したようなポップ・ソウルに仕上がっています。華やかなホーン・サウンドもいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=ugcURF7B_gw
「Home Truth」
哀愁ブルー・アイド・ソウルなミディアム。The Attractionsらしさを残したソウル・チューンに仕上がっているのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=6c2LZSD1O_w
「Room with No Number」
軽快なポップ・ロック。スピード感のなかにもヒネリが効いた感じがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=dg0XPZVQiso
「Inch By Inch」
Steve Nieveのオルガンの音色がいい味だしている哀愁のブルー・アイド・ソウル。寂しげな男の背中を感じます。
https://www.youtube.com/watch?v=xwr8HwQ6VmY
「Worthless Thing」
メロディアスなCostelloを満喫できる1曲。甘く切ない雰囲気がいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=rHvRCRP4MKo
「Love Field」
本作らしいシンセ使いが印象的なバラード。これはこれで悪くないと思います。
https://www.youtube.com/watch?v=R9QY8XdDkt8
「I Wanna Be Loved」
アルバムからのリード・シングル。Scritti PolittiのGreen Gartsideがヴォーカルで参加したことでも話題になりました。シカゴのR&BバンドTeacher's Edition、1973年のシングルB面曲のカヴァーです(Farnell Jenkins作)。シンセ・サウンドを前面に打ち出し、従来のCostello作品とは全く異なる表情を見せた本曲のインパクトは大でした。賛否両論あると思いますが、個人的にはシンセ・ポップでブルー・アイド・ソウルするCostelloをかなり好意的に受け入れていました。そこにScritti Polittiという刺激が加わったこともサイコーでした。
https://www.youtube.com/watch?v=UOdi7-vpRG4
「The Comedians」
Roy Orbisonの遺作アルバム『Mystery Girl』(1989年)でカヴァーされたことでも知られる曲。Roy OrbisonヴァージョンはCostelloがOrbisonのために改作したものです。Costelloらしいセンスの哀愁ポップに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=2RVrtn0gcPo
「Joe Porterhouse」
哀愁のポップ・ロック。悪くはありませんが、アルバムの流れのなかで少し損をしている気がします。
https://www.youtube.com/watch?v=5xTQXzVUyxA
「Sour Milk Cow Blues」
シニカルな雰囲気のロック・チューン。アルバムのいいアクセントになっています。
https://www.youtube.com/watch?v=b_yk1GoVMMY
「The Great Unknown」
CostelloとClive Langerの共作。Clive Langer/Alan Winstanleyならではのポップ・センスを感じる1曲に仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=XsSEKK7_jfg
「The Deportees Club」
軽快なビートでロックしている1曲。少し消化不良のCostelloやAttractionsメンバーのガス抜きのようです(笑)
https://www.youtube.com/watch?v=rf2RKMXjrMI
「Peace in Our Time」
『Punch the Clock』からのシングル「Pills And Soap」と同じくThe Imposter名義でシングル・リリースされたプロテスト・ソング。平和への祈りが伝わってきます。
https://www.youtube.com/watch?v=3Xwgm_O1jh0
Elvis Costelloの過去記事もご参照下さい。
『This Year's Model』(1978年)
『Get Happy!!』(1980年)
『Imperial Bedroom』(1982年)
『Blood & Chocolate』(1986年)
『Spike』(1989年)
Elvis Costello & The Roots『Wise Up Ghost』(2013年)