2021年05月25日

Banks『Goddess』

ゴシックR&Bなデビュー・アルバム☆Banks『Goddess』

発表年:2014年
ez的ジャンル:オルタナティヴR&B/ゴシックR&B
気分は... :ダーク&メランコリック!

今回はダークなオルタナティヴR&B作品、Banks『Goddess』(2014年)です。

Banks(本名:Jillian Rose Banks)は1988年カリフォルニア州オレンジカウンティ出身の女性シンガー・ソングライター。

大学で心理学を学びながら音楽を作り続け、2013年2月にデビュー・シングル「Before I Ever Met You」をリリース。

その後、EP「Fall Over」「London」のリリースで注目が高まり、2014年リリースのデビュー・アルバム『Goddess』は高い評価を得ました。

さらに2nd『The Altar』(2016年)、3rd『III』(2019年)という2枚のアルバムをリリースしています。

Lauryn HillFiona Appleから影響を受けたBanks

デビュー・アルバムとなる本作『Goddess』で聴けるダークなエレクトロニック・ビートと物憂いヴォーカルによる音世界は、"ゴシックR&B"とも形容されました。アルバムはUSアルバム・チャート第12位となっています。

Lil SilvaSOHNJamie WoonJustin ParkerTotally Enormous Extinct DinosaursAl ShuxといったUKのプロデューサーが多数起用されているのが本作の特徴です。

それ以外にShlohmoTim AndersonJesse RoggといったL.A.のプロデューサーも起用されています。

Lana Del ReyのR&B版といった声も多いですね。オルタナティヴR&Bという点では、Rhye『Woman』(2013年)に通じるものもあると思います。

今聴くと、Rhye『Woman』(2013年)あたりと並んで、その後のオルタナティヴR&Bの流れを予感させる1枚に仕上がっています。

決して明るくない、ダークなメランコリックな音世界は好き/嫌いが分かれるかもしれませんが、今の時代を反映している音世界に思えます。

僕の保有する国内盤は、ボーナス・トラックも含めて全19トラックとヴォリューミーですが、まずはシングルにもなった「Warm Water」「Brain」「Drowning」「Beggin For Thread」、Victoria's SecretのCMでも使われた「Waiting Game」、美しくも切ないタイトル曲「Goddess」あたりを聴けば、アルバムの雰囲気を掴めると思います。

たまにはダーク&メランコリックな音世界に浸るのもいいのでは?

全曲紹介しときやす。

「Alibi」
SOHNプロデュース。自分の心に潜むモンスターを歌ったオープニング。心の叫びとエレクトリックのダークな質感がフィットしています。
https://www.youtube.com/watch?v=OOp1MzVAqQ8

「Goddess」
Lil Silvaプロデュース。タイトル曲は美しくも切ない雰囲気のエレクトロニック・ビートが印象的なオルタナティヴR&Bに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=S98Q11zhS-g

「Waiting Game」
SOHNプロデュース。EP「London」収録曲であり、Victoria's SecretのCMでも使われました。彼女の作品が"ゴシックR&B"と呼ばれる理由が何となくわかるダークネスに満ちた1曲に仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=JCT_lgJ5eq8

「Brain」
Shlohmoプロデュース。アルバムからの2ndシングル。抑えていた感情が、重厚なエレクトロニック・サウンドと共に中盤に一気に吐き出されるような展開が印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=NL9T42SVnN0

「This Is What It Feels Like」
Lil Silva/Jamie Woonプロデュース。EP「London」収録曲。深い底まで落ちていくようなダウナーな音世界が展開されます。
https://www.youtube.com/watch?v=o4W4uNZfAOg

「You Should Know Where I'm Coming From」
Totally Enormous Extinct Dinosaurs/Justin Parker/Tim Andersonプロデュース。Lana Del Reyを手掛けるJustin Parkerの参加が興味深いですね。ピアノをバックにBanksが切々と歌い上げる哀愁バラード。
https://www.youtube.com/watch?v=BQDoIzNKVSY

「Stick」
Lil Silvaプロデュース。本作らしいエレクトロニック・ビートを楽しめる哀愁のダンサブル・チューン。
https://www.youtube.com/watch?v=BgYJyAvsvYs

「F*** Em Only We Know」
Totally Enormous Extinct Dinosaursプロデュース。放送禁止用語なタイトルですが、美しくも儚いムードのオルタナティヴR&Bに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=7oNpcKxwqVY

「Drowning」
Al Shux/Tim Andersonプロデュース。アルバムからの3rdシングル。レイヤー感のエレクトリック・サウンドが印象的な1曲。この雰囲気かなり好きです。
https://www.youtube.com/watch?v=HzGHgQBPyV0

「Beggin For Thread」
Jesse Rogg/Tim Andersonプロデュース。アルバムからの4thシングル。ダーク・トーンのダンサブル・チューンは本作の中ではかなりキャッチーな部類に入ります。
https://www.youtube.com/watch?v=Twix375Me4Q

「Change」
Tim Andersonプロデュース。EP「London」収録曲。オルタナティヴR&Bがお好きな人であれば気に入りそうな哀愁ラブソング。
https://www.youtube.com/watch?v=F0b8KA1drwI

「Someone New」
Tim Andersonプロデュース。本作の中では異色のアコースティック・ギターの質感が印象的です。優しさと脆さが伝わってくる切ないラブソングにグッときます。
https://www.youtube.com/watch?v=hBZ3k3rcoQs

「Warm Water」
Totally Enormous Extinct Dinosaursプロデュース。2013年に先行シングルとしてリリースされたトラック。浮遊するエレクトリック・サウンドと届かぬ思いを歌い上げるBanksの切ないヴォーカルのバランスがサイコーです。
https://www.youtube.com/watch?v=hYG3iIcZOkw

「Under The Table」
Totally Enormous Extinct Dinosaursプロデュース。本編のラストは切ないピアノ・バラード。本人曰く、本作で最も心の弱さが出た曲なのだとか。そんな弱さが伝わってきます。
https://www.youtube.com/watch?v=gpqEa9WYmwc

ここからはCDのボーナス・トラックです。

「And I Drove You Crazy」
Totally Enormous Extinct Dinosaursプロデュース。これも"ゴシックR&B"と称したくなるダークな美学のあるトラックに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=XWpw9XxWJmw

「Fall Over」
Jesse Roggプロデュース。EP「Fall Over」収録曲。抑えられない心も鼓動をエレクトロニック・ビートに託したダークなダンサブル・チューン。
https://www.youtube.com/watch?v=5g_S9Vzp9Hs

「Before I Ever Met You」
Jesse Roggプロデュース。EP「Fall Over」収録曲。トリップ・ホップの最新モデルとでも呼びたくなるダウナー・チューン。嫌いじゃないですこのサウンド。
https://www.youtube.com/watch?v=zzSQ67fhk6g

「Bedroom Wall」
Totally Enormous Extinct Dinosaursプロデュース。EP「London」収録曲。タイトルの通り、ベッドルーム・ミュージック的な仕上がりです。
https://www.youtube.com/watch?v=pLvoVotdneo

「Beggin For Thread (Bag Raiders Remix)」
国内盤独自のボーナス・トラック。「Beggin For Thread」のBag Raidersによるリミックス。エレクトリックなメリハリを楽しみましょう。
https://www.youtube.com/watch?v=F18FpmdJthI

Banksの他作品もチェックを!

『The Altar』(2016年)


『III』(2019年)
posted by ez at 01:39| Comment(0) | 2010年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする